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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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141.  バーバレラ
こういうバカバカしい映画、僕は好きです。 バーバレラは結構危ない目にあっている割には緊迫感が無いんですけど、本作はそれが大正解だったと思います。 60年代という時代を考えると、宇宙のとある星という作品の世界観もよく表現されているんじゃないでしょうか。 とか、そんなことよりもまだ若いジェーン・フォンダのコスプレとエロカワぶりが見られるだけで十分の作品です。 後に別れちゃいましたけど、この頃はロジェ・ヴァディムとジェーン・フォンダはご夫婦でしたよね。 自分の奥様に何をさせてるですか・・・。でも、ヴァディムさん、ありがとう!と言いたい作品です。 そしてあのデュラン・デュランの名前の由来がこのデュラン・デュランだったとは知りませんでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-06 20:57:21)(良:1票)
142.  戦場カメラマン 真実の証明
見る前はこの邦題から、紛争地域で何が起こっているのか?その真実に迫る、例えば「サルバドル」のような作品をイメージしていました。 そのイメージとは異なりましたが、地味ながらも戦争と人間を描いた見応えのある作品でした。 戦場で一体何があったのか?なぜ親友のデヴィッドは帰って来ないのか? それは心に体に傷を負ったコリン・ファレルが演じる戦場カメラマンとクリストファー・リー演じる医師の対話を通して明らかになっていく。 その過程を描く後半は淡々とした中にもズシリと考えさせられる重みがありました。 そして戦場で何があったのか、果たしてデヴィッドはどうなったのか・・・?明らかにされる真実もまたあまりにも重い。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-20 20:50:20)
143.  白い家の少女
まだ少女の頃のジョディ・フォスター。 作品としては「タクシードライバー」が有名ですが、ジョディの演技ということでは本作も負けてはいません。 終始無表情で冷めたような表情。しかし時折見せる無邪気な表情・・・。見る者を引きつけるこの存在感。 どうしてもジョディに注目が集まる作品ですが、彼女の前に現れる2人の男を演じた、 まだ若いマーティン・シーンとスコット・ジャコビーも好演しています。 特に嫌な男をねちっこく演じたマーティン・シーンが印象に残る。  中で何か恐ろしいことが起こっているかのような屋敷。 本当に屋敷の中にいるのかいないのか?その存在が謎の親。 どうにかして始末しなければならない、被害者が乗って来たクルマ・・・。 どこかヒッチコックの「サイコ」とも共通する、作品に漂う不安げな空気もいい。 ショパンの調べと、背後で燃えさかる暖炉の炎と、ジョディの表情。このラストも秀逸。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-01-13 22:11:22)
144.  蜂の旅人
冒頭の娘の結婚式。その幸せの宴の席、どこか思いつめたような表情を見せる父。演じるのは名優マストロヤンニ。 その日、彼は長年務めた教師の仕事を辞め、家族とも別れ、教師をしながら営んでいた養蜂業の蜂と共に旅に出る。 孤独、老い・・・。本作のマストロヤンニの姿からはそんな言葉しか思い浮かばない。 これまでの人生において家族と何があったのか、過去に何があったのかにはほとんど触れていません。 あのラストシーンが旅の目的だとすれば、かつての仲間を訪ね歩いたり、離れて暮らす家族の顔を見に立ち寄る彼の行動があまりにも悲しい。 ラストシーン、彼は指で地面を打つ。その指で彼は一体何を語っていたのでしょうか。 マストロヤンニはこの後、「こうのとり、たちずさんで」再びアンゲロプロスの作品に出演します。 両作品とも、思いつめたようなあまりにも寡黙な姿が印象に残りますが、 やはりマストロヤンニには寡黙よりも陽気で饒舌な男の役が似合いますね。
[DVD(字幕)] 7点(2014-09-15 18:16:26)
145.  アンノウン(2011) 《ネタバレ》 
冒頭から序盤は何かの陰謀に巻き込まれたかのようなドクターであるリーアム・ニーソンがミスキャストに思えました。 ドクターにしては結構強そうで…。しかし、このドクターの真の姿が垣間見えるにしたがって、やはりニーソンが演じて正解だと思えました。 まあ、彼がドクターではないことや、職業の大体の方向性は結構早い段階で分かっちゃうんですけどね。 それでも水面下で進行する陰謀劇は最後までなかなか読めずラストのホテルでは、 必要な人は生き残り、そうでない人は残念ながら。よく全てを丸く収めてくれました。この結末にも納得です。 作品のテンポも良くミステリ・サスペンスとしてもエンターテイメントとしても最後まで十分楽しめます。 出番は多くなかったですが、脇を固めるベテラン勢が渋い。威圧感のあるフランク・ランジェラに、 久々に見たドイツの名優、ブルーノ・ガンツの健在ぶりが見られたことも嬉しい作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-19 21:18:09)
146.  クロワッサンで朝食を
大女優ジャンヌ・モロー。本当に久しぶりに彼女の新作映画を見ました。 もう80代も半ばに差し掛かる2012年の作品ですが、大女優の貫録と、その年齢を感じさせない力強い演技に圧倒されます。  序盤のエストニアの冬の寒々しい風景。パリに舞台が移ってからも晴天よりも曇天の空模様が印象的。 そして2人の寂しげなパリのエストニア人女性。しかしラストの偏屈な老婦人を演じるジャンヌの、微笑みを浮かべながらの一言「ここはあなたの家よ」に心が温まる。  さて、この邦題でどんな作品が思い浮かぶでしょうか?「ティファニーで朝食を」、あるいは「プルートで朝食を」という映画もありました。 この2作品が思い浮かんだ僕は軽妙なコメディを期待しての鑑賞でしたが、少し重さやホロ苦さのある、どこかすきま風を感じる人間模様が印象的。 確かに何度かクロワッサンは出てくるのですが、邦題としては微妙なところです。
[DVD(字幕)] 7点(2014-04-16 20:10:32)(良:1票)
147.  レオン(1994)
リュック・ベッソンが本作を思いついた時、この年齢のナタリー・ポートマンがいた。特に可愛いとか奇麗だとかは感じませんが、数年後でも数年前でもない、この年齢にしか出せない微妙な幼さと大人っぽさや危うさを見事に醸し出す。映画のタイトルは「レオン」ですが、僕にとっては「マチルダ」でもいいと思うくらいにナタリーが強烈に印象に残る作品です。勿論ジャン・レノのシブさに、脇を固めるゲイリー・オールドマン、地味ですがダニー・アイエロもいい味を出しています。冷酷な殺人者の心に少しずつ変化が生じていく様と、レオンとマチルダの時に切なく時にコミカルな心の触れ合いの見せ方がいい。ストーリーはそれ程好きな映画ではないですが、それでも何度か見ています。やはりこのキャストも含め魅力を感じる作品です。
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-25 21:43:06)
148.  シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~
肩の力を抜いたジャン・レノ演じる三ツ星レストランのカリスマシェフと、彼の前に現れた天才肌の無名シェフ。この2人がとても楽しい掛け合いを見せてくれます。特にサムライとゲイシャ?に変装した2人には笑わせてもらいましたよ。  2人とも料理の腕前は確かだけど、どこか抜けていてひと癖ある人物設定が絶妙で、老人ホームの従業員3人組もいい味出しています。そんな彼らが三ツ星レストランの看板を守るべく奮闘する様を程よくドタバタ、程よくほのぼのとした笑いで見せる人情喜劇に仕上がっています。  それと並行して挿入される、2人それぞれの家庭や人生のドラマ。こちらもコメディタッチの中に家族の素晴らしさや日常の中にある幸せをうまく描き出しています。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-25 20:26:31)(良:1票)
149.  料理長(シェフ)殿、ご用心 《ネタバレ》 
