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1.  ダーティハリー 《ネタバレ》 
私のアンチヒーロー好き(判官贔屓)を決定づけたといってもよい作品。今だ私はダーティーハリーを超えるアンチヒーローは出会っていない。犯罪者に対して容赦のないハリー。暴力には暴力で返す。しかし、それは決して正義ではない事をハリー自身は知っている。彼はひねくれ者で常に哀しみと孤独を纏っている。その哀しみとは周りの人々に理解されない事ではなく(彼はそんなに弱い人ではない)そんな生き方しか出来ない自分を嫌悪しているところからきている。けれど、他の生き方など出来ない自分も知っている。ラストで彼が警官のバッジを投げるのは「警官が正義を貫けないなら警官なんて辞める」という意味ではない、と私は解釈している(それならば、もっと爽快感があってもいい)私はハリーが「自分は警官にふさわしくない」と感じたからだと思う。今までハリーは無茶をやってるけど、ぎりぎりのところで警官としてのプライドと誇りを守っていた。しかし、ラストでハリーは卑怯な騙し撃ちをする(自分の命が危うい訳でもない)個人の憎しみで人を殺してしまえば、殺人と同じで犯罪者と同等にまで堕ちてしまう。犯罪者を裁く立場の警官がしてはならぬ事なのだ(それが許されるのなら、警官なら人を殺してもいい、事になってしまう)ハリー自身が一番よく分かっている。だからこそバッジを投げたのだ。犯罪者と同じところに堕ちなければ裁けないほど病んだ社会。堕ちると分かっていても裁かずにはいられない孤高の男の哀しみの映画である。しぶすぎる!(今って「私は正義だ!」と画面からわめいているようなヒーローが多くて嫌;)
[地上波(吹替)] 8点(2009-07-28 23:23:55)(良:5票)
2.  黄金を抱いて翔べ
俳優陣の演技に関しては文句のつけどころがありません。多分、映画自体はイマイチだった、という人も俳優の演技にケチつける人はいないでしょう。それぐらい良かったです。モモのキャスティングも含め、これ以外の配役が思い浮かばないぐらい。 社会的背景は「古い」と思う部分がありますが、そこは無視するとして、映画としては「よく撮ってくれた」という感じです。無敵のヒーローヒロインが、バッタバッタと敵をなぎ倒し、怪我しても死んでもすぐ復活する映画だらけの中で。 画面の中の彼らは本当に生々しい。痛みも汗も苦しみも肌に伝わってくるようです。 これは完璧に「人間ドラマ」の映画なのです。間違っても「黄金強奪の爽快感」を求めて観てはいけません。 小説の時からですが、かなり「聖書的」な意味が含まれています。その部分からこの映画を解釈すると、またおもしろいです。 ふと、思ったのですが「深作映画」に近いかもしれません。 好き嫌いが分かれると思いますが「観て損はしない」と思います(だって、こんな贅沢なキャスティングでこんなアンチヒーローの邦画なんて、今時やってくれないよ;)
[映画館(邦画)] 8点(2012-11-07 23:26:32)(良:3票)
3.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
この映画の素晴らしさは皆様が語って下さっているので、ウォルトを殺したチンピラについて私なりに思うところを。私はウォルトが彼等に「罪を犯せば罰がある」事をきっちり示したのではないか、と感じました。彼等も差別の犠牲者なのでしょう。白人が拳銃をもてば、こっちはマシンガンをもてばいい。社会に虐げられてきたから社会に復讐していいんだ、と言わんばかり。ですがそれは幼稚なへ理屈。現に彼等は自分達を虐げた者ではなく、自分達より弱い者に牙を向けました。ラストでウォルトが彼等に言った台詞「同族の女を暴行し~」には「お前達は強者に沈黙し弱者をいびる臆病な卑怯者だ」という意味があったように思うのです。「人を殺した最悪さ」を知った彼等がどう変わっていくかは彼等次第なのでしょう。弱者を守るのは社会の仕事。でも、病んだ社会は常に強者に味方する。「大人には子供を守る義務がある」と大人になって気づきました。大人だって死にたくないけどタイタニックに乗船していたら、子供を押し退けて救命ボートに乗る訳にはいかない。残念な事に子供を押し退ける大人が多いのが現実;頑固で偏屈な大人に守られたタオとスーはきっと子供を守れる大人になれる。その未来に希望を感じるのです。御葬式や遺言の場で息子さんがタオを見ていましたが「お父さんの心を取られたみたいで少しくやしいかな?」と思いました。私の観た映画館ではエンド~の途中で席を立った人は一人でした。
