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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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81.  永遠<とわ>の語らい
前半の人間の文明の歴史を巡る旅と、後半の多国籍の人々による多言語が飛び交うディナーという2部構成のようになっており、まずは前半のポルトガル人女性が小さな娘を連れての人間の文明史を巡る旅。寄港地ごとに母が娘にその土地で過去に何があったかをわかりやすく教えていく。本作に登場するれポルトガル人はこの母と娘だけであり、オリヴェイラ監督が観る者に人間とは、文明の歴史とは何かを訴えかけているようです。この旅に込められたオリヴェイラ監督のメッセージが全て理解できたとは思いませんが、この旅を通して古代から中世、現代に至るまで、文明の歴史は争いを抜きには語ない事に気付かされます。後半のディナーの中でカトリーヌ・ドヌーヴの、文明とは悲しき人間の歴史だ、という台詞があった。そして悲しき人間の歴史は繰り返され続け、いつ誰がどこで突然テロに巻き込まれてもおかしくない現代に至る。その衝撃のラストが鑑賞後もずっと心に突き刺さっています。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-23 20:16:40)
82.  人生万歳! 《ネタバレ》 
見てよかった、と納得のウディ・アレンらしい映画でした。自らが演じアレン映画に何度も登場した○○恐怖症の男といった役どころ。本作の主人公の男も人間嫌いの暗闇恐怖症の頑固爺さんといったところか。  監督・脚本・主演の3役をこなすのがアレン流スタイルだったものの、近年はさすがに映画には出なくなってきましたが、本作はちょっと違うキャラクターになっていただろうけれど、アレン自らに演じてほしい役どころでした。  最初は一人暮らしのこの男のアパートに宿無し文無し娘が転がり込んできて、この2人のロマンスかと思って見始めましたが、中盤以降は老若男女、様々な人物が二人の前に現れる。そこに無駄な登場人物は全く無く、気が付けば現れた全ての人物が絶妙に絡み合って様々な愛のカタチを織り成す群像劇へと話が発展していく、その語り口が見事な一編でした。  主人公の男が見ている僕達の方に向かって何度もスクリーンを通して語りかけてきますが、このアレン流人生に対する前向きなメッセージも実に気分良く楽しむことが出来る作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-01-07 21:12:22)
83.  クリスマス・ストーリー 《ネタバレ》 
クリスマスに合わせて公開され楽しみにしていた作品でしたが、大晦日にようやく鑑賞。期待通り重厚で見応えのあるホームドラマでした。家族の相関図がちょっと複雑なのですが、その複雑なそれぞれの関係がしっかり物語の中で生きています。  母親の白血病の治療のため骨髄移植が必要になり、久々にクリスマスに合わせて顔を揃えた家族のクリスマス前後の数日の人間模様が、過去、そして現在の家族それぞれの様々な事情を交えながら描かれていきます。  一見どこにでもありそうな家族。しかしこの世の全ての家族に何かしらの事情がありドラマがあり、それを大げさになりすぎず見事に普通に表現し、味わいのある家族の絆の物語を見せてくれた豪華キャストそれぞれの演技も見応え十分。特に数年前にある事情で家族と疎遠になっていたアンリの存在が効いており、一家の問題児的存在であった彼の骨髄が母に移植されていくシーンが感動的でした。「血は水よりも濃い」という諺を思い出しました。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-31 18:36:07)
84.  シチリア!シチリア! 《ネタバレ》 
トルナトーレ監督が久しぶりに故郷シチリアに帰ってきた。勿論盟友エンニオ・モリコーネも一緒だ。本作でも凄い音楽で作品を盛り上げます。本作もトルナトーレの代表作と同様に彼の故郷シチリアを愛する思いを非常に強く感じる作品でした。  主人公の男がいて、彼の少年時代である戦争中から戦後、そして初老に差し掛かるまでを一気に見せる叙事詩であり、この男が話の軸になっています。  しかし貧しくとも明るく生きる名も無き庶民が暮らす小さな町ヴァーリアそのものが主人公であるかのようなドラマとして楽しんだ。町を駆け抜ける少年が空に舞い上がり作品の舞台となる町全体を見せるダイナミックな冒頭に続き、戦争中のファシストの支配にも負けず明るく生きる戦争中のヴァーリアの人間模様も、戦後のマフィアや政治と人々との関わりもユーモアもたっぷり交え描かれます。  そんなヴァーリアの町を捉える素晴らしいカメラワークにモリコーネの音楽にトルナトーレの故郷への思いが一体になり見せる町のどのシーンもとても美しく迫力がある作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2010-12-22 22:06:36)(良:2票)
