Menu
 > レビュワー
 > 青観 さんのレビュー一覧。7ページ目
青観さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1963
性別 男性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526272829303132333435
>> 通常表示
121.  それでもボクはやってない
この映画は痴漢そのものよりも日本の裁判制度、法律、警察のおかしさ、自分の身は自分で守るべきであるというものを徹底的に見せ付けられることになる。見ていて腹が立って仕方ないが、だからといって人ごとには思えないのだ。もしも自分がこの主人公と同じ立場に立たされたら人はどういう行動を取るだろう?女性から見れば男は女の敵だが、男からしたらやってないのにやったとされ有罪になるという事への怒り、つまり被害者は女だけでなく男も被害者なのだ!そして、何よりもこの映画を見ると本物の痴漢がのほほんとしているのに、無罪な人間が痴漢で捕まり有罪になるという矛盾。無実の人間を有罪にすることへの怒りに満ちた作品として、見応え十分!どれだけ頑張っても結局は認められず有罪になるのが真実なら、そんな真実など真実であって真実じゃない。全てが矛盾の塊、それが現実だと思わせるだけの力作です。こんな許せない裁判制度、法律を見ると、それなら女性専用車両だけでなく男性専用車両も今すぐにでも作るべきだと思わずにはいられない。
[映画館(邦画)] 8点(2007-01-21 19:00:02)(良:2票)
122.  八甲田山 《ネタバレ》 
まず始めによく撮ったな!て思うほどの凄さを感じずにはいられない。この時代だからこそ撮れた映画だ。何と言っても俳優の力量が今とはまるで違う程の凄い本物の映画俳優と言える顔ぶれが沢山です。高倉健と北大路欣也との対比の描き方、北大路欣也の神田大尉のリーダーとしての資質の弱さがよく現れる「天は我々を見放した」に応える様に次々と雪の中倒れて行く人達、一方で高倉健の徳島大尉のリーダーとしての資質の強さがもたらす人間としての強さが自分と自分に着いてくる人達を助けることになる。そしてもう一人忘れてはならない三国連太郎の山田少佐の自らの過ちを認める場面は今の日本人、特に政治家に大きく欠けているように思えてならない。これはそんな偉そうな大人達に自分さえ良ければ他人はどうなっても構わないという考え方しか持てない人間に見せるべき映画だ。全体的に長く感じる上に画面全体暗過ぎる難点があるが人間とは何か?命とは何か?を大いに考えさせられ映画として、面白いつまらないは別として一度は見て損のない映画だ。
[DVD(邦画)] 7点(2013-12-23 14:04:38)(良:2票)
123.  妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ 《ネタバレ》 
山田洋次監督による家族はつらいよシリーズ3作目は夫婦の離婚危機、1作目に戻った雰囲気を感じる作風になっている。1作目でも見せた寅さんを思わせる場面が散りばめられていて、山田洋次監督からの寅さんファンに対する思いを描こうとしてる。例えば、泥棒騒ぎの後の会話、奥さんを責める亭主、馬鹿な亭主の妹がお兄ちゃんと呼ぶシーンの寅さんと妹さくらのやり取りみたいな感じや、柴又での蒼井優と妻夫木聡の二人の場面、柴又を舞台に持って来る辺り、寅さんファンなら思わず笑ってしまうシーンがあるので前作より楽しく見ることが出来ました。それとは別に今回の作品を見て、山田洋次監督が小津監督だけでなく、成瀬巳喜男監督を意識している。