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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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121.  フェリーニのアマルコルド
とても楽しい映画でした。イタリアの小さな港町の早春から始まる1年の様々なエピソードと町の人間模様が主人公の少年の目を通してノスタルジックに描かれるのですが、この雰囲気がたまらない作品です。僕の記憶の中にも少年時代のお祭りの楽しい記憶が確かに残っていますが、冒頭の春の訪れを告げる綿毛がふわふわと漂う町の風景に続くお祭りから映画は始まって、港にやって来た幻想的な豪華客船も大雪に見舞われた町も賑やかな人間模様も全編を通して描かれる小さな港町の風景はずっとお祭りのようです。タイトルからも分かりますが、フェリーニの記憶の中にある少年時代を映像化したフェリーニの自伝的作品なのでしょうが、どこかファンタジーの香りもします。特に一面雪景色の町に孔雀が舞い降りるシーンの美しさは忘れられないものとなりました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-28 19:45:09)
122.  月曜日に乾杯!
なかなか観る機会が無いのでイオセリアーニ監督の作品はまだ2本しか見ていませんが、やはり独特の作風の監督さんです。台詞を極力排し、主人公さえもその作品の風景の一部であるかのようです。登場人物の台詞や喜怒哀楽ではなく、登場人物のいる風景全体が語る映画。音楽もほとんど使われていません。その代わりに登場人物が奏でる楽器や歌声が実に効果的で、延々と続く台詞の無い風景に小さく聞こえる鳥のさえずりに家畜の鳴き声や、映画の中の生活音や町の音がとても身近に感じられダイレクトに伝わってきます。映画のスピードも田舎町の風景も旅先のヴェニスの風景もとてものんびりとしていて、そんな映画の風景に挿入されるちょっとしたユーモアがとても微笑ましい作品です。 
[DVD(字幕)] 7点(2010-11-13 22:55:23)
123.  パッション・ダモーレ
庶民の何気ない日常の中にあるドラマをユーモアを込めて描かせると抜群に巧いエットーレ・スコラ監督ですが、これは極めて異色の作品。舞台は19世紀のイタリア。醜女と美男の青年将校、この二人の愛する苦悩と愛される苦悩を描いたお話です。この女を演じた女優さんのあまりにも凄まじい演技には圧倒されました。発作を起こして絶叫するシーンや、男を追って列車に乗り込んでくるシーンにはゾッとしました。もう、この描写はホラーですよ。残酷で見ていて疲れるお話でありながら、引き込まれる。そういう意味では映画として楽しめたと言えますが、もう一度見る気にはなれない映画です。 
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-11-01 18:35:58)
124.  世にも怪奇な物語
3話それぞれに独特の世界観があり、オムニバスが苦手な自分にも楽しめた作品でした。第1話は最も存在感の薄い作品ですが映像の美しさ、ジェーン・フォンダの美しさ、特に黒い馬に跨った白い衣装の彼女のラストの姿が印象的。第2話。冒頭、必死で走る男と塔から落ちる男の関係は?懺悔する男が少年時代から今までを回想する形で短い尺の中に無理なく過去と懺悔する今を見せる構成が上手くできた作品でした。トリを飾るのはフェリーニ。やはりフェリーニは凄い。そして怖い。さすがは映像の魔術師と思わせるフェリーニらしい世界観がよく出た傑作。テレンス・スタンプも3話の中で突出して印象に残る見事な存在感がありました。 
[DVD(字幕)] 7点(2010-10-10 16:13:04)
125.  今のままでいて 《ネタバレ》 
妻子ある冴えない中年男が自分の娘と同じ年頃の美しい女と仕事先で出会う。しかしその女は自分の娘かもしれない・・・。確証があるわけではないがその疑いは消えない。けれどその女に惹かれていってしまう。気持ちが揺れ動く冴えない中年男を演じるマストロヤンニの渋い味わいのある演技が素晴らしい。そしてその女を演じるのはナスターシャ・キンスキー。この頃の彼女の美しさは強烈に観る者の印象に残ります。そんな彼女が時にはマストロヤンニを誘う。時には無邪気にはしゃいでみせる。ナスターシャの魅力が全開。何故にこの冴えない男にこれほどにまで惹かれたのか分からないし男の方の行動も疑問を感じるところが多い。結末も映画館に入った時点で全て分かってしまう。物語自体には惹かれるものはあまり感じられませんが主演の二人と、多くの場面に流れているエンニオ・モリコーネの控えめな音楽が素晴らしい。また、温かみのある色調の映像も綺麗な映画でした。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-02 22:39:34)(良:1票)