85.  パピヨン(1973)
脱獄モノといえば、「大脱走」や「アルカトラズ」などのように看守の目をいかに欺き脱獄を成功させるか、という所に映画としての面白さがあるのだと思う。しかし、本作は脱獄の過程に関しては意外なほど時間がかけられていない。  その代わりに、夢に出てきた「人生を無駄に生きてきた罪」と「自由」に対するパピヨンの強い意志が一貫して描かれ続ける。全編にみなぎるパピヨンの衰える事のない強い意志と演じるマックイーンが凄い。さらにダスティン・ホフマンという俳優の凄さも改めて感じさせられました。  ラストは絶海の孤島で平穏だが無駄に生きていく決心をしたかのようなドガの姿とは対照的にパピヨンは荒海の中へ飛び出していく。パピヨンの自由への思いと無駄には生きないという意志が最後まで伝わってくると共に波の彼方に遠ざかるパピヨンを見送るドガの表情が印象に残る。  後半に分かり辛かった所(島民と過ごす時間とその後の展開)もありましたが長尺にも関わらず最後まで惹きつけられました。久々に骨太で力強い映画を観ました。 
[DVD(字幕)] 8点(2010-10-10 16:25:13)(良:3票)
86.  藍色夏恋 《ネタバレ》 
80年代のホウ・シャオシェンの作品を思い出させる雰囲気を持った映画でした。日本人から見てもどこか親しみを感じさせる台湾の街の風景、そして音楽や登場人物の台詞を意識的に抑え、何かドラマチックな出来事がある訳でもない。しかしそんな淡々とした描写の中に彼ら、彼女らが表情や動作で表現する感情が切なくも生き生きと伝わってきます。  特に後半の体育館でのけんかのシーン。体を激しくぶつけあって喧嘩している二人の姿を少し離れた位置からカメラが捉える。その間二人は一言も発しないのですが、体をぶつけあう二人が同時にぶつけあっている感情までもが伝わってくるような見事なシーンでした。そして一つ一つが短くてとてもシンプルな台詞からも彼らの今の素直な気持ちが実に生き生きと伝わってきます。  本作で描かれる二人の恋の行方は・・・?その答が出るのは彼らが言うように1年後か3年後になるのかもしれない。しかし本作はそれでいいのだと思えました。自転車で爽やかに風を切り夏の台湾の街を駆け抜ける、まだ成長の過程にある二人が本作の一番最後に見せる本作の一番の笑顔を見ているとそれだけで十分でした。彼らはまだ若くどんな可能性だってあるし何も慌てることはない。そんな若さとその可能性が実に爽やかに描かれたラストシーンでした。 原題「藍色大門」を「藍色夏恋」とした邦題も上手くこの作品を表現しています。
[DVD(字幕)] 8点(2010-08-26 19:38:02)
87.  モーターサイクル・ダイアリーズ 《ネタバレ》 
後に歴史にその名を残す革命家となる医大生の南米大陸放浪の旅。大袈裟な出来事を無理に挿入する事も無く控え目な音楽や演出で非常に淡々としていますが、だからこそ旅の風景の描写や旅先で出会う名も無き人々との心の通い合った交流を見ていると、きっと本当にこんな感じの旅だったのだろうと思えます。  後に革命家となる恵まれた環境にあった医大生が、一つ一つの出会いを通して世の中に対する矛盾や疑問、そして使命感が心の中で少しずつ芽生えていく過程が淡々とした中にもとても上手く描かれていました。  若者の純粋なエネルギーを感じさせてくれる良質の青春映画であり、人間の力強さや自然の偉大さを感じさせてくれる、ロードムービーや人間ドラマとしても心に残るいい映画でした。
[DVD(字幕)] 8点(2010-07-20 23:12:12)
88.  パリ空港の人々 《ネタバレ》 
スピルバーグが豪華キャストで撮った「ターミナル」と比べると空港の華やかさも無く美女とのロマンスも無く地味な作品ではあるのですが僕は本作の方に惹かれました。  ここは確かにパリのはずなんだけれどパリじゃない。世界中のどこでも無い場所。そんな場所に世界からそっぽを向かれてしまった、この世界に行く場所も帰る場所も失ってしまった人々の少し物悲しくも可笑しな人間模様。  大晦日の夜にテーブルの上に再現したパリの街、そしてこっそり空港を抜け出したパリの街が良かったですね。雑踏と華やかなネオンに彩られたパリではなく、人気が無くどこか淋しげな深夜のパリの雰囲気がいい。  恐らくもうあと何日か辛抱すれば自由にパリの街に出ていける主人公の男とは違い、それが叶わない人々の身近なようでとても遠い街であるパリの夜景を眺める淋しげな表情とそんな彼らの心の内を表しているかのような淋しげな深夜のパリの風景、そして主人公の男とギニア人の少年が歩き出す先にはきっと希望があると信じたいラストシーンが鑑賞後も不思議な余韻となって心に残ります。
[DVD(字幕)] 8点(2010-07-14 22:48:17)
89.  オーケストラ!
