41. もののけ姫
森の緑が非常に綺麗で目が癒される。「あー楽しかった!」で終わりの子供向け映画ではないので、子供と一緒に観ていて「このひとは、わるもの?」と聞かれて即答できないところが素晴らしい。エボシは私が今まで観たアニメ映画史上に残るいい女だった。サンの声優キャストがあんまりだったのでマイナス1点。松田洋治氏の実力と不釣り合いすぎ。他のキャスティングは良かったのに残念。余談だが、たたら場に夫婦はいても全く子供がいないのが不思議だった。男どもが去勢でもされてるのか? 9点(2004-10-09 11:21:50)(笑:1票) |
42. 男が女を愛する時(1994)
相手を思うからこそすれ違う男女の考え方のパターンを見事に表現していて感心した。ただ共感して勇気づけて欲しい(問題は自力で解決したい)女と、とにかく一刻も早く彼女を窮地から救い出してヒーローになりたい男。両者の間にはひたすら暗くて深い川が横たわる。そのすれ違いが愛故であることにお互いが気づけばもっと幸せになれるのに、気がつかずに無為に傷つけ合う男女がいかに多いことか。かつてジョン・グレイ博士の著書を読んで目から鱗が落ちまくりだった自分は「そうそう、そうなっちゃうんだよなっ!ありがちだよな!」と主人公二人のすれ違い(特に妻のイライラ)にいちいち感情移入してしまった。恐らく一番このパターンに陥りがちな夫のタイプ(=自他共に認める出来過ぎな夫)の役どころにA・ガルシアはまさに適役だったと思う。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-11-17 20:27:58)(良:1票) |
43. 恋愛小説家
ここでの評価の高さに期待して見たけれど、最後まで惹きつけられるものがなかった。どちらかと言えば偏屈人間を偏愛する傾向のある私だが、メルヴィンのキャラは全然好きになれない。いい歳して余裕なさすぎ、視野狭すぎ。キャロルもいくら生活に疲れて欲求不満になってるとは言え、とりあえず誰でもいいんか?と突っ込みたくなるようながっついた様子が痛々しくて見ていられない。あと、純粋な恋愛映画の場合、いくらストーリーが良くても肝心の主演二人のルックスが自分自身のストライクゾーンからあまりにもかけ離れていると感情移入がかなり難しいことをしみじみ思い知った夜であった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-29 00:59:35)(良:1票) |
44. アメリカン・スウィートハート
《ネタバレ》 キューザックが全米で万人受けするほどのいい男なんだろうか(笑)。キャサリンのワガママセレブぶりは堂に入っていて清々しいぐらいだった反面、ジュリア・ロバーツの方は役の設定通りひたすらキャサリンの引き立て役だったというだけでなく、むしろキキの方が陰湿で計算高い女という気配を感じさせて応援する気にもならなかった。太ってて醜かった私が痩せて綺麗になって思い通りの人生を手に入れる・・あまりにも陳腐な女の夢ストーリーで何だか薄っぺらい印象でした。こういう話なら連ドラ仕立ての方が脇役の魅力が生きて面白くなりそうだ。 4点(2004-11-10 14:03:51)(良:1票) |
45. Emma/エマ(1996)
オースティン物は嫌いじゃないけれど、この作品だけは「恋愛も慈善活動も、所詮金持ちの暇つぶし」的な悪意のない(からこそ食えない)鈍感さがぷんぷんしていてどうも苦手。エマの成長物語というより、ハリエットの受難物語だな。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-10-24 15:15:48)(笑:1票) |
46. リアル鬼ごっこ(2008)
原作を読んでいないがあまりにも悲惨な映画化と聞き、かえって興味がわいて観てみたら噂通りだった・・・。設定・映像・演技どれをとっても、高校生が学園祭で作るビデオ映画レベル。小さい頃テレビで観た仮面ライダー等を思い出す作りで、最後まで観たところでこれはお子様向け作品だったのかとしばし悩むほど。評判の良い原作の著者が可哀想なので1点献上。ここまでひどいと原作を読んで再評価してあげたくなる。 (その後)原作読んでみたが・・・むしろこの原作を映画化しようと思った人の勇気を再評価してあげたくなった。ということで1点剥奪。 [CS・衛星(邦画)] 0点(2009-03-31 01:02:58)(笑:1票) |
47. トランスフォーマー
CGを駆使したド派手な戦闘シーンや変身シーンを子供と一緒にキャーキャー言いながら観るのは楽しいけれど、大人の鑑賞に堪えるドラマがそこにあるかといえば、笑うしかない・・・。ま、むしろ子供にとってはその方がややこしい心理描写に悩まされず映像の面白さに没頭できていいのかもしれない。日常会話が擬音だらけの小学生男子あたりが鑑賞最適齢と思われる。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2009-05-22 11:10:28)(笑:1票) |