高カロリーで決して体に良くないグルメや美食を皮肉たっぷりに描いたグルメ・ミステリー・サスペンス・コメディ。世界有数の一流シェフが次々と、それぞれが得意とする料理方法で殺されていく。その動機は?犯人は?ミステリとしては、いかにも怪しい登場人物がシロなのはお約束。その上で、一流シェフ連続殺人の動機は十分に読めてしまうのですが、ラストに登場する真犯人は意外な人物でした。お話としては、笑える話ではないのに可笑しい。個性派が顔を揃えたキャストのコミカルな演技も、作品に品をもたらせている巨匠マンシーニの音楽も素晴らしく、片肘張らず楽しめる作品になっています。そのキャストの中でもダントツに魅力的なジャクリーン・ビセット。見えそうで見えない入浴シーン、バスタブの中で一緒に戯れるジョージ・シーガルにもうひと頑張りして欲しかったところです。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-24 22:39:46)
150.  アバウト・ア・ボーイ 《ネタバレ》 
ヒューが演じる男は相変わらずダメなんだけど、憎めないんだよなあ・・・。見る者にそう思わせる、これぞ彼の持ち味なんでしょうね。本作はちょっとシリアスな内容も含んでいますが、そんな中にクスッと笑わせてくれる彼の存在が活きています。彼が演じるウィルとマーカス少年の関係が微妙なんだけど、それが絶妙にいい。終盤のコンサート。ウィルがギターを弾きながらマーカスを助けにステージへ出てくる。普通ならそこで拍手喝采、大団円となるところですが、そうならないところがまたヒューらしくていい。最後はちょっぴり暴走してブーイングを浴びてしまう始末。やっぱダメだなあ・・・。と思いつつもこのシーンに感動してしまいました。一緒にステージに立ってくれたその気持ちはしっかりマーカスに伝わっていたんだから。
[DVD(字幕)] 7点(2013-12-03 20:59:44)(良:2票)
151.  黒いオルフェ
ギリシャ神話の悲恋物語がベースになっているとのことですが、それをカーニバルの熱気に包まれたリオを舞台に再現する。ギリシャ神話の悲恋物語とラテンの空気が見事に融合しています。カーニバルの熱気と、あまりにも鮮やかな色彩と、常にどこからか聞こえてくるサンバのリズムと情熱的に踊る人々。作品にみなぎる溢れんばかりの生命力、しかしそんな中に時折ちらつく死、そして最後は・・・。生きている限り、生と死は常に表裏一体ということなのか。熱気の中に不思議な、神秘的な空気を感じる作品です。もし本作を映画館で見ていたならば、本作のパワーにもっと圧倒されていたことだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-16 20:05:52)
152.  告発
久々にズシリと重く、人間の尊厳を描いた映画を見た気がする…。これは鑑賞後の感想ですが、見ている最中は不思議とそれほど重さを感じませんでした。そう感じさせてくれたのはクリスチャン・スレーターの存在だったのだと思います。まだ何色にも染まっていない、熱き新人弁護士の透明感を見事に演じて見せた。法廷ものとしてはクリスチャン・スレーター演じる新人弁護士の独壇場になりすぎたかと思いますが、最初は会話すら成立しなかった弁護士と囚人が次第に心を通わせていく、その過程の2人は実に見応えがありました。その囚人を演じた本作のケビン・ベーコン。もう2度と見ることができない映画かもしれませんが、彼の入魂の凄まじい演技を忘れることは無いと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-05 18:46:35)
153.  オン・ザ・ロード(2012) 《ネタバレ》 