予想に反してベタな笑いドコロがふんだんに盛り込まれており、よく笑わせてもらいました。全編を通して人情喜劇的な流れの中、今もロシアの人々の心やロシア国内に根深く残っているのであろうソ連の時代の負の影響や、人々のその時代への様々な思いが分かりやすく上手く描かれていました。最後に来て最高の盛り上がりを見せるコンサートのシーンは素晴らしかったし、メラニー・ロランの輝く存在感が際立っていました。更に、残念ながら他の作品を見る機会がなかなか無いロシアのベテラン俳優たちの人間味あふれるコミカルな演技も素晴らしかったです。
[映画館(字幕)] 8点(2010-06-25 20:48:57)(良:1票)
90.  愛と宿命の泉 PART I /フロレット家のジャン
都会から農村に家族を連れて移り住んだ善人で働き者のジャン。美しい妻とマノンという名の利発な娘という絵にかいたような幸せな家族像。農業に成功するには水が必要。その水をめぐるジャン一家と隣人の物語。第1部はジャン一家が苦闘する様子とそれを陰で見つめながらある計略を練る隣人。最終盤まではそんな様子を淡々と見せていくのみですが、この隣人とジャン一家の人間模様は実に見応えがありました。第1部は計略が成功したかに見える隣人の姿と悲痛なジャン一家の姿というラストを迎えますが、内に秘めたる強い意志を感じさせる娘の表情で話は終わります。これは確かに新たな物語の始まりでもある。第2部のタイトルは「泉のマノン」。そう、この娘の名前です。このマノンと隣人と、泉をめぐる新たな物語に期待が高まるラストです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-03 21:09:32)
91.  映画に愛をこめて/アメリカの夜
フランソワ・トリュフォーの映画と、共に映画を創り上げていく仲間達への愛情や熱い思いを感じずにいられないとても楽しい映画でした。全てがトントン拍子にいく訳が無いしハプニングもありますが、みんな映画が大好き。一本の映画に関わる様々な人々の、そんな映画への熱い思いが生き生きと描かれ伝わってくるし、外から見ている僕には計り知れない苦労もあるだろうけど、自分の大好きな映画を創るという仕事をしている人達が羨ましくなりますね。
[DVD(字幕)] 8点(2010-02-22 20:06:19)
92.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 
登場人物の誰にも感情移入できず、魅力も感じない。しかし映画としては原作の知識は全く無いですが、その登場人物の設定がよく練られていて、特に旅行から戻ってきてからの展開にはぐいぐいと引き込まれました。サスペンスを無理に盛り上げようと過剰な音楽や演出は抑えられた落ち着いた雰囲気ながらも緊張感を持続しつつラストに向かって盛り上がっていくサスペンスドラマとしての構成が素晴らしい。ラストでトラックが突っ込んでくるところはちょっと強引だったものの水兵の男の死に際の台詞、そして恐らくは結局誰も得をせず幸せにもなれないであろう、あのいかにもフランス映画らしい余韻を残す幕切れも見事でした。
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-25 23:41:37)
93.  幸せはシャンソニア劇場から 《ネタバレ》 
いい映画でしたねえ・・・。1930年代、時代の暗い影、不況にもめげず何度挫折してもシャンソニア劇場を愛し、劇場の復活と成功を夢見て集まる人々。歌手として成功を掴み、劇場を去ったヒロインが愛する劇場のために戻ってきて、支配人も歌手も芸人もノーギャラで劇場の復活のため仲間と共に奮闘するというとても温かな人情噺です。不況、そして混沌とした現代の我々に対する応援歌でもあるように感じました。見事に再現されたパリの下町の石畳の街並、劇場の舞台裏の壁やカーテンの汚れ具合、夢に結集する歌手や芸人達、そして生き生きとした表情で舞台を見つめる観客達。そんな活気にあふれるパリの下町、そこに力強く生きる庶民、劇場の全てが愛おしく、そんな昔のパリの下町や劇場の描写にフランスが世界映画史に誇る名作「天井桟敷の人々」をちょっと思い出させられました。音楽や当時の雰囲気を醸し出す美しい映像も素晴らしかった。しかし、ハッピーエンド大好き人間の私としましては特にこんな映画には終盤の血生臭い展開は似合わないと思うのです。やっぱりこんな映画には大団円のハッピーエンドが似合います。また、恋に落ちた二人のその後も分からないまま終わりましたが、ちょっとこの二人のその後も観たかったなあ・・・。という不満が無いわけではないのですが、それでもそれを補って余りあるいい映画でした。
[映画館(字幕)] 8点(2009-12-08 20:51:34)(良:1票)
94.  ああ結婚 《ネタバレ》 
身勝手な男とずっとそんな男に振り回されながらも力強く生きる女。そんな二人の出会い、別れ、そして・・・。という男と女の数十年。前年の「昨日・今日・明日」に続いてのデ・シーカ監督、マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレンによる、もう一つの男と女の「昨日・今日・明日」の物語ですね。昨日まで本当に色々あった二人ですが、ようやく幸せが訪れた今日。明日への確かな希望を感じさせるラストシーンが実にいい。3人の“息子”から声をかけられたマルチェロの表情、感極まるソフィア。そんな様子を大袈裟にせずごく短時間でそっと見せるのがいい。結末は予想のつく物語ではあるのですが、その予想通りが本当に嬉しい作品です。3話のオムニバスである「昨日・今日・明日」も好きな映画なのですが、本作は出会った頃からの長い年月の2人の物語をじっくりとデ・シーカ監督が描き、2人の素晴らしい演技もじっくりと堪能できる映画になっています。
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-08 20:40:37)(良:2票)
95.  きつねと私の12か月 《ネタバレ》 
一人の少女と一匹のきつね“テトゥ”との友情の物語。きつねと少女が初めて目が合い、少しずつ距離が縮まり、友達になる過程の微笑ましい描写に心が和みます。しかし少女がテトゥを自分の思い通りに扱おうとした瞬間、テトゥは激しく抵抗する。そう、決して動物たちの世界は人間の思い通りにはならないし、思い通りにしようとしてはならない。動物たちを狙う人間の冷たい銃口や、木々は切り倒されそこに家や街が作られていき、動物たちの安住の森がどんどん人間の思い通りに狭められていく今の地球。人間にとって快適な人間によって造られた人間の生息域では動物たちは生きていけないことを終盤、少女とテトゥとの間に起こったある事件を通して見せてくれる。また、本作にはきつね以外にも様々な動物や昆虫や鳥たちが登場します。季節ごとに表情を変える自然の美しさ、優しさ、そして厳しさが穏やかに描かれています。大人には大人の、子どもには子どもの感じ方ができるし、家族みんなで楽しめる映画となっています。
[DVD(吹替)] 8点(2009-10-24 15:15:31)
96.  ナイト・オン・ザ・プラネット
ジム・ジャームッシュという人は本作のように地球上の片隅で今夜も何処かの国の何処かの街で繰り広げられているであろう何気ない人間の営みや、街の片隅のごく普通の人々のちょっとした人間ドラマをつなぎ合わせて1つの映画として見せるのが本当に上手い監督だと思います。ある時はちょっぴり笑えて、ある時はちょっぴり観る者の心を響かせてくれる。この大袈裟じゃないところがいいですね。(ただしベニーニを除く。でもベニーニという人はこれでいいのだと思う…。)そして最終話、夜明けのヘルシンキのしんみりとした余韻と、それに続くトム・ウェイツの歌声もたまらなくいい。この映画は週末のオールナイトか何かでそろそろ夜が明ける頃に上映が終わる回で見ると素敵かもしれない。映画館を出るとちょうど僕もヘルシンキと同じ夜明けを迎える。そしてちょっぴり「ナイト・オン・ザ・プラネット」の世界に浸ってみるのもいいかもしれない。そんなことをふと思ったりしました。
[DVD(字幕)] 8点(2009-10-19 21:49:47)
97.  ぜんぶ、フィデルのせい 《ネタバレ》 
裕福な家の娘アンナ。パパとママが共産主義活動にのめり込み、生活が一変。大きな家から狭いアパートに引っ越すことになる。しかもアパートには得体の知れないヒゲ面でタバコをプカプカふかす変なオジサンが大勢四六時中出入りしている。共産主義って?団結の精神って?核戦争って?パパもママもどうしちゃったの?という訳で世の中も自分の周りも分らないことだらけ、以前の生活に戻りたいアンナは不満だらけでいつもふくれっ面。でも時折パパから褒められたり、遊んでもらえた時に見せる子供らしい笑顔が印象に残る。周りの大人のやっていることが理解できない、でも、知りたくて仕方がない。子供の頃なら誰もが感じる事。そんな等身大の子供の気持ちを演じたアンナ役の少女の演技力に驚かされた。テーマは子供の成長なんですね。これもアンナには分らない、中絶って?子供はどうやって作るの?という性に初めて興味を示す女の子の素朴な気持ちや成長を70年代の時代背景や価値観、世相を絡めた盛りだくさんの内容ながらも全てがアンナの知りたい事であり、アンナの視線であるので散漫にならずに楽しめる作品に仕上がっています。時には程よくコメディタッチで描かれ、(特に分かったようでとんちんかんな事を言うアンナがかわいいです。)ちょうどいい尺によくまとめられた、可愛らしくていい映画です。ラストシーンは自分で転校を決断し、そのあまりにも環境の違う転校先でしっかりと自分の足で立ち、子供たちの輪に入っていくアンナの姿に感動しました。