[映画館(字幕)] 8点(2009-06-08 13:10:10)(良:3票)
4.  トップガン
私的には最低・最悪の映画の一つ。嫌悪感を覚える映画です。この映画のヒットは「ゲーム感覚で人を殺す映画を創ってもいい」(人を殺しておいて「ビンゴ」ですからね…)という許可をもたらし、類似する映画がどんどん創られるようになりました。この映画にみられる「人を殺す事をためらったり、死ぬ事を怖がったりするのは弱虫」という人間感情の批判は「大儀名聞さえあれば、人を殺しても許される」という意味と解釈しました。「戦争推奨映画」といっても過言ではないと思っています。さすが空軍全面協力映画です(この映画の少し前になると、ジョン・ウエインあたりの映画がこの位置にあった気がします)自分が撃墜して死んだパイロットの家族を見た後でも「ビンゴ」って言えそうだな…;
[地上波(吹替)] 0点(2009-02-20 12:02:26)(良:3票)
5.  シャッター(2008) 《ネタバレ》 
レンタルした時は扉の「シャッター」かと思ったらカメラの「シャッター」だったのですね。定番ホラーなんですが、観賞環境が「夜に部屋で一人」のせいでしょうか、結構怖かったです。その後寝たら夢にも観てしまったし;「心霊写真」っていうのが個人的に「怖いツボ」だったようです;ハミングして後ろにいるのが妻だと思っていたら、その妻から電話がかかってくる。そういう日常的なさり気ない部分が、実際にありそう怖い。「ターミネーター」シリーズで「無表情にも演技力がいる」事を知りましたので、奥菜恵の霊っぷりに彼女が演技の上手い女優だったのに気づきました。アメリカまで憑いていっていたのに、今頃復讐し始めたのはベンが結婚したからでしょうか?日本に帰ってきたから?でも、舞台を日本にした意味があまりないような?最後に「ベンに憑いている」姿がポラロイドカメラに写るシーンでは「ぞっ」としつつも半笑い;そりゃ重いだろうよ!ウエトレスさんも驚くわ!しかし、その後のベンの行動が「?」です。どうして自傷行為にはしるのか分からない。降ろしたい、のだろうけどちょっと無理があるような?病院でのベンに「憑いている」姿はオーソドックスで怖い;最初からその「憑き方」でよかったんじゃ…;
[DVD(吹替)] 6点(2010-02-16 13:47:55)(笑:1票) (良:2票)
6.  めぐりあう時間たち 《ネタバレ》 
この映画は核となるヴァージニア・ウルフと彼女の書いた小説「ダロウェイ夫人」を読んでいるかどうかで、大きく印象が違う映画だと思います。映画を鑑賞した時には読んでいませんでしたが、読んだ後は、脚本の素晴らしさに感嘆いたしました(可能なら読書後の鑑賞をお薦めいたします)また、役者さん達の演技が素晴らしい。ヴァージニア・ウルフは13歳の時に母親を亡くしてから精神的に不安定になり、父、兄、を失っていく中、生と死の間を揺れ続け、最後に入水していまいますが、その揺れ続けながらも生の素晴らしさを愛し続けた彼女の生き方を二コールが見事に演じている、と思いました。夫の「最高の人生」の為に生きるではなく、「自分の為」に生きたいと願い、家族を捨ててしまう女性の苦悩や、「彼の為だけ」に生きる女性(自分の為ではない)「彼女の為に生きる」のではなく「自分の生」を生きたいと自ら死を選ぶ詩人、どの役者さん達も見事に演じていました。すごい高水準の映画だと思います。一度は観ておくべき映画だと感じました(ある程度、大人になってからの方が良いと思いますが)邦題の方が原題より数倍素敵ですv(つけた方、GJ!)
