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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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41.  死への逃避行
出会った人間を次々と殺していく魔性の女を演じる。イザベル・アジャーニの静かなる、そして美しき怪演。 そんな彼女の美しき七変化に目を奪われる2時間です。それは見る者だけでなく、彼女を追う1人のくたびれた中年の探偵も。 依頼人もボスの指示ももはや関係ない。自分の娘とこの女を重ね合わせるように彼女にのめりこんでいってしまう。 全編を通して聞こえてくるこの男の回想のような心の声、そのフランス語の響き、テンションを抑えた品を感じさせる語り口。 これぞフランス製サスペンスという雰囲気をたたえた作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-07-17 18:12:18)
42.  ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
バンドが演奏している映像を見るのが大好きな僕にとっては、いい時間だった。 好きな音楽のジャンルは圧倒的にロックなんですが、 映像の中にいるミュージシャンがカッコよくて、音楽が素晴らしければ、ジャンルなんて関係無い。 本作にはキューバの新進気鋭の若手ミュージシャンなんて1人も登場しない。 キューバの老ミュージシャンが演奏し、音楽を語り、人生を語り、キューバを語る。 それがまた、彼らが奏でる音楽同様、何とも言えない味わい、深みを感じさせる。 ヴェンダースとライ・クーダーと言われて真っ先に思い出すのは「パリ、テキサス」ですが、 この2人のいち音楽ファンとしての、キューバ音楽の歴史を繋いできた老ミュージシャンへのリスペクトと、 キューバ音楽への熱き思いが溢れ出ているような作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-15 20:17:21)
43.  緑の光線
ロメールの映画は登場人物の誰もが饒舌で台詞が多く、 その字幕を追い続けていると恋愛小説でも読んでいるかのような感覚になる。 しかしその中にフランス人的思考が垣間見えてくる、この人の映画ならではの楽しさがあります。 本作の頃にはロメールはもう60代も半ばを過ぎているというのに、 孤独感と人生に少々の行き詰りを感じている、夏のバカンス前後の 20代女性の心理をこんなにも繊細に軽妙に描き出していく感性には驚かされます。 じっとりとした暑さを感じさせない、カラッとした質感のフランスの夏の色が美しく、 日没間際にほんの一瞬だけ見えた緑の光線にラストはほっこりとさせられました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-05-20 17:35:21)
44.  男と女(1966)
クロード・ルルーシュの出世作にして、代表作の1つである作品。 本作で最も印象的なのは、ルルーシュの作品と言えばこの人、フランシス・レイの音楽。 本作を知らない人も、作品を印象的に彩ったこのスキャットを聞いたことが無い人はいないのではないでしょうか。 かなりの低予算を余儀なくされ、その結果モノクロパートが挿入されたということですが、 それも人生のパートナーを亡くした男と女、それぞれの淋しさ、孤独感、そんな感情がうまく表れていたのではないかと思います。 フランシス・レイの甘美なるスコア、独特の気だるさのある雰囲気の中にいる男と女。2人が語らう滑らかで美しいフランス語の響き。 その一方でダバダバダ♪のスキャットやシャンソンの歌声を前面に出し、敢えて台詞を入れていないシーンの2人の姿もまたいい。 ストーリーよりもその場の雰囲気に酔う、という典型的な作品だと思いますが、その表現方法は今に見直しても古さを感じさせません。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-07-07 17:10:05)(良:1票)
45.  フランス特殊部隊 GIGN ~エールフランス8969便ハイジャック事件~
1994年に起きたアルジェリアからパリに向かう予定だったエールフランス機のイスラム武装組織によるハイジャック事件を再現した作品。 モノクロに近いところまで抑えられた色調が何とも言えない陰鬱な空気を醸し出す。 飛行機は離陸せず特殊部隊が突入する終盤まで、基本的にはずっと膠着状態が続くのですが、 機内の狭い空間で至近距離でとらえていく乗客とテロリストの動きとその表情が機内の緊迫した状況を今に伝える。 そしてこれも接近戦でとらえられていく終盤の特殊部隊とテロリストの銃撃戦はなかなかの迫力。 このハイジャックの最終目的はエッフェル塔への激突であったという。9.11を思い出さずにいられません。 地味な作風の作品ではありますがなかなかの力作です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-11-25 22:23:02)
