1. ヒューゴの不思議な発明
《ネタバレ》 ジョルジュ・メリエスにさほどの思い入れがない人間にとっては、かなり大風呂敷の伏線のわりには、こじんまりと回収されたなという印象は否めません。(要は、一人の人間の精神的な復活ですから) やたら派手な歯車集団で動かされる時計で象徴されるようなファンタジックな舞台設定な割には、ストーリーもごくごく現実的で。 ただ、それにもかかわらず自分にとっては、クロエ・グレース・モレッツという女優を知ることができたという唯一点でかけがえのない映画となりました。 (「涙そうそう」麻生久美子、プリティプリンセス(ハサウェイ)、ブレイブハート(ソフィ・マルソー)、アルマゲドン(リヴ・タイラー)つぐない(シアーシャ・ローナン)と並ぶくらいにw) なんて好感が持てる容貌なんだろう 2013年11月7日再見 前回観た時ねてたんだろうか、ずぶん。この映画の、こんな雰囲気の良さに気がつかないなんて。本当に、この映画の中の世界に入っていきたいほど、素晴らしい雰囲気の映画でした。また、登場人物が鉄道公安官も含めて全員愛おしくて、こんなことも珍しい。 ヒューゴをやった少年とクロエ、数か月だけクロエの方がお姉さん(いわゆる学年が上っつうやつね)なんだけど、随分クロエの方がお姉さんに見えました。 これくらいの年代だと、女の子の方が少し年上の方が絵になりますね。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-03-04 18:42:34) |
2. つぐない
《ネタバレ》 本当に恥ずかしいんですけど、前回見たときは18歳のブライオニー役の女優さんは全くのミスキャストだと感じてしまいました。というのも、13歳のブライオニーに感じたきらめきも生命力も一切感じられなかったから。なんかひたすら鈍重な感じがして嫌でした。 だけれども、今回いろいろ考えながら再見したら、実はあれが当たり前、あるべき姿なんだと、つまり自分の犯してしまった罪の重さに全存在が打ちひしがれている姿であると気づきました。本当に素晴らしい役作り、名演技ですね。(画像検索したらなかなか綺麗な女優さんですし) 前半部分は素晴らしいですね。同じ場面を繰り返すことによって、よりはっきりする心理描写、一瞬たりとも気が抜けませんでした。また真犯人とローラのそれぞれがしっかり伏線をはってたことも今回確認することができましたし。 あと、「つぐない」あるいは「贖罪」について。 ブライオニーがやったことは、はっきり言って自己満足で、シーやロビーにとって何の意味もありません。 ただ、そうせざるを得なかったブライオニーの心境も悲しいものがあるのでは。 後悔しても、後悔しても決してつぐないようのない罪を犯してしまった悲しみ、苦しみ。 こういったものがこの作品のテーマになっているのでは? ネタが完全に解ってても泣けてしまった作品でした。 [DVD(字幕)] 9点(2010-06-14 13:35:30)(良:1票) |
3. エリザベス:ゴールデン・エイジ
《ネタバレ》 こういった歴史物映画ではよく自由が安売りされますが、この映画で扱われてる自由こそ、当時のカソリック=反宗教改革側=スペインがどのような性格の存在であったかを考えば、文字通り本当の意味での自由であり、この映画で扱われる戦いは本当の意味で自由・独立を守るための戦いであると言えます。 そういった知識があれば、完全にイギリス=エリザベス側に感情移入して、充分楽しめる作品でした。 あと、一人の女性としての苦悩を乗り越えて、女王としての自分を選ぶエリザベスが見事に描写されていたと思います。 ケイト・ブランシェット、全然美人でも可愛くもないんですが、一人の人間としてカッケェーと思いました。 脇のクライヴ・オーウェンも、むさくるしいほどの男らしさがいい! 恋愛至上主義の映画が多い中で、ほとんどの登場人物が個人的感情を乗り越えていくのにも好感がもてました。 ただ、難を言うなら、スペインの強大さが充分表されてなかったこと、海戦場面がちょっとしょぼかったことで、それぞれ-1点です。 平成23年9月10日追記 実を言うと、宗教的な非寛容性に関しては、決して新教側も負けてはいないんで(例えばこの同じ国でのクロムウェルのカトリック弾圧とか)、そのあたりの描写は少し公平さにかけるかなとも冷静になれば思えますが、半分フィクションとしてみれば、ブッシュ的な(おっと、こいつはもろ新教だw)宗教的ドグマにより、全世界を支配しようとする強大な帝国、国王対自由と寛容を重んじる脆弱な新興国の女王という構図が上手に描かれてたので、自分でも馬鹿だなとおもいつつ、宗教、とりわけ宗教的ドグマが大嫌いな自分としては、どうしてもかなりエリザベスの方に肩入れして見てしまいました。上手な映画だな [DVD(字幕)] 9点(2010-02-22 13:24:34) |
4. ラ・ブーム
なんかフランス映画って、「え、そこでそうなるの?」みたいな違和感があるんですよね。気持ちや、心理状態の変化が説明不足っつうか、つかみ辛くて。 でも、そんなこと全然気にならないくらいソフィー・マルソーが可愛くて、可愛くて。 誰でも理屈抜きに魅かれる顔立ちのタイプってありますよね。(ちなみに優木まおみさんや篠田さんにちょっと似てるかなw) 女優の魅力だけで8点ってこれが2作目です。 [DVD(字幕)] 8点(2012-08-20 16:09:57) |
5. 愛人/ラマン
《ネタバレ》 まず、この映画で描かれてる時代が、どんな時代か理解する必要があると思う。 オーストラリアではアボリジニーが害獣のように殺戮され、アメリカ南部では黒人へのリンチが頻繁に行われ、日本が国際連盟に提出した人種差別撤廃案が一笑にふされた時代。 そんな時代に、普通の意識をもった白人の少女が中国人の男性に恋愛感情を持つこととかあり得ない。だからこそ、男は少女を愛すれば愛するほど、幻想を持つことが怖いために、あくまで少女の自分への思いは金目当てだけであると思い込もうとした。だから、愛情を金でしか表現できなかった。 少女の方も、まさか自分が中国人に愛情を持ったとは気づかず、あくまで気詰まりな家庭環境からの逃避の手段とくらいしかみなしてなかった。 しかし、彼女は彼を愛していた。船上のショパンのピアノで気づかされ流される彼女の涙は悲しい。 (ジェーン・マーチ、この映画の撮影時19歳、よく19歳にして15歳に見える少女を見つけたものだと思う。ただ、反面彼女の実際の母親は、ベトナムと中国人のハーフなので、かなり容貌に東洋的なテーストがあるのは、この映画の本質から言えばどんなものかな。 ところで、たとえ演じている女優18歳以上であっても、演じられてる役柄が18歳未満であると、準児童ポルノには該当するとのこと。従って将来、この映画を所持していると逮捕されるようになる可能性は否定できない。しかし、そうなったからといって到底、廃棄する気にはなれない。ま、どうせろくな人生送ってないんだから「愛人 ラマン」のために処罰されるのも、面白い生き方かな) [ビデオ(字幕)] 8点(2010-01-14 10:50:10) |
6. レオン(1994)
《ネタバレ》 This is from MATILDA. [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-09 12:51:13) |
7. ジャッカルの日
原作が大傑作である以上、それを映画化する際には、相応しいキャスティングをすること、時間的な制約等で省略を加える際には細心の注意を払って原作を損ねないようにすること、この2点を注意すれば、まあ外れがないことを原作ファンとして実感しました。(原作者が同じ戦争の犬たちのように、菲才な脚本家が余分なエピソードをつけくわえるとか論外ですがw) 最初から、最後まで完全にネタは分かってての、数年ぶりの鑑賞ですが、全くイメージ通りの映像で実に楽しめました 2018年7月 久しぶりに原作を読んであまりの面白さにこちらも観たのだが、まことに残念ながら、些細とは言い難い改変を発見してしまった。男爵夫人がらみのエピソードの前後関係が少し。で、その辻褄を合わせるために主人公が平静さを失って交通事故を起こすエピソードを追加。時間の節約にすらなっていないので、全く意味のわからない改変、特に交通事故は主人公のキャラにもかかわってくるのでいささかげんなり。ちょっとがっがりです。 9→7 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-11 11:42:12) |
8. ウディ・アレンの夢と犯罪
《ネタバレ》 ごく平凡な兄弟が、兄は身の程を超えた美女、弟はやはり身の程を超えたギャンブルのために徐々に犯罪に追い込まれていく姿、(特に、自分も過去ギャンブルで大変な目にあったことがあるので弟の深みにはまっていく姿、他人とは思えませんでした)、そして首尾よく計画殺人に成功したものの、精神的に追い込まれていく弟と、もう少しで幸せをつかみそうになりながらどうしても兄弟の絆を切れない兄。 すごくリアリティのある、息の抜けない流れでとても楽しめました。それと兄の恋人役のヘイリー・アトウェルさんすごく綺麗でしたね。英米映画って時々、絶対的な美女でないと成り立たない役どころに、演技力重視の配役をしがちなんですが、ウディ・アレンだけは、必ずそれに相応しいルックス重視の配役をしてくれるんで非常に好感度大です。 平成26年7月12日 8点→セルDVDを買い求めたいレベルという自己基準からすると少し。しかしはぐれ死にもほどがあるw あんなんでいちいち死んでたらこないだ見た邦画の登場人物たちとかw 8→7 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-06 17:23:50) |
9. JFK
映画としては面白かったです。(ただ、アメリカにおける検事の地位、権限、身分というものにもっと知識があればもっと面白くなるかな) だたリアリティという面からするといささか。これは他の陰謀史観にも共通する批判なんですが、大統領や上院議員をしごく簡単に殺せるような「組織」(しかも頂点は現職の大統領)が、一地方検事が言いたい事を言い、やりたい事をするのを放置し、さらにはそれが映画化されるのまで放置することってあり得るでしょうか?合法、非合法を問わずいくらでも打つべき手段はあるのでは? 映画の中に描かれるような、ネガティブキャンペーンやほんのソフトな脅迫だけでは、絵空ごとにしか感じられません。 日本の電力業界の方が、そりゃ暗殺こそしませんが、もっと上手に反対者の政治的抹殺および、反対意見の封殺を行ってるような。それに比べれば、少なくともこの映画の中で描かれる産軍複合体は緩い、緩い。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-05 10:34:39) |
10. マーガレットと素敵な何か
《ネタバレ》 よせばいいのに、ストーリーを先読みしてしまうというのが悪い癖で、この映画のように悪い予感が的中してしまうと疲労感だけが残りました。 ぶっちゃけ、現状のマーガレットの仕事、生活のどこに問題あるのかさっぱり理解できなかった私には、都会の大企業で金を稼ぐことが悪、現在の生活を捨てて発展途上国の人を援助するのが善みたいな市民派臭たっぷりな図式は否定はしませんが、映画にしてもらってまで見たくもありませんので。 ただ、他の作品でもそうですがとにかくソフィー・マルソーの顔立ちがとことん好きなのでこの点数です。特に「胸の谷間」で+1w [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-11-24 10:36:27) |
11. 1900年
《ネタバレ》 五時間の長丁場ということで、見る前は途中で退屈して放棄することも覚悟したんですが、休み休みとはいえ、完走できました。 毎度のことながら歴史好きの人間にとっては、自分の知識が欠けている外国の歴史を知ることができるのは、新鮮な喜びです。前近代的な社会がファシズムに飲み込まれ、敗戦を気に一転無秩序状態。(あれを民主主義というのはどうかな、あの時点でイタリア王国は存在してたわけだし、共和国に変わってからも社会主義になったことはないので、ある種暴徒と化した民衆が自分らで人民裁判したり、農地解放したりするのを民主主義というには抵抗を感じます)この流れが非常にわかりやすく理解できました。思うに、民主主義の土壌がない国が急激な近代化を遂げた場合、左右どちらかの暴力的な全体主義(社会主義とファシズム)に流れがちなのでは。少しイタリアの現代史を勉強したくなりました。 またアダとアニタには魅力的な女優を、そしてレジーナには魅力が乏しい女優を配するようなキャスティングも好きです。(こういう細心さって、英米映画には欠けがちですよね。さすがイタリア映画) ただ、牛の脱糞シーンや、豚の解体シーン、あるいは酒で痙攣をおこす女性など、意図不明な露悪的なシーンには少し嫌悪を感じましたが。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-08-08 11:53:53) |
12. パピヨン(1973)
《ネタバレ》 ある種、完全なネタバレですのでご注意下さい 若い頃見たほどの感動は無かった。刑務所自体がかなり酷い環境なのはわかるけれども、例えば、ナチスのユダヤ人収容所、ソ連のシベリアの捕虜収容所、あるいはトルコの刑務所等に比べれば、最低限の食事は与えられる、囚人に対する直接的な暴行はそれほど酷くはない、二年間あるいは五年間という時期が過ぎれば独房から出される等規則に則った運営がされている、金さえあれば楽な環境を得られる(これなんか現在の日本の刑務所よりゆるいですよね)等、等、極端にまで酷い環境とも思えなかったので、主人公の自由への渇望にそれほどまでには共感できなかったからかな。 ただ、見ててあくまでリアルな映像なんで退屈はしませんでした。特に、最後の広大な海を漂うシーンは、その後に自由が待っていると知っているから感慨もありましたし。 あと、原住民の女性に無粋な衣装をつけさせないリアルさを追及する姿勢には、大いに好感を持ちました。w [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-11-11 10:21:21) |
13. フィフス・エレメント
《ネタバレ》 このB級感!お金をかけてるわりにはチープな感じがたまりません。たった一つ余分なもの=突っ込む気持ち さえ捨て去れば充分楽しめる映画だと思います。 綺麗なミラならいくらでもあるけど可愛いミラってのは珍しいし。 しかし、DNAから再生した謎の生き物にとりあえず服をきせてしまうのは、理不尽だと思われw [DVD(字幕)] 7点(2010-11-08 10:02:32)(良:1票) |
14. ダニエラという女
「人間、ルックスよりも性格が大事」なんて建前を言わないと子供扱いされる世の中で、 綺麗、美しいということはそれだけで他に代えられない価値があると断言するこの映画が 大好きです。ダニエラのあまりの美しさに泣き出してしまう男の姿は、まるで自分のようでした。 ただ、確かに心臓病の男性にはあまりお勧めできない女性ではありますが [DVD(字幕)] 7点(2010-09-27 16:59:18) |
15. 遠すぎた橋
《ネタバレ》 こんな言い方するとおかしいんですが、まさしく「家庭で観賞用」の映画。 この映画を何の予備知識もなく、映画館で見たらそりゃ訳わからんwでしょ。 もともとが入り組んだ作戦で、登場人部が大勢出て、場面の移り変わりが激しくて。 むしろ、予備知識無しで映画館で見て、理解し楽しめた人がいたら尊敬します。 ところが、戦争映画好きが家庭で見るとなるとまるで違ってくる。たいした資料は必要でない、wiki程度の基礎知識(両軍の配置、師団名、都市の位置関係くらいわかるものが手元にあれば充分。あとは配役表があればなおかつグッド。 これほどリアルに一つの軍事作戦を描いた映画はなかなかないんで、軍ヲタなら充分以上に楽しめると思う。 しかし、敵ではなく本来なら自分達を解放するはずの軍隊のせいで、悲惨な眼に合わされる一般市民は悲惨でしたね。普通の戦闘ならある程度避難の余地はあるんだけど、この作戦の場合、ある日突然自分が住む街、家が戦場にされるわけですから。 モントゴメリーは作戦の立案時、一般市民の生活の場を突如戦場にすることに何のためらいもなかったのだろうか? 考えたら、砂漠の戦争でロンメルを破ってのし上がった人だから、そういう想像力には全く欠けた人かも知れないですね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-09-22 17:31:46)(良:1票) |
16. バイオハザード(2001)
《ネタバレ》 街中にゾンビが溢れて病院から避難するような大変な時に、検査中のアリスの身体に白い布を被せていく研究員達の変な余裕と真面目さが正直ウザいですwww。 ミラ・ジョヴォヴィッチが本当に綺麗ですね。アクションも三角蹴りとか切れがあるし、 彼女の別の作品も是非見たくなりました。 ま、ぶっちゃけストーリーは理不尽なところてんこ盛りですが、それはそれでかえって楽しみようもありますし。 [DVD(吹替)] 7点(2010-06-28 10:39:23) |
17. レ・ミゼラブル(1995)
《ネタバレ》 こんなマイナーな映画まできちんと登録してくださった方に感謝します。 最初の方は少し入り組んでわかりにくくフランス人の大好きな「芸術」映画かなと、 少し録画までしたことを後悔したんですが、中盤以降は主人公のジャン・バルジャンのみならず、それに出てくる主要な登場人物を上手に、第二次世界大戦下の人物に移し変えて表現する手法がそれなりに趣があり、長丁場も退屈しませんでした。 現代のジャン・バルジャンが幸せになる結末は嬉しかったです。 原作の粗筋がきちんと頭に入ってる方なら「おお、ここはこう来たか」って感じで、 楽しめる映画かと [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-07 10:56:46) |
18. ダーク・プレイス(2015)
《ネタバレ》 遠い過去、子供の頃起こった悲惨な事件の記憶が今蘇る。 次々と明かされていく新たな真実。 クライマックスで命の危険にさらされるヒロイン。 そして最後は家族の情愛でまとめる。 手垢がついた言い方させてもらうと、まるっきり2時間ドラマですね。 ここから先酷いネタバレ 二時間ドラマったら、自分の悪癖でだいたいキャストで犯人わかっちゃうってのがありまして(科捜研の女で藤田弓子さんが出てきた瞬間、この人犯人って言って、家族にむちゃくちゃ怒られたことがありますw) そういう人間から見たら、これくらい真犯人の一人がわかりやすい映画もないw まあ、TOHOの6ポイント使って、他の映画の前売り券買いに行くついでに行ったんで別に腹もたたないし、観てる間はそれなりに楽しめましたが [映画館(字幕)] 6点(2016-07-04 18:07:28) |
19. サラの鍵
扱ってるテーマはすごく重要なことはわかるんですが、なにか現代と過去の場面が交互に繰り返されることによって、焦点がぼけたような。正直、サラの悲劇と、夫が高年齢を理由に子供を産ませたがらないというようなごくごく小市民的な問題を、同等の重さで扱って欲しくなかった。同じ題材なら黄色い星の子供たちの方がお勧め。 (しかし、こういう問題でもビシー政権の政治家たちはしっかり責任を取らされてるのに、実施にあった官僚や、警察官たちが責任を問われないのは、釈然としない) [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-27 11:11:46) |
20. 黄色い星の子供たち
《ネタバレ》 この映画を見て、当時のヴィシー・フランス政権や、その政権下で働いた警察官たちを非難することは簡単なんですが、そもそもフランスの実質的な主権がほとんど奪われていたこと、そしてペタン首相ら仏政府首脳部が限られた形でもフランスの独立を維持するためにナチスの歓心を得るのに汲々としていたことも、ある程度考慮に入れるべきかと。 そうするとこの映画で描かれた悲劇の原因はどこにあるかと考えるならば、もちろんヨーロッパに古くから根強かった反ユダヤ主義、そしてドイツにおけるナチズムの興隆もありますが、もう一つはフランスがあまりにあっけなく戦争に負けたこともあるかと思います。そもそもフランスが戦争に負けなければ、このような悲劇はなかったわけだし、たとえ負けるにしてももう少し時間をかけての敗北だったら、ユダヤ人たちにも自由地区や他国に逃げる余裕があったわけで。 というような観点から考えれば、一つの国が戦争に負けるということは、本当にいろいろな悲劇を巻き起こすことになることを痛感させてくれる映画でした。 (理性的には、こうなんですが、感情的に言うと、この事件ではユダヤ人迫害に諾々と加わっておきながら、後年パリに連合軍が迫るや、ナチスを倒すために「英雄的w」に立ち上がったバリの警官たち、大嫌いです。だから「パリは燃えているか」なんて、もう一生見ない。ってつまんねぇー映画だからどっちにしろ観ないけどw) 点数のみ8点→7点に変更 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-02-13 13:12:43) |