[DVD(吹替)] 9点(2009-03-01 17:20:50)(良:3票)
7.  恋におちて 《ネタバレ》 
二回目の観賞ですがやっぱり素敵な映画。今回の方が深く観れました。冒頭の電話の会話のシンクロ度から、二人が同じ感性を持っているのが分かります。モリーは失った子供や病気の父親の心配など、気を使って夫に話せない。我慢しているが夫は気づかない。父親の御葬式で泣きそうになるモリーを人前から連れ出すのを見て「この旦那、妻の気持ちを分かってない」と思いました。ああいう時は泣きたいだけ泣かせあげて支えてやるべき。最後のお別れの場から連れ出すなんて駄目。フランクは妻が一番愛しているのが自分ではなく、子供になったのが淋しい。が、自分も子供を愛しているし、と我慢している。自分に似ている長男の性格を話す時に口籠るシーンでそれが分かります。同じ感性と心の隙間を抱えた二人が出会って恋に落ちるのはまさに運命。ラストの本屋で再会した二人が「私は愛しているけど、この人はどうなんだろう?」とお互いときめきながらも不安がっているのを感じる。フランクはモリーが本屋にいたのは自分と同じ気持ちだったからだ、と気づき追い掛ける。二人は「魂が共鳴」して惹かれ合っている。そんな相手に出会える人が世界に何人いるだろう?遅い出会いで周りも自分も傷ついたが、恋に落ちるのは必然だった。だから二人には幸せになってほしいです。「魂の共鳴」をこうも自然に演じるメリルとデニーロの演技力は見事としか言い様がない。無駄のない会話(だからリアル)自然な演出、大物になる前の瑞々しい名優の演技(脇役含む)地味かもしれないけど、職人技のような傑作だと思います。今のハリウッドでは「おしゃれな映画」は作れるけど、このような「品の良い映画」は作れないかも?
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-05-29 09:23:40)(良:3票)
8.  オペラ座の怪人(2004) 《ネタバレ》 
「オペラ座の怪人」はやはりオペラで観てこそだな、と確信させてくれた映画でした。昔、完全な映画としての「オペラ座の怪人」を観賞した事があったのですが、魅力が今ひとつ伝わりにくかったように思います。劇中劇も混同する事なく生かされていて、あの音楽と豪華な雰囲気と、光と影の無気味な美しさに酔いしれる事が出来ました(惜しむは「舞台で観たい~!」と思ってしまう事でしょうか^^;)感動したのはなんといってもラスト。ファントムがクリスティーヌを解放するところ。相手の拒絶する権利、選択する自由を奪って得られるものは愛ではなく、服従です。ファントムはクリスティーヌを愛していると言いながら、彼女を支配しようとしていました。愛を知らない彼はそれが分からない。しかし、クリスティーヌが愛を与えた事によって彼は初めて愛を知る。だからこそクリスティーヌの「拒絶する権利」と「選択する自由」を認める事が出来たのだと思うのです。「愛とは与えるものである」という事を哀しく、美しく、感じさせてくれる感動のシーンでした。ファントムが死んでいるのか生きているの曖昧にした脚本も素晴らしく、舞台演出も見事でした。この映画は本当に「オペラ座の怪人」が好きな人達によって作られているのだ、と思う映画でした(しかしやっぱり舞台で観たいな~;)
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-27 14:31:43)(良:2票)
9.  プライベート・ライアン