46.  そして友よ、静かに死ね
この邦題の持つ雰囲気、この作風。やはり監督は「あるいは裏切りという名の犬」のこの人でしたか。 古くはジャン・ギャバンやアラン・ドロンらが活躍していた頃からのフレンチノワールの伝統を今に受け継ぐ。 銃撃戦も効果的に使いながらも、友情、裏切り、家族…。人間ドラマに重きを置き、 幼少期から70年代、血気盛んな若かりし頃のエピソードをテンポよく挿入し、 それらが積み重なって今に至る、実在する伝説の老ギャングの見ごたえある人生ドラマに仕上がっています。 日本でもCMで使われているのでお馴染み、ディープ・パープルやジャニス・ジョプリンの70年代の名曲。挿入曲のセンスも良し。 作品の評価自体とは何の関係もありませんが、映画が始まってすぐに結末が読めてしまうこの邦題は何とかならなかったものか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-11-19 19:47:14)
47.  木と市長と文化会館/または七つの偶然
90年代のロメールと言えば、四季の物語シリーズに取り組んでいた頃。 それを一旦中断して撮られた本作は、あのロメールが政治に言及する異色作です。 しかし変わらず登場人物は誰もが饒舌、ロメール節は本作でもすこぶる快調。 左派を自称するある田舎町の市長。緑が豊富で農業が主要産業。他にこれといった特色が無い小さな町に、 総合文化会館を建設する市長の計画に端を発する騒動、というほどのこともないですが、様々な人々の主張が面白おかしく繰り広げられる。 作品は7つの章に分かれていて、これが邦題にある「7つの偶然」となっています。 理屈っぽいそれぞれの主義主張が繰り広げれますが、結局は偶然の連続、偶然の積み重ねで世の中は回っていくということか。 軽いタッチの中に風刺や皮肉も効いている。汚職も無く箱物建設の利権に群がるような者も出てこないロメール流政治モノ。楽しい映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-09-16 23:21:53)
48.  泥棒貴族 《ネタバレ》 
騙し騙され騙したつもりが・・・。二転三転するするストーリー。 シャーリー・マクレーンとマイケル・ケインという名優のW主演、 そして監督に脚本、撮影などにもビッグネームが揃いながら、何でだろう?知名度が低い作品です。 冒頭から30分程度か。あれよあれよという間に完全犯罪が成功! え?もう終わり?と思いきや、「・・・・・という計画だ。」 まずは計画と、計画通りことが進んだ完璧なケースを先に見せるというのが面白いし、これが最後の最後まで効いています。 当然計画通りにいかない。悪戦苦闘もしますが、そんな理想と現実のギャップも可笑しく、 シャーリー演じる女の予想と全く違うキャラも面白い。意外に大胆でふてぶてしさと可愛らしさを見事に両立させてみせる。 予想に反してなかなかガードが固い大富豪を演じるハーバート・ロムの存在がまたいい。 そして冒頭の計画映像通りいけば成功だと見る者を思いこませておいて実は!というオチも素晴らしい、 なかなか小粋な犯罪サスペンスコメディ。そしてロマンス。
[DVD(字幕)] 8点(2018-09-15 12:06:54)(良:2票)
49.  パターソン 《ネタバレ》 
パターソン市で生まれ、今もこの街で生きるバスの運転手で余暇に詩作をする若者パターソン君が本作の主人公。 朝、恋人と一緒のベッドで目覚め、出勤し、バスの発車前のわずかな時を利用しノートに詩を書きとめる。 同僚との会話の後バスを発車させる。運転中はパターソン市民である乗客の会話が作品をうまくつないでいく。 仕事が終わり、恋人と食事をしその日あったことを話し、犬の散歩、そして行きつけのバーで人のいいマスターと常連客達とのやりとり。 毎日ほぼ同じ行動の繰り返し。時にトラブルはあるが基本的に大事件は何も起こらない。淡々としたパターソン市とパターソン君の日常。 でも、多くの人にとって、日常ってそういうもの。 パターソン君の行動範囲に定点カメラが据えられているか如く、規則正しく彼の毎日を映し出していくので、 淡々と抑揚のない作品でありながら、作品のテンポがとてもいい。 今日は同僚とどんな会話をするのか、どんな乗客が乗り込んで来るのか、 さて、日も暮れてそろそろバーに出かける時間だな。意外性の無い彼の日常が次第に楽しみになってくる不思議な心地よさ。 パターソン君とパターソン市の人々や恋人とのやりとりに挿入される、 クスッと微笑ませてくれるような普通の人々の日々の暮らしの中にあるささやかな笑いドコロ。 このあたりには実にジャームッシュらしい独特の空気、そして楽しさがあります。 特に今日は何を言い出すのか、明るく朗らかな恋人の存在が淡々とした日常を描く作品の中でいいアクセントとなっています。 架空の町ではなくアメリカに実在する町パターソンで生まれ、 仕事の傍ら詩を発表し続けた実在の詩人に捧げるという意味合いもあるであろう本作「パターソン」の主人公は パターソン君であると同時に、この詩人を輩出し、様々な愛すべき人物が登場したパターソン市そのものでもあったのでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2018-08-12 20:12:34)(良:1票)
