Menu
 > レビュワー
 > あにやん‍🌈 さんのレビュー一覧。10ページ目
あにやん‍🌈さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546
>> 通常表示
181.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 
 過大な期待を抱いた感じで、さすがにそれを上回るような事はなくて。前半の繊細さに比べると後半はフツーなデキという感じ。   仲の良かった幼い姉妹がまるで光と影のように相反する存在へと離され隔たれてゆく過程を描いた前半、表情や仕草や歌の細やかな表現によって、アナとエルサ、それぞれの心情が切なく響いてきます。  対して冒険物語となる後半は、さしてスケールがないわりには個々のキャラクターにもあまり作品独自の個性を与えられず、娯楽アニメ映画の定石を踏むような展開。前半にあれだけ個性を与えられたアナとエルサも、後半はエピソードを消化してゆくことに終始してまうような感じ。せっかくの「姉妹が呪縛から解放され本当の自由を獲得してゆく物語」が何やらごちゃついてしまって。  結局ピークは映画を見にいくたび予告編タイムに見せられた『Let It Go』のシーンだったかな。   最後まで見てその存在に疑問が生じるエピソードが幾つも。  「氷売りを生業とする人々の中で育ったクリストフがトロールの村でエルサの魔術によって意識を失った幼い頃のアナへの治療を目撃する」  ここにたっぷり詰まった情報が後の物語に何らかの作用をしているのかというと、これが微々たるものだったり。  アナが途中で殆ど動けなくなってしまう事で物語の進行にもブレーキがかかってしまう印象がありますし。   ただ、その表現力は本当に素晴らしいものがあって。  アナとエルサ、二人の主役の豊かな表情から、そこに通っている血を感じる事ができます。エルサはやっぱりケバくなってしまう前の方がいいですけど。  色彩溢れる世界から冷たい氷の世界へのメタモルフォーゼ、画面の隅々まで彩られた美しさ。  切ない物語の中で笑いで楽しませてくれるオラフも愛らしく。  表現はCGに変わっても、夢と伝統のディズニーアニメの世界を十分に堪能できる作品だと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2014-03-14 21:41:16)(良:2票)
182.  ピンポン
その独特のタッチが肝になる松本大洋のマンガを映画化するとなると、そりゃかなり挑戦的だろうなぁ、と思ってたら、あーらまた随分とフツーに映像化しちゃったのねー、ってガッカリ。物語だけ切り取られても普通の映画になるだけなんじゃ?って。もちろん、アニメならともかく、実写であの画風を再現する、なんて事は無理ですけれど、そのタッチに相当する独自の映像表現っていうのがあったと思うんですけどもねぇ。でも、原作の事を考えなければ、まあまあ面白くできた映画ですか。ただ、竹中直人は困りますねぇ。どの映画に出てきても同じだから、映画を狭っ苦しくしちゃうんですよね。あー、毎度のおっちゃんかー、って。日本映画のお笑い記号として使うの、やめて欲しいなぁ。
6点(2003-12-21 16:00:11)(笑:1票) (良:1票)
183.  そして父になる 《ネタバレ》 
 つまりは福山にしろリリーにしろ「一体子供とどこが違うのか?」という存在なのです。  子供と共に遊び、はしゃぎ、妻から他の子供と同様の存在として扱われるリリーは明らかに子供っぽい人間なわけですが、福山にしても物事を自分の思いのままにコントロールできなければならないと決めつけ、スタイルばかりに囚われて実を見ようとはしない未成熟な人間なわけで、正反対のように見えながら実のところ同類の二人なわけです。   そして、取り違えという難題を通して親としての(法的ではなく人間としての)責任を求められた時に、何が「親の条件」を満たすのかに苦悩し苦闘し、「そして父になる」と。   象徴的に頻繁に登場するのは乗り物とオモチャ。乗り物は家と家族の向かう世界を示し(福山不在の電車の中で子供に向かって「二人だけで遠くに行っちゃおうか」ってつぶやく母が印象的です)、オモチャは親と子の絆を示しているように思えます。   紆余曲折の末、自分の中での結論ではなく子供という名の他者の存在を認める事で父の役割を認識してゆく、それは親の成長の物語。盛り上がりに感動したり意外な展開に衝撃を受けたりとかいう感じではなくて、淡々とした語り口からその過程を共有して納得してゆくって感じの映画でした。   個人的にはその客観的で冷静に状況を見つめるようなタッチゆえ是枝監督作品としては『空気人形』や『奇跡』ほどに愛着を持てる映画ではありませんでしたが。
[映画館(邦画)] 7点(2013-09-27 21:06:59)(良:2票)
184.  メリー・ポピンズ リターンズ 《ネタバレ》 
 今から55年前に作られた作品の、見事なまでの正統な続編ね。あまりにガチガチにイメージを継承しているので、保守的に過ぎるんじゃない?とも思うのだけれども、それだけ前作を大切にしているというディズニーの姿勢の表れなのでしょう。同じディズニーでも過去をブチ壊しまくった『シュガー・ラッシュ:オンライン』とはあらゆる意味で対照的な作品ね。   イメージの継承の姿が最も如実に表れていたのがミュージックホールでのシーン。手描きアニメとの合成なのだけど、そのアニメの線がハンドトレスでもデジタルスキャンでもなく、マシントレスの線のタッチなの。今の技術だったらデジタルでキレイキレイなラインで表現できるのだけれど、そこをあえて擦れたザラついた線で表現してるの。トレスマシンを使ったアニメは省力化の表れって感じでいい印象がないのだけれども(国産のアニメも70年代以降、デジタル化されるまでの間、ずっと、あのザラついた線で描かれていたわけで、例外は『サザエさん』と『シリウスの伝説』くらい?)、その線に泣かされる事になるなんて思ってもみなかったわ。  映像表現そのものはもちろん今のテクノロジーが駆使されているのだけれど、ガチガチのデジタル臭には走らず、アナログ的なスキをいっぱい作ってる状態。   オープニングタイトルからエンドロールまで、いかに『メリー・ポピンズ』であるか、というのに拘った作品。音楽はクラシカル、ミュージカルナンバー一曲一曲はたっぷり時間を取って。今の判りやすいミュージカル映画のスタイル(歌と踊りがそのまま物語の進行に直結してる)ではない、旧来からのミュージカル(歌と踊りが独立した見せ場)の姿なのよね。  ナンバーは前作ほどのインパクトには欠けるように思うのだけれども、それはまだこれから、後年価値が決まってゆくものなのかもしれないわ。普遍性を持った映画として作られているのだから。   あくまで前作を愛してる人のための続編として作られていて、きっと前作と続けて見ても違和感は少ないわ。エミリー・ブラントはジュリー・アンドリュースとはかなりイメージが違うけれども、表情豊かじゃダメな難しい役のメリー・ポピンズを上手く演じているし。   懐かしきディズニー映画の匂いに溢れていて、でも、それが今の若い人達には通用しないとしたら、それは淋しいことね。できれば前作とセットで見て頂きたいものね。
[映画館(字幕)] 8点(2019-02-05 22:40:31)(良:2票)
185.  弟切草
最初の方で、延々とビデオを撮りながら意味なく「へへ・・・うへへ」と笑ってる兄ちゃんは、どっか病院で診て貰った方がいいと思います。あなたがこの映画の中でいちばん恐いです。それと、館の中の単調な移動を延々無意味に映し続ける監督も。あ、それから女優をキレイに撮ってあげる、という基本的な職業意識が欠如しちゃってるのもダメです。メイクなりライティングなりで、お肌の荒れは隠してあげて下さい。デジタル撮りも手伝って、「荒れております!」って強調しちゃってるみたいな感じです。デジタル撮りなら現場で幾らでも確認できる筈でしょ? まずは、普通に見られるレベルのモノって、どんなものなのかを勉強してから、お金を取るようにしましょう。映画は、渋谷駅前の大型ビジョンにタレ流すような誰も見てない映像とは違う、という事を学ばねばなりません。
[映画館(字幕)] 0点(2003-11-28 21:58:10)(笑:1票) (良:1票)
186.  50回目のファースト・キス(2004) 《ネタバレ》 
『ウェディング・シンガー』のコンビという事で期待したのですが。ラストシーンに至っても、周囲にとってはそれが好転だという認識であっても、ヒロインにとってはずーっと変わらないままの現実が繰り返されてゆくワケで、いや、むしろ、時間が積み重なってゆけばゆくほどに、その現実の重さがのしかかる量が増してゆくワケで。「幸せなんだよ」と刷り込み続ける行為は、結局のところ、お父さんと弟の疲弊した努力との差異はない、ヒロインにとってはこの映画のスタート地点から基本的には何ら好転はしてないんじゃないの?って。あの後、時を経れば経るだけ、今度はどんどんと「幸せ」を感じさせる事が困難になってゆくと思いますしねぇ。そういう基本の重さがどうにもこうにも。深刻な設定をハートフルコメディという形で描いているものの、その根底に存在する問題を本当に希望あるものにまでは昇華できていない気がするのですね。でも、一方でキャラ的にはみんな揃いも揃ってヘンで楽しかったです。変人コメディ映画としてはイイ感じ。『グーニーズ』の虚弱少年があんな太マッチョになってしまったのは、結構ショッキングだったりしますけど。
[DVD(字幕)] 5点(2011-01-30 10:07:10)(良:2票)
187.  ボーダーライン: ソルジャーズ・デイ 《ネタバレ》 
 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の前作に比べるとフツーの映画になっちゃったカンジ。   前作は狂気に対抗できるのは狂気、狂気に頼らざるを得ない正義はもはや正義として成り立たない、そこにあるのは闇と闇との闘いでしかない、そういう絶望感に支配された映画だったわ。   今回の作品ではデルトロに人間味を与え、闘う理由を与えることで、この映画単体での面白味は生まれたけど、前作で限りなく悪の、闇の中に存在していたデルトロとのブレが生じ、作品世界がパーソナルなものへと移ってしまったような感じ。  現実の非情さから、個人的感情への世界に移行して、1つの「物語」として閉じたような。  なので前作にあったやるせなさ、重さはかなり軽減されて、リアル寄りアクション映画で終わったような感覚。『レオン』のようなドラマ世界になりました、みたいな。   そういう意味では前作のエミリー・ブラントのポジションって大切だったのね。狂言回しで、甘ちゃんな、でも常識的な視点を持った存在。彼女が存在することで正気と狂気、善と悪、光と闇が対比されて。  今回はそういう視点がないから、ひたすら混沌として、ただ線引きの容易な単純な善と悪があって、映画を動かすのが個人の情の世界になって。それが悪いわけではないのだけど、でも前作の方が見応えがあったねぇ、って。   今作を見て、アタシ、やっぱりドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が好きなのかも、って思ったわ。
[映画館(字幕)] 6点(2018-11-18 17:40:58)(良:2票)
188.  ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー 《ネタバレ》 
 アタシはゲーム好きではあるけれど贔屓がセガ~マイクロソフトというイバラの道を歩んでいるので京都のヒゲ親父はメガドライブ版『テトリス』発売中止事件以来の宿敵だと一方的に思っているわ。  とは言え任天堂ハードもファミコン以降全て(バーチャルボーイまで含めて)購入している程度にはハードオタクでもあるのでマリオもメインのシリーズは大体プレイしてるのね。『2』は1-1で100人マリオやったってクリア無理って状態だけど初代、『3』『ワールド』くらいはクリアしてるわ。『64』以降、途中で飽きちゃうのだけど。  ってコトで宿敵マリオの映画、わざわざ10日間限定のスーパーマリオシアターで見てきたわ(あくまでファンではないわよ、ワクワクでかけました、とかじゃないからね!)。   さっさと結論から言っちゃえばマリオでこその映画。  ハッキリ言ってアメリカ産CGアニメーション映画としてのデキは平凡。ここ数年の諸作品と比較してもクオリティはそんなに高くない方ね。毎回そんなに予算かけないイルミネーション作品としても『ミニオンズ・フィーバー』や『SING2』よりも野暮ったいデキよ。  物語やエピソード、映像に特に新鮮な、そして刺激的な要素は感じられない、保守的な作りってイメージで、それはゲームとしての『マリオ』の現在の保守的なカンジが反映されてるのかしら?って気もするわ。発売当時革新的だった初代、挑発的でマニアックに走った『2』に比べると『3』以降は広い世代にアピールして間口の広い可愛らしい(媚び媚びな)ゲームへとなっていったわ。そのニオイが映画からも感じられて、ヌルいわね、って印象。  ちょっと現代的な感覚があったのはピーチ姫が動きまくって活躍する点ね。ヘタするとマリオなんかより主役よ。助けなくっちゃならない昔のピーチ姫ポジションはルイージで、ピーチ姫は国を背負って立ち上がるわ。   『マリオカート』や『ドンキーコング』『ルイージマンション』なんかの要素を盛り込みつつ展開する世界はマリオや任天堂のゲームに触れてきていれば楽しいし(『パルテナの鏡』懐かしかったわね)、そうでなければ短尺ながらダルめ。もっともマリオ知らずにこの映画見に行く人なんていないでしょうから、これで正解なんでしょうけど。   ベタな既成曲を何曲も使ってしまったり、ブルックリンの配管工としての生身な人間としてのマリオ兄弟を長めに描いたり、ピーチ姫の出自を匂わせつつも全く何も解決させないあたりに疑問を抱きつつ、まあこんなモンでしょう、って納得しちゃったりするのはイルミネーションと任天堂の成せるワザってところかしらね。クッパの人間(?)性に特殊なアクセントがあったあたりでまあまあ、少しはアレだわね。  もう少し弾けてても良かったんじゃない?とは思うのだけど。
[映画館(吹替)] 5点(2023-04-29 15:44:02)(良:2票)
189.  愛と追憶の日々 《ネタバレ》 
「痛み止めを出して!!」うわあん。大泣きですよ。この映画は、自分の母を亡くした後に見た映画ですが、あのクライマックスの病院の風景、家族のそれぞれの気持ちが痛いほど伝わってきて、マトモな心では見られませんでした。一人の人間が生きた証し、それは皮肉な事に、その人の人生が終わった時に、関わった人々の、それぞれの思いが集う事で形になるのですね。
[映画館(字幕)] 8点(2003-11-25 13:48:54)(良:2票)
190.  CUTIE HONEY キューティーハニー 《ネタバレ》 
思いっきりツボにハマるか、さもなきゃ激しくハズすかのどっちか、だと思ってたんですけど、意外とマトモな映画でした。あ、もちろん十分おバカなんですけれど、根はマジメ、みたいな。冒頭からタイトル部分にかけての展開は、もうアニメ版『ハニー』の感覚がぱーっと脳内に甦って、懐かしさに涙出る、って感じなのですが、中盤以降はきちんとドラマが語られ、クサいながらも至極真っ当な、人と繋がっている事の大切さが描かれます。私は、ハニーの孤独よりも、市川実日子演じる夏子の孤独に惹かれ、ゆえに彼女の姿を中心に見ていました。サトエリもおバカとスーパーヒロインをきっちり演じ分けて魅力的ではあったんですけど、固めた孤独を徐々に解かしてゆく実日子嬢の変化の演技が一枚上手、という事で。アクションシーンを、もう少し丁寧に、ディティールをハッキリ見せてくれていたら、という恨みは残りますが、原作の感覚を大切にしつつ、マジメにバカを見せてくれて、かつて数多くあったプログラム・ピクチャーの懐かしい感覚を堪能させて頂きました。愛が大事、っていうベタな結末も、この映画のアニメ的言語の前では素直に受け止められるのでした。
[映画館(邦画)] 8点(2004-06-01 01:39:59)(良:2票)
191.  トゥルーマン・ショー 《ネタバレ》 
これって、「お父さんの手から離れてゆく息子の映画」だと思いました。あの大きなセットの中は、お父さんの家の象徴でもあるし、母胎の象徴でもあるし、って。狭い世界でメディアに支配されている生活も、与えられた小市民的ユートピアも、「普通の人」を「演じている」人々も、それ見て喜んでいる人達も、今の時代の象徴なのかな。そこから一人の人間として旅立ってゆくトゥルーマンの未来は、だから、必ずしも明るく希望に満ちている訳じゃないだろうけれど、それでも私が旅立つ彼の姿に感動してしまうのは、やっぱり彼に共感してて、そして願望を満たしてくれているからなのかな。
[映画館(字幕)] 8点(2003-12-13 01:23:45)(良:2票)
192.  フォードvsフェラーリ 《ネタバレ》 
 判るわー、ル・マンはしばらく走ってないけれど、ミュルサンヌコーナーでのブレーキングはかなり勇気が試されるわよねー(もちろんゲームでのハナシ)とか、そんなに回転数を上げたいならHONDAのVTECエンジンを使えばいいじゃない、9000回転なんか楽勝よ(登場はこれより25年くらい先のハナシだわ)とか、アホなコト考えながら楽しんでたけれど、でも楽しめたけど色々ひっかかった、みたいな映画だったわ。   まずいちばんひっかかったのがフェラーリがただのマヌケな悪役。あんた、フォードなんてマスタングとフェスティバくらいしか知らないわよ、ってゆーかフェスティバ作ってたのはマツダだわよ、フェラーリなんかテスタロッサとかF40とかF355とかエンツォとか名車いっぱいあるのに、そのフェラーリをバカにしてるの?みたいな。まあ、市販車じゃなくてレースでのハナシだし、フォードも企業としては悪として描かれてたのだけどもね。  でもフェラーリのピットクルーのバカっぷりは、デイモンがいちいちやらかす小賢しいマネ(ストップウォッチとかナットとか)も含めて見ていて決していいキモチはしないわ。  この映画はそういうノイズがいっぱいあって、ストイックなベールと対比させ存在を浮き上がらせるための手段ではあるのだけど、あくまで雑音は雑音なので鬱陶しいのよね。  それは彼を取り巻くもの総て、そう、フォードの姿勢やフェラーリの在り方、デイモンのキャラだけじゃなくて、彼の奥さんや子供の存在にまで及ぶわ。夕暮れの親子のシーンなんて素晴らしい空気感だったりするのだけど、基本は彼の周囲がいちいちしゃしゃり出てきてノイズとなって翻弄されてるの。なんだか気の毒だわ。  そういうゴタゴタしたシーンを置くのなら、一方でもっともっとベールとマシンが対話するシーンに拘りまくって欲しかったわ。  エグゾーストノートとロードノイズに包まれたコクピットで感じる高速の世界、それは音響過剰気味な109二子玉川のIMAXでも満足できるレベルではなくて。彼が独り解放される世界の美しさ、それをキッチリ対比できていたら、って。もっとフェティッシュで良かったと思うの。   CGであり得ない走り方してまーす、って状態ではなくて、キチンと路面を捉えて走行してる画です、って、そういうのはとても良かったのだけど、全体的には「会社の意向」で娯楽映画としての作りを求められてるようなカンジがして、まあ及第点的実話映画でしたわね。
[映画館(字幕)] 6点(2020-01-23 20:11:35)(良:2票)
193.  ジャッジ・ドレッド(2012) 《ネタバレ》 
 「画面から低予算っぷりが滲んでいるけれど、閉鎖空間を舞台に全編をワンアイディアで通した意外と拾い物なSFアクション」という感じだと思うんですよね、普通に見ると。   でもコレ、3Dで見ると映画の価値がかなり大きく変わってくると思います。  これまで映画館で106本の3D映画を見てきましたが、3Dの視覚効果を直接アート表現に反映させた映画は『マダガスカル3』とこの映画だけ。アート作品な『夜のとばりの物語』ですら、3D技術自体はアートではなかったですからねぇ。   麻薬によってスローモーション化する世界、そこに割り込んでくるバイオレンス。その暴力のスローモーション空間が3Dによって立体的に構築され、飛び散る血と肉が、破壊が、ゆっくりと空間を満たしてゆきます。   更に鉛色の、血の匂いが立ち込める世界の中で異彩を放つように存在するルーキー。少年のようにも見えるヒロインの、その美しさが退廃した世界の中での希望のように金色に輝いていて。   退廃的な世界の中の暴力と美のアート、これを立体として空間的に見せた3D版は2Dで見るのとは別物と言っていいと思います。2D版はB級SFアクション映画としての印象が強くなるような感じ。   残念ながら日本では3D版ブルーレイが発売されず、3Dは輸入盤で見るしかないという事態に陥っており(その輸入盤もなんかあまり画質がよくない気がして)、映画館で3Dで見られた事は貴重な体験でした。   映画は、できれば旬を逃さないのがいちばん。
[映画館(字幕)] 9点(2014-02-28 22:28:06)(良:2票)
194.  トランスフォーマー/リベンジ 《ネタバレ》 
前作を散々貶したんだから見るなよ、って意見もございましょうが、IMAXデジタルってのを体験しておきたかったもので。アナログな70ミリ15パーフォレーションのかつての新宿・品川に比べて川崎はあまりにショボ過ぎてガッカリ。他のデジタル方式と同じ、ギラついた、明色暗色の極のコントラストに弱い、エッジの浮いた着色写真風な映像の毎度のアレ。アレが六本木7番よりふたまわりほど小さいトコに映ってるだけという。この程度なら私としては35mmフィルムのデカいスクリーンで見た方がマシ。さて本編ですが、映画オタク心をなーんにも刺激しないという。CGで過去の映画の寄せ集めやってるだけ。『グレムリン』とか『エイリアン』とか『インディ・ジョーンズ』とか、臆面もなくそのまんまで出してきて。単純でヒネリがなさ過ぎる物語を、ゴテゴテとした映像と余分な登場人物と、その連中が生み出す意味のないエピソードと、そして神経を逆撫でするような騒々しいバカリアクションで飾り立てた、毎度のマイケル・ベイ製カラッポ映画。必要なカットが抜けてて、要らないカットがいっぱい入ってるのも毎度おなじみ。ほんの数キロ先に辿り着くだけ、っていうのをクライマックスに据えて延々引っ張って、バカじゃなかろか?って。こんな映画をわざわざ見てる自分っていうのが情けなくて惨めで笑えてきました。まあ、それでも未来の映画小僧を生み出すには必要な存在だとは思います。個人的には「必要悪」だと思ってますけどね・・・。
[映画館(字幕)] 1点(2009-06-28 22:01:13)(良:2票)
195.  バトル・ロワイアル
冒頭の、父親が「秋也ガンバレ」の文字を残して死んでいるシーンで「無責任な親」と思った瞬間から、この映画が言いたい事がどんどんと伝わってきて、見ていて心が痛い映画でした。反社会的な映画ですが、実のところ、青春映画の秀作なのではないかな、と思います。政治家がケチをつけたあたりも、なんとも象徴的というか、この映画にふさわしいエピソードですね。
[映画館(邦画)] 8点(2003-11-21 14:13:25)(良:2票)
196.  プレデターズ(2010) 《ネタバレ》 
ロドリゲス製作で、ダニー・トレホなんか出てきちゃうんだから、相当にぶっ飛んだ『プレデター』が見られると思ったら、これがフツーに『プレデター』でちょっとガッカリ。戦いのプロ達が誘拐されて他の惑星でプレデターの獲物になるっていう設定はぶっ飛んでるんですけど、中身は一作目と似ていて。森の中に何かいる、っていうのを引っ張り過ぎな感じ。お客さんはそこにいるのがどんなヤツなんだか知ってるワケですからね。森に集められた、見るからにクセのありそうな面々も思ったほどには個性を発揮せず、集団の中の葛藤もそこそこ、アクションの見せ場もそこそこ。プレデターが今までにない恐怖を見せてくれる訳ではないので一作目を初めて見た時の衝撃はなく、会話シーンの多さで結構ダレ気味。リメイクではなく一作目の続編で、一作目があって初めて成り立つシーンもあり、と。ただ、元々自分達は奴らと同様狩る方の立場だったという主人公の台詞や、様々な銃火器が登場する激しい戦闘シーン、更にはプレデターの存在を認識した後も人間同士で戦ったりと、暴力の本能的快楽を描いてみせたあたりに、この映画の価値があったと思います。
[映画館(字幕)] 6点(2010-07-09 16:48:08)(良:2票)
197.  謝罪の王様 《ネタバレ》 
 元謝罪のプロなので、その視点から何か語れるのかと思ったら、そういうレベルの映画ではなくて。「謝罪」はあくまで笑いの基本となるネタに過ぎません。  何しろ話としては矛盾しちゃってますしねぇ。サダヲは元々「本人に謝罪して欲しかった」がゆえに謝罪のプロとなったわけですよね。なのにサダヲの取る道は悉く「心からではなく形式的に、例え騙してでも謝罪する」。よく判んない。あのラーメン屋を経営する人々の対応の方がよっぽど誠実に見えるんですけど。  人は本当にただ「謝って欲しい」のかなぁ? 自分としてはむしろ謝罪はいいから改善しようよ、って思うのだけれども。いくら謝ったって同じ過ちを繰り返してるようなのは意味がないもの。   で、だからそこは重要でなくて、あくまでネタ集を笑って楽しむ映画なんですよね。  その点、前半は快調です。役者さんがみんな軽妙に演じていてテンポ良く。バラバラとオムニバス形式で描かれたエピソード同士が実は細かく絡んでいたりして、伏線が回収されてゆく感じが気持ち良くて。   だけど後半の国際問題話がクドくて。いちいち繰り返される王国への訪問、あのクドさがちゃんと面白さに繋がってない気がします。  そして「腋毛ボーボー自由の女神」の正体が明らかになって以降は更にクドくなっちゃって。あれ、正体が判った時点で畳み掛けないと。ああいうのはすっと下げないと粋でないのよ。なんであんなにしつこく繰り返すかなぁ。あの粘着っぷりに「ああ、邦画っていつもこうだよねぇ・・・」って。   更に全く本編に繋がってない、業界の色んな事情を反映したかのような、そこだけ浮きまくりのエンドクレジット。あんなものを長々と見せられてもねぇ。   見終わって何も残らない映画で、コメディなのだからそれはそれでいいのですが、できれば前半の印象のままで劇場を後にしたかったかな。
[映画館(邦画)] 5点(2013-10-11 22:00:37)(良:2票)
198.  RED/レッド(2010) 《ネタバレ》 
「意味あり気な表情をアップでナメてパン」みたいな、全編『凡作の撮り方』の教科書通りに撮ってみましたって風情がかなり残念な感じの映画ではあります。もっと面白くできるであろう素材に溢れていながら、それを十分に活かす事なくそこそこに仕上げたような。モーガン・フリーマンなんて、せっかく最初に不死身キャラ的ポジションを見せたのに、そのキャラクターを活かす事なく、あんな退場の仕方をさせるなんて肩透かしもいいところ。最後の最後まで、いつまた出てくるのかと期待したのに。でも、現役を退いた人々の物語という事で、無理した見せ場インフレ状態の騒がしいばかりなアクション映画にはならなかった点は良かったと思います。危機的状況下でも経験と熟練に裏打ちされた的確な対処をしてゆく面々、ゆえにキャラ的には表情の豊かさに欠ける嫌いがあるものの、そこは場数を踏んで達観した者ゆえの安定感であると好意的に解釈させて貰いましょう。ギリギリのスリルとサスペンスばかりってのは、逆に未熟者だからって事ですもんね。それにしても、70年代から映画を見てる身にとっては、ボーグナインこそ往年の名優ですが、ウィリスとかマルコビッチとかの80年代に出てきた人々を勇退したジジィ扱いするのには呆然。まだせいぜい中堅くらいじゃない?ってくらいで、でも、じゃあベテランは誰?って思い返した時に、もう多くのスターがこの世を去ってしまった現実に、自分のトシを思い知るのでした・・・。
[映画館(字幕)] 6点(2011-02-02 21:44:47)(良:2票)
199.  ツーリスト 《ネタバレ》 
スターで映画を見るという事があまりないので、ジョニー・デップとアンジェリーナ・ジョリーが共演!みたいなところでワクワクする事もなく、予告編から予想される内容もありきたりに思えて決して心ときめかせるようなものではありませんでした。でも、結果的にはヒッチコック映画みたいな昔の娯楽サスペンス映画のノリで意外とまあまあ楽しめました。美しいベニスの街を舞台にしたサスペンスは、昨今のタイトでハードなものとは違って、なんだかのんびりしたムード。音楽もワザと前時代的にロマンチックに、また大仰に鳴って。ああ、肩の力を抜いて見て、って映画なのねって、その今時の映画らしくない大らかな空気を堪能しました。もっとも、アンジーをキレイキレイに撮りきれてないとか(メイクが作り過ぎで『サンダーバード』のペネロープみたいだし、ライティングがマズくてコワいカオが何か所も)、最初から予想付いちゃうオチとか、ミスリードの方法が強引過ぎるとか、難点はいっぱいあるので素晴らしい映画!とは言えませんが。どうせならもう少しコメディ寄りにしちゃって良かったんじゃないかな。完全に古き時代ののどかなサスペンスでも。狙撃隊とかタイトルの出し方とか、現代的なニオイがせっかくの雰囲気に水を差しちゃってて。どうせハナからリアリティなんて無きに等しいのだから、何をやったっていいのですしね。
[映画館(字幕)] 6点(2011-03-06 15:06:40)(笑:1票) (良:1票)
200.  ホビット/決戦のゆくえ 《ネタバレ》 
 劇場試写、IMAX HFR 3Dというかなり最先端な感じのハードで見ましたが、ソフトの方はもうずーっと毎度の例のアレって状態で。   なんで前作があんなハンパなところで終わったかなぁ?と思ったら、今作はなんかカサが無いんですね。物語的に消化すべき部分が大してないの。なので本来は前作のクライマックスになるべきところを今作の頭に持ってきました、みたいな感じ。   それ以降も水増し感がハンパないです。全体で1時間くらいで語れそうな物語をタップリ2時間25分(もっともエンドクレジットがラクラク10分はある感じでしたが)。その時間を主に戦闘シーンで埋めてますという感じ。レゴラス大活躍!・・・だけど本来彼はこの物語には出てこない人なんですよねぇ? お陰でドワーフ達も、そして肝心のタイトルにもなってる筈のビルボも目立たないこと。インフレ状態な戦闘シーンの派手さがドラマを曇らせてしまっている印象で、それでいいんかPJ?  エピソードの取捨選択があまりよろしくない事になっているように思いました。あっちこっち描くところが多過ぎで個々のエピソードが間延びしちゃってます。   戦闘シーンにしても『ロード・オブ~』1作目から延々と見続けているモノから大きく変化を感じさせる事はなく、CGのアラすらも当時からあまり変わらない、みたいな気がしてしまって、シリーズ通じて完全にイメージが統一されてる!って褒めるべきなのかソレ?   シリーズ通して映画のカラーは『ロード・オブ~』の暗い鉛色の「重厚な」まんま。でも『ホビットの冒険』はもっと明るく軽妙なタッチにした方がクライマックスの展開も効いたんじゃないかなぁ。要素を盛り込み過ぎて旅の一行の存在が薄くなって、主題の冒険物語がぼやけちゃった。  普遍的な原作に対して暴力的なテイストが全編を支配しているこのシリーズが正しいあり方であったのか否か、それは後の歴史が決める事になるのでしょうけれど、『ホビットの冒険』の映画化に関してはもっとキャラの個性、面白さこそを重要視すべきだったんじゃないかと思います。   それにしても1作目の冒頭でフロドを出したから、今回はフロドで〆ると思ったんですけどねぇ。    って、ああ、しまった、前2作でどんな感想書いてるのか見直してみたら感想まで全部似たようなモノで。あー。
[試写会(字幕)] 5点(2014-12-09 23:04:14)(笑:1票) (良:1票)

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS