Menu
 > レビュワー
 > あにやん‍🌈 さんのレビュー一覧。27ページ目
あにやん‍🌈さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546
>> 通常表示
521.  ねらわれた学園(2012) 《ネタバレ》 
 ここまで志の低いアニメを見るのも珍し・・・くもないですか、最近は。   絵がキレイキレイ。透過光処理を使いまくって画面が全編キラキラ。江ノ電沿線を舞台にした青春SFストーリー、なのですが、とにかくアニメファンに媚び媚びな作りで真面目な映画作りをしようって気は無いのか?って感じで。   話はヒック似とカヲルくん似の男子二人がイチャイチャするのを幼なじみタイプといいんちょタイプの女子二人が眺めてハアハアしてるってシロモノで、そういう萌え属性のある人なら楽しめるよ~、って。バカぁ?  特にいいんちょったら延々ハァハァ欲情しまくってて、なんかどっかおかしな人にしか見えないわけですが、最近のアニメファンってのはああいう表現がいいのかね?   で、肝心のメインストーリーはどこが『ねらわれた学園』なんだってくらいに学園がねらわれてません(笑) つーか物語は途中で学園なんてどうでもよくなっちゃったりします。  そもそも過去を変えるだの使い魔だの記憶が消えるだののゴチャゴチャしたSF的設定はひたすらドラマを作るためのご都合主義的な存在で、つまりは四人の登場人物の恋愛話のみがこの映画の本体であって、その他の部分は便宜的に置いてあるだけでその実あっても無くてもどうでもいいレベルでしかありません。   あと、細かいツッコミどころ。キレイキレイな美術ですが海岸線が一点透視法で描かれたカットで1つの波が遠景から近景まで画面上を平行移動していて。あれだと遠方側の波はとてつもないスピードで押し寄せてますな・・・(最近のデジタル作画が当たり前になっているアニメの場合、そういうミスはソフトがリリースされる時に修正されたりするのでどうなってるか判りませんが)。   褒められるところがあるとすれば、キャラがよく動くってところくらいですか。   やり様によっては爽やかな青春物語に昇華できたと思うんですが、表現がアニメファン向けに閉じまくったシロモノで、でも、そういう事をされて果たしてアニメファンは喜べるのだろうか?と甚だ疑問に感じました。  最初からアニメファンだけを目当てに作ってコケた場合の惨状ってのは目も当てられませんからねぇ。  アニメ製作者はもう少し志を高く持って映画というものに臨んで頂きたいものです。
[映画館(邦画)] 2点(2014-02-18 22:32:06)(良:1票)
522.  ロラックスおじさんの秘密の種 《ネタバレ》 
 ユートピアの皮を被ったディストピアもの。   にしても、ファミリー向けCGアニメ映画で、なんでここまで鬱々とした作品になっちゃったんでしょうねぇ。原作ゆえ?   映画は半分以上が回想シーンで占められ、主人公は現代パートの少年と回想パートの青年とで別に存在している状態。ロラックスおじさんは、ほぼ回想パートにしか登場しないのですが、ロラックスおじさんは特に何か大活躍をするという訳ではなく、大自然の中で迫害されてゆくものの象徴的存在。   回想パートの主人公の私利私欲に走った身勝手さゆえに自然が蹂躙され主人公が破滅してゆく姿が描かれてゆき、時を経て現代パートの主人公によって世界に救済がもたらされるのですが、回想パートの主人公が失った時間を取り戻せる訳ではなく、回想パートが映画全体に占める割合の大きさゆえに重さ、暗さがのしかかります。   それに回想パートと現在パートとで話がほぼ連動していない、別の物語として切り離せてしまうという点に問題があります。回想時点から現在時点までの失われた時間が、映画自体からも失われてしまっているのですよね。  この遊離っぷりは映画の統一性を失わせ(現在パートが大きく割り込む回想パートによって停滞し続けるという結果を生みます)、人間のエゴによって自然が失われてゆく物語が大勢を占め、自然を取り戻すための物語としてはとても薄いという、見終わってみると暗く重い部分から受けるストレスばかりが印象に残る映画です。   似非ユートピア部分のデザインに面白さが集中している感じもあって、それはテーマに反してしまう危険性も孕んでいる訳で、テーマやメッセージはいいのだけれども、それを伝える方法(構成にしろ美術にしろ)はあまり上手くいっていないような感じがしました。