[DVD(吹替)] 8点(2009-09-09 21:10:07)
98.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 
僕は典型的なおバカコメディが好きだ。それを期待して本作を観ようと思った。現にDVDのパッケージからも十分すぎるほどおバカコメディのオーラが出ているではないか。しかし、その期待は裏切られた。いい方に。勿論コメディとしても十分楽しませてもらった。序盤は、のどかな田舎町でのニコラスのあまりにも場違いなスーパーポリスぶりが可笑しい。作品全体を見ても、一つ一つの細かいシーンを見てもメリハリがあり実に丁寧に綿密に作りこまれています。そんなのどかな村に大事件が発生。作品は一転してミステリー・サスペンスの様相を呈してくる。さらに終盤のハチャメチャな展開とスーパーポリスメンぶりが痛快だ。そんな村の様子は「こんな状況ありえないだろ!」という状態になるのですが、そんなツッコミを入れる気も起こらないほどのパワーと痛快さに満ちている。この怒涛の流れの中、所々に見せてくれるアホらしさも楽しい。このスーパーポリスとコンビを組む典型的ダメポリスの間に共感が芽生え、実にいい相棒になり、友情に発展していく過程の見せ方も素晴らしく、まさにホットなスーパーポリスの熱い正義感と人間味にあふれ、これは1つの作品で2度、3度おいしい映画。オススメです!
[DVD(字幕)] 8点(2009-07-30 22:28:34)
99.  デイズ・オブ・グローリー 《ネタバレ》 
フランスに植民地支配された北アフリカ出身のフランス軍兵士を描いた素晴らしい戦場の人間ドラマでした。自由と平等のためフランス軍の兵士としてナチスと戦っているのに、そのフランスからは植民地支配されて自由と平等を奪われ、共に戦う軍隊の中ですら昇進も休暇も食事に至るまで差別され平等な扱いを受けられないという矛盾に対する心の葛藤やそれでも自由と平等のため、家族や恋人のため勇敢に戦う彼らの心情がとてもよく描かれていたと思います。これ、日本では劇場未公開なんですね。いい映画なのに惜しいなあ・・・。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-06-19 23:52:53)
100.  レスラー 《ネタバレ》 
オープニングでその男はかつてその活躍が華やかに報じられていたメジャー団体のスーパースターだったことが分かる。それから20年が経過した今、スーパーでバイトをしながら何とか生計を立て、時には家賃も払えず、「客の入りが悪かった」とギャラを安くおさえられながらも週末の場末のリングに上がり続けるかつてのスーパースターの落ちぶれた厳しい現実、疲れた背中をこれでもかと見せ付ける。その男を演じるのはやはり年をとったなあと思わざるを得ないミッキー・ローク。そういえば彼の新作をみるのは久々だ。その姿は痛々しく、そしてリアルだ。ある試合後の心臓発作をきっかけに普通のおじさんに戻ろうと奮闘するが上手くいかず、リングに生きる決心をする。自暴自棄のようでもあるが、一度はリングを降りたが自分の生きる場所はやっぱりリングしかない。そんなラストのリング上のファンに語りかけるマイクパフォーマンスとファイトが感動的だった。幕切れはあっけないけれど、これでいいと納得のいい終わり方だった。ミッキー・ロークの見事なプロレスラーぶりには敬意を表したい。鍛え抜かれた体、流血のハードコアマッチ、場外乱闘、コーナーポスト上の姿、全てが絵になっていた。そしてミッキーがマリサ・トメイを見つめる目。確かに老けた。しかしその目と視線を見ていると彼が若かりし頃、共演女優を見つめる目と視線を思い出した。そこに年齢を重ねた男のいい味と貫禄を感じさせてくれた今後の彼のますますの活躍に期待したくなった。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-16 19:00:41)(良:3票)
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