126.  マーサの幸せレシピ
リメイクの「幸せのレシピ」を先に見ました。正直、あまり内容は覚えていなかったのですが、見ているうちに少しずつ思い出しました。ラストがリメイクとは異なっています。リナを迎えに行って以降のラストは敢えて台詞を省き幸せの風景を流れるように見せていくのですが、これがとてもいい感じです。やはりラブコメにはこんなハッピーエンドがよく似合います。どちらかと言うとドイツ映画の雰囲気は苦手なのですが、(一方イタリア映画は好き)誰もがイメージするところの陽気なイタリア男のマリオの存在がドイツ映画の中にとても自然に溶け込んだ作品でした。
[DVD(吹替)] 6点(2010-08-29 15:07:40)
127.  流されて…
豪華なヨットを借り切って贅沢な休日を過ごすブルジョワの若奥様。話の内容も態度も声も全てが高飛車で鬱陶しく思え、そのヨットで働く顔中ひげだらけでムサ苦しく貧しい男がジャンカルロ・ジャンニーニ。臭いだの料理が不味いだのブルジョワの奥様は彼を召使いのように扱い言いたい放題。遭難前にそんな階級の対比をこれでもかと見せつける。そして遭難し無人島に上陸以降はその階級が逆転してしまう、というよくある状況の変化による階級や立場の逆転モノですが、この二人の演技がなかなかの見応えです。時にはコミカルでもありますが、人間の嫌な部分も含め、ねちっこく二人の姿を捉え描かれています。後の当時のマドンナ夫妻による「スウェプト・アウェイ」にジャンカルロ・ジャンニーニの息子が起用されており、父と息子の見比べも面白いでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-22 14:22:45)
128.  ラストコンサート
とても落ち着いた雰囲気で、ステラとリチャードを演じる二人の演技にも、音楽にも、風景にも優しさを感じさせてくれる映画でした。特に音楽が素晴らしく、その音楽の使い方も実に上手くてよく計算されています。  時に2人は喜怒哀楽を激しくぶつける場面もありますが、全体を通して意識的に台詞を抑えて、あの優しいテーマ曲にのせて二人の行動や表情を少し離れてカメラが捉える。しかし台詞は無いですがその時の2人の内なる心の声や感情が見事に見る者に伝わります。  豊かな表情を見せるステラを演じた女の子がとても魅力的でした。海辺の風景も、街中の風景も映像の素朴な美しさもとても印象に残る作品でした。
[DVD(字幕)] 7点(2010-08-07 17:12:57)
129.  ボローニャの夕暮れ 《ネタバレ》 
会社からすぐ近くのミニシアターの本作のポスターがとてもいい感じだった。夫婦と一人娘、見るからに幸せそうなセピア色の家族写真。幸せなイタリアの家族の物語か、と思っていたらかなりシビアな話でした。  戦争中から戦後に渡るこの家族の崩壊と再生の物語。ひたすら娘を溺愛する父。娘を心配するあまり行き過ぎた行動を取ってしまう。また、ある事件まで表面化する事は無かったが潜在的に存在していた娘と母の確執。いや、娘が母に抱くコンプレックスか。  何があっても常に娘のそばに居ようとする父と娘の心の触れ合いはよく分かるのですが、二人の心の間に解決しなければならない問題があった母と娘は結局戦後に再会するまで全く触れ合いが無かった。  そして最後はこの家族が再び新たなスタートをきったという娘の語りで映画は終わりますが、母と娘、更には夫婦間の関係修復への過程、心の軌跡が描かれておらず、原題「ジョヴァンナのパパ」の通り父と娘の物語として見ればいいのかもしれませんが、家族の崩壊と再生の物語としては物足りなさを感じました。
[映画館(字幕)] 5点(2010-07-18 12:38:48)
130.  鉄道員(1956)
既に大人になった姉、兄とは随分年が離れた幼い末っ子の少年の目線で見つめた、どこにでもありそうな家族の崩壊と再生の物語。よくある設定のホームドラマではありますが、その人物描写が素晴らしいです。  家族の心が離れ離れになっていく前半から中盤、重い雰囲気も漂いますが、微笑ましさやユーモアを感じさせる末っ子の言動、父、そして優しい母や姉と末っ子との触れ合い、鉄道員の父の仕事仲間であり親友の独身男の存在や行きつけの酒場の常連客達の生き生きとした描写が心を和ませてくれます。  僕はイタリアの庶民やその家族の物語を描いたドラマが好きなのですが、それは人生には辛い時期もありますが、そんな中に派手さは無いですがイタリア映画が見せてくれる人間臭さや可笑しさやあたたかさがとても好きなんです。ですが何故か本作はずっと見落としていた作品でした。それを映画館で見る事が出来た。ありがとう、午前十時の映画祭。
[映画館(字幕)] 8点(2010-06-29 15:13:02)(良:2票)
131.  セントアンナの奇跡 《ネタバレ》 
非常に長い作品ですが、鑑賞後は冒頭の殺人事件の謎の解明と感動のラストに至る為に全て必要だったのだと納得させられました。  冒頭で描かれる謎に戦争中のイタリア、トスカーナ地方。辛い描写も多いですが、イタリア人少年を助けた黒人のアメリカ兵、少年を逃がしたドイツ兵に、一人生き残ることになる黒人兵士の命を救ったドイツ軍将校。戦場で敵味方に分かれ殺し合う人間。その同じ人間の根底にある優しさが心に残る。  両国の兵士・パルチザン・戦禍に巻き込まれる人々それぞれの信仰、戦争や祖国に対する複雑な思いや心の葛藤などが見事に描かれ、そこにミステリーやファンタジー的要素と史実を織り交ぜながら、これら過去と今の人の思いが感動のラストの奇跡へとつながっていく構成が素晴らしく非常に見応えがある映画です。 戦争が終わってもそれを経験した人の心の中からその戦争が消え去ることは何十年経っても無い。そのラストシーンには心から感動しました。
[DVD(吹替)] 9点(2010-06-14 00:10:07)(良:1票)
132.  ぼくの伯父さん
ユロ氏の妹夫婦の誰もが羨む超モダンで全自動化された快適であるはずの住まいや人間の見栄を象徴するかのような、客が来る度に発動される奥様自慢の謎の魚の形をした噴水などを通して見せる、無駄のある快適さを求め続ける人間とその見栄の皮肉り方が面白かったです。シュールでフランス映画らしい笑いと作品の雰囲気も嫌いではないのですが、この淡々と見せる2時間はちょっと長く感じられました。90分程度が丁度いい作品だったかなと思います。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-30 16:41:27)
133.  イタリア的、恋愛マニュアル
1つのエピソードが終わる度にその場に偶然居合わせたカップルの新たな話につながっていく。最初のお話は若いカップルが出会って結婚するまでのとてもハッピーなお話。その後は映画の進行と共に人生が進行していくかのように次第に年齢と人生を重ねた男と女の物語が3話つながっていく。長い人生色々あるけれどイタリアらしい明るさが常にあってとても気分良く見ることができます。最後の話のラストであり、この恋愛マニュアルを締めくくる優しさのある海辺のラストに心が温まる映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-25 00:38:15)
134.  人生は、奇跡の詩 《ネタバレ》 
まあ、ツッコミ所満載で無茶苦茶な映画なのかもしれないしロベルト・ベニーニ演じる男も無茶苦茶な男。前半のドタバタ・ラブコメも後半の戦争を背景に愛する人のために危険を顧みず奮闘する姿も、ベニーニと言えば誰もが思い浮かべる「ライフ・イズ・ビューティフル」と基本線は同じ。全編にわたりベニーニ芸が炸裂しまくりの映画で、それが苦手な方にはきつい映画かもしれませんが、映画で見せるこの無邪気さ、天真爛漫さがロベルト・ベニーニという人の魅力であり、本作の魅力でもあるのでしょう。オープニングから前半は本人自ら出演して歌うトム・ウェイツの歌が効いています。あの独特の歌声には人の心を和ませ癒してくれる温かさがありますね。そしてあのネックレスがそうなりますか!という優しいラストは好きです。そこに重なる作品を締めくくるトム・ウェイツの歌もやはり素晴らしいです。
[DVD(字幕)] 6点(2010-04-09 23:23:16)
135.  NINE(2009) 《ネタバレ》 
勿論本作はミュージカルですが、あまりミュージカルを観ているという気分にならなかったです。話の途中には主人公が挫折したり、色々苦労が描かれる事があってもミュージカルの登場人物には明るく元気であって欲しいしラストも大団円の大ハッピーエンドがミュージカルには似合うと思います。しかし本作は主人公のグイドをはじめ、登場人物が疲れて悩みを抱え過ぎていているように感じました。個々の歌とダンスのパートは迫力もあり素晴らしかったと思うのですが、それだけに歌、ダンスに回想シーンなど色んなシーンをはさみ過ぎていたように感じられたのが残念。やっぱり歌とダンスのシーンは余計なシーンをはさまず通して観たかったです。映画の舞台は60年代のイタリア、チネチッタ。ソフィア・ローレンの全盛期ですね。それから年月は流れましたが、久々にソフィアの健在ぶりを観る事が出来たのはとても嬉しかったです。
[映画館(字幕)] 5点(2010-04-02 19:20:53)
136.  愛と宿命の泉 PART II/泉のマノン
第1部と比べると第2部は激しく、そして様々な事実が明らかになります。この2作を通じて作品のタイトルには3人の名前が登場する。ジャンとマノンの第1部でも描かれた父と娘。そしてもう一人、第1部からずっと気になっていたフロレット。ジャンとマノン、そしてフロレット。更に隣人と泉と。第1部で張られた伏線が第2部に効いていて、悲しき結末と過去が明らかになります。フロレット家と隣人の3代にわたる2つの家族の物語は決して後味のいい話ではなかった。しかし長丁場を全く長く感じさせることのない、登場人物が絞られているので分かりやすくて非常によく構成が練られていて、見応えのある映画でした。主要キャストそれぞれの素晴らしい演技、中でもダニエル・オートゥイユの好演と、第2部に登場したエマニュエル・べアールの美しさが強烈に印象に残っています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-03-03 21:17:21)(良:2票)
137.  愛と宿命の泉 PART I /フロレット家のジャン
都会から農村に家族を連れて移り住んだ善人で働き者のジャン。美しい妻とマノンという名の利発な娘という絵にかいたような幸せな家族像。農業に成功するには水が必要。その水をめぐるジャン一家と隣人の物語。第1部はジャン一家が苦闘する様子とそれを陰で見つめながらある計略を練る隣人。最終盤まではそんな様子を淡々と見せていくのみですが、この隣人とジャン一家の人間模様は実に見応えがありました。第1部は計略が成功したかに見える隣人の姿と悲痛なジャン一家の姿というラストを迎えますが、内に秘めたる強い意志を感じさせる娘の表情で話は終わります。これは確かに新たな物語の始まりでもある。第2部のタイトルは「泉のマノン」。そう、この娘の名前です。このマノンと隣人と、泉をめぐる新たな物語に期待が高まるラストです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-03-03 21:09:32)
138.  映画に愛をこめて/アメリカの夜
フランソワ・トリュフォーの映画と、共に映画を創り上げていく仲間達への愛情や熱い思いを感じずにいられないとても楽しい映画でした。全てがトントン拍子にいく訳が無いしハプニングもありますが、みんな映画が大好き。一本の映画に関わる様々な人々の、そんな映画への熱い思いが生き生きと描かれ伝わってくるし、外から見ている僕には計り知れない苦労もあるだろうけど、自分の大好きな映画を創るという仕事をしている人達が羨ましくなりますね。
[DVD(字幕)] 8点(2010-02-22 20:06:19)
139.  自転車泥棒 《ネタバレ》 
冒頭の職を求める人々が群がる様子に生きるために次々と質屋に列を作る人々。敗戦後のイタリアの庶民の窮状をこれでもかと描く。そしてただひたすら盗まれた自転車を探して親子が街を彷徨うが見つかる訳も無く万策尽きるまでを見せていく。 僕はどんな辛い話の映画にも最後には僅かでもいいので希望を見せて欲しいし、見出したいと思う。最初に自転車を盗んだ、恐らくはそれを売り飛ばしている常習犯の男とは違って善人が急に悪い事をしようとしても上手くはいかない。そんな不条理さを感じつつも、この希望が見出せなかった作品の一番最後に描かれた人情に救われたような気がしました。それは観る者にとっても、この親子にも。 そして主人公のアントニオにはそれでも頑張って生きていかなければならない理由であり心の支えであるいい家庭がある。仕事を得て制服を着た姿に誇らしげな冒頭の夫婦の姿や自転車を探して彷徨う中、随所に描かれる父と子の深い愛情。ここにこの非常に厳しい親子の姿を描いた本作の中に希望を見出したいと思いました。
[DVD(字幕)] 8点(2010-02-13 17:45:37)
140.  ル・バル 《ネタバレ》 
映画はパリのとあるダンスホールから一歩も出ない。更にこの映画には台詞が一切無い。ダンスと音楽に衣装、俳優の仕草や表情だけで戦前から80年代までの流行、世相、パリに生きる人々の喜びや悲しみを見事に表現した作品です。  ダンスと音楽の間にさりげなく見せる笑いドコロ、ホロリとさせられるシーンを挿入するその見せ方、各時代が移り変わる際の見せ方も見事です。1つの狭いダンスホールの中のみで展開されているのが嘘のような壮大さすら感じさせる。  物語は戦前から始まりナチスの時代の暗い影が忍び寄り戦争の時代、そして終戦。ホールは歓喜の舞に包まれる。そこに戦場から傷ついて帰還した兵士が妻と再会し喜びのダンスを舞うシーンが感動的。戦後もフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースに扮した二人が登場しての華やかなミュージカルにロックンロールにビートルズにディスコブームと本作が作られた80年代に至る。  監督・脚本のエットーレ・スコラは過ぎ去った時代とその時代を生きた人々の記憶を作品ごとに様々な語り口で我々に見せてくれる。そんな中でも本作はパリのダンスホールが見つめてきた記憶を台詞を排した語り口で、世相や流行だけでなく人々の感情までもが生き生きと伝わってくる見事な映画です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-01-16 20:20:20)(良:1票)
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