ライアン救出を強いる参謀に言いたい。「それなら自分が行けよ」と。ライアンが一兵士だろうが要人だろうが関係ない。 救出が失敗したら、また別の部隊を送ったの?犠牲が何人でようとも?戦死者に対して国の態度は「感謝」ではなく「謝罪」であるべきだ。 話し合いや外交手段でなく、武力行使が「勇気」「愛国心」だと説く政治家や人々は「犠牲になるのは自分じゃない」と 思っているから言えるのではないか? 「戦争支持した人は戦争になった時、全員戦場の最前線に出兵する事」という法律を世界で作れば、戦争は激減するそうである。 私は自衛隊員の知人がいる。安易に「強力な武器をもたせてやるから行って来い(私は行かない)」と言う人達にいつも悲しみと怒りを感じる。 この映画に同様の感情を覚えた。 ラストシーン『今の平和は彼らの犠牲の上にある。私達は彼らに恥じぬ生き方をしているか?恐怖にかられ「正義」の仮面で安全地帯から新たな犠牲を強いていないか?』 そんな問いかけではないだろうか?私は戦場になど行きたくない。だから誰も行かせたくない。 戦争を生み出すのも、戦場に誰かを送り出すのも、私達なのである。代償はいつか自分に返ってくる。けれど止める事が出来るのも私達。絶対に忘れてはならないと思う。 (聞いた話だが、オハマビーチは米軍は汚点として記録から抹消しているらしい。他軍、民間の記録のみ。 海岸への上陸は満潮時にやるのが常識だが干潮時にやったなどetc、無能な上官のせいで地獄絵図となったから)
[DVD(字幕)] 9点(2010-10-30 01:09:56)(良:2票)
10.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
学生時に心理学をかじった身としては、元が実話という現実感が肌で感じられて恐ろしかったです。(スタンフォード監獄実験=普通の大学生を「囚人役」「看守役」に分けると後者が前者を虐待し始める。ミルグラム(アイヒマン)実験と同じく超有名な心理実験。wikiにも載っています)羞恥心が欠如した権力者や、罰が与えられないと分った人間は、際限なく残酷になれる。描かれていませんでしたが、偽ウォルターに対し警察の脅迫洗脳があった事や(彼の無表情は戦渦で感情を失った子供のそれと重なる。母親の姿を見てホッとして初めて言いたい事が言えたのだろう)精神病院の『電気治療』において死亡した人がいても「病死」とされて闇に葬られただろう、などが察せられてゾッとしました。絶望的な状況の中で真実を主張し、戦い続けた母親の強さを尊敬します。彼女の崇高さは皆にとっても「希望」だったように思います。だからこそ、多くの賛同者や協力者を得られたのでしょう。牧師さんが普通に良い人で良かった。しかし、彼女は最後まで希望を追い続けても叶えられなかった。彼女の望みは警察の腐敗を暴く事でも、犯人を死刑にする事でもなく、息子を取り戻したかったのに…諦めた方が楽だろうに、希望を持ち続けた彼女は本当の意味で強い人間なのでしょう。少なくとも信じている間はウォルターは生きている。私も、ウォルターはどこかで生きていた、のだと思いたいです。 見事な脚本と演出があったとはいえ、AJの深みのある演技には驚きました。迫力あるシーンや言葉でなく、普通の動作で「心の強さ」を表現できる程とは思っていなかったです。ナイスバディで拳銃ぶっ放す姿しか知らなかったので;反省ですわ;
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-28 10:50:14)(良:2票)
11.  オルカ 《ネタバレ》 
小学生の頃に鑑賞してショックを受けた作品です。「野生のエルザ」と同じく、私の自然界に対する考え方の方向を決定づけたかもしれません(今の社会視点から観るといろいろ問題があるかもしれませんが) 鑑賞時にラストで潜っていくオルカに対して「オルカはこれからどうなるの?」と今は亡き父に尋ねると「死ににいくんだよ。オルカは哺乳類だから呼吸しないと生きていけない。深く潜るのはもう帰ってこないつもりだよ」と答えが返ってきたのを覚えています。
[地上波(吹替)] 8点(2020-08-09 18:55:22)(良:2票)
12.  パッセンジャーズ 《ネタバレ》 