[映画館(吹替)] 6点(2014-02-23 22:25:07)(良:1票)
523.  セッション 《ネタバレ》 
 これはこれで見世物としては面白かったんですけど、でも、そうかなぁ? 違うんじゃねえかなぁ? とか思いながら見てたのも事実で。   もっとストイックで研ぎ澄まされた映画だと期待していたのですが、ワリと下世話。なんかエゴとエゴがぶつかり合ってガリガリいってて、ノイズだらけでうるさい映画って感じ。ノイズってのはもちろん音響の話ではなくて、遅刻だの事故だの自殺だの辞任だの告げ口だののゴタゴタした話。そういう人間の生の部分から音楽が生まれてくる、にしたってこの映画は相当にうるさいっしょ、みたいな。   もちろん、努力がとても重要なのは確かなのですが、むしろ、こういう生き方からはそういう音しか生み出されないんじゃね?という感じもして。実際、そのサウンドはそういう音に聴こえて、それは決して耳に心地よい素晴らしい音楽とは違うモノのようで。  なんだか結構一面的なモノを見せられちゃったなぁ、という感じ。こうなるともう自己陶酔、自己完結の世界ですよね。そこにあんまり感情移入はしたくないなぁ(笑)   もっとも、私にそういう拒否の感情を抱かせたのもこの映画なりの強い個性が存在していたからこそなんでしょうけれど。良いか悪いかは別として、見ておいて損は無い映画でした。
[映画館(字幕)] 6点(2015-05-04 13:50:04)(良:1票)
524.  ゴジラ×メカゴジラ 《ネタバレ》 
やたらに面白く感じてしまった理由を考えてみました。メカゴジラがカッコよかったから。釈由美子が主役だったから。大島ミチル女史の音楽がやっぱり燃えまくりだったから。戦闘シーンがハデだったから。「エヴァ」みたいだったから。上映時間が短くてダレ場がなかったから。宅麻伸の笑いが寒かったから・・・あ、アレだ。「ゴジラが脇役だったから」。単なる障害物として登場した挙句、メカゴジラにさんざんボコられて「今日はこのヘンでカンベンしといたるわ!」と去ってゆく姿に芸人魂を見た私なのでした。
[試写会(字幕)] 7点(2003-12-03 16:55:15)(笑:1票)
525.  清須会議 《ネタバレ》 
 多分、歴史上の人物にそれなりの知識があれば楽しめるのだと思います。大して知識のない、そして登場する人物に全く自分なりのイメージを持っていない浅学な私にとってこれはテンポの悪い間延びした退屈な会話劇。   役者に頼り過ぎなのではないかなぁ、とは思います。三谷作品お馴染みのメンバーが醸す(ハズの)独特の「味」に期待し過ぎちゃいませんか、って。  タイトル以前の、戦についてはひたすら絵巻で見せる部分以外は特に魅せる映像があるわけではありませんし、軽妙にも重厚にも寄らずになんだか中途半端な状態が続くような感じ。   大体、それぞれの役者さん達の面白味は、それぞれいつもの人物というかキャラが出たところで醸されるような気がして、映画上の人物像を創造しているというよりは、その人が演じている事による面白味を味わう、つまりかくし芸大会みたいな印象があります。  場内が最もウケたところはゲスト的に他映画のキャラが登場したところなわけで、つまりはそういうオールスターかくし芸大会ノリを期待してたり、それを狙ってたりもするのかなぁ、って。まるで「コレ面白いでしょ?」ってノリで作ってるみたい。  私としてはここに登場する人物の誰にも心を寄せる事ができず、手前勝手な人々の混乱劇(まあ、三谷作品がいつもそうであるように)として最後まで流れに乗る事はできませんでした。   