61. やぶにらみの暴君
《ネタバレ》 おお、懐かしいな。パイロット搭乗型巨大ロボットアニメの原点と言えるでしょう。日本文化に与えた影響は大です。オイラは小学生の時に見ました。その後『ルパン3世カリオストロの城』が公開される訳ですが、露骨なパクリ方(いや『長靴をはいた猫』の方がもっと露骨なんだけど)に嫌気がさしてしまった…以来、宮崎監督には愛憎半ばする気持ちがあります。おっと余談はおいといて、本家のこの作品は(パクリ側とは違い)不遇な運命をたどってます。仕上がりの遅さに業を煮やしたプロデューサーが、全シーンが上がっていない段階で、強引にフィルムをつなぎ合わせて公開してしまったといういわく付きの作品。その後グリモー監督が後半生をかけて作品の権利を買い取り、エンディングも全く換えて『王と鳥』というタイトルで公開しなおしてます。個人的にはあんまりハッピーでない新作の終わり方より、こちらの慎ましやかなハッピーエンドの方が好みだったりします。子供時代に刷り込まれたイメージかもしれませんがネ。 8点(2004-02-12 05:40:30)(良:1票) |
62. 吸血鬼(1931)
《ネタバレ》 アイデアに脱帽。画質の良くないサイレント時代の映画で、夜が主体のヴァンパイア映画を撮るには? 主人公を「実は吸血鬼」という事にして、彼の視覚では昼夜が逆転しているように見せればいいのだッ! …てなこって、まっ昼間の映像なのに「こんな夜遅くにどうしました?」とかいう字幕が平然と入り込む。ほとんど最後にならないと主人公=吸血鬼の図式は見えてこないんだけど、中盤はこの時差ボケ爆裂な台詞回しがやたらと恐怖感を煽ってくれる。当然ながらヒロインを救ったハッピーエンドは、現実世界の我々からするとバッドエンドである訳で、頭をひねってからジワジワと恐怖が増してくる仕掛け。流石ドライヤー監督、ただの芸術監督とは一味違いますナ。 7点(2004-02-12 05:03:04) |
63. ジャッカルの日
最近、レビューで自分の原点を見失いつつあるので書いてみます。小学生の時にTVで見た。以来、最高にかっこいいオトコ像は常にジャッカルであり、エドワードフォックスだった。映画としてより原作の素晴らしさ、演技の素晴らしさに負う所が多いのだが、DVDで見直してみて…狙撃当日の早朝、お祭の準備の様子を長々とドキュメンタリー風(つうかモノホンのお祭映像だと思うけど)に描いた点が、クライマックスの盛り上げに絶対必要だった事を思い知った。これはフォーサイスの才能ではなく明らかにジンネマンの撮る映像のパワーなんだろうな。これが群集の力か。観客の胸元までのしかかるような圧迫感を与えるシーンは他にあまりない。 10点(2004-02-12 04:21:39)(良:1票) |
64. ファニーとアレクサンデル
孤島に持っていくべき、ただひとつの映画(笑)。絵がカンペキ。構成がカンペキ。長く楽しめる(苦しめる?)。ファニーが可愛くないのを除けば、文句のつけようがない。 10点(2002-09-01 23:57:29)(笑:1票) (良:1票) |
65. ファンタスティック・プラネット
セルを使わずに、切った紙を背景に置いて動かす。余計な色は塗らない。こうやって4年かけて作った映像は、博物誌の挿絵が動き出すようなすごい効果を生んだ(マネする長編アニメも二度と現われなかったが…)。黄ばんだ紙の感触を重視した空、生物たちの奇怪なカラーリング、ノロノロとしたドラーグ人の動き。この世にない百科事典を読んでお話を空想するような、不思議なのめり込み方ができる映画。 9点(2002-08-31 20:21:55)(良:1票) |