ウォルター・サレスのロードムービーと言えば思い出されるのは、若き日のチェ・ゲバラの南米大陸放浪の旅を描いた青春ロードムービー、「モーターサイクル・ダイアリーズ」です。  そして本作は北米~メキシコに舞台を移した青春ロードムービー。静かなる青春ロードムービー「モーター~」とは趣が異なり、思い描いていた作品の雰囲気ではなかったですが、これはこれで楽しめた作品でした。  スクリーンを通してもむせかえりそうになるほどの酒の匂いや煙草の煙が作品に充満している。ドラッグにセックス。より刺激を求めて放浪の旅を繰り返す。まさに今さえ良ければいいという日々。色んな奴らが旅に加わり、旅から離脱していきましたが、そんな中で最後まで行動を共にするのが、その中心的存在であったディーンと、主人公のサル。  しかし、本作の旅の最後の地メキシコで病に倒れたサルを見捨て、ディーンはいなくなってしまう。しかしサルにとってはディーンと離れることになったここが人生の転機となったのか。その後2人がNYで再会するシーンが印象に残る。  いつまでも今さえ楽しければいいという日々が続く訳も無い。かつての輝きはすっかり色あせたディーンの姿が悲しく、その再会シーンを見ながら、途中旅から離脱し、故郷デンバーで水兵と結婚したというメリールウの恐らくは幸せであろう今の姿が思い浮かんだ。豪華キャストが顔をそろえた作品ですが、そのメリールウを演じたクリステン・スチュワートの体当たりの熱演が最も強く印象に残ります。
[映画館(字幕)] 7点(2013-09-13 22:20:58)
154.  石の微笑 《ネタバレ》 
「私への愛を証明するために人を殺して」ー悪女モノなどでよく見られるプロット。そんな女との愛に落ちていく仕事も真面目にこなし、家族思いの無口で大人しい男。そんな男を演じるブノワ・マジメルの繊細な演技と風貌が実によく本作の世界観にはまっています。  一方女の方は見た目には微妙。決して美人というわけじゃない。しかし彼女は恋愛サスペンスなどでよく出てくる悪女とはまた違う。その女の病的な愛を演じるローラ・スメットもまた本作の世界観に見事にはまっています。  暗いトーンの映像、ジメッとした暗い雰囲気が漂う彼女の家、どこか脆さを感じさせる2人と、2人の周囲にある人間関係。感情移入しづらい物語ながらも、2人の醸し出す空気とこんな作品の世界観に気が付けば見事に引き込まれていた。そしてラストにはぞっとさせられる結末が待ち受けている、静かなるサスペンスドラマ。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-08-12 00:25:52)
155.  青春群像
「アマルコルド」と同じく、フェリーニの故郷の海辺の小さな町を舞台にした自伝的要素が強い作品です。  「アマルコルド」が少年時代の記憶をノスタルジックに幻想的に描いているのとは対照的に、本作では、そろそろ人生の方向性を見つけ出していかなければならないのらくら達が定職に就く訳でもなく、だらだらとつるんだりする姿や、家族や町の大人たちと彼らが関わる様が淡々と綴られていきます。  午前3時。ある者にとってはもう働きに出る朝。でも、のらくらは夜遅くまで遊び回り、まだ町をふらついている。時間を持て余し、人気も無く殺風景な海辺に彼らが佇む姿は人生に行き詰っているように見える。ネオリアリスモ的な空気感もありますが、その一方で彼らの姿が意外に陽気に描かれており、現実の厳しさもありますが、そんな中にもフェリーニの優しさが感じられます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-05 00:07:23)
156.  あるいは裏切りという名の犬
こういうフランス映画を久々に見た気がする。男臭くて、スタイリッシュ。ジャン・ギャバンやアラン・ドロンの時代のフレンチ・ノワールを彷彿とさせます。そして2004年に主役を張るのは今のフランスが誇る名優、オートゥイユとドパルデュー。  音楽や演技のトーンも抑え気味で地味に撮られていますが、ピーンと張り詰めたような空気を作り出す2人の名優の渋すぎるほどの演技の真剣勝負が堪能できます。  派手な銃撃戦やカーアクションは最小限度にとどめられ、明るさが微塵も無い、暗い世界観を抑え気味のトーンで淡々と見せる。作品によっては非常に長く感じるタイプの映画だと思うし、こういう作風は苦手なんですが、長さを感じさせない。見応えがある人間ドラマに仕上がっています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-07 22:11:19)
157.  ルビー&カンタン 《ネタバレ》 
コメディには欠かせないアホキャラ。しかし、ドパルデューが演じるカンタンほどのアホにはそう簡単にはお目にかかれません。見事な天真爛漫なアホっぷりで冒頭から大いに笑わせてくれます。  そしてカンタンとは正反対のキャラを演じるのがジャン・レノ。全くかみ合わない2人が行動を共にするうちに次第に友情が芽生え…。という定番の展開で、こういうコメディの場合、ドパルデュー演じる役の方が徹底的にオイシイんですが、そこはさすがにジャン・レノ。謎のアホに付きまとわれ振り回される一匹狼の殺し屋という役どころを見事なバランスでクールに可笑しく演じています。  監督のヴェベールさん、本作といい、「メルシイ!人生」といい、ドパルデューの使い方が面白い。90分に満たない短い尺でテンポも良く、笑ってるうちにあっという間にラストを迎えます。大した中身は無い。でも、こういうコメディってこれでいいんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-02 21:12:47)
158.  天使の分け前
暴力に明け暮れ荒んだ毎日を生きていた主人公の青年ロビー。恋人と生まれくる子どものために、今度こそはと更生を決意する。  裁判で社会奉仕活動を言い渡されたちょっとトホホな仲間たちと、旨いスコッチウイスキーには目がない愛すべき社会奉仕活動の指導者の姿をコメディタッチで描きますが、そんな中にいかに更生を決意しようともそれが容易ではない社会や雇用の厳しい情勢を挿入する。コメディとは言え、このあたりはいかにもケン・ローチらしいところです。  主人公ロビーに関しては必ずしも共感出来ることばかりではありませんが、この愛すべき社会奉仕活動の指導者が彼らを見守る視線こそケン・ローチの視線であり、そんな人間を見つめるローチの視線は本作でもやはり優しい。  スコッチウイスキーの香り漂うスコットランドの美しい風景描写も見どころです。ウィスキーの製造過程で生じる「天使の分け前」の意味の説明は作中でなされますが、ラストに登場する、もう1つの「天使の分け前」が何とも素敵。これが鑑賞後にとてもいい余韻を与えてくれます。
[映画館(字幕)] 7点(2013-04-15 22:25:10)(良:2票)
159.  戦場のアリア
戦場の最前線で敵味方に分かれて戦う兵士達。彼ら兵士達に一体何の違いがあるというのか。故郷に家族が待つことも、死者を弔う気持ちも、信仰も同じ。  違いは彼らが別の国に生まれてきたこと。そして本作に登場するのはその国同士が戦争になったがためにそこに駆り出された普通の人々。そんな兵士達の一夜限りの休戦を通して、戦争の愚かさと平和の尊さを見事に描いた作品です。ほんの少しだけ挿入されるユーモアも良かったです。  微妙なのがダイアン・クルーガーの存在。本作は男だけの映画になっても良かったのではないか?という気がしました。しかし美しい歌声に癒される両軍の兵士達の表情を見た時には、このシーンのためだけでも良かったのかなと思うとともに、彼女の歌が吹き替えでもいいと思えました。  この休戦がクリスマスの一夜限りと考えると虚しさも感じますが、キリスト教を信仰する人々にとってのクリスマスが持つ意味の全ては僕には分からないのかなと、そんな気がしました。  その一方で終盤での戦場の神父さんと司教の会話と、その後の司教の説法からは宗教とは一体何なのかと考えさせられます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-22 21:12:15)
160.  裏切りのサーカス
東西冷戦下のスパイの哀しき人間模様を描いた重厚感のあるドラマ。  どちらかというと謎解きに軸足が置かれており、サーカスの上層部に紛れ込んだ“モグラ”の正体を捜査していく老スパイ、スマイリーを演じたゲイリー・オールドマンの渋くも威圧感のある演技を堪能しました。更に登場しない重要登場人物である、謎のソ連の大物スパイであるカーラ。姿は見せずに見事にその意志や作品の中での存在感を出させていたと思います。  鑑賞に集中力を求められる作品ですが、考えてみればモグラの容疑者はかなり絞られています。最後にモグラの正体を明かしますが、モグラを含めた容疑者の人物描写が終盤まではかなり少なく、ちょっと時間が足らなかったかという気がします。
[DVD(字幕)] 7点(2012-11-07 23:57:08)
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