ただでさえヘボい映写のTOHOシネマズ渋谷で更に室内の暗い画面が多いために平板で見辛い映像の連続する状態で、たまに屋外の明るいシーンになると目と脳が安心するという、視覚的ストレスの多い映画でもあって。   人がいっぱい出てきてわーっと騒いで、っていつものパターンを、でもキレイにまとめてる感じは毎回しないんですよね。この人の作品って物語よりも細かい断片にこそ命があって、それを大量に網羅してこそ、って感じなのかな。それも今回は間延びした対話によってスポイルされているように思いましたが。   とにかくこの人の映画、毎度長過ぎ。映画ってお芝居みたいに舞台と客席とが同じ時間を共有して緊張感を保ってる状態とは違いますからねぇ。今日、上映中に30人くらいトイレに立ってましたよ・・・
[映画館(邦画)] 4点(2013-11-12 20:35:14)(良:1票)
526.  パブリック・エネミーズ 《ネタバレ》 
『ヒート』の自家製劣化コピー。基本は同じだけど、色々とガタが来てるカンジ。全編、頭詰まりな構図(スーパー35撮りのせいでしょうが)に、揺れまくるカメラ、被写体の前にいちいち存在する遮蔽物。見づらいったらありゃしない。そしてそれは、この映画が何かを隠したいからなのかな?と思ってしまいます。隠す事で逆に観客に伝わるものというのもある訳ですが、この映画の場合はむしろボヤかしたい、曖昧にしておきたいという意図があるように思えてなりません。それは、この時代に犯罪者を英雄として描く事の難しさなのかな、って。正義も悪もない混沌ぶりを表現しようとしたのでしょう。「デリンジャーにも言い分はありますよ」みたいな。だけど、それによって視点の曖昧な、ボヤけた映画となってしまった気がします。そのボヤけさ加減がジョニー・デップ、クリスチャン・ベールという二人のメインの存在すらも霞ませ、むしろ見終わったらヒロインやらクールな捜査官連中やらが妙に印象に残ったって感じで。ハッキリとデリンジャーを悪として明確に描いた方が、幾らか良かったのではないでしょうかねぇ。
[映画館(字幕)] 5点(2009-12-14 18:20:44)(良:1票)
527.  ドクター・ストレンジ 《ネタバレ》 
 もっとメリハリがあっても良かったかなぁ、とは思います。もっと傲慢な医者だったり、もっとコテンパンにやられてがっつり修行したり。マントも『アラジン』の空飛ぶ絨毯くらいキャラ立ってても良かったんじゃ?とか。でも、香港のカンフー映画みたいな東洋思想とお師匠様と修行の映画、楽しませて貰いました。   アメコミものでたびたび繰り返される都市崩壊のビジュアル、アレもういい加減マンネリ感が拭えないのですが、今回は崩壊からの逆回転で食い止めようとするのがクライマックスになっていて、ヒネリが効いていて良かったなと。ちょっとストレンジがほむらちゃんでしたが。『魔法おじさん ストレンジ☆マギカ』って感じでしたが。   ヒロインの役割小さ過ぎでもう少しドラマが欲しいとか、世界の説明が多くて今ひとつテンポが悪いとかいう不満も無い事はないのですが、物理的にドタバタ暴れるシーンが延々続くばかりのアメコミ映画とは違って、そこかしこにこの作品ならではの色が散りばめてあるのが良かったと思います。   次はソーとの共演のようですが、神様と魔法ならば世界観の齟齬も少なそうで、ちょっと期待できるかな。
[映画館(字幕)] 7点(2017-02-13 21:47:42)(良:1票)
528.  のだめカンタービレ最終楽章 後編 《ネタバレ》 