あんまり期待せずに観賞しました。全体的な雰囲気が良くて、かなり上手い脚本ではないでしょうか。画面から感じられる不安や虚無は「事故で自分だけ生き残ってしまった事への罪悪感」からきているのかと思いました。が「後悔」「もう愛する人に会えない悲しみ」「浮遊感」であると分かりました。途中、エリックだけ●なのかと思いました。一人個別だったし、そういう錯覚をもたせる方向はあったと思います。全員とは意外性がありました。この映画は「驚き」というより「いきなり未来を奪い取られた者の悲しみ」を感じるものではないでしょうか。命あるものの死亡率は100%だけど、誰もいつ死ぬか分からない。よくある「後悔しない生き方をしよう」ではなく「いつか死ぬとしても、それが訪れる瞬間まで生きてきた事が素晴らしい。決して無駄なことなどない」と訴えているような気がしました。そういう意味で「優しい視点」の映画であると思います。DVD特典になっていた予告を観たのですが、あれでは「サスペンス陰謀あばき映画」みたいですね~;期待した人はがっかりしたんじゃないでしょうか?まだ「事故により心に傷を負った人達の悲しみ」を扱った映画として宣伝した方が良かったのでは?違和感のある宣伝はしないで欲しいですね~;
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-28 10:48:20)(良:2票)
13.  アンダーワールド:ビギンズ 《ネタバレ》 
私はルシアンひいきなので好印象で満足しました。(彼に感情移入出来るかどうかで評価は分かれるところだと思います)恋人と結ばれない運命である事はもう知ってましたし。この映画の世界観は気に入っていましたし、一見「獣」と蔑まれそうな「狼一族」が「ヴァンパイア一族」より崇高な感じがするのが特に好きです(裏切りもないし)「1」で、ルシアンは「狼一族」の長なのに獣に変貌せずに、心まで獣になって堕ちるないように、と仲間に言い聞かせていた(だから最期があっけなかったのはショックでした;)その不満を今回の「ビギンズ」がはらしてくれたので、余計に満足感があったのかもしれません。 ビクターが最低の君主であったのが、嫌という程確認出来ます;本当に最低;しかし、そんな最低な君主を威厳と品格を常に感じさせた役者さんの力量に感服しました。予告とかチラシを観ていると「ルシアンとソーニャの悲恋」が軸となっている気がしますが、どちらかと言うと「狼一族の魂の解放」がテーマになっていた気がします。終盤の、ルシアンの元に一丸となった「狼一族」が城を制圧する様は、まさしく「奴隷」から「戦士」になった解放の場面だと思います。 「1、2」を観てないとちょっと分かりにくいでしょうか。R15指定だけあって残虐なシーンは多かったです;(「他人の尊厳を踏みにじる」残酷さも多かった…)万人受けする映画ではないかもしれませんが、このシリーズの世界観が好きで、なおかつルシアンが好きなら満足すると思います(マイケルとセリーンが好きな方はちょっとがっかりするかもしれません;見事なまでに出てきませんから;)
[映画館(吹替)] 7点(2009-03-17 11:04:02)(良:2票)
14.  アリー/スター誕生 《ネタバレ》 
最初は敏腕プロデューサーが才能のある女性をスターに祭り上げて利用する話かと思ってたけどそうじゃなかった。アリーの話じゃなくてジャックの「男性版ジャニス・ジョプリン」の物語だった。ジャニスファンの私としては号泣もの。ガガは平凡なウエトレス時代からオーラ全開。「自信がない」と言ってもあのオーラではな~;純粋にキラキラ目を輝かせて力強く前を向いて歩いていく。一方ジャックは才能のあるスターなのにいつも俯いて自信なさげ。去っていかれるのが置いていかれるのが怖くてどんなファンにも要求にも頷いてみせる(プリティウーマンはひどかった;あんな下手な歌手に歌わせるなんて;あんなにラリッてもジャックの演奏は完璧でどんな時にでも「ミュージシャンとして腕は一流」である事が一発で分かる)アリーは写真を撮ろうとするファンを殴りつけてでもジャックを守ろうとする。そりゃあジャック惚れちゃうよ。結局、彼女の足を引っ張りたくなくて逝ってしまう。ジャニスの運命を知っている自分としては途中から「止めてくれ~遠くに去るだけにしてくれ~」と心の中で叫んでいたがダメだったか…チープな物語と感じる人もいるだろうがある程度大人になると分かるんだよ。「自ら命を絶つ人の多くは優しい人」なんだって事が…(T_T)
[地上波(字幕)] 8点(2021-10-02 21:23:38)(良:2票)
15.  パラサイト 半地下の家族
すごい映画を観てしまった…韓国映画を観慣れている人ならそうでもないかもしれませんが、私は衝撃的ストーリーでした。脚本、カメラワーク、俳優の演技、どれをとっても一級で賞をとったのも納得の作品です。ある程度歳をとると感情の波が分かってくる分、半地下の家族の感情が理解できる。どんなに惨めな生活でも家族で支え合い笑いとして昇華して耐えてきた家族。でも、金持ち家族に寄生して見えてくる「現実の格差」が笑いにできる限界を超えてしまう。破綻してくる展開になってから辛かったです。 今、世界中が閉じ込められている気分を味わっています。だから理解できる人も多いはず。閉じ込められていると人間病んできますよね。地下のあの人の凶行はそこから来ている。そして父親の凶行も… 基本、寄生する側って宿主のことを考えません。でも、本当に「寄生」しているのは半地下の家族でしょうか?1%の人間が世界の富の80%を所有している社会的構造をみれば「金持ち家族」が99%の「貧乏家族」の富を詐取している、とも言える訳です。だから宿主(貧乏家族)のことなど考えない。家族がある、過去がある、感情があるとも思っていない。それがあの「無防備」という形で現れているのかも。 ラストはみんな分かっているドリームです。でも、それをみせてくれたのは優しさだったと思います。それが世界にも必要なのかもしれません。
[地上波(吹替)] 8点(2021-01-09 00:42:02)(良:2票)
16.  つぐない 《ネタバレ》 
自分が加害者である、と認める事は人の罪を許すのと同じぐらい難しい。彼女は小さい頃はあんなに独裁的だったのに、すっかり変わっていた。人を思いやる心をもち、人の悲しみも罪も美しさも理解していた。「救済」を行う決意も固めていた。自分の罪を認め、一生を償いに捧げる覚悟をしていたからだろう。その勇気は相当なものだと思う。「つぐない」とは、決して許されない事を前提に行うべきものである。「許される」為に行う償いは、償いではなく、その時点でその人に許される資格はない。無期懲役の囚人が「仮釈放」の申請を自ら行う事が出来ないのと同じように(申請する時点で「仮釈放」の資格はない、と判断される為)彼女はそれを分かっていた。自分の罪を認め、決して忘れぬように決めていたに違い無い。だが、病気の為に彼女は「忘れる」ようになってしまう。だから、世界中の人に「自分の罪を知ってもらい、覚えてもらう」為に小説を書いたのではないだろうか?決して「許される」為に書いたのではないと思う。最後の結末の変更は読者の為であろう(彼女の他人に対する優しさが感じられる)彼女のした事は取り返しのつかぬ事体を招いてしまった。しかし、誰にでも起こり得る事である。その時、彼女のように勇気をもって「自分の罪を認められる」人が、何人いるだろうか?「罪の告白」はかなりの勇気と覚悟を必要とする。罪を自覚し、一番苦しんでいたのは彼女であろう。最後まで彼女は苦しみ続ける事を選んだ。それが「つぐない」なのだから…加害者の苦しみと哀しみを美しく描いたこの作品は稀な映画であると思う(蛇足ながら…いくら美しいからって監督、キーラにタバコ吸わせすぎです;)
[DVD(字幕)] 7点(2009-08-18 10:42:34)(良:2票)
17.  ターミネーター4
この映画を企画した人は映画人ではなく、利益追求型の企業人間だろう。映画を愛する人ならば作れない映画である。が、最近はそんな映画がウィルスのごとく増殖してきて悲しい限り;若い人ならばアクションシーンを楽しめるかもしれないが、小学生の頃から映画を観賞してきている年配者としては「またこのパターンか…」の連続で戦闘シーンは早送りしちゃいました;役者さんにとっても辛い時代かも。演じがいのある話が少なくなってきてるんじゃないかな~?;
[地上波(吹替)] 3点(2012-09-23 15:00:28)(良:2票)
18.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
期待していなかったので度胆をぬかれました。近年稀にみる素晴らしい作品です。エンターテイメント性はないから本当に「アニメ」という媒体を通して人々に「伝えたい」という情熱だけで制作されたのだろう。「利益の為の映画」が山のように作り出される昨今、奇跡のような作品。これは完全に「大人のアニメーション」。「13歳で結婚、14歳で出産。恋はまだ知らない」という言葉に代表されるような女性差別の世界の現状を実感していたり、ある程度の人生経験がないと胸に迫るものが少ないないかもしれない。少し大人になると知るのです。自分が心が壊れるような悲劇を経験したとしても、空は青く、四季は巡り、桜は咲き、地球は回る。自分の悲劇に共感するように空が赤く染まることはない。変わる事なくそこにあり、私たちを包み込む(故郷のように)だからこそ、また立ち上げれる。「なんてことはない」のだと。かぐや姫の愛した人の情熱とそれを包みこむ自然の美しさを今の人間はどうしているのか?女性の物語、というだけでなく、蕾のまま枯れる桜が出現し、500年以上分解されない毒を作り出して垂れ流す現代に問いかけてみる事が必要かもしれない。 捨丸ですが赤ちゃんが「父ちゃん」と言っているだけで父のいない親戚の子がそう呼んでいるだけかも? かと言って捨丸といっしょになって幸せになれたとは思えない。竹の子は誰のものにもなりたくない筈と思う。月の衣をまとった途端「忘れる」のは原作にも書かれているようで。何百年も前から「忘却」の意味は変わらないのですね。
[地上波(邦画)] 8点(2015-03-14 01:21:40)(良:1票)
19.  追憶(1973) 《ネタバレ》 
長い間こんな良い映画を見逃していたのかと悔しい気もするが、「赤狩り」や「迫害と偏見」の意味が分かる年頃になってから鑑賞して良かったとも思う。 「赤狩り」はまさしくナチスの「ユダヤ迫害」にも似た言論闘争と人権迫害の嵐で、チャップリンでさえ「米国追放」(「ローマの休日」の脚本家が偽名を使った話は有名) 命や生活を賭ける程の主義をもたないハベルの言動は、その時代の大多数の人間の姿だったろう。 しかしケイティは無視できない。今では彼女のような勇気ある者が正しかったと分かっているが、当時は非難と罵倒を浴びた。 ハベルもそれが分かっている。「妥協しろ」というが「君は間違ってる」とは言わない。本心は変わって欲しくもない。だから苦しい。 美人ではないが才気と魅力にあふれたケイティはまさにバーブルにぴったり。 ハベルの再婚した妻は美人だが魅力なし;(美人は三日で飽きるぞ~) 「大衆受け」しか考えない今では作れない良質な映画。何よりハベルを演じる男優さんがいないのではないだろうか? 下手な男優が演じると「高給生活にしがみついて良心と妻娘を捨てた上流階級の軽々男」になりかねない; 遅ればせながら、レッドフォードが顔だけでなく「品」のある役者だったのだと気付いた。
[地上波(字幕)] 8点(2014-03-23 16:39:10)(良:1票)
20.  ゴーストライダー 《ネタバレ》 
え~と…;「こんなもんだろうな」って予想通りに「こんなもん」でした。ある意味、期待を裏切らない?;ニコラス・ケイジとヒロインの再会は「恋人の~」というより「親子の再会」に見えました;差がありすぎだろう!見た目的にも、知名度的にも…;キャストは中途半端に大物そろえてます。が、俳優の撮影はため撮りが多かったんじゃないでしょうか?メフィストとかブラック・ハートは衣裳変えも必要なかったろうし;ニコラス・ケイジにしても半分は骸骨姿なんだから撮影時間は短かったでしょう(ギャラが安く押さえられたかもしれない;)ある意味、上手くやった映画?って言えますでしょうか( ̄▽ ̄;)
[地上波(吹替)] 4点(2010-05-17 14:25:05)(良:1票)

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