Menu
 > レビュワー
 > とらや さんの口コミ一覧。8ページ目
とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12345678910
投稿日付順12345678910
変更日付順12345678910
>> カレンダー表示
>> 通常表示
141.  愛と宿命の泉 PART II/泉のマノン
第1部と比べると第2部は激しく、そして様々な事実が明らかになります。この2作を通じて作品のタイトルには3人の名前が登場する。ジャンとマノンの第1部でも描かれた父と娘。そしてもう一人、第1部からずっと気になっていたフロレット。ジャンとマノン、そしてフロレット。更に隣人と泉と。第1部で張られた伏線が第2部に効いていて、悲しき結末と過去が明らかになります。フロレット家と隣人の3代にわたる2つの家族の物語は決して後味のいい話ではなかった。しかし長丁場を全く長く感じさせることのない、登場人物が絞られているので分かりやすくて非常によく構成が練られていて、見応えのある映画でした。主要キャストそれぞれの素晴らしい演技、中でもダニエル・オートゥイユの好演と、第2部に登場したエマニュエル・べアールの美しさが強烈に印象に残っています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-03-03 21:28:40)(良:2票)
142.  映画に愛をこめて/アメリカの夜
フランソワ・トリュフォーの映画と、共に映画を創り上げていく仲間達への愛情や熱い思いを感じずにいられないとても楽しい映画でした。全てがトントン拍子にいく訳が無いしハプニングもありますが、みんな映画が大好き。一本の映画に関わる様々な人々の、そんな映画への熱い思いが生き生きと描かれ伝わってくるし、外から見ている僕には計り知れない苦労もあるだろうけど、自分の大好きな映画を創るという仕事をしている人達が羨ましくなりますね。
[DVD(字幕)] 8点(2010-02-22 20:19:59)
143.  自転車泥棒 《ネタバレ》 
冒頭の職を求める人々が群がる様子に生きるために次々と質屋に列を作る人々。敗戦後のイタリアの庶民の窮状をこれでもかと描く。そしてただひたすら盗まれた自転車を探して親子が街を彷徨うが見つかる訳も無く万策尽きるまでを見せていく。 僕はどんな辛い話の映画にも最後には僅かでもいいので希望を見せて欲しいし、見出したいと思う。最初に自転車を盗んだ、恐らくはそれを売り飛ばしている常習犯の男とは違って善人が急に悪い事をしようとしても上手くはいかない。そんな不条理さを感じつつも、この希望が見出せなかった作品の一番最後に描かれた人情に救われたような気がしました。それは観る者にとっても、この親子にも。 そして主人公のアントニオにはそれでも頑張って生きていかなければならない理由であり心の支えであるいい家庭がある。仕事を得て制服を着た姿に誇らしげな冒頭の夫婦の姿や自転車を探して彷徨う中、随所に描かれる父と子の深い愛情。ここにこの非常に厳しい親子の姿を描いた本作の中に希望を見出したいと思いました。
[DVD(字幕)] 8点(2010-02-13 18:03:24)
144.  ル・バル 《ネタバレ》 