ダレダレ。いくらファンでもここまでダレてるとシンドいです。テレビスペシャル同様、千秋を主役にすると面白いのに、のだめを主役にするとモヤモヤしてダレるという。もっとも、元々原作からしてそうなので、映画化に際してはよっぽど実力がなきゃ、そうなるのは目に見えていたワケで。原作でも千秋の物語とのだめの物語とが上手く絡んでドラマを生み出していたとは言い難く(のだめって存在、持て余したでしょ?みたいな)、そこを上手くまとめられればと思ったのですが、映像化する人々にウデが無かった、むしろ更にダメにした、みたいな。多用されるスローモーションとテレビドラマ版から流用した回想シーンとがウザいです。この映画でちゃんと語れよ、っていう。更に原作に付け加えたラストシーンなんか、無粋なシーン&セリフ続出で全部いらない、切っちゃえよ、ってシロモノで。なんで音楽で語られてゆくハズの物語に、ここまで説明的な映像とセリフを入れなければならなかったのかと。あれらの音楽1つ1つに役割があるって事が最後に及んで判ってなかったのか?と。結局、観客はバカだから、ってドラマ屋の姿勢が表れてしまったんじゃないかなぁ。パラパラと芯のない、ファン祭りみたいな映画。ファンとしてならばなんとか見られる、って点数。
[映画館(邦画)] 5点(2010-04-17 20:06:13)(良:1票)
529.  カラー・オブ・ハート 《ネタバレ》 
赤狩り時代のアメリカや、ファシズム、カラー=有色人種といった、色々な象徴を内包しつつ、変化してゆく事、変化を受け入れてゆく事で世界が広がるという、ファンタジーっぽいけれど、実は深いテーマが刻まれてる映画です。私としては、この世界の純朴さの象徴であるカフェのオーナー、ジェフ・ダニエルズが印象に残りました。ただ、気になったのは、この世界、変化してゆくことで、プレザントヴィルの外側の世界ってどうなっていったんでしょ?という事。そこは具体的に描かれてませんでしたが。パラレルワールドとして現実と同じような世界が存在しています、って事なのかなぁ。
[映画館(字幕)] 7点(2003-11-30 13:53:08)(良:1票)
530.  恋とニュースのつくり方 《ネタバレ》 
なんだか脚本の目指すところが理解できなくて、どういう風にコレを見せたいの?って疑問が延々と続いてしまう映画でした。だって、テレビ局をクビになった主人公がいきなり全国ネット局の番組プロデューサーに抜擢されてしまうというまるで説得力のない飛躍した展開、そこでやたら超人的な才能を見せたり、かと思うとお定まりの平凡な挫折をしたり。彼女ってどの程度の人物なのかがちっとも見えて来ないのですよね。それに呼応するかのように演出もカメラも彼女を上手く捉えていない感じで主人公のクセして、まあ印象薄い薄い。前半なんか、カメラがちゃんと表情を捉えてさえくれてなくって、最後まで見たところで結局お尻しか印象に残らないです。彼女の人物造形と共に周囲の都合の良すぎる反応も含めて、彼女の成長物語及びラブストーリーとしては大失敗しているような映画で、そこに関してはハズレだなぁ、って。でも、一方でハリソン・フォードとダイアン・キートンの余裕の存在感、この二人が醸す笑いの世界は、それだけで十分に楽しめてしまうもので、だからまあ、主人公のお姉ちゃんは二人を引き立てるための狂言回し程度の役で良かったんじゃない?くらいの感じではありました。あ、あとは天気予報のおっちゃんと。それにしても、日本じゃお馴染みの朝のワイドショーってのもアチラが元祖なんですかねぇ(47年前から、ってセリフがありましたが)。ニュースちょっぴりにゴシップネタや生活ネタたっぷりって形式はこっちとそっくり。
[映画館(字幕)] 5点(2011-03-04 22:13:38)(良:1票)
531.  母なる証明 《ネタバレ》 
ポン・ジュノ監督お得意の、社会の下層の人々が、ただ足掻き続ける物語。英雄願望という点でも見事なまでに従来作から一貫しております。母は正義を貫いているつもりだった、そしてその姿は冴えないオバさんながらカッコいいとすら言える状態だった、でも、真実が明らかになった時に、何もかもひっくり返ってしまい、映画を捉える視点すらも変わり・・・。いや、正直なところ、真実の線はワリと予測されてはいたのですが、そこが重要ではなくてね、『ほえる犬は噛まない』あたりにもあった、価値観がコロリと転じる突き放した感じ、容易な感動を与えてたまるかとばかりにひっくり返すシニカルな感じに苦笑しつつ、今回もまた妙に感心せざるを得ないワケで。