オマージュの様な場面もあって、山田洋次監督が成瀬巳喜男監督を尊敬しているのがよく解ります。西村まさ彦が家出した奥さんを迎えに行く場面の描写、あれは明らかに成瀬巳喜男監督の稲妻という映画を意識しており、好きなんだということが分かります。それにしても毎度ながら特上の鰻を注文して食べる家族達を見て、こんな家族の仲間に入りたいと思わずにはいらなくなります。最後にもう少しだけ!山田洋次監督、80歳を超えてもまだまだ積極的な映画作りには毎度ながら頭が下がります。これからもまだまだ沢山の映画、それも笑える喜劇を作り続けて下さい。いつまでも長生きしてください。
[映画館(邦画)] 8点(2018-05-25 19:20:08)(良:2票)
124.  愛情物語(1956) 《ネタバレ》 
「愛情物語」というこの映画のタイトルが本当に素晴らしい。そんなこの作品、クリスマスシーズンに観たい。いや、何もこの時期に限ったことではないけど、何度も観たくなる良い映画です。実在の天才ピアニストと言われた一人の男とその家族の物語をショパンの名曲「ノクターン」に乗せて描いた愛の物語です。強風に怯えた息子が初めて「パパ!」と叫ぶシーンでまずは涙し、やはり最後のシーンでの、あのピアノを弾くシーンは涙なくして観ることなど出来ません。この映画を観て感じることは家族の有り難さと大切さ、そして人間としての愛情の全てを観ることが出来た気がして、良い映画を観たなあ!という気になります。
[DVD(字幕)] 9点(2005-12-23 22:28:30)(良:2票)
125.  メトロポリス(1926)
これはけしてストーリーを楽しむ映画ではない。映像のセンスを観てこれは凄い!と納得するように楽しむのがベストだと思う。何しろこんなにも昔にこれだけの映像を作り上げるこの監督の凄さ、それもサイレント映画として見せているのも凄い。近未来の大都市とはこんなものなのか!なるほどね。とか、また人間社会における支配する者とされる者の考え方についてここまでリアルにしかも、サイレントだから当然の如く台詞も少ない。それでいて、人間が機械によって翻弄される様を光と影によって浮かび出す凄さ、マリアの逃げる姿こそ人間本来の姿ではないかと考えさせられたと同時に近未来の雰囲気が本当によく描かれていて感心させられました。私が観たのは淀川長治さんの解説付きのですが、もう一つの完全版も観たい気がする。
[DVD(字幕)] 8点(2007-01-06 22:09:21)(良:2票)
126.  雁の寺
内田吐夢監督の大傑作「飢餓海峡」の原作者でもある水上勉原作の映画化で、監督は「幕末太陽傅」の川島雄三、そんな組み合わせによって作られた文芸作品です。喜劇のイメージの強い川島雄三監督が喜劇でない映画にチャレンジし、そんなこの映画、何と言っても主演の若尾文子の美しさが光ります。もうこれは完全に若尾文子というこの時代の日本を代表する女優の美しさを見る。そんな映画です。そして、そんな若尾文子に対して手を出そうとするあの何ともスケベな坊主役の三島雅夫、本当に何か観ていてゾクゾクっとする映画です。そんなゾクゾク感をまるでヒッチコック映画でも観ているような覗き込むようなカメラアングル、あの不気味な音、そして、三島雅夫演じるスケベ坊主に身体をいじくりまわされた挙句にそれを慈念に見られた若尾文子の「うち、また見られてしもうた」の台詞を言う時のエロティクなこと!作品の舞台にお寺、そして、若尾文子にスケベ坊主ときたひにゃ、それだけで本当にいやらしい。この映画、何だか見れば見る度に好きになっていく。最初は8点にしたけど、何度か見ているうちに今では10点満点に近い9点にしたいぐらいの気持ちになってます。これも間違いない。川島雄三監督、そして、若尾文子の代表的傑作だ!
[DVD(邦画)] 9点(2005-11-04 22:04:29)(良:2票)
127.  ローマの休日 《ネタバレ》 
世界中の映画ファンに長い間、この映画が愛されているのは世紀の妖精、オードリー・ヘップバーンの魅力が溢れているからではないでしょうか!とにかくこの映画を観てオードリーのファンになった映画ファンは多いはずです。少なくとも私はそうです。オードリーの見せる笑顔、愛くるしさ、上品さ、気品のあるその姿にファション、どれをとっても永遠に失われることのない輝きがあります。そんなオードーリーの魅力がいっぱいのこの映画にはいつまでも心に残る名場面が沢山あります。長い髪を短く切ってキュートなショートヘアーにしたり、グレコリー・ペックとのデートのシーンでの数々、どれもこれも忘れることの出来ない名場面でいっぱいです。そんな名場面の積み重ねがあるからこそこれだけの映画ファンにいつまでも愛され続ける作品になったのだと思います。これを超えるラブストーリーはないでしょう!恋愛ものは苦手な私でもこの映画には満点以外、付けることは出来ません。
[DVD(字幕)] 10点(2005-06-06 20:37:50)(良:2票)
128.  エスパー魔美 星空のダンシングドール
藤子不二雄アニメの中でも個人的にはドラえもんより大好きなエスパー魔美の劇場版、ドラえもんも大好きですが、これ偶然YouTubeでアップされてたのを見つけて早速観ましたが、藤子不二雄アニメの素晴らしさ、エスパー魔美の素晴らしい所が僅か41分程度の中に見る事が出来て良かった。誰かの為に頑張る魔美、それをサポートする高畑さん、ひょんなことから劇団の仲間となった魔美が夢を諦めかけた青年とその彼女の2人を応援する。テレキネシスで人形達を操る魔美、それを見て何かを感じ取る英樹と朋子のやり取りの中に、夢を持って生きることがどれだけ大切か素晴らしい事なのかをこの短い時間の中で教えてくれてます。それにしてもこの作品、DVDにもなってないんですね。何だか勿体ない気がします。原恵一監督をはじめとするこの作品に関わった人達の想いが魔美の優しさ、作品全体の優しさとして表現されていて、良かったです。ドラえもんの陰に隠れて、観ている人が少なそうですが1人でも多くの方にこのエスパー魔美というアニメの面白さを知って欲しい。
[インターネット(邦画)] 8点(2020-09-06 15:20:06)(良:2票)
129.  浪花の恋の物語
おう!これまたびっくりするような美の世界!何て言うのかなあ?最近の映画では、なかなかお目にかかれない美しい世界とでも言いますか、とにかく物語そのものよりもため息の出るような美しい映像に酔いしれました。中村錦之助と言えば男の中の男を活き活きと演じる本物の時代劇のスターの中のスターというのが、私の描く中村錦之助像であり、同じ内田吐夢監督の「宮本武蔵」シリーズやその他マキノ雅弘監督の「次郎長」シリーズや他、任侠ものなどで見せる一面とは違った今までに見たことのない初めて見せる新たな一面を見た気もします。上手く説明できないけど、とにかく中村錦之助は単なる時代劇俳優ではないということがこの作品を観て改めて解った気がする。またそんな中村錦之助が惚れる良い女を演じている有馬稲子の美しさ、更に片岡千恵蔵の存在感、さすがの一言です。また一つ、内田吐夢監督の映画で見応え十分の作品に出会った。
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-02 17:09:24)(良:2票)
130.  生きるべきか死ぬべきか
お見事!ルビッチの見事なまでの風刺、ドイツナチス軍に対する強烈なまでの批判を笑いで包んで見せる上手さ、作品全体に漂うまるで文芸作品的な香り、品の良さ、それでいて、全くもって飽きさせない脚本の上手さの前にはただただ脱帽としか良いようがない。ルビッチ観ずして喜劇を語るなんてことは私には出来ない。物語の運び方、粋な会話による全てが完璧な大傑作!とにかく面白い。いやいや、面白いなんてもんじゃない。面白すぎる。これを見ないで一生過ごすなんて私には出来ない。
[DVD(字幕)] 10点(2005-05-29 08:35:01)(良:2票)
131.  家族はつらいよ 《ネタバレ》 
山田洋次監督でつらいよときたひにゃ、寅さんファンにとって見に行くしかないでしょ。誰がなんと言おうが山田洋次監督は寅さんの監督だ!もう、最初の電話のシーン、息子の嫁さんとお父さんのやり取りに大爆笑で、その後も笑いぱなしで、やはり山田洋次は喜劇の監督だ!まさかの奥さんからの誕生日に欲しい物が離婚届けの判という驚きの展開、その理由が浮気ではないのか?と探偵まで用意する中で、そこでの山田洋次監督の演出が凄い。探偵事務所に男はつらいよのポスターと探偵の男がラーメンを食べている。まるで寅さんそのものではないか!平田家の家族全員がお父さんの噂、それも悪口ばかり話している時に現れる間の悪さの面白さ、まさに男はつらいよの世界だ!寅さんファンにとっては寅さんに共通する笑いが色んな所で見る事が出来て大満足です。更に山田洋次監督が如何に小津監督を尊敬しているかもよく解る上に小津作品にも山田洋次監督の代表作である寅さんシリーズにも出ていた笠智衆さんの姿を見る事が出来たのも嬉しい。最近の山田洋次監督作品には不満が多かったけど今回はとにかくこれぞ山田洋次監督作品だという気持ちで見る事が出来た。これからも沢山の山田洋次監督らしい笑える喜劇が見られる事を期待したい。
[映画館(邦画)] 9点(2016-03-17 18:51:04)(良:2票)
132.  妻は告白する 《ネタバレ》 
これは凄い!何という深い愛だ!愛する者のためにならどんな罪になろうが、自分の夫までも殺す。人間の本質をここまで徹底して追及して見せるその凄さ、凄まじい演出!そして、この映画、ただでさえ、二つ年上の未亡人と愛人という設定にぞくぞくっとするのに、そこへ来て若尾文子だもん!私の最も好きな日本の女優である若尾文子様!ずるいぞ!増村保造監督!何もしなくても美しい若尾文子をこうも美しくも怪しげなどこまでが本当でどこまでが嘘なのか?全く先の読めない人物として描く。裁判のシーンにおいても凄まじい。女のフェロモン全開の若尾文子をロープで縛ってみせたりと、何ということだ!もう、見ていて勘弁してくれーーー!あぁぁぁぁ~あのザイルになりてえ~~~!若尾文子様!あぁぁぁぁぁ~!駄目だ!もう、この映画の凄さは言葉では上手く説明出来ない。若尾文子演じる未亡人滝川彩子が川口浩演じる幸田修に上目使いで「本当に私が愛しているのはあなたなのよ」と迫るシーン、そんな若尾文子(滝川彩子)が雨の中、びしょ濡れになりながら川口浩(幸田修)の会社にまでやってくるあの凄まじさには本当に恐いものを感じせずにはいられなかった。とにかく本当に恐ろしい映画です。若尾文子が本当に凄い。若尾文子の最高傑作は間違いなくこれだ!
[DVD(邦画)] 10点(2007-07-22 07:26:21)(良:2票)
133.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
監督としてのクリント・イーストウッド、私は今まで苦手でした。今でも苦手です。しかし、これだけは言える。間違いなくこの映画は素晴らしい。そして、これが仮に最後の作品となったなら、最高の終わりであると私は思った。「許されざる者」で初のオスカー獲得、その後も立て続けに評論家達にも一般の映画ファンの間でもかなり好まれ、どの作品も高い評価を得られている。しかし、私にはこの監督独自の重さ、やりきれなさだけがずしりと圧し掛かり、好きになりないでいた。それでも何故だろう?ついつい観てしまう。そして、観る度にやっぱり駄目だ!私には好きになれないと裏切られ続けてきた。それはまるで今度こそ今度こそとばかりに毎回、凝りもせずにナイスネイチャという馬の馬券を買いつづけ外してしたかの如く、今度こその思いで見てきた。そして、今回、やっとこれは私も素直に感動できた。その気持ちは正にナイスネイチャが三年以上ずっと勝てずにいて、高松宮杯(今で言う高松宮記念、当時は二千メートルのG2だった。)で久しぶりの勝利を収めて感動して泣いた時のような気持ちと同じ感じ気持ちにこの映画を観て感じることが出来た。イーストウッドの自分自身の集大成とも言える熱いメッセージみたいなものをあの身体を張っての死で感じると共に俳優としてのかっこ良さ、年老いて尚、アウトロー的なかっこ良さ、あのチンピラどもに向って指を銃のように差し出す仕草の何とかっこ良いこと、床屋での会話のユーモア、タオ、スーの二人に対する厳しさの中にも何か優しさみたいなものが感じられ、ウォルト(クリント・イーストウッド)の遺言状と言える手紙の内容、それを聞いてる時のタオの表情、ラストの海沿いをグラン・トリノの車に乗って走るタオ、それを映し出すカメラワークと美しい音楽、このラストの余韻があればこその傑作になっていて観て良かった。心からそう思う。ところでウォルトがタオをトロ助って呼ぶ度に「キテレツ大百科」みたいだとかただトロて呼ぶのを聞いて寿司が食べたくなってしまった。そんなアホな奴は私だけかもしれない。
[映画館(字幕)] 9点(2009-05-01 21:55:14)(笑:1票) (良:1票)
134.  青島要塞爆撃命令
あれ?何かどこかで見たような?ナバロンの要塞に似てる。似てはいるけどこちらの方が断然面白い。それに何よりも役者達が皆、活き活きしているし、楽しそうに演じてるのが見ていても伝わってくる。加山雄三と佐藤允のコンビがあれ?これって岡本喜八映画みたいだぞ。だけど監督は古澤憲吾監督だ。古澤憲吾監督、間違いなく岡本喜八監督が好きな筈だ。どう見たって岡本喜八監督の映画みたいだ。更に植木等の作品で見られるようなテンポの良さと馬鹿みたいだけどつい笑ってしまうギャグ満載で楽しませてくれる。ドイツ兵とのやりとりが可笑しい。間抜けなドイツ兵の連中を相手にする日本人達が本当に活き活きとしている。最近の戦争映画によくあるじめじめ感がまるでないのも良い。古澤憲吾監督って一般の映画ファンには結構評価されててファンも多いと思うけど頭のお堅い映画評論家達にはほとんど評価されてない。もっと評価されて良いと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2013-05-22 21:40:17)(良:2票)
135.  マイケル・ジャクソン/THIS IS IT
友達からDVDを借りて来ての観賞!マイケル・ジャクソンが凄いことは解るし、スーパースターであることも解る。ただ、残念ながらマイケル・ジャクソンの死によって多くの方に見られた作品であるように思えるのだ。もしも、まだマイケル・ジャクソンが生きていたら、そう思うと、何となく複雑な気持ちにさせられてしまう。そもそも、完全な形での完成品とは言えないライブ前の模様だけを映し出したドキュメンタリーというものであり、これをマイケル・ジャクソン自身が公開されることを望んでいたのか?という疑問、マイケル・ジャクソンの死という悲しい現実がここまで多くの方に見られたという皮肉、生きていたらここまでヒットしていたであろうか?色んな意味で疑問が残る。マイケル・ジャクソンの偉大さ、素晴らしさを語るという意味では確かに素晴らしいドキュメント映画かもしれない。それでも物足りないのは、マイケル・ジャクソンの偉大さはまだまだ他の部分であるのではないかと私は思えてならない。マイケル・ジャクソンが世に残した素晴らしい音楽、パフォーマンス、生の音楽やライブ映像こそが本当の意味でマイケル・ジャクソン自身が見せたかったのではないだろうか?少なくともこの作品だけでは本当のマイケル・ジャクソンの全てがファンでない人達に伝わるのか?ファン以外の人にもっともっとマイケル・ジャクソンの凄さを教えるのであれば、映像だけでなく、音を聞かせることでよりもっと多くの方にマイケル・ジャクソンの凄さが伝わるのではないだろうか?いずれにしてもこの作品が遺作でなかったら、そう思うとやりきれない。のマイケル・ジャクソン、そのリハーサル模様による熱気、そういうものは確かに伝わってきたけど、映画的な興奮、リハーサルだけでなく本物のライブ映画として観たかったし、そういう意味で評価しての点数です。
[DVD(字幕)] 6点(2010-05-03 22:43:29)(良:2票)
136.  ピクニック(1936)
凄い!凄すぎる。これは本当に凄い。モノクロなのに色が付いているような感覚になるほどの凄い映像美、あの流れる川の水の美しさ、川に落ちてくる雨の粒の映像の凄さ、雲の美しさ、それはまるで溝口健二監督の映画を思わせる凄さ、このあまりの美しさにただただ呆然とさせられぱなしのため息の出るほどの美しさ、どうやったらあんなにも美しい映像を作れるんだ?既に、にじばぶさんが私の思っていること、言いたいことを全て語り尽くしているのでこれ以上書くことなどないとは思うが、とにかく何もかもが美しくて、美しくてたまりません。映像の美しさと相成ってヒロイン役のシルヴィア・バタイユの美しさ、可愛さも絶品!木陰の下で木の上の小鳥(ウグイス)を見て涙する時の美しい涙も最初に出てくるところからして、本当に魅力的である。あのブランコのシーンで見せるちょっとした笑顔も、またボートでのシーンやその後の髭男で見た感じ荒井注ぽくて、いや、どちらかというと「飢餓海峡」の三國連太郎に近い感じのアンリに抱かれ、涙する表情、何もかもが女性としての美しさ、あれは絶対に男には出せない美しさだ!僅か40分という短い時間がより短く感じてしまうぐらいどの映像もどんな凄い特殊技術など使っても勝てない美しさ、それはそこにある本当の場所を生かしているからこその美しさであり、とにかくまだまだずっとずっと見ていたいと思わせる映画ならではの映像美にジャン・ルノワール監督よ!心からありがとう!そう言わせて頂きます。映画を見ることの喜び、幸福感!文句なしに好きな私にとっての宝物のような映画となりました。
[DVD(字幕)] 10点(2008-03-02 11:41:03)(良:2票)
137.  ペコロスの母に会いに行く
えっ?この作品がこの年の一番の邦画なの?森崎東監督の作品の中でも一番評価されている映画らしいけど本当にこれが森崎東監督の最高の作品なのかな?良い映画かもしれない。言いたい事、伝えたい事もよく解る。でも森崎東監督じゃなければならないのかな?という意味でこの点数が限度です。認知症、介護の世界の描き方、人間ドラマとしてもよく出来ているとは思うけど森崎東監督というと寅さんをはじめとするパワフルな喜劇を幾つも書いてる脚本家だ!そんなパワフルな面白さがこの作品には感じる事ができません。こうした難しいテーマを題材として扱えば普段は辛口な評論家達にも評価してもらえるかもしれない。それでも森崎東作品にしかない毒のある笑いで楽しめる作品が観たい。どうせなら元気な頃の渥美清主演、認知症の母をミヤコ蝶々で見たい気がする。主人公の母がお世話になる施設の名前がさくら館というのもどうしても寅さんを思えてしまいます。
[DVD(邦画)] 6点(2017-01-21 19:21:48)(笑:1票) (良:1票)
138.  刑事物語 《ネタバレ》 
武田鉄矢って、こうなんて言えば良いのか?どこから見ても冴えない男の哀愁が漂わせていて、改めて良い役者であることが解る。男は顔じゃないぜ!いくら顔が良かろうが、女たらしで二枚目気取りな男よりもこの武田鉄矢の片山刑事のように三枚目でも、人情に厚く、まるでどこか男はつらいよの寅さんに通じるものこそが男であると言いたくなるほど、格好良い。あの売春で歩道される少女への土下座、あれなんか女の人から見れば、バカじゃないの!てなるかもしれないけど、男からしたらあれが男の哀しさであり、刹那さであって、男の男にしか理解出来ないであろうバカ正直さがたまらなく好きだし、泣かせるではないか!マドンナ的存在の女性が出てくる辺りも寅さん映画のようです。それにしてもこのシリーズ、初めて見たけど、ここまで男らしくて格好良い武田鉄矢を私は初めて見たような気がする。そういう意味でもこれは武田鉄矢というこの俳優の良さを知る上で最高のシリーズの始まりであるように思う。武田鉄矢以外の俳優にしても西田敏行、田中邦衛に高倉健って、おう!なんて贅沢なキャスティング!色んな意味で正にこれぞ邦画の楽しさがつまった愛すべきシリーズ第1作!果たして傑作か?と言われるとけして、傑作であるとは思えないものの、こういう三枚目でバカ正直な熱い男が主人公の作品は私は好きである。これを機会にこのシリーズの残りの作品も全部観たくなってきた。最後にもう少しだけ言わせてくれ!世の女性達に!「男は顔じゃない」「性格である」
[DVD(邦画)] 8点(2010-04-14 21:44:53)(良:2票)
139.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》 
最初この映画のタイトルを聞いたり、見た時はタイトルからして見る気しなかったのに評判の良さに本当に?自分の目で確かめてみたくなり、見てきたけどあかんわ!あんなにも可愛い有村架純にあんなにも一生懸命頑張る姿を見せ付けられたらもう泣くしかないやろ!可愛い女の子がひたすら頑張る姿は愛しく感じてしまい完全にやられた。またこの映画は母親が素晴らしい。娘を思う母親の姿がこれまた泣ける。何度も学校に呼び出せれてもけして、恥ずかしいとは思わない母親、そんな母親が息子の事だけしか考えてこなかった父親の前で涙ながらに娘の事を言う場面は感動的でというよりは何だか母親の娘への気持ちをよく表していて泣けた。何度も謝りたい気分です。タイトルだけで敬遠するなんて勿体無い映画だ。見て来て本当に良かったと思う。さやかの通ってた塾の先生の台詞、意志のあるところに道は開ける。いやあ、本当にそんな気がしてなりません。
[映画館(邦画)] 9点(2015-05-08 20:55:52)(良:2票)
140.  女は二度生まれる 《ネタバレ》 
川島雄三監督が若尾文子を女にしてみせますと宣言して撮られたというこの映画、紛れもなく若尾文子の映画であって、若尾文子のしたたかさ、本能のままに生きている女、芸者の時の小えんともう一人の姿をしている時のともこ、どっちも間違いなく若尾文子の可愛さが画面を通して見ている者に迫ってきます。初めに若尾文子と最初の愛人である山村聡の二人が布団に寝そべっているシーンでのあのゾクゾク感、若尾文子演じる芸者小えんが名刺をくださる。てお名前を尋ねるシーン、名刺を貰って「二級建築士!へえ!」て言うのを聞いて、思わず噴出しそうになる。まるで若尾文子の人生そのもののようなあのやりとり、そして、若尾文子に関わろうとする他の男達、フランキー堺も山茶花究も相変わらずの芸達者ぶりを発揮していてそれだけで楽しい。女風呂を覗こうとしている山茶花究のフラフラした態度の面白さ、フランキー堺と若尾文子の寿司屋さんでの会話の楽しさ、そんな楽しさを十二分に描きつつも女の強さと弱さ、男のだらしなさをテンポ良く描くこの川島雄三監督の演出の素晴らしさ、あのラストに関してもいかにも川島雄三監督らしい、それはこの監督の他の作品にも見られる終わり方、見ている私達に対して、あの後のどういう風に話が進んで行くのか?若尾文子演じる小えんが本当の意味で女としての幸せを掴んでいつまでも女らしく、そして、小えんらしく自由で明るくたくましく生きて行く未来を予感させる終わり方、正しくタイトル通り「女は二度生まれる」であって、見事な余韻を残したまま終わりとなる。川島雄三監督という監督さんは余韻の残らせ方が抜群に上手い。これもまた川島雄三監督、若尾文子の代表的作品として言えるそんな素晴らしい映画です。
[DVD(邦画)] 9点(2005-12-25 16:55:15)(良:2票)

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS