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自己紹介 吉祥寺駅54号と申します。

以前はYAHOO!映画上でレビューをしていたのですが、訳あってこちらにお引越しすることにしました。

主に2000年代日本映画のレビューを行います。

文面など以前私が書いたヤフー映画上のレビューをそのまま使わせて頂く場合がございます。ご了承下さい。


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1.  愛のむきだし
園子温監督の映画はいつもエネルギーに満ちています。 それは日本映画にありがちなリアリティとは無縁の世界。  圧倒的な「熱量」で嘘を描ききるのです。  本作ではその「熱量」(エネルギー)が「愛」とリンクします。  車をぶつけるアクション、 押し倒すアクション、 殺陣のアクション、  この映画のアクションシーンとは直接的な愛情表現なのです。  「愛=アクション」  その最も象徴的なアクションが「勃起」です。  「勃起」は卑しい事ではなく究極の愛情表現なんだとこの映画は提唱します。  本作は「勃起」で私達を感動させるのです。  この矛盾、歪な感動こそ映画的体験なのではないでしょうか?  「女囚さそり」「太陽を盗んだ男」等かつての日本のB級映画はそのような感動に満ちていました。  そのような熱気を再び取り戻す本作は  今までの日本映画界において「良し」とされているものに中指を立て、 今までの日本映画界において「悪し」とされてるあらゆる要素を盛り込んだ、  今の日本映画では稀有な立ち位置の映画。 紛れもない傑作。
[DVD(邦画)] 10点(2010-07-13 00:45:27)(良:3票)
2.  グミ・チョコレート・パイン
まず、私は大槻ケンヂの原作本が大好きです!(特にグミ編) そしてその映画化と聞きDVD化を楽しみにしていたのがこの映画でした。  映画も原作ファンでも中々楽しめる内容でした♪ 初見の方ならばかなり新鮮な内容だったのではないだろうかと思います。   ここからは原作も含めた「グミ・チョコレート・パイン」(以下グミチョコ)の魅力について書きたいと思います。  一般的に青春映画というと、そのほとんどが部活などにその情熱を捧げるスポ根作品、あるいは学生ながらに素敵な恋に青春をかける恋愛作品に分けられるとするならば、この作品はどちらかというと、後者の恋愛作品といえるでしょう。  ただ、個々で描かれている主人公とヒロインの間にはとても埋められそうもないヒエラルキーが存在するのです。 そこの描かれ方が原作含めこの映画の一番面白いところなのではないかと思います。   日本人は確かに国民としては平等に扱われているかも知れませんが、 日本の高校には確かに見えない(恋の)カースト制度存在すると思います!  そして、今までの青春映画ではそのカースト制度のスードラ、すなわちモテない帰宅部に属する学生たちが表に出る事はほとんどありませんでした・・・。  そんな彼らにスポット当てただけでも、グミチョコの存在意義はあります!  ただ、そんな彼らに本当ならばクラスの南ちゃん(この作品の山口美甘子)が振り向いてくれるはずもないのが現実です。 だって同じクラスには男前でスポーツも出来るたっちゃんみたいな男子がいるはずだから・・・。  でも、この作品では「映画」というファクターで主人公の大橋賢三と山口美甘子が心の通う友達(ここ重要!)になってしまうのです。恋のカースト制度に反旗をひるがえしたわけです。  なんて素晴しい☆  ただ、若干映画版だと主人公である大橋賢三の悶々とした感が、オナニーシーンだけで済まされているのが残念でした。 原作だと彼はもっと病んでいます・・・。黒いマントの男とか出てくるんだけどな。 あえて言うならばそこが若干残念でした。   でもこの映画には間違いなく、美男美女、運動部という言葉では決して語られないであろう悶々とした青春が描かれています。  ある意味独特の存在感を放つ青春映画です。 観て損はないと思います!