48. おとうと(2009)
鶴瓶のヨレヨレ演技があまりにも自然で逆に見入ってしまったが、身内にああいう人間がいるかいないかで、だいぶ鑑賞後の感想が違ってくる映画ではないだろうか。甲斐性無しのダメ親父と、そんな男に尽くすのが生き甲斐の優しくしっかりものの妻…それが結局夫婦双方を不幸にする様を身近で見て育ったせいか、この作品の「姉弟愛」にはかなり冷ややかな感想を持たざるを得なかった。それでも、健気な小春の姿が思春期に差し掛かった自分の娘と重なり、母として胸が締め付けられるような思いがした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2011-02-03 13:57:31)(良:1票) |
49. 転々
《ネタバレ》 東京人にはロケ地のそれぞれに自分なりの思い出もあったりするので、このゆるいストーリー展開の合間にふと遠い目になったりして、一粒で2度おいしい映画(笑)。お堀端を歩くと目と鼻の先に警視庁があることを知っている者にとっては、そこを歩く二人の姿に「あ~あ、ついにここまで来ちゃったのか」という別れの予感を切なく感じとれるわけだが、知らない人には最後の別れがやたら唐突に思えたのではないかと思う。イケメン役をさせると妙にダサいのに、こういう役をすると俄然良い味出してくるオダギリジョーの不思議。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-03-13 13:05:01)(良:1票) |
50. 南極料理人
《ネタバレ》 小学生2人と笑い転げながら見た。おにぎりやラーメンがめっちゃ美味しそうなのはもちろんだが、日本人の食卓がいかにバラエティに富んでいて素晴らしいかがよく分かる。(他の国の越冬隊員はいったいどんな食生活をしているのだろう?)だからこそ、腕の良い料理人が一人いれば、極寒の僻地での野郎だらけのむさい暮らしもそれなりに楽しそうに見える。でもどんなに素晴らしい料理でも、休日の遊園地で家族と食べるジャンクフードの味には敵わない、ってところがミソ。嬉しくなる映画。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-02-16 14:30:47)(良:1票) |
51. 全然大丈夫
自分の不器用さに落ち込んだ挙げ句、ああ、憩いまくりたい!と心の底で叫んだ夜に一人で観るが吉。実際世の中にはあかり並みに不器用な女や、照男並みに幼稚な男もいっぱいいて、それぞれに精一杯生きているのかも知れない。と思うと、今の自分の立ち位置も案外面白く思えてくる。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-03 16:55:26)(良:1票) |
52. 軽蔑(1963)
《ネタバレ》 軽蔑するよな、そりゃ。めっちゃ分かりやすいじゃん。と女の私は思うわけだが、わかんねー男はわかんねえんだろうな・・・。分からない男に絶望する女と、女が分からなくて絶望する男。そのどちらにも等しく世は不条理。女も唸るBBの美しさを堪能できて、眼福なり♪ [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-07 22:50:31)(良:1票) |
53. 水の中のつぼみ
《ネタバレ》 ああ女子って面倒くさい。中学生頃のヒリヒリするような女子つきあいを思い出して何となく痛い気分。一番大人ぶってるフロリアーヌが一番ガキだってこと、勘の良い女子にはすぐ分かるはず。この娘が鬱陶しすぎて途中で何度も挫折しかけたが、ミックジャガー似のヒロインの痛みの行く末が気になって最後まで見てしまった。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-08-15 12:28:57)(良:1票) |
54. 赤い風船
差し色の赤がとにかく美しい映像。昔この映画の1シーンをポストカードにしたものを持っていた。この作品だったんだと気がついて軽く感動した。今だったら造作もない撮影トリックだろうが、56年の当時にはさぞ世間を驚かせたのではないだろうか。ラストは解釈にやや悩む。一緒に観ていた小学生の子ども達は「ええーっ!」と驚き、不安がっていた。アニメ「フランダースの犬」の最終回が脳裏に浮かび、ニコニコと笑ってはいられない気分になった。 [試写会(字幕)] 8点(2011-02-03 14:04:44)(良:1票) |