毎度の事ながら、その容赦のなさ加減に「監督、またキッツイわぁ」と。「覆水盆に返らず」とばかりに劇中何度もこぼれ、流れ出す液体、そして繰り返される、それを無駄に隠そうとする母の姿が切なく憐れです。息子の心の真実までも見えなくなって孤立したラストの残酷さ、救いのなさ、それがああいう明るい動のカタチとして表現されるあたり、この監督のアクの強い才に魅了されないワケにはいきません。ポン・ジュノこそは今や世界にも数少ない「戦う映画監督」、そこがとても魅力的です。
[映画館(字幕)] 9点(2009-11-02 20:17:11)(良:1票)
532.  アオハライド 《ネタバレ》 
 男が女々しくて優柔不断で決断力がまるで無いためにヒロインが振り回される、っていうのは最近の少女マンガ原作の映画のパターンで。もうダメ男ばっかり。世の女性達はそんなんがいいの?   で、これもそんな話なのですが、でも、ちゃんとその女々しい男の話に向き合って作られてる感じで。   目が印象的な映画です。まるで目力のある役者ばかりを選んだかのように、目が映画を語る重要なアクセントになっていて印象的。  見つめる、逸らす、泳がす、伏せる、見つける、目撃する、読む。  目が多くを語り、視線が絡む事で動き出す物語。   それからこの監督の良さ、生きた日本の風景を捉えるところ。『ソラニン』や『陽だまりの彼女』と同様に今回も風景が生きていて映画の空気を作り出しています。後半の舞台となる長崎の美しさ、そして小川にかかる橋とその先の坂という地形を、洸の抱えた心の傷に反映させる巧さ。  三木監督はこの国に生きている人の姿をキレイに捉える人だと思います。   青臭い話ではあるのですが、それこそがタイトルにかかっている「青い春に乗る」世界なわけで、その青い時に、それぞれが抱える悩みや痛み、想いを上手くすくい取った作品でした。
[映画館(邦画)] 7点(2015-01-01 22:43:47)(良:1票)
533.  カムイ外伝 《ネタバレ》 
クライマックスでどうして松ケンはそれまでさんざん使ってた「忍法ワイヤーワーク」とか「忍法CG」とか使わなかったんでしょうねぇ。いきなりもっさりした殺陣でレスポンス落ちまくっとるやないの。それはさておき、最初の経過説明のナレーションの終了直後、物語がそれより前の時代に戻るっていう大変にマヌケな事をやらかしてる時点でイヤな予感はしたのですが(一体何年プロやってんの)、なんでここまで点で描いてるの?って。カット、シーン、舞台、物語、全部点。飛ぶ飛ぶ。流れてないの。繋がり緩いの。いきなり森、いきなり川、いきなり海上、いきなり村、って。色々なものがワープしまくるんで、気持ちが映画に乗ってゆかないんですよ。せわしないワリに映画に乗れないので退屈しちゃって。『カムイ外伝』のダークなイメージをあえて青い空、青い海って明るい色彩に持って行ったのはいいとして(無理に着色してありますが)、マンガが原作だからマンガチックでいいだろう、みたいな映像が多いのはいかがなものかと。70~80年代のプログラムピクチャーじゃないんだから。村人達のそんなのアリか?な全滅具合も含めて(小雪や大後寿々花があれで退場ってのが・・・)、あちこちムチャ。これでは邦画はマンガに勝てません。マンガを前提にすると、原作よりよっぽど荒唐無稽になってしまうのって邦画の悪いクセ。あと、男達の裸が、どう見ても普段服を着て生きてる人達の裸で(お尻つるつる)、無理してフンドシしてるのが痛々しく感じられてしまいました。なんだか人工甘味料添加しまくり、ハリボテな映画ね。
[映画館(邦画)] 4点(2009-09-22 16:53:57)(良:1票)
534.  図書館戦争 革命のつばさ 《ネタバレ》 