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-12 21:24:11)(良:2票)
3.  ヒーローショー 《ネタバレ》 
井筒監督のケンカシーンのお約束として報復(やったやつは必ずやられる) がありますが、その先に誰かが死んでしまいとてつもない後悔が生まれてしまうという展開だったのが、 初期井筒作品の「ガキ帝国」のラストシーンでした。  本作はそのガキ帝国の続きを観る作品。  人を殺してしまった「勇気(ジャルジャル・後藤淳平)」と 友を見殺しにしてしまった「ユウキ(ジャルジャル・福徳秀介)」の  葛藤を描いた作品です。  まず本作のとにかくストイックな描写はそんな中盤の殺人シーンを 事細かに・・・ まるで私達がその場に居合わせたかのような臨場感で描ききってみせるトコロにあります。  リンチされゆく3人。  殴られる・・・死なない。  ゴルフパットで殴られる・・・まだ死なない。  バットで殴られる・・・まだ息してる。  直視する事が出来ないシーンの連続。   しかし・・・本当の不幸はここから。  今度は殺した者達の葛藤。   報復への怯え、仲間への不信感、将来への絶望感。 描かれる圧倒的な不幸。  そこでもがく勇気・・・。 恋人とつかめるはずだった幸せ。 でも彼の犯した罪はあまりにも重い。  ラストのアパートの廊下での勇気の姿に心打たれないはずがありません。  言い方は失礼ですがとても井筒作品とは思えない 何か格調高い映画を観たような気分にさえなってしまいます。  井筒バイオレンスの臨界点・・・ それは暴力という行為のその先にあるとてつもない不幸。  それを描ききった本作は近年の日本映画には決して類を見ない 反暴力映画だといっても過言ではないと思います。  個人的には誇張でも何でもなく 「パッチギ」と並肩するもう一つの井筒監督の代表作になると思います。
[映画館(邦画)] 8点(2010-07-12 21:16:19)(良:2票)
4.  夏時間の大人たち HAPPY-GO-LUCKY 《ネタバレ》 
今だからこそ中島監督は日本映画監督陣の中でも特異な立ち位置にいる監督ですが、 その根底には「映画」に対するしっかりとした「理解」と「情熱」がこの頃既に出来上がっていたのだと感じました。  物語は逆上がりが出来ない主人公のたかしの「何故」を描いた映画。 作中では彼が生活の中のあらゆる物事、あるいは自身の感情に疑問を抱く事こそがテーマの話です。   そんな様々な疑問の中で本作の主軸となるのが 「大人になるとはどういうこと?」という疑問です。   その事をたけしに諭す登場人物として2人の人物が登場します。  一人は学校の先生。この先生は大人になる事をいわゆる社会の常識で語ろうとする役柄です。  一人はたけしの父。父は子供時代をひきずり「大人も分からない事しちゃうんだ」とたけしに言う役柄です。  もっと単純に比較すると、  大人と子供は違うんだ!と説く先生 大人と子供は変わんないよ!と説く父ちゃん  そのような2つの考えが作中で対峙します。   そして本作の結論は後者に傾きます。  何故ならたけしはいつの間に逆上がりが出来たから。 何故なら父ちゃんも母ちゃんも子供の頃から地続きで 今もあらゆる「何故」を引きずりながら生きているからです。  そして巨乳派なたけしが何故貧乳のともこが好きなんだろうと疑問を持った時、たけしはまた一つ大人の階段を上がります。  大人になるという事は「何故」の積み重ねである事、 そこにはゴールが無い事を本作は教えてくれるのです。   さらに個人的には小品ながらも中島監督らしい個性も垣間見る事が出来、 また今の中島監督があまり表には出さない表現方法も観る事が出来ました。  まず現在の中島監督の作風と大きく違うのはカメラワークだと思います。  遠巻きで、しかも中心から少しずらした所に登場人物を配した草原のシーンがあるかと思えば、 古い家屋に少女が座り込むシーンはシンメトリーだったりと、  地味なんだけど、しっかりとその場の情景で、 美しいシーンを押さえている印象を受けました。  今の中島監督の画とはまた違う面白さがあります。   あえて苦言を書くと物語の本筋を解説で済ませてしまうのは、 中島監督の常套手段とはいえ不満が残りました。
[DVD(邦画)] 6点(2010-07-28 21:48:23)(良:1票)
5.  嫌われ松子の一生
中島監督の「下妻物語」本作「嫌われ松子の一生」は 映画にCM的な手法を取り入れるというそういった次元ではなく、 CM的な表現法の積み重ねで映画をつくろうとします。  そういった中島流演出法の極地が本作だと私は思います。   何故なら誰かの不幸を、これほどまでに楽しく描ききってみせたのだから。 それが出来る人は中島監督をおいて他にはいないでしょう。  それは不幸のどん底で半ば廃人になっている松子。  本作はこのどうしようもない主人公を2時間かけて売り込むという 正にCM、コマーシャルだと思うからです。  ここからは例え話 不謹慎ではありますが 本作の登場人物  中谷美紀演じる川尻松子を売り込みたい「商品」 瑛太演じる川尻笙を「客」  と仮定します。 まずこの松子という欠陥商品。 売り込む為にはどうしたら良いでしょうか?     ①商品(松子)の魅力に客観性を持たせる  世間では物を売りたいとき、時に体験者談が大きな意味を持つことがあります。 それは社内の人物ではない利害関係のない他人の発言だからこそ信頼できるものであります。  本作序盤から終盤まで決して松子は人生の殆どを客観的に観ると「不幸」な生活を送ります。 嘘、人殺し、廃人・・・ただそんな松子が魅力的に写るのは上の考えと同じ事がいえます。  物語上に登場する龍洋一、沢村めぐみが正に本作での客観視点での体験者で、 とにかくこの2人が松子の魅力を語りまくる事で、客(笙と観客)は最終的には松子の魅力に気付かさるのです。     ②セリフにキャッチコピーを持たせる+α   物を売るCMには必ずといっていい程気の利いたキャッチコピーが設けられます。 本作の会話劇、物語の展開を観てみた時に不思議なことに気付かされます。  本作の物語進行は大筋  ①松子の人生談の解説→②客観視点での体験者の気の利いた一言→③笙のドライな発言orギャグ  という流れでループしているようにも感じるのです。  つまりここでは松子のキャッチコピーを体験者が言い、 それに対して直ぐには信用しない観客の心情を 瑛太演じる笙が代弁しているのです。  なので本作を拝見していると変な登場人物ばかりの中、 笙だけが話が分かりそうな奴に思えてしまう事こそ本作の狙いなのでしょう。  笙が松子の魅力を感じる頃、 同時に観客も松子を好きにならずにはいられないのです。
[DVD(邦画)] 8点(2010-07-28 21:44:01)(良:1票)
6.  崖の上のポニョ
以前、崖の上のポニョを製作する宮崎駿のドキュメンタリーがありました。  その中で最も印象深かったシーンは、宮崎駿がこの作品の絵コンテを描きながら涙をするシーンでした。 その時流れていた曲は「ひまわりの家の輪舞曲」という曲でした。もう年齢的にもモチベーション的にも最後の監督作品になるかもしれないといわれている今作品、宮崎駿はどんな気持ちでこの作品を作り上げたのだろう・・・。  ポニョを観終わった時(以前の話にはなってしまいますが)、  私はこの映画は宮崎駿しか作れない子供の為の映画だと感じました。 素晴しい作品です。    昨今の日本映画は、アニメーションの世界の飛躍がめざましいと聞きます。 「スカイクロラ」の押井守監督、「時をかける少女」の細田守、「東京ゴットファーザーズ」の今敏監督などクオリィティが高い作品はもうジブリの専売特許ではなく、正直なところ私個人的にも、ジブリの新作よりも細田守監督の新作の方が楽しみだったりもしますw  ただそれら映画と異なるポニョの魅力は、上記の映画が主にティーンエイジ、20代の若者が楽しめるように作られている事に対して、この映画がどこまでも子供目線につくられている事だと思います。  映画を観ていて、まるで絵本を観ている様な素晴しい映像。 ことごとくシンプルな登場人物描写。 そして、例えば怒った母親の足音が微妙に大きいように感じたのも子供の目線にたった細かな気配りなのでは?と感じました。  宮崎駿だからこそ作る事が出来る映画。
[DVD(邦画)] 5点(2010-07-12 21:21:04)(良:1票)
7.  AIKI/アイキ 《ネタバレ》 
本作「AIKI」    私はこんなにも「障害者」と真意に向き合った日本映画に初めて出会いました。  主人公の加藤晴彦演じる芦原太一は障害を負ってからというもの最低のロクデナシ。 私は劇中何度も彼の車椅子を蹴飛ばしたくなりました。   そんな彼の閉ざされた心を象徴するかのような、散らかったベッド・・・。   しかし物語の終盤、その散らかったベッドで 彼はそれまで築き上げた自分の力で、 ともさかりえ演じる愛するサマ子と一夜を共にします。   ただただ、涙、涙、涙のベッドシーンでした。   だって彼は良くある日本映画に出てくる「特別な障害者」じゃない。 ただの足の動かないロクデナシなんです。   そんな彼が自力で幸せを、生きる喜びを掴もうとする行為だからこそ 私は涙が止まらなかったのです。     そして、そんな彼が変わるきっかけになった合気道。     彼が車椅子になった葛藤と、この合気道との出会いをリンクさせた事が この映画の何よりも素晴らしいトコロだと思います。  「なんちゃらボーイズ」や「なんちゃらガールズ」とは また違うスポ根青春映画のカタチがそこにはあります。  楽しい楽しい青春の1ページなどでは決してない。  彼にとっての「合気道」とは自己の尊厳をかけた戦いだったのです。   何故なら本作で語られる合気道の思想    合気道は相手を拒絶するのではなく、まず受け入れること  それは合気道の修行と同時に 正に障害を追い廃人同然になっていた太一が 自身の障害を受け入れる修行そのものだったように思います。 
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-28 21:55:13)(良:1票)
8.  ぼくたちと駐在さんの700日戦争 《ネタバレ》 
監督は「時効警察」など数多くの脚本を手がけている塚本連平さんという事で、独特のテンポでしかも立て続けに笑いどころがやってきます。 例えば一つのネタふりで笑えなくとも、次々に笑いどころがあるので、結果何度も観てみたい好きなシーンはいくつかありました。例えば・・・  ・心臓が悪いはずなのにダッシュで走り抜ける神主さんw ・SM本を駐在所に隠している時に見つかるシーンw ・主人公達が山奥に置き去りにされるシーン(感動シーンと思って観ていました)w   等、恐らく笑いどころの数という意味では末恐ろしい映画だと思います。 私はこの映画なんとなく、漫才師「笑い飯」の漫才のような映画だと思ってしまいました。一つ一つのネタはしょーもないけどそれが立て続けにくると何故だか面白い。  ただ、私は残念ながらツボにはまるまでに至りませんでした。 これからは、私が個人的に残念に感じたところです。  ①ノルタルジックな描写が微妙  時代は70年代ということだったのですが、時代の表現の仕方がポスターや音楽などのアイコン的な物でしか表現しておらず、私にとっては当時の時代の空気感がまったく伝わって来ませんでした。  最近では戦後の懐かしさを題材にした邦画がヒット、あるいは評価される傾向にありますが、例えば、高度経済成長時の炭鉱町を題材にしたフラガールでは、当時の細かな町並みの描写だけでなく当時の人物の考え方まで映画の中で考慮されており当時の時代感がブラウン管からひしひしと伝わって来ました。  私は、少なくともこの映画にはそのような時代感をあまり感じませんでした。   ②金太郎飴のような映画  ここは好き嫌いが分かれるところかも知れませんが、この映画は恐らくどこから観てもそれなりに楽しめる映画になっています。 金太郎飴のような映画です。  もしかしたら、テレビのチャンネルを変える視聴者に直に注目されなければならない手法のまま映画が製作されているように思います。  テレビ畑監督特有の病。 本作に限った事ではありませんが・・・。
[DVD(邦画)] 3点(2010-07-12 21:30:03)(良:1票)

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