55. タクシードライバー(1976)
世界は自分を中心に回ってはくれないことを、大人になっても分からない人間がいる。そんなトラヴィスと同様の心理状態のまま突き進んで本当に犯罪者になってしまう人間が珍しくない時代になってしまった今、この主人公の病み具合が恐ろしくリアルに感じられる。今も昔も極端な俺様男には要注意!特にこの映画に心酔しちゃうような若者にはご用心を。 こんな繊細かつ危険な人物の危うさを一挙手一投足で、或いは表情だけでビンビンに表現してみせるデニーロの役者魂にもホレボレ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-30 22:01:17)(良:1票) |
56. イナフ
アメリカらしいDV解決の仕方ですな。世間知らずの小娘が現実の厳しさを知るうちに世の中金と力だと目覚めていく展開は非常に分かりやすい。旦那がおもわずロペスを応援したくなるぐらい劣悪非道な男に描かれていたので数々の反則技には目をつぶろう。追い詰められたヒロインがどのみちこの先も裏街道をひた走る運命ならばと腹をくくり、映画だから許されるという暗黙の了解の上でとことんやってしまうのはむしろ清々しい。 7点(2004-10-09 13:58:28)(良:1票) |
57. 桜桃の味
《ネタバレ》 荒れ地に伸びる未舗装の道路を進む車。ほとんど同じような情景しか出てこない映画なので、人によっては死ぬほど退屈な作品だろうと思う。でも、どこまでも乾ききった風景と主人公の心がシンクロするような演出に私は何故か冒頭からはまってしまって、最後まで目が離せず一気に見た。おお、なかなか面白かったぞ、と腑に落ちたところであえて不要と思わせるシーンを入れているのは、「はいはい、これは映画ですよー」という宗教的なエクスキューズなのだろうか。最後の最後でノンフィクション的に異文化を思い知るという一粒で二度美味しい(?)作品。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-07-11 00:12:32)(良:1票) |
58. 秒速5センチメートル
分かっていてもPVとしての効果絶大。いわゆる草食系男子がお好きな方はどっぷりはまれるでしょう。断じて私の好みではないが、案外この主人公のような男子が今の日本には多いのではないでしょうか。逆に、ヒロインのような女子はほぼ絶滅傾向にあるかと・・。つまり、今時の若い日本人男性の妄想を極めた作品として完成度が高いと思います。 自分は女子のアニメ声が苦手なのでそこだけは引きましたが、映像の美しさで癒されました。日本のアニメ職人は良い仕事しますね~。外人の友達に「日本のアニメのすごさが分かる作品は?」と聞かれたら自信を持っておすすめしたい1本です。内容は理解されないかもしれないけど。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-04-16 15:12:48)(良:1票) |
59. 日の名残り
執事という仕事が、使用人と呼ばれる職種の最高峰として誇りをもつことのできた時代。あらゆる感情を押し殺してその職務を全うしようとするバトラー魂と一人の人間として揺れ動く感情との内面の葛藤を、非常に繊細な抑えた演技で見せたホプキンスはさすが。レクター博士よりよほど深く重く複雑な心理描写が求められるこの役こそ、彼の代表作と言っていいのでは。感情のままに突っ走る若い使用人カップルを見送る2人の心の内を思うと大人でいることの切なさにキュンキュンする。観る方も有る程度大人じゃないと良さを味わえない極上の一作。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-05-12 14:25:29)(良:1票) |
60. 靴をなくした天使
《ネタバレ》 全く期待せずに観たのに、いやー、面白かった。人間、イザと言うときは日頃の行いで判断されてしまうわけね。でも、真実を明かすことが最善とは限らないというひねりの効いた展開が面白かった。バーニーはかなり行動に矛盾があるキャラクターだけどやっぱり憎めなくて、それをダスティン・ホフマンが実に「らしく」演じてます。同じ父親役でも、一見模範的な改心を見せつつチラホラ偽善的なクレイマー・クレイマーのパパより、魔が差して人を救ってしまうこっちのダメ親父の方が私はだんぜん好き!!超ダメ親父でも、息子に対してだけは真のヒーローになれて良かったねぇとしみじみ思う。出来心の罪悪感に耐えられず自殺まで考えるやたら瞳の綺麗なホームレス、ってのをA.ガルシアが好演。おいしいよな~。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-08-12 01:25:41)(良:1票) |