50.  ふたりの女
イタリアの巨匠デ・シーカ。「自転車泥棒」に代表されるネオリアリズモや、 マストロヤンニ、ソフィア・ローレンの名コンビを起用した艶笑喜劇、 そして「ひまわり」や本作のような、戦争と女を描いた反戦映画もまた印象的です。 多くのデ・シーカ監督作に出演したローレンですが、喜劇にしても戦争の時代のドラマにしても、 やはりこの人には逆境にも強く逞しく生きる姿がよく似合います。 1960年製作の本作、ローレンはまだ20代半ばですが、中学生の娘がいるシングルマザーという設定。 実年齢を考えると無理がある設定ですが、デ・シーカにとって主演はローレン以外には考えられなかったのでしょう。 実際、違和感を感じさせません。女として、母として。女優ソフィア・ローレンの素晴らしさを見ることができる作品です。 中盤までは母娘が疎開先の地方で出会う人々の交流がイタリア的陽気さをもって描かれる時間帯もありますが、 だからこそ市民生活の中に土足で踏み込んでくる、市井の中の戦争が描かれる終盤が辛い。 ローレンが圧倒的な存在感を示す作品ですが、娘を演じた女優さんの透明感のある存在もまた印象的でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-28 21:53:02)
51.  ラ・スクムーン
派手さはありませんが、とにかくベルモンドが渋くカッコいい、暗黒街の人間模様を描いたドラマ。 監督は実際にそのスジの人であったという過去があるジョゼ・ジョバンニ。 それだけに、淡々と進む地味な作風の中にリアリティが感じられます。 僕はアクションコメディのベルモンドが一番好きなんだけど、こういう寡黙で渋いベルモンドもいい。 CCの役はあまり機能していない感じもしますが、そこにいてくれるだけでいい。やはりそんな華がある存在感がある。 冒頭、白いスーツ姿で敵を射抜くカッコいいベルモンドと、黒いスーツ姿の哀愁を帯びたラストのベルモンド。 どちらもいい。最初から最後までベルモンドの映画。耳に心地よいテーマ曲も印象的なフレンチノワールの佳作。
[DVD(字幕)] 8点(2018-05-20 18:18:22)
52.  グッドナイト&グッドラック
アメリカ映画を見ていると忘れた頃にその名が出てきて嫌でもある程度知ることになる、 アメリカ映画界にも大きな影響を与えたジョセフ・マッカーシーと赤狩り。 マッカーシズムと真っ向勝負を挑んだCBSのアンカーマン、エドワード・マローを主人公としながらも、 その対決の相手となるジョセフ・マッカーシー上院議員を演じる人はいない。 マッカーシーは頻繁に登場しますが、それは全て当時のモノクロのアーカイブ映像の中に登場する本人。 そしてエンターテイメント性を徹底的に廃し作品自体もモノクロにすることで、 本作のキャストが同じ時代で当時のマッカーシズムと闘っているような緊張感を生み出しています。 ジョージ・クルーニーが映画人として骨のある所を見せつけた佳作。 作品タイトルの"good night and good luck"、これはエドワード・マローへのこれ以上ないリスペクトであると思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-06-17 20:40:25)
53.  ある過去の行方
ある女と彼女の2人の娘、その女と再婚しようとしている男と彼の1人息子、 その女と離婚しようとしている男。1つ屋根の下、あまりにも複雑な事情や思いが絡み合う数日間のドラマ。 大人達、思春期の娘、まだ幼い子ども達。それぞれの微妙な心理の変化や、噛み合わないそれぞれへの思い。 それはサスペンス的であり、終盤に再婚相手の男とその妻の過去を明かしていく過程はミステリー的要素を含みながら、 抑揚の少ない作風ですが、その中に少しずつ彼らの思いを浮き彫りにしていくその様は時に鋭さすら感じさせる。 自らこの素晴らしい脚本も手掛けたファルハディ監督の卓越した手腕を感じます。 まだ40代半ばと若く、これから先どんな傑作を世に送り出してくれるのか目が離せない監督の1人です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-31 19:05:32)
54.  皇帝ペンギン 《ネタバレ》 
NHK、あるいは日本でも見ることが出来るBBCなど海外の製作のドキュメンタリーなど、 ペンギンの生態を追うドキュメンタリーを見る機会は少なくない。 その中でも本作はペンギンを擬人化したナレーションをつけた異色作です。 これは評価が分かれるところであり、実際にアメリカ公開版は オリジナルの擬人化ナレーションを採用せず、モーガン・フリーマンが新たにナレーションを担当しました。 見比べてないのでどちらが良かったのかは分かりませんが、夫婦が愛を語るフランス語の響きは映画的であり詩的でもある。 時にはロマンティックでもあり、赤ちゃんペンギンの姿とそのナレーションは微笑ましくも危険がいっぱいで不安げ。 過酷な氷に覆われた南極で大移動をし子育てをする彼らの中には途中で仲間とはぐれたり力尽き倒れる者もいる。 天敵に付け狙われ怯えながらも逞しく成長していく赤ちゃんペンギンの姿も本作は優しく見つめる。 製作者がペンギンの心に寄り添おうとする優しさが随所に感じられる作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2016-08-23 20:10:10)
55.  黒猫・白猫
冒頭からとにかくクストリッツァ・ワールドが全開。 動物がいっぱい出てきて、人々がフィドルやギターやアコーディオンを奏で陽気に歌い踊る人生賛歌。 この人の映画は2時間を越える長いものが多いのですが、 その間ほとんど隙間が無いというか、テンションが緩まずホッと一息つく間もない。 常に登場人物が楽器を奏で歌い踊り、動物も人も常に大勢がワイワイガヤガヤとやっている。 鑑賞後は彼の映画の独特の世界観にお腹一杯になる。でも、それがこの人の映画の魅力でもあると思う。 クストリッツァの映画には彼の祖国の歴史を語る時避けて通れない内戦が背景にあるものが多いですが、 政治や内戦とは対極にあるようなドナウ川と動物達と共にあるジプシーの暮らし。 賑やかな音楽とギャグも満載に陽気にワイワイガヤガヤと描かれる彼らの暮らしからは平和の尊さも感じずにいられません。 そして時代や国にかかわらず、やっぱり「カサブランカ」のボギーは男の憧れの姿の1つなんだなあ・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2016-04-16 21:47:00)(良:1票)
56.  めぐり逢わせのお弁当 《ネタバレ》 
頻繁に見る機会が無いインド映画ですが、インド映画やインドを舞台にした映画を見ると、 かなりの確率でこの人が出ている。本作の主演のイルファン・カーンです。 抑揚の無い、感情の起伏を表に出さない演技。でも、確かに感情の起伏を感じる。 さて、お話の方は冒頭から謎の展開。何だ?この弁当配達は・・・? しかし、インドの都会で暮す人々の生活様式の一端が垣間見えて面白かった。 声だけの登場人物である「おばさん」の存在もいいアクセントになっています。 夫との仲が冷え込んでいる若い人妻。夫の元に配達されるはずの弁当が間違いで イルファン・カーン演じる、妻に先立たれた退職間近の男の元に届いてしまう。 「全部食べてくれてありがとう」「おいしかったよ」 最初は弁当に簡単なメッセージを入れる程度だったのが、少しずつ互いの事情に話が踏み込んでいく。 もどかしくもあるのですが、この少しずつのテンポが実にいい。 やがて2人は会う約束をするのですが、男の方が身を引いてしまう。 これで終わりかと思いきや、もう1つ最後の展開が用意されています。 解釈は観る人それぞれ。こういうラストの映画も好きだったりします。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-02-22 21:16:18)
57.  リオの男
フィリップ・ド・ブロカとベルモンドのコンビのアクション・コメディはどれも面白いですね。 本作はこのコンビの後の作品である「カトマンズの男」などと比べると 笑わせる部分と共にサスペンスの要素もしっかりと挿入されています。 「ルパン三世」や「レイダース」の元ネタになっているとも言われている通り、 ベルモンドのキャラクターの楽しさやアクション・アドベンチャーとしても見どころ十分です。 そう言えば、ルパンの声優といえば山田康雄さん。多くの映画でベルモンドの吹替も山田さんがつとめられました。 本作を吹替で見るのも面白いかもしれません。 そして若くしてこの世を去ったフランソワーズ・ドルレアックの美しくもキュートな魅力も全開。 彼女の代表作といえば、妹との共演作「ロシュフォールの恋人たち」になると思いますが、 本作は彼女のコメディエンヌぶりを存分に堪能できるという意味でも貴重な作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2016-02-13 15:16:56)
58.  陽だまりの庭で
TV用に製作された90分程度の小品ながら、いい映画を見たとしみじみと思える良作。 邦題の通り、祖父と孫娘がベンチに腰をかけ語り合う。その庭に差し込む陽の光のような温かみ感じます。 祖父と孫娘が夜の地下でレジスタンスのように”任務”を遂行する。 孫を悲しませまいと必死の祖父と、あまりにも可愛らしい孫娘の姿。 全編に渡り、そんな2人の姿が微笑ましくもあり、悲しくもある。 この監督さんは「まぼろしの市街戦」にしても本作にしても、 優しさや明るさ、ファンタジー的要素や笑いに包み込み、独特の話術で戦争を語ります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-01-23 15:33:25)
59.  マリリン・モンロー 瞳の中の秘密 《ネタバレ》 
1人の女性ノーマ・ジーンと1人の女優マリリン・モンローを見事に描いた実に見応えのあるドキュメンタリーでした。 マリリン・モンローのストーリーについては語りつくされた感があり、 (勿論彼女の死因など、恐らくは永遠に謎のままのものもありますが・・・) 本作も特に目新しいMMのストーリーは出てこないのですが、 そのマリリン・モンローのストーリーを肉付けしていく当時の貴重な映像の数々、様々な女優が演じたマリリン。 それらを食い入るように見ている内にあっという間にマリリン・モンローのストーリーは終わってしまいました。 そう、あまりにも短い彼女の生涯でした。  女優マリリンの後期は、本作でもかなり時間をとって描かれている通り、どの監督ともうまくいかなかった。 ローレンス・オリヴィエ(「マリリン 7日間の恋」でも取り上げられたオリヴィエがマリリンに放ったある一言は本作にも登場します)、 ジョージ・キューカー、再びコンビを組んだビリー・ワイルダー、ジョン・ヒューストン。彼らの苦悩もまた取り上げられています。 一方でケネディ兄弟との関係は完全にスルーされています。 ケネディを匂わせるのは唯一、ハッピーバースデー、ミスタープレジデントのみです。 「恋をしましょう」でのイヴ・モンタンとのエピソードも本作はスルーしています。 以上のように一方的にマリリンを擁護している訳ではなく、かと言って必要以上にスキャンダルに焦点を当てることもしない。 出来る限り等身大のMMを伝えようとしたのでしょう。  皆に愛されたコメディエンヌ・マリリン。世紀のセックスシンボル・マリリン。 この世界から愛された女優マリリンのイメージに対するノーマ・ジーンの苦悩もまたじっくりと取り上げられています。 彼女の心の内を代弁するかのようにマリリンを演じた様々な女優たちの演技もまた見応えがありました。  マリリンが映画に登場し始めた頃、その多くはモノクロの作品でした。 しかし、彼女が一気にスターとなった「紳士は金髪がお好き」「百万長者と結婚する方法」・・・。 これらカラーの作品に登場するカラフルな衣装に身を包んだ彼女の姿はとても美しい。 「彼女は自信を持ってカメラの前に立つことができなかった。でもカメラの前に立った瞬間、彼女とレンズは恋をした。」 「百万長者と結婚する方法」の監督、ジーン・ネグレスコのこの一言がとても印象に残っています。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-09-29 21:18:17)
60.  結婚宣言
パワフルに迫ってくるソフィア・ローレン。 そしてそんな彼女に振り回されるマストロヤンニ。 これはもう、あまりにもお馴染みのこの2人の姿。  デ・シーカの「昨日・今日・明日」や「ああ結婚」など、 イタリア映画の伝統芸とも言える艶笑喜劇でおなじみの名優にして盟友の2人。 本作でも鉄板の安定感でとても楽しい掛け合いを見せてくれます。 この2人のこのパターンの映画は何本見ても全く飽きが来ない楽しさがあります。  昼は教会の学校で教師をつとめ、夜は”命の電話”の相談員をつとめる、 典型的堅物のマストロヤンニ演じるドン・マリオと、 ”命の電話”に電話をかけてきたことがきっかけでローレン演じるヴァレリアの2人が互いに惹かれあうのですが、 ドン・マリオのカトリックの伝統に縛られた神父さんという立場が作品をとても面白いものにしています。  マストロヤンニは終始神父さんの黒い服と黒縁眼鏡の地味な衣装。 それだけにゴージャスなローレンが頻繁に着せ替えを見せてくれるカラフルな衣装が作品の中でとてもよく映えています。 巨匠トロヴァヨーリの音楽も相変わらず素晴らしい。 この2人が主演で、キャスト以外にもイタリア映画界の大物が顔を揃えるイタリア映画でありながら、 なぜか英語であることだけが残念。やはりこんなイタリアン・コメディには、 「ボンジョルノ!」といったイタリア語の響きが似合うと思うのですが・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2015-09-14 20:20:40)
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