同時期に公開している同じProduction I.G.による『BLOOD-C』と同様、脚本に難アリ。どちらも過剰に画とセリフと音楽によって状況を説明し続けるクセに、基本となる世界そのものの説明はまるで欠落していて一見さんには意味不明という状態。著作物に対する検閲と武装する程の組織的対立の背景、それにラノベ的「うふふあはは」なラブストーリーが乗っかる違和感、少なくともこの映画一本ではそこを上手く伝えようとする意識が全く働いていないように思えます。更に物語がちっとも面白くは思えず。全編の7割以上がひたすら説明って感じで、やっと物語が動き出したかと思えば別にオリジナルな面白さを見せる事もなく。地下鉄に飛び乗るとか車で逃亡するとか、よく見るようなネタを反復した上で主人公の取った捨身の行動の無意味さっぷりったら。あんな状態を「良くやった」は無いでしょ。結果的にたまたま他者によって救われただけだし。現都知事のアホっぷりを予見したかのような原作には時代を読む力があったのかもしれませんが、じゃあ映画は表現の自由の危機に対して矢を放てるような力を持った作品かと言うと残念ながら・・・。そこはまず作品世界をハッキリと刻み込んだ上でないと。映画って小説やテレビアニメとはまた別メディアですから、映画は映画としてキチンと仕切ってないのは志が低いとしか言えません。それにしてもラストのところのシーツ越しの映像、あれはシーツ越しのみでいいのに何故わざわざ間にアップのカットを入れましたかね? 映像でそんな事まで説明しなくちゃいけないんですかねぇ?
[映画館(邦画)] 5点(2012-07-06 21:13:38)(良:1票)
535.  そんな彼なら捨てちゃえば? 《ネタバレ》 
空席ゼロな六本木のシネコン、その9割以上がお嬢様方なのでは?って凄い状況で見させて頂きましたが(男衆は宣伝文句の「男子禁制」を守ってるの?)、彼女達が映画を見つめる空気の臨場感っていうのがリアルに伝わってきて、なかなか貴重な体験をさせて頂きました。男女の間の「類型的パターン」と「例外」とを描いた映画、オンナは自分こそがその「例外」である事を望むけれど、実はみんな類型的にして普遍的な恋愛のパターンを繰り返すばかりなんじゃ?って物語、席を埋め尽くした女性達の「判る判る」ってタメイキのような共感の笑いのさざ波を、なるほどって感じて学びつつ、男から見てもまた共感するところが色々あって、と。幾つものパターンの中には苦い結末を迎えるものも幾つかあります。でも、その中で甘い甘い「例外」へと至るパターンに酔えてしまえるのは、私も、そしてこの映画を見に集まったお嬢様方もまた同じじゃないかな? でも、類型的に見えても結局はひとりひとり、一組一組違った出会い、違った恋愛、きっとみんなが「例外」。私はもうどん詰まりだけれど、お嬢様方の未来の「例外」1つ1つがステキに花開きますように。
[映画館(字幕)] 7点(2009-08-01 22:27:49)(良:1票)
536.  阪急電車 片道15分の奇跡 《ネタバレ》 
阪急今津線、ウチの近所で言うところの東急多摩川線みたいなものですかね。こっちは7駅12分って事で、もう少し短いですが。微妙に鉄分を含む私、去年は関西に二度行って阪急の京都線や嵐山線の茶色い電車を堪能させて頂きました。それはともかく。映画はあちこちにジーンとする感動的な要素が散りばめてあって、ちょっとホンワカしたキモチになっちゃうようなカンジがあって、だけど映画としてはかなり音痴。まず最大の難点は、ドラマとしてみーんなハンパ。メインの登場人物だけで8人存在するのですが、みんなちゃんとドラマを成立させきってないんですよね。電車で他の人と触れ合う事によって、少しだけ状況が変化しました、って描かれるのはそれだけ。じゃあ、その変化によって具体的にどういう結果になりました?っていうこちらの関心事には触れてくれません。「袖触れ合うも他生の縁」を描いた映画としても、映画の視点そのものが袖触れ合う程度でツッコんで行ってくれないのがもどかしくて。そのクセ、リンク関係はゴチャついていて、ラストの二人なんか、きっちり絡んだシーンあったっけ???みたいに自分の記憶を疑うハメになったりもして。それから沢山の「嫌な人間」が登場するのはドラマを盛り上げるために不快感を煽る安いテでしかありませんし(関西のオバちゃん達は個人的にはそんなに不快ではなかったですしねぇ)、頻出するテロップを始めとして説明的な映像が多すぎるのもなんとも。なので、映画としての完成度はかなり低いカンジです。でも、役者がみーんな、いい演技を見せるのですよね。子役からベテランまで、揃いも揃って上手いの。そりゃ泣かされるわ、って状態で。だから映画の印象も良く感じられたりして。実のところ、芸達者に救われ続けな映画ではありました。