映画はパリのとあるダンスホールから一歩も出ない。更にこの映画には台詞が一切無い。ダンスと音楽に衣装、俳優の仕草や表情だけで戦前から80年代までの流行、世相、パリに生きる人々の喜びや悲しみを見事に表現した作品です。  ダンスと音楽の間にさりげなく見せる笑いドコロ、ホロリとさせられるシーンを挿入するその見せ方、各時代が移り変わる際の見せ方も見事です。1つの狭いダンスホールの中のみで展開されているのが嘘のような壮大さすら感じさせる。  物語は戦前から始まりナチスの時代の暗い影が忍び寄り戦争の時代、そして終戦。ホールは歓喜の舞に包まれる。そこに戦場から傷ついて帰還した兵士が妻と再会し喜びのダンスを舞うシーンが感動的。戦後もフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースに扮した二人が登場しての華やかなミュージカルにロックンロールにビートルズにディスコブームと本作が作られた80年代に至る。  監督・脚本のエットーレ・スコラは過ぎ去った時代とその時代を生きた人々の記憶を作品ごとに様々な語り口で我々に見せてくれる。そんな中でも本作はパリのダンスホールが見つめてきた記憶を台詞を排した語り口で、世相や流行だけでなく人々の感情までもが生き生きと伝わってくる見事な映画です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-01-16 20:52:41)(良:1票)
145.  ふたりのトスカーナ 《ネタバレ》 
事故で両親を亡くした姉妹がトスカーナに住むお金持ちの伯父さんの家に預けられる所から話は始まる。前半はトスカーナ地方ののどかな風景、善良な人々と伯父さんの家族の描写に戦争の時代の話だということを忘れてしまうほどでした。しかし、嫌な予感はあった。家の中ではイタリア語を話さない伯父一家、どうやら伯父の信じる神は周りの人とは違う事、そして伯父さんに持ちかけられる「一緒にスイスに逃げましょう」という誘いなど。後半、ドイツ軍がやってきてからは伯父さんの自分の誇りと信念を守り通しナチスに屈しない高潔な人柄に「サウンド・オブ・ミュージック」のトラップ大佐の事を思い出しました。それゆえ最後はこんな事になるとは思わなかったので・・・。言葉もありません。久々に怒りがこみ上げてくる映画を観ました。しかも実話だったんですね。姉妹のその後については何も語られていませんが、彼女達の幸せを願わずにいられなかった。最後にこの邦題について一言。この映画にこの邦題は無い。
[DVD(吹替)] 7点(2010-01-12 09:52:22)
146.  トスカーナの休日
ストーリー的には平凡で物足りないものの、この雰囲気は悪くはないですね。イタリア映画によく登場するトスカーナ地方の美しい風景、ゆったりとした展開に癒されます。これまでの人生を一度見つめ直し、これからの人生に向けて再出発する。ニッポンのサラリーマンの僕には難しいですが、一度はこういう日々を過ごしてみたいものです。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-01-08 01:22:12)
147.  記憶の扉 《ネタバレ》 
これは見事な映画でした。登場人物はドパルデュー演じる容疑者とロマン・ポランスキー演じる警察署長のほとんど2人のみ。しかも映画の大部分は警察署の取調室で机を挟んで対峙する2人の会話で成立している傑作サスペンスです。この2人のやり取りが物凄い迫力です。雷が鳴る嵐の夜に薄暗い取調室という設定がそれに拍車をかける。かなり最後の方まで謎は解けませんが、最後には大どんでん返しが待っています。夜が明けて全てが明らかになった後、警察署を立ち去り、旅立つドパルデューとポランスキーのやり取りは穏やかなものに変わり、実に深い味わいがあった。そしてそこには静かな感動があります。ドパルデューのこの映画の一番最後の台詞「ありがとう、署長。お見事でした。こんな難しい仕事を・・・。」が深く印象に残る。トルナトーレ監督と言えば誰もが思い浮かべるあの傑作と比べるとレビュー数も少なく極めて地味な作品ですが、この作品も決して負けてはいない!
[DVD(字幕)] 9点(2010-01-08 01:06:49)
148.  コーヒー&シガレッツ 《ネタバレ》 
次々と話が変わる短編が連続するオムニバスって疲れるから苦手なんですよ。でも、この作品はそれを感じることなく楽しめました。このユルさ、この気だるさ、この可笑しさがたまらないですね。噛み合わない会話、微妙な間、気まずい雰囲気、この不思議な可笑しさ。全11話、微妙な間のちょっとした可笑しさにちょっとだけ笑ってしまう。そう言えば喫茶店で会話が弾まない時、待ち合わせの相手が遅刻して待たされている時、いいアイデアは無いものかと考え事をする時・・・。僕はコーヒーは好きだしタバコも吸いますが普段気にしたこともなかったけれど、何気ない日常の様々な間を埋めてくれているコーヒー&シガレッツに感謝したくなる作品でした。
[DVD(字幕)] 6点(2009-12-26 00:29:36)
149.  海の上のピアニスト 《ネタバレ》 
恋をした女にあと一歩のところでレコードを渡せなかった。一度は船を降りる決心をしながらタラップであと一歩のところで引き返してしまった。そんなあと一歩踏み出す勇気を出せなかった1900の姿、そして悲しい結末の後、オープニングを思い出しました。自由の女神とアメリカ大陸が見えてくる。そんな1900とはあまりにも対照的な一歩踏み出す決意をした移民たちが目を輝かせ歓声を上げる。甲板は早くその一歩を踏み出したくてうずうずしている希望に満ちた人々であふれかえっている。マックスは作品中何度も1900に一歩踏み出す勇気を持てと語りかける。これはこの作品の人生に対する前向きなメッセージでもあるのでしょう。船の中でも楽器店でも最後の廃船の中でもマックスを演じたプルート・テイラー・ヴィンスの味わいのある演技が印象に残ります。そしてやはりトルナトーレ監督の描き出す古き良き時代とそんな雰囲気を見事に盛り上げるエンニオ・モリコーネの音楽もいつものことながら本当に素晴らしいですね。
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-26 00:16:34)
150.  嘆きのテレーズ 《ネタバレ》 
登場人物の誰にも感情移入できず、魅力も感じない。しかし映画としては原作の知識は全く無いですが、その登場人物の設定がよく練られていて、特に旅行から戻ってきてからの展開にはぐいぐいと引き込まれました。サスペンスを無理に盛り上げようと過剰な音楽や演出は抑えられた落ち着いた雰囲気ながらも緊張感を持続しつつラストに向かって盛り上がっていくサスペンスドラマとしての構成が素晴らしい。ラストでトラックが突っ込んでくるところはちょっと強引だったものの水兵の男の死に際の台詞、そして恐らくは結局誰も得をせず幸せにもなれないであろう、あのいかにもフランス映画らしい余韻を残す幕切れも見事でした。
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-25 23:58:44)
151.  ああ結婚 《ネタバレ》 
身勝手な男とずっとそんな男に振り回されながらも力強く生きる女。そんな二人の出会い、別れ、そして・・・。という男と女の数十年。前年の「昨日・今日・明日」に続いてのデ・シーカ監督、マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレンによる、もう一つの男と女の「昨日・今日・明日」の物語ですね。昨日まで本当に色々あった二人ですが、ようやく幸せが訪れた今日。明日への確かな希望を感じさせるラストシーンが実にいい。3人の“息子”から声をかけられたマルチェロの表情、感極まるソフィア。そんな様子を大袈裟にせずごく短時間でそっと見せるのがいい。結末は予想のつく物語ではあるのですが、その予想通りが本当に嬉しい作品です。3話のオムニバスである「昨日・今日・明日」も好きな映画なのですが、本作は出会った頃からの長い年月の2人の物語をじっくりとデ・シーカ監督が描き、2人の素晴らしい演技もじっくりと堪能できる映画になっています。
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-08 20:40:37)(良:2票)
152.  BARに灯ともる頃 《ネタバレ》 
