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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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201.  骨(1997)
今のところココでの平均点が高いとは言えないこの作品が、そしてこの作家が、多くのシネフィルたち、あるいは映画作家たちから絶大なる賞賛を浴びていることをまず書いておきながら、やっぱり私も6点どまり。以前に驚きと戸惑いと共に見た『ヴァンダの部屋』(これも6点なんだけど)と比べれば実にドラマチックで物語だけでもじゅうぶんに面白いはずなんだけども、悔しいかなどうしても退屈なのである。画面に映っていない世界、つまりフレーム外を意識させる音の演出にしても『ヴァンダの部屋』の映されているものよりも映されていないもののほうがメインのような音の演出を先に体験してしまった者からすればなんだか物足りない。にしてもその筋では大絶賛の人。それなりの理由があるはずなのだ。むりに同調するつもりはないけども、退屈さを凌ぐ何かがあるような気もする。その何かを期待してペドロ・コスタをまた見たい。
[映画館(字幕)] 6点(2011-07-26 16:30:34)
202.  ツーリスト
まさか「監視」から始まるからってこの監督の名前が挙がったってことはないだろうが、ハリウッド映画とはあまりにかけ離れた『善き人のためのソナタ』の監督がなぜ選ばれたのだろうか。結果としてはハリウッドの監督よりもいい味が出てるかもしれない。巻き込まれ型サスペンスであり、その巻き込まれる人ジョニー・デップの登場が列車の中ということもあってヒッチコック映画を彷彿させたりもするのだが、それを置いておいても豪華に着飾るヒロインといい、そのヒロインに心底惚れた男がいるなんて設定がどこか一昔前のハリウッド映画を彷彿させる。この一昔前ってのが外国人監督ゆえの味付けなのかなと。それにしてもあのアンジーのメイクはなんなのでしょう。これも「一昔前」の演出なのでしょうか。それとも今の流行?ひたすら怖かったんですけど。あれでアップは勘弁。
[映画館(字幕)] 6点(2011-06-01 15:36:35)(良:1票)
203.  ベティの小さな秘密
原作がそうなのか脚色の自由を与えられた脚本がそうなのか、それとも監督がそのように撮ったのかどうか知らないが、どう見たって『ミツバチのささやき』のパクリではないか。否、リスペクトの表れだとして、『ミツバチのささやき』を想起させちゃうというのはこの作品にとってはマイナスでしかない。少女の孤独、絶望、そして成長があまりにわかりやすくそれぞれの事象でもって描かれてしまうその安易さがやたらと際立ってしょうがない。とは言うものの森の緑と少女の赤いコートのコントラストが印象的で、おとぎ話的な印象を持たせることにも成功しているその色使いは素晴らしかった。ベティ役の女の子もかわいい。
[映画館(字幕)] 6点(2011-05-16 17:18:15)
204.  アンチクライスト
最後に「タルコフスキーに捧ぐ」とあった。森が歪む映像なんかはソクーロフ(タルコフスキーが擁護した)を想起したんだけど、動物の使い方やオカルトチックな流れや何よりも森そのものから生まれるサスペンスなんていうのは確かにタルコフスキーの映画だ。しかし「神」が「悪魔」にとって変わっただけでタルコフスキー的なるものがトリアー的なるものへと変貌する。列車と催眠術は初期トリアーの定番アイテムだし、セラピーというアメリカ映画の定番を皮肉った展開にもトリアーの影を感じなくもない。ましてやアメリカ人俳優ウィレム・デフォーの災難ときたら・・。でもトリアーの映画の面白さは映画の可能性を提示しているところにあるのだと思っている私にとっては今回のはいまひとつな作品。今まで映画ではあまり見た記憶がない1シークェンス全てスーパースローモーションとか列車のシーンに見せたサブリミナルぎりぎりの映像とかも奇抜なれど新しくも面白くもない。それでも私にとっての十分な合格点に行き着いたのはラストシーンの壮大な画につきます。あれは凄い。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-18 15:55:26)(良:1票)
205.  パトリス・ルコントのDOGORA
前知識なしで見始めた途端に失敗したと思ったのだが、見るのをやめようと思いながらもやめれずに結局最後まで見ちゃった映画。とくに新しいとも面白いとも思わないんだけど、惹きつけるものはある。音楽と映像のコラボレーションも面白いのだが、漲る生活力とでも言おうか、生命力という響きから伝わるものよりももっと生々しいものを映し出した映像そのものこそがこの映画の最大の魅力だと思う。ずいぶん前に見たものなんだけど、たくさんの家族を乗せて走るバイクとか水辺を歩くシーンとかけっこう鮮明に覚えている。視覚的にも魅力的な画がたくさんあって、なにげない日常が美しく映し出されると、世界には「美」がいくらでもあるんだなんて思ったりもした。「世界」とか「人間」とか「生きる」ってこととか全肯定したくなる映画。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-13 13:50:18)
206.  ゴダール・ソシアリスム
画面いっぱいの海。画面いっぱいの波。玉虫色の船内カジノ。風が奏でるノイズ。エロおやじのような少年。あいかわらずのぶつ切り音楽。あいかわらずのパレスチナとホロコーストとピアノの音。あいかわらずの映画の引用。そしてなんのこっちゃなお話。前作『アワーミュージック』で「別格」であることをまざまざと見せ付けたゴダールであったが、今回私の中のその「別格」というハードルが仇となったのか、どうにもこうにも面白くなかった。見ているあいだじゅう、あまりのつまらなさに3点とかつけちゃおうかとも思ったのだが、いちいちハッとさせられる美しい映像に、或いはオオッとうならされる見たことのある画面にまたしてもしてやられるのだ。船の濡れた床の美しさにはびびった。
[映画館(字幕)] 6点(2011-04-11 15:06:10)
207.  オーケストラ! 《ネタバレ》 
よくあるサクセスストーリーの様相をしているがその根底には旧ソ連時代の政治的抑圧による悲劇がある。この暗部を喜劇の中にさりげなく潜りこませた巧さを評価するべきか。個人的には過去の悲劇性がもっと強くてもいいかなと思う。まあでも、そこで物語が大層になってもつまらないのでやっぱりいい塩梅なのか。全体的に駆け足感があって強引に終結しているように感じるが、その流れそのものでロシア人気質を表現しちゃうあたりも巧い。不快感露わのメラニー・ロランをジプシーバイオリニストが演奏一発で羨望の眼差しに変えるシーンがいい。それは映画ではなく音楽の力なんだろうけど。現在小さな楽団に所属するうちのヨメさんもこのシーンとラストの演奏だけを何度も見てる。ここまでくると映画ではなく音楽を聴いてるわけなんだけど。私も素人ながらにやっぱりいいなあと思うわけで、母親譲りの独特の音の出し方であることをわからせる演出があるけれども、それがなくてもなんとなく独特だよなと思わせる音楽そのものにやっぱり感動するわけです。
[DVD(字幕)] 6点(2011-02-23 16:48:17)
208.  パリ、18区、夜。 《ネタバレ》 
フランスが移民国家であることは、サッカー・フランス代表の顔ぶれを見れば一目瞭然なのだが、映画はそこから派生する諸問題を浮かび上がらせることができる。それを提示する意志のあるなしにかかわらず。レオス・カラックス『ポーラX』然り、ミッシェル・オスロ『アズールとアスマール』然り。そしてこの『パリ、18区、夜。』然り。こういった外国の社会問題を映画ファンは新聞から得れる情報以上のものを得ているんだから映画は侮れないのだ。といった話は置いといて、クレール・ドゥニ、彼女の映画はコレ以外だと『ネネットとボニ』『ガーゴイル』しか見ていないのだが、共通するものといえば「孤独」だろうか。主人公の女性はパリに着いたばかりでフランス語すら話せない。しかし何か問題を抱えているようには見えない。映画は連続殺人事件の犯人がアフリカ系移民であり、それゆえに問題を抱えていることを犯人の兄夫婦の諍いによって伝えている。しかし同じく移民である主人公は淡々とそのドラマにつかずはなれずにいるだけ。でもラストシーンで彼女はある行動を起こす。新たなる犯罪者誕生の瞬間である。そこに移民問題があるとは言ってない。しかし彼女が「孤独」だったのだと思い当たるのだった。この瞬間に立ち会うまでちょいと退屈かもしれんが。
[ビデオ(字幕)] 6点(2010-12-16 15:49:55)
209.  バーダー・マインホフ 理想の果てに
後にドイツ赤軍と呼ばれる組織の成り立ちと行く末が丁寧に描かれてゆく。さすがに全てを描ききるなんてことができるわけないので、初期主要メンバー3人の動向がメイン。テロは犯罪だから許してはいけない、と今なら言えるが、当時の社会を省みた場合、テロ行為は国家の作った法によって守られた合法的犯罪に抵抗する唯一の手段だったことがよくわかる。破壊行為は革命行為であり、そもそも体制批判なのだから体制の作り上げた法を遵守する必要がない。ベトナム戦争を発端とする反米デモと、暴力でそのデモを一掃した国家。この事件をきっかけとし、反ナチズムが反体制へと受け継がれる時代背景とリンクし極左組織が生まれてゆく必然が描かれる。そして体制をつぶすための破壊行為が、反体制であるがために抑止力を持ちえず、次第に犯罪行為そのものが目的となってゆく必然。ここまでの全体の流れが実にわかりやすく、面白い。ただ、肝心のメンバー逮捕に至るまでの体制側の描き方がブルーノ・ガンツの独り舞台であまりに短絡的に過ぎる。また逮捕後の展開が駆け足に描かれるのはしょうがないにしても組織の塀の中と外、どっちつかずの描き方も面白さを半減させているように思う。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-19 14:42:39)
210.  パリより愛をこめて 《ネタバレ》 
前半は面白くない。トラボルタの目的を達成するための徹底的な傍若無人ぶりはそれなりに楽しいのだが、どこにでもあるその辺の映画からもう一歩抜け出せない。シンプルなのはいいけど、何もかもがベタすぎる(ベタは狙いでもあるんだろうけど)。ところが傍若無人でもふと心を乱したりするのがこの手の映画なのだが、主人公宅にて躊躇なく友人女性を撃ち殺すその徹底を上回る徹底振りに俄然面白くなってくる。主人公をも置いてゆく早い展開もいい。スピード感溢れる演出が最も光っていたのがカーチェイスがこれから始まろうとするシーン。サイドミラーに猛追する車がぐいんと映し出された瞬間、心が躍った。手垢のついたものを寄せ集めたに過ぎないのだが、そのことをあえて前面に出してウリにしちゃってるところがコズルイというかウマイというか・・。
[映画館(字幕)] 6点(2010-10-12 13:31:11)
211.  ああ結婚 《ネタバレ》 
人生の苦汁が全部顔に出てますみたいなソフィア・ローレンが出てくる。なんだか重そうな雰囲気だ。時を遡り十代のうぶな彼女が出てくる。同じ人物とは思えない変化にびっくり。『昨日・今日・明日』の三変化も凄いけどこの年齢からくる変化に人生経験のあるなしを加味した変化がまじで凄い。男は女が好いていることをいいことに都合の良い女中のように扱い続ける。女は女で三人の子供のために男の金を当てにし続ける。どうしようもなくドロドロである。仮病を使って結婚とか、自分の子供はどの子か捜すところなんか、かなりコメディな様相を見せるんだけど、これとてドロドロの賜物なわけで。ところが突如ハッピーエンディングへ。なんだかんだいって心のずっと深いところで愛し合っていた、なんて、んなあほな、という納得しがたい展開なんだけど、マストロヤンニとソフィア・ローレンだもんでまあそれもありかと。いやほんと、この二人でないと無理でしょ、この展開。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-23 18:20:29)(良:1票)
212.  コレクションする女
今まで見たロメールの映画で唯一面白くないと思った作品だったのだが、ロメールが亡くなった際、録画しておいたビデオテープを引っ張り出し勝手に追悼鑑賞をしたのだが、そのとき選んだのがこれ。面白くなかったのは作品のせいではなく私のせい、などと思いたくもないがこれ以外の作品はどれもこれもめちゃくちゃに面白いもんだからあえてこれに再チャレンジ。だったがやはり退屈。恐ろしく美しい空の色とか窓の光とか透き通る水とかが挟まれてもやはり退屈。しかしそれも当然。主人公は退屈な休日を送ろうとしているのだから。あと、終わり方が『クレールの膝』同様に楽しかったが『クレールの膝』同様に主人公がいけ好かない。ただ二度目の鑑賞ゆえにこのいかにもロメールな、いかにも教訓話的なエンディングを知っているわけで、そのおかげでこのいけ好かない男に対する嫌悪感はずいぶんと薄れていたように思う。女の子は映画が進むにつれてどんどん可愛くなってゆく。二度目の鑑賞で主人公が振り回されるのも納得の可愛い笑顔を見てしまった。たぶんまた見ると思う。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-03 17:06:21)
213.  レスラー 《ネタバレ》 
オープニングに鳴り響くLAメタルの先鋒クワイエット・ライオットの「Metal Health」は主人公ランディの入場曲である。恋心を抱くストリップバーのダンサーと仕事を離れて街でビールを飲むその店で流れるのがLAメタルの真打ちラットの「Round and Round」! この名曲(でしょ?)を二人で歌い踊るのだ。そしてランディは言う。80年代は良かったと。ガンズ&ローゼズ、モトリークルー、デフ・レパードは良かった。90年代はクソだ!ニルヴァーナが出てきてぶち壊した!って・・(笑)。たしかにとりあえず頭振っときゃいいみたいな陽気なLAメタルと比べるとオルタナティブロックは辛気臭いってのも解からないではない。少なくとも実に単純明快な生き方をするランディには絶対合いそうにない。しかし時代は変わるのだ。時には時代に寄り添うことも、先を見据えることも大事。でもランディは変わらない。それがかっこいいからじゃない。そこに夢があるからでもない。ただ不器用で、それ以外の生き方ができないのだ。あまりに哀れな男が哀れなまま終わる。泣くしかないではないか。最後の試合での入場曲はガンズの「Sweet Child O’Mine」。LAメタルの時代の終焉をきらびやかに飾ったガンズとランディの最後の試合をだぶらせる。
[映画館(字幕)] 6点(2010-06-11 16:53:11)
214.  木と市長と文化会館/または七つの偶然 《ネタバレ》 
文化会館建設にまつわる意見交換であっても、ロメールのいつもの恋する男女のたわいなく、どうでもいいような内容の会話同様に、どうでもいい会話なのだった。ただし大人、しかも政治がからんでるのでいつも以上に理屈っぽい。こんなどうでもいい会話を延々と聞いていたってちっとも面白くない。ところがラストシーンでひっくり返される。子供によって。 <超ネタバレ注意> 小さな女の子が大人顔負けの政治的見解を述べる。文化会館よりもみんなが楽しめる公園を。みんなが歌いだす。笑顔で楽しそうに。このラスト数分にはまいった。全てはこのエンディングのための「フリ」だったのだ。ちょっと長かったけど。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-12 13:48:54)
215.  女優マルキーズ
ヨーロッパ絶対王政時代の性に対する価値観にはいつも呆気にとられるのだが、この作品のいいところはまずそのことを隠していないこと。そのうえで今の価値観を差し込んでいないところ。つまり夫以外の男と寝ることについて相手がためらったり自身が葛藤したりといったことがなく、実に普通のこととして描かれているということ。もちろんそれは意図的にされていて、時代考証にはそれなりに気を使っているように思った。いきなりストーリーとは関係の無いご婦人たちの排尿シーンがあったり、意味も無く太陽王の排便方法がなにげに映されたりするのも時代考証をちゃんとしてますよということなんだと思う。マルキーズがどう見てもつり合わない太った旦那を心底愛しているという描写が現代の観客に安心感を与えている。性に対する価値観と異なり愛に対する価値観は普遍ということでしょうか。ストーリーは伝記ものにありがちな大雑把なあらすじの連なりでしかないのだが、話題豊富なルイ14世の時代におけるアレコレを完全封印し、あくまでマルキーズ周辺の出来事に徹しているだけでも良しとしたい。ソフィー・マルソーも女優として最も輝いていた時期だったんじゃないだろうか。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-12-04 15:48:23)
216.  続・黄金の七人/レインボー作戦
1作目が傑作で続編はいまひとつというのが一般的評価なのだろうが、私は1作目よりもこの続編のほうが好きかも。バカバカしくって。元来1作目だってけっこうバカバカしいはずなのに妙に落ち着いているというか大人びているというか。比べて続編の弾けっぷりときたら。話がワールドワイドな展開になってたり大袈裟な銃撃戦があったりと調子こいてるなってのが笑えるというか、ある意味で続編らしい続編だなと。さらに続編にありがちな「縛り」を感じないのもいい。弾けすぎたための破綻を恐れていない。何よりも嬉しいのが1作目の一番の見所でもあったロッサナ・ポデスタのコスプレがさらにパワーアップしているところ。小悪魔ぶりもパワーアップしている。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-30 16:00:38)
217.  サン・ジャックへの道
コメディとリアルヒューマンドラマの融合具合が絶妙で、個人的にはもうちょっとコメディよりにしてもいいのにと思うところもあるんだけどおそらくはこれがちょうどいい塩梅なんだ。やり過ぎると面白くなくなる。三人兄妹のキャラクターがハッキリしすぎの面もあるけどここもあまりリアルにしすぎると退屈になっちゃうからこれでいいのだろう。体力的に過酷な長旅を共にする面々が徐々に打ち解けてゆく展開はベタベタなんだけど、こういう旅って絶対そうなるんだろうなあという説得力があるから気にはならない。女教師が「教える」という本業に目覚めるクダリは感動的ですらあった。キリスト教の聖地巡礼の旅を描いているのに、願い事を大幅に改ざんするシスターや露骨な人種差別、宗教差別をする神父とか出てくるあたりを見ると、「1500キロ(ほとんど本州縦断!)を歩く旅」がいいのであってキリスト教自体はむしろ否定的にとらえられているようだが、その描き方も深刻ぶっていないのが好感が持てる。物足りなさもあるんだけど気持ちのいい映画です。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-10 14:47:51)
218.  DEMONLOVER デーモンラヴァー 《ネタバレ》 
アサイヤスとの出会いは『レディ・アサシン』というまるでアメリカのB級アクションのようなタイトルの映画だったのだがこれが凄かった。それよりも5年も前に製作された『DEMONLOVER デーモンラヴァー』をさらなる期待を持って見てしまったために衝撃を受けるまでには至らなかったが、それでも短いカットでも計算しつくされているのだろうと思わせるカメラの動きに見惚れ、かと思うと緊張が画面にへばりついたような長いワンシーンにぞくぞくさせられた。ソニックユースが作り出すノイズミュージックも緊張を煽る。産業スパイというどこか作り話的なものがビジネスの世界という現実的描写で描かれる前半から一気に映画が動くのが「人が死ぬ」シーンだ。その唐突さがいい。突如として転がり込む「死」のどこか虚構じみた感覚が怖い。勿体無いのがそこから先が長いこと。長いとまた形勢逆転という展開を期待してしまうのだが、それがないから後味悪し。
[DVD(字幕)] 6点(2009-08-20 18:00:58)
219.  バルタザールどこへ行く
ロバの憂いをおびた瞳が印象的。もちろんロバが演技をしているのではなくそう見えるようにしているのだ。これが演出というもの。ロバの歩く足元のアップが映される。道を変え、速度を変え、足が太くなり、、と次々とロバの歩く足元のアップが映される。冒頭シーンから数年後に舞台が移ったこととその数年の時間の重さを言葉以上に知らしめる。プロの俳優を嫌うブレッソンの映画をきっかけにこの世界に入った女優の一人で、後にゴダールのミューズとなるアンヌ・ヴィアゼムスキーの初々しさと初々しいからこそのエロスが淡々とした画面に潤いを与え、また全裸に剥かれた姿がいっそう痛々しく映される。と、ここまでは絶賛。例えばロバをこき使うという行動、女を手篭めにするという行動、金を盗むという行動こそを映像に置き換えるのがブレッソンの映画であって物語を映像に置き換えるものではないというのはよく解かるが、その物語がシンプルならそれでもいいのだが、これはちょっと散漫にすぎないか。よくわからない箇所がちらほらとあって困った。もちろん私の理解力にも問題があるのだろうが。父親の訴訟のいざこざも3度見てやっと(それでも漠然と)わかった。人殺し呼ばわりされてた酔っ払いのおっさんはいまだによくわからん。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2009-05-20 17:56:52)
220.  ナインスゲート 《ネタバレ》 
世間が言うほどつまらなくはなく、むしろ面白かったのだが何か物足りない気もしてしまうのは「悪魔崇拝」が描かれたポランスキーのオカルト映画というところでどうしても『ローズマリーの赤ちゃん』を想起してしまうからだけではなさそうだ。主人公は本に携わった仕事をしているが本を愛しているわけではなさそうで(貴重な古書をタバコを吸いながら触りまくる)、金で動くいわゆる商売優先の人。こう書くと悪魔に魅入られる人間という気もしないでもないが、正義の人ではないけどどこか憎めないキャラは彼が演じた某海賊映画の船長をこじんまりとした感じに似ていなくもなく、だからこそ面白かったわけでもあるが、結末がああなるとちょっと愛嬌がありすぎるような気もしないでもない。『ローズマリーの赤ちゃん』や『テナント』や『反撥』のような妄想がなく、オカルトを現実の世界のものとして描く。だからあの女はバイクにも乗り怪我もしセックスもする。何度も言うがだから面白い。でもやっぱり何か足りない。何かはたぶん「狂気」。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-17 14:15:55)
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