[映画館(邦画)] 6点(2011-05-01 17:06:46)(良:1票)
537.  るろうに剣心 伝説の最期編 《ネタバレ》 
 前作からも、今作の中でも、エピソードの繋がりが悪いと思いました。   前作ラストのキーとなるエピソードが今作の中ではあまりに軽く扱われているのはどうした事でしょう? 剣心とは別段関係なく助けられてました、特に劇的な再会シーンがある訳ではなく、生きてるってセリフがあっただけで済んでしまいます、そんな軽さ。   大体、志々雄の野望は今回一体何処に行ってしまったのでしょう?  日本を支配する、そのために船出!って漕ぎ出したのはいいけれど、そのまま海上に停泊して一度砲撃しただけで、後は特に何もせず。政府が行動を起こすのを黙って見てるだけ。明らかに見えるところに大砲設置されてみすみす撃たれる事になる訳ですが。   海岸からえっほえっほ小舟漕いで乗り込んでくる剣心達ご一同様に対しても策がある訳でもなくみすみす船に上がらせてしまいます。これまた丸見えなのに。   志々雄達は結局滅ぼして貰えるのを待っていた、殺して欲しかったって事なんでしょうかねぇ?   悪役キャラ達の過去のエピソードもただセリフで説明されるだけで全くドラマがありません。ならばそんなもん無い方がよっぽどマシです。   で、だけど剣劇アクションは相変わらずガシガシとパワフルで魅せてくれます。ああいう存分に盛り込まれたキレのいいアクションを日本映画で見られるっていうのはいい事だと思いますよ。   でも、なんつーか、『プロジェクトA』の影響かなり受けてるよね・・・
[映画館(邦画)] 6点(2014-09-30 22:13:48)(良:1票)
538.  虹の女神 Rainbow Song 《ネタバレ》 
予告編時点で予め樹里っぺが死んじゃう役、っていうのはハッキリさせてましたし、映画でも冒頭で死んでしまったところから戻って映画が描かれてゆきますから、物語の向かってゆく方向はハッキリしているのですが、それにしては彼女が生きた証しを存分に描ききってるようには感じられなくて、最後はただ悲しみや喪失感が大きく存在してるようで、そこから先への広がりがあまり感じられませんでした。彼女が残した8ミリ映画こそが、彼女が生きた大きな証し、焼き付いた生として感動的だったりするのですが、映画はあの8ミリ映像に頼り過ぎかな。ただ、描き方はいいんですよね。リアルな演技の人達と、しっかりした芝居の人達とに分けられて、アンバランスではなくアンサンブルになってる、みたいな。樹里っぺは「のだめ」は放映してるし直前に「7月24日通りのクリスマス」は見てるしで、そのイメージとダブっちゃったらヒサンだなぁ、と思いましたが、等身大の演技で、もう全くの別人として見る事ができました。蒼井優と姉妹役、考えてみれば「亀は意外と速く泳ぐ」コンビでしたが、見ている間そんな事も全然思い出しもしませんでしたし。岩井俊二系映画共通の欠点、背景がちょっとやかまし過ぎな感じではありましたが、過ぎ去って、あるいは失って初めて判ること、人を好きになること、愛すること、1つ1つ刻まれてゆくこと、そんな普遍的なことを噛み締める時間を持てる映画でした。
[映画館(邦画)] 7点(2006-11-03 20:48:15)(良:1票)
539.  ゴジラ対ヘドラ
