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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

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21.  ラルジャン
冒頭に映されるのはいかにも現代的な裕福な家庭。ごく普通の家庭の普通の会話が少しだけ映される。しかしその「普通」の中に、そしてその「少し」の中に、息子の甘え、親の無関心、責任のなすり合いといった醜悪なものを凝縮させている。この一見「普通」でありながら実は「醜悪」なものはこの後も延々と映され続ける。これが現代社会なのだ。ブレッソンは「醜悪」なものをけして大袈裟に映像化しない。「普通」の中にあるものを巧みに見せてゆく。『少女ムシェット』で少女が何かに怒っているように『ラルジャン』の青年もまた何かに怒っている。「何か」とは社会に他ならず。が「何か」はあまりに大きく、且つ漠然としているためにその怒りもまた矛先を持ち得ない。弱者は殺人者になるか死ぬか。強い者のために弱い者が虐げられ、強い者のために弱い者が作り出される社会。ブレッソン思想、ここに極まり。それでいてブレッソンが早くから確立させていたモンタージュの完璧さと「手」「足」「扉」に代表される印がこの作品を「ブレッソンの映画」たらしめている。「ブレッソンの映画」とは最高級ブランドである。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-22 16:15:07)(良:1票)
22.  少女ムシェット 《ネタバレ》 
貧しいことがまるで罪だと言わんばかりの世間の目。大人が課した少女の過酷な人生は、仮に小さな幸せが訪れたとしても不幸という大きな波にさらわれてしまう。野鳥が罠にかかってもがく。誰かが罠から外すという奇跡が訪れないかぎりこの野鳥の行く末はもう決まっている。どんなに抗おうとも無駄。弱い者の定め。どこかに少女の人生が好転する機会があっただろうかと再見してもやはり見当たらない。少女の人生は少女以外の罪深い大人たちと大人たちの作った社会によって決められているのだ。そのことを実に簡潔にして深く描いている。しかも少女の行動を通してのみで。少女は最後の最後に運命を捻じ曲げる。いや、ここでも彼女は自らの意思での行動を拒否しているのかもしれない。高いところから低いところへ転がるという現象に身を任せる。転がることにけして抵抗はしまい。これは運命なのだ。そう思って転がっているのだとしたら、キッツイなあ。映画はこの悲しい転がりを美しく映してしまう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-21 15:41:46)
23.  アタラント号 《ネタバレ》 
ロマンチックな船の新居も狭い船内での長旅とその新居のはずの船に猫と共に大きな顔をした先人がいることにちょっと苛立つ新妻の気持ちがよくわかる。憧れのパリを徘徊したいというのもよくわかる。そんな新妻をパリに解き放ちたくない若い夫の気持ちもよくわかる。よくわかるようにウキウキし、イライラし、といった二人の感情の起伏の元が丁寧に描かれている。妻をパリにおいてゆく夫の怒りもよーくわかる。私も新婚旅行で喧嘩してラスベガスをまわるバスにふて寝している妻を置いてけぼりにしたことがあったりする(その節はごめんなさい)。それでも映画はけして暗くはならず、深刻ぶらずにいる。ベタなハッピーエンドに向かうことを確信しながら緩やかな川の流れのような映画の世界に身を任せる。身を任せられる映画というのは傑作なのだと思う。乱闘シーンですらどこか陽気な雰囲気が漂う。まるでジョン・フォードの映画のように。若い二人の純粋すぎるキャラクターだけなら映画は停滞してゆくのだろうが、アナーキーな老水夫が笑いを伴いながら抜群のテンポを作っている。ベタなお話に素直に感動できるのも、この老水夫が時々ベタさをぶっ壊しているからかもしれない。至福の映画です。
[映画館(字幕)] 8点(2009-01-19 16:25:49)
24.  カルメンという名の女
ひとつの画を記憶に残させるためにゴダールは様々な工夫を凝らす。この作品では音楽を使う。ベートーベンの弦楽四重奏で彩られる映像。突然音が消え、波の映像や列車の交錯する映像を挟んでからまたベートーベンに戻る。なんの変哲もないこれらの映像が脳裏にこびりつく。これが所謂ソニマージュの効果であろう。男が疎外感を味わうシーンでずっとベートーベンだった音楽がいきなりトム・ウェイツに!こんなにも感動的な違和感はそうざらには無い。そもそも他の誰でもなくトム・ウェイツという発想がとんでもなく素敵だ。「説明は明日する」と言って全然説明しない女。ゴダールのひきずり続ける女性観が現れているようでもあり、ゴダールの映画そのもののようでもある。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-22 13:57:09)
25.  O侯爵夫人 《ネタバレ》 
ロメールのコスプレ劇はコスプレ劇なのに歴史大作でも文芸作品でもなく、いかにもロメールな、優しい語り口の小品といった感じの映画でした。この「小品」が侮れない。お?!と思わせるオープニングから物語に引き込み、なんてことのないお話の中にどこにでもある些細な喜びや悲しみを観る者にしっかり提示し、けして退屈させず、そうこうしながら物語を堪能させる。怒り心頭の父親が大泣きするところは笑った。いつもきりりとしたお父さんが「むああああ」って、お父さん泣きすぎ(笑)。でもちょっとジーンとしたりもして。号泣するお父さんの横で小芝居を続けてるお母さんがまた笑っちゃう。でもこれもやっぱりジーンときた。ああ、ジーンとしながら笑っちゃう、幸福感が充満したようなこの感じがたまらん。エンディングも好き。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-08-01 17:10:23)
26.  トランシルヴァニア
『ガッジョ・ディーロ』の女版。『ガッジョ・ディーロ』の青年はロマの中に入って行き、ロマの人々と触れ合うことでロマの生き方に共鳴してゆくのだが、この『トランシルヴァニア』の女はべつにロマの人々に共鳴したわけではなく、「何もかもを捨ててただ生きる」という野生的ともいえる本能に沿った行為が結果としてロマの生き方に被さってゆくのだ。格闘の真似事をする女を見た土地の人間があきれるくらいだから、けしてロマ的な女ではないのだろうが、絶望から逃げるのではなく、絶望の中で生きることを選んだ彼女は次第に生きる喜びを見出してゆく。ラストに見せる眩しいばかりの表情にやられた。女はどうしようもないくらいに弱いくせにとてつもなくたくましい。かなわない。そう思わせたアーシア・アルジェントも凄い女優だ。そしてこんなにも生命力に満ちた映画を作ったトニー・ガトリフも凄い監督だ。
[映画館(字幕)] 8点(2008-03-21 17:42:02)
27.  暗殺の森
ぞくぞくするカメラの動き、美しい構図、翌々年の『ラストタンゴ・イン・パリ』に引けをとらない巧みな照明にため息が出っぱなし。とくに光の使い方は、ただ美しいだけではなく実に刺激的。主人公の婚約者を演じるステファニア・サンドレッリがまたものすごくいい。全てのシーンにこだわりを感じる。こだわりが出過ぎるとあざとくなったりするもんだが、この作品はぎりぎりのところで耐えてる。ベルトルッチの最高傑作と言ってしまおう。
[ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-12 14:21:33)(良:1票)
28.  ヘカテ
シャンパンの泡と共に蘇る情熱の恋物語。どこにでもありそうなお話だが、どれにも似ていない映画。ローレン・ハットンの髪が夜の風に舞う衝撃の出会い。乾いた風土が一変する幻想的な夜。異国感を煽る音楽。室内に差し込むオレンジの光、あるいはブルーの光。そして光が芸術的な影を作る。カメラマンはレナート・ベルタ。納得。
[映画館(字幕)] 8点(2007-05-10 15:37:58)
29.  美女と野獣(1946) 《ネタバレ》 
詩人コクトーは詩では表現できない視覚的美の最たるものを見せてくれる。小説家コクトーは小説では表現できないジャン・マレーへの愛を見せてくれる。演劇家コクトーは演劇では表現できない幻想的な世界を見せてくれる。豪華なセットが、特殊メイクが、ジャン・マレーの相対する二役が、カーテンのゆらめきが映画の極致を見せてくれる。そのうえ、シュワッチ(とは言わないが)と空を飛んでいっちゃうんだから、拍手するしかない。
[DVD(字幕)] 8点(2007-05-02 11:46:58)
30.  吸血鬼(1931)
ストーリーはわけがわからん。他の方のレビューを読んで理解しようと思ったら、エスねこさんのせいで余計にわからんようになってもうた(笑)。ドライヤーの初トーキーらしいがほとんどセリフなし。吸血鬼映画なのに吸血鬼が姿を見せない。ストーリーを構築しようとはせず、イメージの羅列が淡々と描かれるといった感じ。で、そのイメージの羅列から漠然としたストーリーが浮かび上がる。物語より映像が先にある。ゆえに一つ一つの映像が強烈なインパクトを持つ。釜を持つじいさん、土を掘る、あるいは埋める影、人と影のコラボレーション、棺の中の主人公とそこからの目線で捉えた風景、凄まじきおが屑の生き埋め、、、。これが映画。これこそが映画。なんだと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-23 15:52:15)
31.  麦の穂をゆらす風
カンヌ・パルムドール獲得の際のインタビューでケン・ローチは「英国が帝国主義的な過去から歩みだす小さな一歩になれば、、」と言っている。あきらかに現英国のイラク派兵に対し、いまだ同じ過ちを繰り返す母国への批判を含んでいると思われる。作品自体も英国に対する擁護など一切無い。今尚続く北アイルランド問題という英国にとって最も重い題材を実に辛辣に描き出す。しかしこの作品の凄さは、ケン・ローチの作品がいつもそうであるように、重々しい題材が描かれる、その背景の美しさにこそある。けして戦争を、また戦闘を美化しているのではなく、『シン・レッド・ライン』のように対比の対象としての美でもなく、ただただそこに美しさがある。もう一つ、複雑な問題をすべて見せようとはせずにピンポイントで描いているので、劇中混乱することもなく鑑賞できるのも好印象。映画で語られる物語は全くといって救いがありません。あるとすればこの映画で語られない部分を想像するしかない。そしてその想像の余地だけを残している。
[映画館(字幕)] 8点(2006-11-29 11:53:51)(良:1票)
32.  ある子供
『イゴールの約束』のイゴールを演じたジェレミー・レニエが立派な大人になってダルデンヌ兄弟の映画に帰ってきた。と思ったらどうしようもない青年。その場しのぎの短絡思考。困ればとりあえず妻のいるアパートへ行く。行ってどうなるわけでもないし、実際妻には会えないのだが何度も行く。要するに子供。根は悪い奴ではない。それは仲間の少年の足を必死でさする姿にも見て取れる。この映画はけして「大人になれない子供」の原因を追究してはいない。しかし孫が出来たというのに喜ばない青年の親から想像させるものは、生きるだけで精一杯の社会の底辺の実情である。ダルデンヌ兄弟は常に社会の底辺を撮る。そしてドキュメンタリー映画以上の現実の露呈を試みる。それが彼らの映画である。
[DVD(字幕)] 8点(2006-11-02 14:19:53)
33.  イゴールの約束
ドキュメンタリー出身のダルデンヌ兄弟の映画はどの映画もドキュメンタリー的視点で主人公と主人公の生活が生々しく描写される。この作品では不法滞在する外国人労働者に住居を斡旋しその賃料を飯の種とする親子が登場する。この親子を演じたオリヴィエ・グルメとジェレミー・レニエは些細な仕草によって目に見えない親子の絆までも画面に残し、二人は以前からずっとこの仕事をしてきたかのように自然に且つ手際よく、それこそ演技の枠を超えて役に染まっている。しかしこの映画が素晴らしいのはその完璧なまでのリアルな描写に留まらず、その上に「少年が成長(自立)する」きっかけと過程というドラマチックなものを違和感なく溶け込ませている点。「約束」という情的なものを支点として「父親に従う子供」という図式が徐々に崩れてゆく展開が実に映画的で良い。さらに「現実」に追われる親子の生活ゆえに少年が惹かれるきっかけともなった黒人家族の悪魔祓いや占いといった非現実的な儀式が親子の生活との対比として描写されるあたりもまた実に映画的である。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-10-30 15:11:17)(良:1票)
34.  夏物語(1996) 《ネタバレ》 
ロメール・四季の物語の中ではやっぱこれが一番好きかな。唯一男が主人公の物語。けっこう男前なんだけどキープ君タイプ。バカンスとして割り切っちゃえばいいところを割り切れない。正直なんだけど信念が無い。3人の女に振り回されているようで結局振り回されているのは女のほう。器用で不器用。なんやかんやがあって、そのオチかよ!ってなオチも納得の人間描写。海で始まり海で終わる。けっきょく何も起こらない夏。ロメールのいつもの映画のように何も起こらない。でもちょっとうらやましい夏。若い人の感性をここまで繊細に描ききれるロメールっていったい何歳?
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-10-12 15:07:41)
35.  巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)
なんて洒落た、なんて可愛い、なんてハイセンスなオペレッタ!!セリフが唐突に歌に変わる絶妙のタイミングといい、豪華でレトロで可愛らしい衣装やセットといい、一部始終を美しいカメラワークで収めたレナート・ベルタの安心感ある技といい、主役を演じたサビーヌ・アゼマのお茶目さといい、巨匠アラン・レネにこんなにも軽やかで楽しい映画が作れるなんて!!構えて観た私がバカでした。という嬉しすぎる最高の後味。ミュージカル嫌いなあなたにもおススメ!
[DVD(字幕)] 8点(2006-09-28 13:47:53)
36.  エル・スール
『ミツバチのささやき』同様にスペイン内戦の傷跡を背景とし、少女の成長を描く。窓から差し込む光が、庭のブランコが、道が、木が、家が時間の経過を、そして父と娘の関係の微妙な変化を語ってくれる。それは雄弁であっても常に慎ましく静かに語りかけてくる。情景は前作以上に美しく、そのうえで画面に映るすべてのものがさりげなく何かを語っている。映像で語るとはこういうことなのか!とあらためて驚かされる。さらに画面には映らないもの、「南」の情景までもが頭に浮かぶ。その情景はこの映画を観ている間に変貌してゆき、最後には郷愁すら感じさせてしまう。おとなしいくせしてすごいやつ(映画)なのだ。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-02 13:19:59)
37.  家路(2001)
何度も何度も映される薄暗い家の中に眩いばかりの光が凝縮された窓。その美しさにいちいち感動していたら、あっというまに映画は終わる。印象的なエンディングをもって。子供の視線がおじいちゃんを見上げる視線からゆっくりとス-ッと下りてゆく。妻と娘を同時に亡くした老俳優の孤独が描かれる全編の中から、両親を同時に亡くした少年の孤独がブワッと浮き上がる瞬間。何度観てもこのエンディングにやられる。途中、退屈だったかもしれない。でもたまに観たくなるし、いつも観て良かったと思う。音楽の入るタイミングがまた絶妙。
[DVD(字幕)] 8点(2006-01-05 16:19:05)(良:1票)
38.  汚れた血
アメリカ女が出てきた時点で、これはフランス映画とその中で誕生するヌーベル・ヌーベル・ヴァーグの物語と解釈してしまった。以下、私の妄想的解釈。アメリカ女=アメリカの映画会社のプロデューサー。謎の病気の蔓延とハレー彗星接近による世紀末的状況=フランス映画の低迷。ワクチンがあり、彗星もいずれ通りすぎるので低迷は一過性のもの。殺された男は偉大なるヌーベル・ヴァーグ?息子は父と同じく手が器用=ヌーベル・ヴァーグを引き継いでいる。息子の名前はカラックスの分身・アレックス。新たな世界へはばたきたいアレックスは資金調達のために父の仲間と共にある計画を実行する。盗み=引用?仲間はアメリカ女を恐れる男とスタイルに拘る男と謎の女。やっぱり出てきたガラス張りのアジトは映画そのもの。今度の“新しい波”はとてつもないスピードを見せつける。腹話術=直接言葉で伝えない?アレックスは死ぬが映画は死なない。疾走する映画は女に受け継がれた。頻繁に出てくる髭剃りのシーンは?パラシュート降下は?さぁ、みんなで考えよう!って適当なことを長々とスイマセン。でも、透き通るような美しさとはまさにこのこと!と思わせる二人の女優を見るだけでも価値があると思います。女優を美しく撮るって重要なことです。
[DVD(字幕)] 8点(2005-07-12 16:12:25)(良:2票)
39.  北の橋
な!な!な!なんじゃこりゃ~~!!これが見終わってすぐの率直な感想。しかし良い意味でなんじゃこりゃです(なんのこっちゃ)。まずへんてこりんな女が一人いますがコレが笑えます。素振りが変なんです。この女が原チャリでパリの街をぐるぐるとまわるシーンがあるのですが、延々とそれだけが映し出されたと思ったらいきなりピアソラのタンゴが強烈なインパクトをもってバックに流されます。この意味の無い映像が一変して名シーンになるというとんでもないシーンです。「ドンキホーテ」をベースにしたストーリーはストーリーとしての機能を持たず、リヴェット作品に付き物の「陰謀」も最後には置いてきぼりをくらう。終わり方はただ呆然とするしかなく、ここまでハチャメチャな構成の映画は見たことがありません。不思議な世界ではあるけれど、そこはまぎれもなくパリだし。ただ凄く印象に残る映画なんです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-10 14:50:49)
40.  セリーヌとジュリーは舟でゆく
冒頭のセリーヌとジュリーの出会いから即興ならではの先の読めない展開で、終始ワクワクしながら好奇心旺盛な二人に誘われるように不思議な世界を共に堪能してゆきます。キャンディを舐めている間だけ覗ける異世界のドラマはキャンディを舐めきると当然そこで中断します。主人公二人と同様に早く続きを見たくてしょうがない。翌日またキャンディをほうばると待望の続きではなく同じ場面が重複して展開される。「もう、そこは見たって!」私がそう思うように彼女等もそう思う。そんな共感に嬉しくなりながら、異世界に入ってゆく二人と同じように、いつのまにか映画の中に入ってゆく自分がいる。あまみさんがご指摘のように、異世界に入っていった二人は芝居をメチャクチャにしているようで、反対に映画の可能性を提示しているようです。“なんでもあり”な映画の素晴らしさ見せてくれるリヴェットの傑作。そしてリヴェット作品一番のおすすめです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-05-09 16:56:49)(良:1票)
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