普段は離れて暮らす父と息子の久々の再会の一日を描いた作品。いつまでも子離れできない父親。いつの間にか父が思っている以上に大人になってしまった息子。次第に父の知らない息子の姿が垣間見える・・・。子離れできない父の空気の読めない親バカぶりが観ていて切なく、そして可笑しい。そんな父をコミカルに演じるマルチェロ・マストロヤンニが絶品の素晴らしい演技を見せてくれます。そんな名優が演じる父と見事な掛け合いを見せてくれる、若くしてこの世を去ったのがあまりにも惜しい息子役のマッシモ・トロイージも実にいい演技を見せてくれます。作中何度か登場する懐中時計がいいですね。祖父から父に受け継がれ、今息子がそれをプレゼントされる。いずれ息子も結婚して子供ができるだろう。さらにこの懐中時計は引き継がれていくのでしょう。この邦題も悪くは無いのですがやっぱり原題(「今、何時?」)の方が良かったかな。そんな親子の絆、家族のつながりを監督・脚本のエットーレ・スコラが心温まる語り口で見せてくれるちょっぴりほろ苦くもいいお話。その懐中時計を使ったラストシーンも素晴らしい。
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-07 23:58:46)
153.  昨日・今日・明日
デ・シーカ監督、マルチェロ・マストロヤンニ、ソフィア・ローレン。この後も度々映画を撮ることになる名チームによる3話のオムニバス形式のコメディ。特にマストロヤンニ、ローレンのまさに名コンビの話を3つも味わえるというお得なコメディ・パックといった作品。男と女が織りなすコメディ、というよりはこれはソフィア・ローレン演じる女の物語ですね。そんな彼女の魅力が堪能できます。ソフィア・ローレン。女として人間としての力強く生きる姿やたくましさを感じる役が実によく似合う。一方マストロヤンニ。男として人間として憎めないけど何か頼りない。こんな役が実によく似合う。女の強さと男の弱さ。この名コンビはそれがどんなドラマでも実にいい味になっていますね。本作はソフィア・ローレンに怒られてマストロヤンニが大げさに嘆いてみせる。そんな様子がとても楽しい。そんな二人の息もぴったり合った極めて上質の掛け合いがたっぷりと楽しめる作品になっています。
[DVD(字幕)] 7点(2009-12-07 11:19:37)(良:1票)
154.  踊れトスカーナ! 《ネタバレ》 
変わり者揃いだけど好人物揃いの田舎町の人々と家族に囲まれ、そんな家族や生まれ育った街とそこに暮らす人々を愛する、けれども女に対してはちょっとオクテな主人公の男が一目惚れした美人のダンサーをモノにして結婚して幸せになるというとても単純なお話。ほのぼのとした音楽が耳と心に心地よく、ゆったりとした時が流れ、雲ひとつない真っ青な空がよく似合うトスカーナ地方のとある田舎町を舞台にしたとても陽気でハッピーな映画です。あまりにも分かりやすすぎる展開でトントン拍子に話がうまく運んでしまうのですが、ひょっとしたら自分にも明日は何かいいコトがあるかもしれない、そんなことを感じさせてくれる映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2009-11-25 21:54:17)
155.  ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版 《ネタバレ》 
何度も観た劇場版。その度に何度観ても感動した。そしてずっと気になっていた完全版を初めて観ました。劇場版と比較すると確かに3時間は長いです。しかしトトはエレナへの思いや故郷への思いを断ち切って成功を収めますが、故郷に帰ってきた彼が成功と引き換えにした青春時代の思い出を振り返りながら彼の胸に去来するものをじっくりと丁寧に見せてくれます。知らないままの方が良かったかな?と思えることもあったのですが、少年時代から現在までを見せるトトの人生の壮大なドラマとなっている完全版を観た事によって、あの名ラストシーンがより感慨深いものになり、ニュー・シネマ・パラダイスに新たな感動をもたらせてくれました。
[DVD(字幕)] 9点(2009-11-25 21:44:20)
156.  バラキ 《ネタバレ》 
ジョセフ・バラキという人物やマフィアに対し何らかの評価を下すこともなく勿論美化することもなく、バラキの証言に基き事実に沿って時には当時の実際の写真などを交えながらリアルに当時実際に繰り広げられたマフィアの抗争が観る者に伝わってくる非常に重厚な作品です。バラキは組織からその首に10万ドルの懸賞金をかけられながらも生き延びた。しかしそれは全てを失いあまりにも孤独な独房で。彼は果たしてラッキーだったのだろうか。信じられるものなど何もない世界に身を投じた一人の男の苦悩、孤独を演じたブロンソン、そして全編にわたり張りつめた緊張感を保ち観る者を引きつける巧みな演出や構成も素晴らしい。レビュー数の少ない作品ながらもマフィアものの秀作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-11-08 12:35:39)
157.  素敵な歌と舟はゆく
それにしても色んな人がいっぱい登場しましたね。まるでパリの街角に腰掛けて道行く人々の営みや人間模様を眺めているようでもあり、ふわふわと風のようにパリの街を揺られているようでもあり、パリの街をカメラが行ったり来たりしながら様々な人間模様を見せてくれます。そんな不思議な感覚のユルさが観ていてとても心地よい映画でした。 前から興味がありながら、なかなか観る機会が無かったイオセリアーニ監督作品。ぜひ同監督の他の作品も観てみたいものです。
[DVD(字幕)] 7点(2009-11-06 23:57:10)
158.  チャーリー(1992) 《ネタバレ》 
偉人を題材にした映画は観る側がその本人の風貌や顔と俳優を見比べてしまうのは仕方がないし、それがチャップリンのように世界中の誰でも顔を知っている人物なら尚更の事。これ程波瀾万丈の生涯を送った人物の話を2時間程度の映画という枠の中で描き切るのは大変な事だと思うし、彼の生涯の全てをしっかり描き切るのは不可能だとも思える。あまりにも駆け足でその生涯を振り返り、その中で次々登場する豪華キャストがあまり印象に残らないのが残念ですが仕方ないのでしょう。それでも本作のロバート・ダウニーJrは見事だった。称賛されるべき素晴らしい仕事をしたと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2009-09-27 22:54:55)(良:1票)
159.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
同じ男として人間としてこうも違うものか・・・という気すら起こさせない程のアラン・ドロンの美しさ。観る度にもうこんな人は出てこないのではないかと思わされます。上流階級への憧れが殺意に変わる、その動機となる出来事が短い間に丁寧に積み重ねらていく。その後も常に緊張感を持続しながら、あの悲しくも驚きのラストまで決して急がず、ドタバタもせず、作品の雰囲気や魅力の全てをゆったりと楽しみ、堪能できるとても丁寧に作られたサスペンスです。そして今更言うまでもなく作品と見事に調和するニーノ・ロータの控え目ながらも甘く切ない音楽もいつまでも心に残る。そんなアラン・ドロンの魅力とニーノ・ロータの旋律に青い海、真夏の太陽の日差しをいっぱいに受けた映像は50年の時が経過した今に見ても全てが美しい。
[DVD(字幕)] 9点(2009-09-13 15:51:47)
160.  ぜんぶ、フィデルのせい 《ネタバレ》 
裕福な家の娘アンナ。パパとママが共産主義活動にのめり込み、生活が一変。大きな家から狭いアパートに引っ越すことになる。しかもアパートには得体の知れないヒゲ面でタバコをプカプカふかす変なオジサンが大勢四六時中出入りしている。共産主義って?団結の精神って?核戦争って?パパもママもどうしちゃったの?という訳で世の中も自分の周りも分らないことだらけ、以前の生活に戻りたいアンナは不満だらけでいつもふくれっ面。でも時折パパから褒められたり、遊んでもらえた時に見せる子供らしい笑顔が印象に残る。周りの大人のやっていることが理解できない、でも、知りたくて仕方がない。子供の頃なら誰もが感じる事。そんな等身大の子供の気持ちを演じたアンナ役の少女の演技力に驚かされた。テーマは子供の成長なんですね。これもアンナには分らない、中絶って?子供はどうやって作るの?という性に初めて興味を示す女の子の素朴な気持ちや成長を70年代の時代背景や価値観、世相を絡めた盛りだくさんの内容ながらも全てがアンナの知りたい事であり、アンナの視線であるので散漫にならずに楽しめる作品に仕上がっています。時には程よくコメディタッチで描かれ、(特に分かったようでとんちんかんな事を言うアンナがかわいいです。)ちょうどいい尺によくまとめられた、可愛らしくていい映画です。ラストシーンは自分で転校を決断し、そのあまりにも環境の違う転校先でしっかりと自分の足で立ち、子供たちの輪に入っていくアンナの姿に感動しました。
[DVD(吹替)] 8点(2009-09-10 00:54:51)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS