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1.  日本のいちばん長い日(1967)
全ての日本人が一度は見るべき歴史的な大傑作と思う。監督岡本喜八の手腕、脚本家橋本忍の豪腕、そして製作の決断をした当時の東宝幹部の志に感服し感動する。かなりの長編だし、わずか一日ちょっとの内閣、宮内省、陸軍まわりの模様を描いたドキュメンタリータッチのモノクロ映画ということで食わず嫌いで見ていない人も多いと思うが(かくいう自分もそうでした)、以下3つの理由でぜひ見るべき。1)誰もが知っている8.15の玉音放送。その裏にはどんなドラマがあったのかをわずか3時間弱で学べる。太平洋戦争を語る上でこの映画はいまだ最上のものと思われる。2)たんたんと進む前半から徐々に物語りはサスペンスドラマとして盛り上る。前半80分を乗り越えれば予想を上回る怒涛の後半の展開には絶対に眠気も吹っ飛ぶ。昨今はやりの軍隊暴発モノ(亡国のイージスetc)のどれと比べてもこちらの方が上。3)東宝オールスターを中心にした豪華キャストの芝居。名場面をあげていくときりがないが、三船阿南陸軍大臣と山村米内海軍大臣の激論の迫力、三舟と笠鈴木総理大臣の別れのシーンの情感、出番は少ないが飄々としながらも気骨あふれる侍従を演じる小林桂樹の名演技、ほんのちょっとだけだが印象に残る加山雄三のNHK職員、等等。ぜひ見てください。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2008-01-05 01:05:16)(良:4票)
2.  どですかでん
特にこれといったストーリーがあるわけではなく、スラムに住む人々の日常の中のそれぞれの小さなドラマが淡々と描写されていく。決して「貧乏だけど心は美しい」とか「貧しい人にこそ美しさがある」といった類の類型的なおしつけがましさではなく、あえていうなら「貧富と人生の幸せ不幸せは関係がない」ということがテーマだろうか。映画にストーリーを求める向きには評判が悪いのもうなづける。ただしその一つ一つの小さなドラマがとてもとても趣が深い。様々なトラブルで傷つき人生の転換期であっただろう黒澤監督の当時の心情と重ね合わせるとその趣も更に深くなる筈。ですからこの映画は黒澤監督の作品をある程度観て、当時の黒澤監督の状況などもある程度知った上で観た方が絶対にいいと思う。映像も総天然色の奥行きの深い綺麗なもので、なるべくならハイビジョン放送か劇場での鑑賞を薦めたい。ストーリーを楽しむのではなく一つ一つのシーンのつながりに身をまかせれば必ず心に届くものがある。その類の傑作。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-10 17:38:14)(良:2票)
3.  アカルイミライ 《ネタバレ》 
先の読めない始まり。いらいらする日常。意外な展開。感動的な予定調和で終わるのかと思わせておいてプチンと中途で終わる意外性。オダギリジョーの姿ではなく表参道を歩く高校生達で終わらせた黒沢監督は天才ではないかと観た時は思いました。他にもいろいろラストの絵は考えられたと思いますが、決して誉められた存在ではない筈の、脇役である高校生達を最後にもってきたことで、そこまで描いてきた3人の男達のドラマと映画のタイトルが観るものの心にずしっと何かを来させたのではないかと思うのです。何故なら誰でも高校生だった時はあるのだから。そう、あの頃、漠然と未来に対して抱いていたイメージは「明るい未来」ではなく「アカルイミライ」だったなあ、とデジャブ感みたいな感じで自分の中で納得してしまいました。この映画は希望の映画だと思います、ホント。「明るい未来」ではなくて「アカルイミライ」、のっぺりと記号化された抽象的な未来でしかないけれど、そこへ向かって歩いていく。うーん、この映画ほど、心には何かが届く、でもそれを言葉にはうまくできないという映画はあまり無いのではと思います。そういう意味では最も映画としては成功している映画、ということで満点です。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2007-07-23 17:22:39)(良:1票)
4.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 
期待値が高かったのがいけなかったかもしれません。オープニングの東宝シネスコープからゴジラへの流れは感涙でしたが、後がもう退屈で退屈で。細かいことを言えばきりがないですが、一番の違和感は、茶川家で三人で暮らすことの不自然さ。そりゃーねーだろ、せっかく小雪と暮らせることになったんだし、空気読んで家に帰れよ、少年。あんな狭い家でどーやって健全な夫婦生活を送るんだ!って。少年が前作に比べて成長してしまってもはや子供というより完全に少年になってしまったのが痛かった。そういう突っ込みは半分冗談でまあ許せなくもないのですが、登場人物皆が皆善人で愛すべき人でそれを全肯定してしまっているのが映画的でなく致命的欠点です。肯定できる部分と弱さ醜さというか否定せざるをえない弱点の両方を描いてこそ、映画という2時間のエンターテイメントは成り立つと考えていますので、こういうちゃちな演劇を延々みせられてもしらけてしまうばかり。前作でいえば、子供のことを忘れて新しい夫と暮らす母親を描くことで人間の負の側面を描けていたと思っているのですが、そういう部分がもっとあれば素直に感動できたかなあという感じ。ラストもえんえん描き過ぎで尺ばかり長くなってしまった。CGでせっかくお金かけたこともあったか、前作の成功でプロデューサーが監督にストップをかけれなかったか、いずれにせよ2時間を切ってつくるべきだった。期待値が高かった分がっかり分も高くなってしまった失敗作と評価します。
[映画館(邦画)] 4点(2007-12-26 19:11:33)(良:1票)
5.  LOFT ロフト(2005)
好きな監督ですがこの作品は駄目でした。皆さんのレビューを読むと今までの黒沢清ブランドへの信頼の上でのみ成り立つ評価なんでしょうね。深読みしてみたり、ホラーとコメディとラブストーリーのハイブリッドな展開を評価してみたりされてますが、冷静に考えると馬鹿馬鹿しくて鑑賞時間の無駄としか思えません。素人でももっとまともな脚本を書けますよ。客観的に観てみると駄目駄目です。駄目な点を一言で言うと、人物の心理の動きが唐突すぎてついていけず、恐らく役者さん達も「何じゃこりゃ」と思いながら演じてるんだろうなあと思ってしまいました。映画という映像作品の力を過信しすぎて、肝心のドラマ部分を軽視してしまった駄作。
[CS・衛星(邦画)] 1点(2007-08-14 12:27:32)(良:1票)
6.  名もなく貧しく美しく
文句なしに素晴らしい人間ドラマ。高峰秀子は本当に素晴らしい役者。小林桂樹も素晴らしい。有名な電車のシーンはわかっていても泣けて泣けて仕方ない。全ての人に一度は観てもらいたいと思う。絶対に人生に対するスタンスが違ってくる筈。こんな素晴らしい作品が普通につくられていた邦画の50年代ってなんて凄い時代だったのか。ラストのもっていきかたがどうしても他になかったのかと思ってしまうのでマイナス1点にしてしまうけど、10点に限りなく近い9点。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-11-19 14:50:39)(良:1票)
7.  戦国自衛隊1549
戦国自衛隊の21世紀版をつくるという発想は悪くないと思います。作り方次第ではもっともっと面白くなった筈で非常に惜しい。前作にあった歴史公証などを無視したハチャメチャ感は魅力といえば魅力でしたが欠点といえば欠点でしたので、史実との整合性をきっちり考えて、タイムスリップによる歴史のifについてもっと掘り下げれば(早い話バックトゥザフューチャーの自衛隊による戦国時代編)みたいな感じになれば結構いい線になったのではないかと思うのですが。。。いかにも富士の自衛隊演習場の中に作りましたという感じの金はかかっているが臨場感のないセット、いつも同じ演技で興ざめの江口洋介と鈴木京香、前作の魅力の一つが破滅の美学だったのですがそのあたりもないわけで、もう鑑賞時間の無駄以外の何者でもないという感じでした。江口さんは憑神でも思いましたがいつも同じ演技で、ちょっと同年代の他の役者さんに比べてもう少し考えないとなあと余計な心配をしてしまいます。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2007-08-03 12:36:18)(良:1票)
8.  パッチギ!
人生の切なさ、甘酸っぱさ、辛さ、喜び、悲しみ、誕生と死、といった様々な要素を暴力と歌と恋といったエンタメ要素満載の中にちりばめた映画。2時間があっという間にすぎてしまう。登場人物と一緒にハラハラしたり怒ったり泣いたりして、最後にカタルシスを味合わせてくれる傑作。政治的な部分でいろいろと意見もあるでしょうし、メッセージへの賛否があるのはわかりますが、そういう部分を抜きにして、例えばこれを遠い外国の物語として見れれば(まあそれも難しいですが)非常に完成度の高い娯楽作品じゃないでしょうか。今の日本にこれだけのエンタメが取れる監督なんてそうはいませんよ。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-08-10 11:56:05)(良:1票)
9.  小さき勇者たち ガメラ 《ネタバレ》 
ストーリーはシンプルながら王道を行く流れ。先を予想しつつ心地よくその流れに身を任せられるというもの。これといった欠点もなく過ごした時間なりの満足感はある。子供達のリレーシーンに不覚にも涙ぐんでしまったので+1点で6点という評価。ベタでも子供ががんばるシーンに素直に感動できる人なら一度は見てみたら。
[映画館(邦画)] 6点(2007-08-13 16:06:55)(良:1票)
10.  冬の華 《ネタバレ》 
物語が途中で終わってしまう印象を受けてしまう。もっともっとこの続きを観たい!と思ってしまう。2時間をあっという間に思わせるほど惹きつけ、登場人物のその後に思いを寄せさせるドラマづくりはお見事!で、さすがは倉本聰だと思う。セリフで語らず、設定の詳細については観客の想像に任せる。各人物の性格をドラマの進行の中で語りつつ、静かに悲劇の予感を盛り込ませながら、いつか訪れるカタルシスを期待させる。惜しむらくはカタルシスの爆発が来る直前に映画は終わってしまうが、カタルシスを観客の想像に任せたところがいわゆるそれまでのパターン化された任侠映画の清算と脱却を目指した製作陣の狙いであったのだと後から思う。映画という2時間程度の映像で語るべき人間ドラマとはどんなものであるのがよいのか、一つのお手本とも言える傑作で学ぶべき点は多い。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-08-16 12:58:01)(良:1票)
11.  赤線地帯
溝口映画を観ていると、他人の生活の中に自分がまぎれこんでじっと覗き見しているような気分になります。例えば押入れの中とか箪笥の中にこっそり忍び込み、じっとそこで繰り広げられるドラマを覗き見しているような。徹底した長回しと役者の極限ともいえる演技を引き出す溝口監督の演出力はやはり偉大です。この作品も観ているうちに引き込まれ、もはや映画を観ているとも思えず、自分が吉原の売春宿のあちらこちらに潜んでただただ覗き見しているような錯覚を覚えます。そこには倫理の押し付けも過剰なドラマもなく、ただただリアルな光景が展開され、但しどの光景を切り取るかの選択という編集の力によって、1時間半弱の覗き見体験がただの覗き見ではなく映画鑑賞という娯楽に昇華される。この「赤線地帯」は一般的に代表作とされる時代物ではなくまさに当時の現代劇な為、この覗き見感覚を最も感じさせてくれる作品です。自分の今いる世界とは違う世界にトリップできる最もお手軽な行為が映画鑑賞であるとすれば、溝口作品が最も偉大な映画であるといっていいのではないでしょうか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-08-13 11:42:05)(良:1票)
12.  松ヶ根乱射事件 《ネタバレ》 
作品タイトルからはそれこそ山奥の閉鎖的な村社会で起こった猟奇的な大量殺人事件なのだろうと勝手な想像をしていたが大違い。タイトルだけでも見事な外しっぷりを展開してくれる見事な傑作。ぎこちなさが山下ワールドのキーワードだと思っているのですが、この作品でもそれは健在。親子、兄弟(しかも双子)に起こるぎこちなさ、閉鎖的な共同社会の中に突如乱入してきた異界からのストレンジャー(キムニイ)達との間のぎこちなさ。本来他人との間にはぎこちなさがあるのが当然だし自然。ぎこちなさを受け入れてそれを乗り越えてコミュニケーションをとっていくからこそ人間社会は成り立っているのだしただの生活にもハリってのものが生まれてくるんだってことを気づかせてくれる。最後にはストレンジャーキムニイもぎこちないながらも共同体の中で生きていくことになってしまうし、ぎこちなさにずっと違和感を感じていた主人公も最後の乱射でかすかな抵抗を示すものの別にただそれだけ。人間ってのは情けない存在だけど情けないものほど愛しい生き物ですね。世界観といい人間描写といい映画らしい展開の突飛さといい、もう最高です。
[映画館(邦画)] 9点(2007-08-17 17:09:25)(良:1票)

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