「ぷわあんぷわあん」って脱力系サウンドをBGMに現われるゴジラはボディランゲージも豊かで吉本芸人みたいだし、登場人物もゴジラもヘドラも、何考えてんだか意味ない行動が多いし、ヘンな映画ではあります。後年評価されもしましたが、ひたすらダラけた展開でそんなにいいデキではないと思います。そもそも核の申し子であるゴジラが、公害怪獣ヘドラを放射能でやっつけるのってどーよ?とも思いますが、この頃のヒーロー扱いされてたゴジラの口から出るアレは放射能ではなくって、正義の光線みたいなモノなのでしょうね。ミラー状の板で延々反射したりするし。おサイケだったり突如アニメだったりポエムだったりゴーゴーだったり、もう色々やってて、でもそれが映画として単にひたすらヘンなだけ、ってのも困りもの。ただし。この時代の公害をリアルに体験した身としては、この映画の雰囲気がひどく痛いです。この映画の舞台の近く、吉原の知り合いの家に行って、みんなで田子の浦の花火大会にでかけ、おじさんの背中に揺られながら帰ってきました。その田子の浦がヘドロで汚れてしまったと聞いた時のイヤな感じ。千葉の海に泳ぎに行った時、海に浮かんだ黒い油が体中にこびりついて、水着や浮き輪がダメになった思い出。光化学スモッグ警報が出るたび、体育の授業が中止になり、外での遊びが禁止になった事。それらの記憶がまざまざと甦ってきます。この映画の持つ暗く澱んだ雰囲気は、当時のあの汚れた苦しい世界を伝えています。人々の努力によって、今はかなり環境が改善されましたが、当時、公害問題をハッキリ訴えかけた映画が果たしてどれだけあったのやら。そういう意味では時代を映す鏡としての価値だけは相当に高い映画であると思います。
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-10 01:16:26)(良:1票)
540.  パーム・スプリングス 《ネタバレ》 
 タイムループものということで、この映画は先発の作品に対して利点と弱点とが存在してるわね。   利点はジャンル化していることで「コレはタイムループものです」っていうのを映画開始から早々に観客に理解させられること。冒頭からその説明は簡潔よ。最初に、何が起きるかを予め認識した行動を主人公が取る事でその日を繰り返している事を理解させ、次に翌日(同じ日だけど)早々ヒロインが主人公の元にさっさと怒鳴り込んでくる事でヒロインも巻き込まれた事を示して。繰り返しパターンをじっくり描写して説明しなくても観客はタイムループもののセオリーを理解した上で見ているので省略可、みたいな。これまで一切このジャンルに触れた事のない人にとっては咀嚼に時間かかりそうだけど。   弱点は新鮮じゃないってこと。これまでに見たモノとの大きな差異、この映画独自のオリジナルな魅力には欠けるのね。『ハッピー・デス・デイ』と似たような映像、エピソードがあちこちにあって、比較になってしまいがち。この映画のメッセージ、テーマは悪く言ってしまうとありがちだわ。停滞した日常からの脱却、一歩を踏み出すこと、ワリと常識的なのよね。『ハッピー・デス・デイ』の突き抜けっぷりに比べると優等生的で(ミニシアター系のインディーズっぽい空気も手伝って)、面白さもそれなりね。ループしてる人間が全部で3人居て、という設定からの展開に面白味はあるのだけど。   すっかり諦めて受け入れている主人公と、つらい現実と戦うヒロイン、それぞれの立場の対比からドラマが生まれて、でも後半はそれがワリとダルい展開をもたらしてしまう感じね。90分という短い尺のワリにちょっとダレるわ。クライマックス、主人公の語りをヒロインがウンザリしてみせるのだけど、それは観客側も同じね。   もちろんタイムループもの特有の面白さはちゃんとあるので、そこを楽しむのが吉というカンジ。背景となる土地の風景や空気感がいいカンジで、そこも楽しめるわ。ちょっとループしてみるのもいいかも、くらいな世界で。
[映画館(字幕)] 6点(2021-04-14 21:58:21)(良:1票)

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS