Menu
 > レビュワー
 > とらや さんの口コミ一覧。12ページ目
とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : フランス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617
投稿日付順1234567891011121314151617
変更日付順1234567891011121314151617
>> カレンダー表示
>> 通常表示
221.  シシリアン(1969)
ジャン・ギャバン、リノ・ヴァンチュラ、アラン・ドロンというフランスの三大スターの豪華共演。監督は以前にもギャバンとドロンの共演作「地下室のメロディー」を撮っているアンリ・ヴェルヌイユに脚本には実生活でも元ギャングであったという過去を持つジョゼ・ジョヴァンニまでが名を連ねる。フレンチ・フィルムノワールのドリームチームとでも言うべき顔触れが揃った作品。  しかし、まずは冒頭で2つほど何で?と思うことが。1つは皆が英語を話している点。もう1つはエンニオ・モリコーネの音楽で「へ!?」と思わされることは珍しいですが、多くの方が既に触れられている通り、”ボヨ~ン♪”という脱力系の音楽が流れる度に緊張感が削がれる・・・。  そして宝石強奪までが非常に長く、その割には犯行自体には大したアクシデントも無く、犯行の下準備の描写なども非常にあっさりしている。追うヴァンチュラと追われるドロンの攻防戦も挟まれるので仕方が無いところでしょうか。  ですがこれだけのキャストが揃った作品、一つ一つのシーンはやはり見応えがありました。特に宝石強奪以降ラストまでの、三大スターの存在感もバッチリ出た最後のひと波乱のドラマの展開は見事でした。
[DVD(字幕)] 6点(2011-06-20 22:51:42)
222.  ヘッドライト
寝る間もなく暗闇の中を走り続ける長距離トラックのドライバー。希望も安らぎも無い好転しない日々を生きる中年男の悲哀。そんな男が出会う薄幸の女。彼女もまた安らぎの無い日々を生きていた。  冒頭、暗闇の中を眠気をこらえて運転するジャン。ヘッドライトに照らされてぼんやりと見えてくる路傍の看板。まるで先に希望の見えない日々を生きる登場人物の日々のようでもある。  冒頭から結末まで虚しさが支配する映画は好みではないですが、妻だけでなく、娘とも関係が冷え切っている中年男ジャンと家庭に恵まれず父がいない若い女性クロ。こんな2人の日常描写から抑え気味の台詞の中にも一見釣り合わない父と娘ほど年の離れた男と女が互いを必要とし、安らぎを求め合う思いが伝わってくるギャバンとアルヌールの2人の姿が印象に残る作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2011-06-19 00:07:52)(良:1票)
223.  リスボン特急
不必要な台詞を極力排し、いや、ひょっとしたら必要な台詞すら排しているのかも知れません。しかし目配せや、時には静かに見つめあい、時には睨み合う目が凄く印象的な作品。それで伝わってくるものもある。非常に地味な演出ですが、見事にそれに応えるキャストの静かな好演が素晴らしい。この雰囲気のままラストを迎えますが、アラン・ドロンの様々な思いが入り混じったように見える無表情とその目がまた印象に残ります。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-13 21:06:48)
224.  トト・ザ・ヒーロー 《ネタバレ》 
冒頭のトマ老人の「私の人生は何も無かった」という語り。そう思い込んで生きてきた男の生涯の重苦しい回想でありながらもユーモアのある語り口、陽気な人生讃歌”ブン”の使い方も素晴らしい。  終盤まで自分の人生は何も無かったと思い込んでいたトマ老人がトラックをヒッチハイクする。ドライバーが口笛を吹いていた曲は”ブン”。一台のトラックが追い越していく。そこに大好きだった父と姉がピアノとトランペットで”ブン”を演奏する様子が鮮やかに蘇る。その時のトマ老人の表情と「ずっと君の事が羨ましかった」という思いもよらない告白のシーンが印象に残る。また、青年時代に出会ったある女性との再会を用意したあたりに本作の優しさが感じられます。  不幸な思い込みに心を支配されて生きてきた彼が人生の最終盤でようやく己の人生と正対した。ラストで彼は憧れていたシボレーに乗り飛行機で空を飛ぶ。ずっと彼の笑い声が聞こえている。その姿は見えないけれど、彼の笑顔が目に浮かんでくるようでした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-05-10 19:07:08)
225.  さらば友よ 《ネタバレ》 
クールでもあり男臭くもある、男2人の友情ものの快作。この映画、アラン・ドロンとブロンソンの2人だからここまで印象に残る映画になったのかもしれません。特に地下に閉じ込められている間は密室での2人を延々と見せる。この間は音楽も使われず演出も地味ですが、2人の持ち味が存分に出ているので退屈することもなく楽しめる。脱出以降は一転して展開が変わり事件の真相の謎解きと警察との攻防戦、男気のある友情が描かれ、作品としての抑揚もいい。冒頭からずっと、いがみ合い続けていた2人に友情が芽生える過程が物足りなかったり、謎解きとしては登場する2人の女が裏でつながってるんだろうという分かりやすい部分もありますが、(あのブリジット・フォッセーが出ていたとは・・・。しかもこんな役で。)そんなことよりもこの2人の魅力が勝る作品です。特にラストの煙草、そして「イエー!」は何度見てもシビれる名シーンです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-30 15:38:57)(良:1票)
226.  華麗なる対決
BBvsCC、何とも豪華な2人のセクシー女優の共演で邦題通りの何とも華麗なる対決でした。(終盤の大ゲンカは華麗なんて言ってられない迫力ですが)ひたすら軽~くてご陽気な、ヨーロピアン・ウエスタン・コメディ。巨匠フランシス・レイの軽快な音楽もいい感じで作品を盛り上げます。美しさと強さを兼ね備えた女たちに圧倒されまくる頼りない男たちも可笑しく、中でもちょっとはしっかりしろよ、と言いたくなるほどマヌケな保安官がお笑い担当でいい味を出していました。お色気の方は控え目ながらも彼女たちの衣装も見所の1つです。 
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-04-26 22:28:19)
227.  ソウル・キッチン
ソウルキッチンという食堂を営む主人公の男と、店に関わる人々をコミカルに描いた作品。主人公の男は不器用ながらもまともなのですが、あとがおかしな奴らばかり。ムショ帰りの兄貴と得体の知れない兄貴の悪友に、キレると包丁を投げつけてくるちょっとイカれた、しかし腕は確かな孤高の料理人に、ソウルキッチンに住んでいる?謎のジイさんに、同級生の最後はマヌケな悪徳不動産屋など、見事にヘンな連中揃いなのですが、それぞれに憎めないものがある。結構強引な展開もあるし、途中は一体何の店なんだ?なんてツッコミを入れたくなる時間帯もあったのですが、作品自体にも何か憎めないものがあるし退屈させない勢いもありました。店を取り戻す競売もかなり強引でしたが、人生、上手くいかない時期もあるけれど生きがいを失わず頑張っていればまたいいことがあるさ。最後はそんなことを感じさせてくれました。
[映画館(字幕)] 5点(2011-03-25 22:39:35)
228.  殿方ご免遊ばせ
これはもう完全にブリジット・バルドーを見るための映画であり、完全にその為に作られたような映画ですね。それは彼女の名前がそのまま役名になっていることを見ても明らかではないか。さらにバスタオル1枚の姿、鏡の前で踊る姿などは彼女を魅せるために用意されたシーンであります。本作でも彼女は勿論セクシーなのですが、同時に可愛いんですよ。お話の方はありがちな、おバカラブコメといったところですが、ブリジットがいい具合に弾けていて見事なコメディエンヌぶりです。ブリジットと殿下、2人が交互にくしゃみをして、ブリジットのアップで締めるラストも楽しくて粋だ。という訳でこれでもかと言うほど詰め込まれたブリジットの魅力を存分に堪能させていただきました。ありがとう、BB!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-03-24 00:07:17)
229.  暗黒街のふたり 《ネタバレ》 
ジャン・ギャバン演じる老いた保護司とアラン・ドロン演じる本気で更正を目指しもがき続けるムショ帰りの男のドラマ。しかし冒頭のジャン・ギャバンの語りが・・・。特に今もフランスに2つ存在する、”ある物”についてまで語ってしまうので、一旦犯罪組織に関わってしまった者の更正の困難さや後味の悪い結末を確実に予感させるし実際にその通りに話が進んでいきます。あまりにもひどい警察と裁判の描写も気になるところですが、監督・脚本のジョゼ・ジョヴァンニはかつては実際にギャングに加わり、死刑判決を受け、その後恩赦になったというあまりにも波乱万丈な過去を持つ人だけに、ジョバンニの他の作品もそうですが、本作でもそんな彼の特異な過去が色濃く現われています。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-03-17 21:22:01)
230.  バティニョールおじさん
主人公のパリで精肉店を営むごく普通のバティニョールおじさんを通して、反ナチス組織でも何でもないけれど、関わることになってしまったユダヤ人を匿い、命を救いたいと奔走したナチス占領下のパリ市民が描かれる。  その一方で平気な顔で市民生活の中に入っていたナチスや密告屋の存在も描かれ、前半のバティニョールおじさんのように自身の心情とは裏腹にナチスに協力的な姿勢を演じざるを得なかった当時の多くのパリ市民が置かれた状況も伝わってきます。  重さや涙を誘う演出は控えられ軽いタッチで作られた作品ですが、ユダヤ人の子どもを匿って以降のおじさんの行動、ユーモアのあるおじさんと子ども達の触れ合いからは優しさや人情が感じられ、そんなバティニョールおじさんを演じるジェラール・ジュニョの持ち味がとてもよく出ている作品です。
[DVD(吹替)] 7点(2011-03-06 17:33:09)(良:1票)
231.  地下室のメロディー
アラン・ドロン生誕75周年記念特集で劇場にての初鑑賞となりました。(と、言うものの実は僕はジャン・ギャバンがお目当てだったのですが…)クールという言葉がピッタリくる音楽に演出。ルイ・マルの「死刑台のエレベーター」を思い出します。  アラン・ドロンが現場に先に乗り込み、ジャン・ギャバンが後で合流するまでの間はちょっと中だるみ気味に感じられますが、作戦決行と、ラストの緊迫感は見事です。  考えてみれば犯行現場のすぐ横のプールで盗んだ金の引渡しなんて有り得ないとは思いますが、このプールサイドのラストはやはり本作の一番の見せ場だったと思います。聞こえてくる刑事と被害者の会話(被害者がチラリと見たジャン・ギャバンの特徴とアラン・ドロンが持っていた鞄の特徴の話)とその時の新聞で顔を隠すジャン・ギャバンと鞄を隠し持つアラン・ドロンと刑事を交互に見せる、その見せ方が見事でした。  常に冷静沈着で大物感を漂わせるジャン・ギャバンの圧倒的存在感、それと比較すると小物感を出しながらもやはりカッコいいアラン・ドロンの二大スターの見事な共演でした。あとは犯行チームの最後の一人、基本的には犯罪に縁が無い善人の義兄にもう少しアクシデント誘発要員として役割を与えても良かったんじゃないかとも思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2011-02-25 14:38:10)
232.  エリックを探して 《ネタバレ》 
予告編を観て以来ずっと気になっていた作品。予告編を見る限りでは何だか普通のコメディ。ここまでなら気にならないのですが、監督がケン・ローチであることに凄く興味が沸いたのです。  やっと見る事ができたのですが、最後の四の五の言わせない勢いで突っ走ってしまうカントナ作戦まで、自らの人生を「クソ人生」と表現した主人公のおじさんの家族の再生、自らの人生の再生を周りの愛べき仲間達と共にあたたかく描いた作品です。  主人公のおじさんも息子達もそれぞれの事情で少し人生の道に迷っている。そんな困っている友人のために仲間が一致団結して助け合い、悪い連中をこれでもかとコテンパンにやっつける。実に単純で分かりやすい。友情とか人情とか、こういう映画に弱い自分を再認識。  それにしても主人公にしか姿が見えないエリック・カントナは何だったのか。(本作で初めて知ったのですがエリック・カントナ自体は実在するイギリスのサッカーの英雄なんですね。)誰の心の中にも必ず自分にとってのヒーローがいるはず。そんな自分のヒーローを見るたびに励まされ、勇気や元気を貰う。人それぞれの心の中にいる自分だけのヒーローであり勇気の源の象徴だったのかな。  本作も主人公を初めサッカーの事となるとやたらと熱くなる仲間達も、これまでもケン・ローチが見つめてきた自らの祖国イギリスの庶民、労働者階級の人々が主人公の作品でした。いつもとはガラリと味付けが変わっていますが、イギリスへの愛情を一杯感じる(ローチさんもサッカーのこととなると熱くなるのかな)本作もやはりケン・ローチの映画なんだなと感じました。
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-07 22:37:40)
233.  しあわせの雨傘 《ネタバレ》 
昨年暮れからカトリーヌ・ドヌーヴ主演作の公開が続き、さらに本作はジェラール・ドパルデューとの共演!というのも嬉しい限りです。  専業主婦だった社長夫人の女性が社会進出を果たしていくというストーリーですが、途中は人間関係がドロドロしながらもトントン拍子で工場の経営が軌道に乗り、トントン拍子で政界進出を果たす。 人間関係は色々ありますが工場経営や政界進出の過程があまりにもサクサクと進みラストまでトントン拍子過ぎ!な作品でもありました。  「8人の女たち」に続きオゾン監督とドヌーヴが組んだ作品であり、ドヌーヴに傘に所々で見せる色の配置の中には「シェルブールの雨傘」を連想させてくれます。この2作のようにミュージカルではないもののドヌーヴとドパルデューがダンスするシーンが良かったし、音楽の使い方もとても巧い作品でした。  しかし本作で一番気になったのは久々に見たドパルデュー。ちょっとはダイエットしなきゃダメですよ!ドパルデューさん!お腹やお顔と一緒に自慢の?お鼻まで大きくなってないですか!?
[映画館(字幕)] 6点(2011-01-25 21:43:13)
234.  永遠<とわ>の語らい
前半の人間の文明の歴史を巡る旅と、後半の多国籍の人々による多言語が飛び交うディナーという2部構成のようになっており、まずは前半のポルトガル人女性が小さな娘を連れての人間の文明史を巡る旅。寄港地ごとに母が娘にその土地で過去に何があったかをわかりやすく教えていく。本作に登場するれポルトガル人はこの母と娘だけであり、オリヴェイラ監督が観る者に人間とは、文明の歴史とは何かを訴えかけているようです。この旅に込められたオリヴェイラ監督のメッセージが全て理解できたとは思いませんが、この旅を通して古代から中世、現代に至るまで、文明の歴史は争いを抜きには語ない事に気付かされます。後半のディナーの中でカトリーヌ・ドヌーヴの、文明とは悲しき人間の歴史だ、という台詞があった。そして悲しき人間の歴史は繰り返され続け、いつ誰がどこで突然テロに巻き込まれてもおかしくない現代に至る。その衝撃のラストが鑑賞後もずっと心に突き刺さっています。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-23 20:16:40)
235.  地下鉄のザジ
何なんだこれは・・・?ポップで、何ともシュールな摩訶不思議ワールド。中盤以降はひたすらドタバタで最後はムチャクチャ、ストーリー性や辻褄などは度返しして、凝った編集を多用したその場のギャグや雰囲気を楽しむ映画なのでしょう。台詞も無く早送りやキャストのオーバーな動きだけで見せるシーンはサイレントの映画でも見ているような感覚でもありました。理解不能な部分もありますが嫌いな雰囲気でも無い。一言で言えば面白かったということになるのかな?そう思わされる勢いは確かにある、高得点の方の気持ちも低得点の方の気持ちも分かる世界でした。 
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-12 20:12:22)(良:1票)
236.  人生万歳! 《ネタバレ》 
見てよかった、と納得のウディ・アレンらしい映画でした。自らが演じアレン映画に何度も登場した○○恐怖症の男といった役どころ。本作の主人公の男も人間嫌いの暗闇恐怖症の頑固爺さんといったところか。  監督・脚本・主演の3役をこなすのがアレン流スタイルだったものの、近年はさすがに映画には出なくなってきましたが、本作はちょっと違うキャラクターになっていただろうけれど、アレン自らに演じてほしい役どころでした。  最初は一人暮らしのこの男のアパートに宿無し文無し娘が転がり込んできて、この2人のロマンスかと思って見始めましたが、中盤以降は老若男女、様々な人物が二人の前に現れる。そこに無駄な登場人物は全く無く、気が付けば現れた全ての人物が絶妙に絡み合って様々な愛のカタチを織り成す群像劇へと話が発展していく、その語り口が見事な一編でした。  主人公の男が見ている僕達の方に向かって何度もスクリーンを通して語りかけてきますが、このアレン流人生に対する前向きなメッセージも実に気分良く楽しむことが出来る作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-07 21:12:22)
237.  クリスマス・ストーリー 《ネタバレ》 
クリスマスに合わせて公開され楽しみにしていた作品でしたが、大晦日にようやく鑑賞。期待通り重厚で見応えのあるホームドラマでした。家族の相関図がちょっと複雑なのですが、その複雑なそれぞれの関係がしっかり物語の中で生きています。  母親の白血病の治療のため骨髄移植が必要になり、久々にクリスマスに合わせて顔を揃えた家族のクリスマス前後の数日の人間模様が、過去、そして現在の家族それぞれの様々な事情を交えながら描かれていきます。  一見どこにでもありそうな家族。しかしこの世の全ての家族に何かしらの事情がありドラマがあり、それを大げさになりすぎず見事に普通に表現し、味わいのある家族の絆の物語を見せてくれた豪華キャストそれぞれの演技も見応え十分。特に数年前にある事情で家族と疎遠になっていたアンリの存在が効いており、一家の問題児的存在であった彼の骨髄が母に移植されていくシーンが感動的でした。「血は水よりも濃い」という諺を思い出しました。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-31 18:36:07)
238.  みんな元気(1990) 《ネタバレ》 
観る前はもっとコメディ色が強いと思っていた。一方でトルナトーレ監督が普通にコメディは撮らないだろうとも思っていましたが、やはり本作もトルナトーレらしく人生のホロ苦さ、厳しさを見せ、本土に暮らす子ども達を訪ねる一人旅をする孤独なシチリアの老人の姿が哀しい作品でした。  特に列車の中で家族写真を落とす度に拾ってくれた人に延々と家族自慢を繰り広げていた彼が旅を終えて帰郷する最後の車中では実にそっけない受け応えをするシーンは辛いものがあります。今では子ども達は大人になりそれぞれに悩みや事情を抱え、妻もこの世を去っていますが、いつまでも昔の家族の姿を見続ける姿、子ども達は何の問題も無くみんな元気だと妻の墓前に報告するその姿は哀しかった。  その一方、冒頭で「親は子どもが小さい時には早く大人になれと言い、大人になるとずっと子どもでいてほしいと思う」というこの老人の台詞がありましたが、どれだけ年月が経ち状況が変わろうとも我が子を愛し誇りに思う気持ちが伝わってくるし、昔から変わらない一家の合図である口笛には何があろうともやっぱり家族なんだ、と感じさせてくれました。
[ビデオ(字幕)] 7点(2010-12-23 17:11:22)
239.  シチリア!シチリア! 《ネタバレ》 
トルナトーレ監督が久しぶりに故郷シチリアに帰ってきた。勿論盟友エンニオ・モリコーネも一緒だ。本作でも凄い音楽で作品を盛り上げます。本作もトルナトーレの代表作と同様に彼の故郷シチリアを愛する思いを非常に強く感じる作品でした。  主人公の男がいて、彼の少年時代である戦争中から戦後、そして初老に差し掛かるまでを一気に見せる叙事詩であり、この男が話の軸になっています。  しかし貧しくとも明るく生きる名も無き庶民が暮らす小さな町ヴァーリアそのものが主人公であるかのようなドラマとして楽しんだ。町を駆け抜ける少年が空に舞い上がり作品の舞台となる町全体を見せるダイナミックな冒頭に続き、戦争中のファシストの支配にも負けず明るく生きる戦争中のヴァーリアの人間模様も、戦後のマフィアや政治と人々との関わりもユーモアもたっぷり交え描かれます。  そんなヴァーリアの町を捉える素晴らしいカメラワークにモリコーネの音楽にトルナトーレの故郷への思いが一体になり見せる町のどのシーンもとても美しく迫力がある作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-22 22:06:36)(良:2票)
240.  ボーイズ・オン・ザ・サイド
それぞれの女性の抱えている過去や事情は重いけれど懸命に生きていこうとしている。そこに描かれる3人の女たちの友情の物語。これもハーバート・ロス監督らしい映画です。「マグノリアの花たち」なんかでも感じることですが、女たちが頑張っているロス監督の映画の中で控え目に登場する男の存在もいいですね。話が進むにしたがって重い展開になりますが、これも控え目に挿入される音楽(特に終盤のウーピーの歌!!)やユーモアもとても効果的です。重い事情が描かれますが人生に対する前向きな思いを感じさせてくれる映画です。 
[DVD(吹替)] 7点(2010-12-19 20:57:45)(良:2票)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS