21. アーティスト
まあまあだったけど、これを観て「本物のサイレント映画を観よう!」とは残念ながら思えない。トーキー移行期のハリウッドが舞台で、特徴はなんと言ってもその時代の映画っぽく見せていることだが、その珍しさだけで1時間40分フルに楽しめるかと言ったらなかなか厳しいところもある。見せ方の問題で、中身はごく普通のラブストーリーだから…。自分はサイレント映画といえばチャップリンの映画を少し観ているくらいだが、チャップリンの映画はトーキー映画にはない良さを持っていたから、贔屓目無しに現代の映画とも張り合えた。しかしこの映画の場合、サイレントならではの面白さはそれほど追求していないと思う。別に喋ってもいいんじゃない?って感じ。皮肉なことにサイレント映画が淘汰された理由を浮かび上がらせてしまったのかもしれないな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-08-01 18:06:24) |
22. あなたへ
ストーリー自体は物足りなかったし、映像も所々過剰気味なのが気になったけど、高倉健が出てるってだけで最後まで見ちゃうんだよね。これが存在感ってやつか。半世紀にも渡って大スターであり続け、80歳を超えてもなお映画で主演。そして当たり前のようにヒットさせる。もうこんな俳優は出てこないな…。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-06-19 22:53:42) |
23. あるいは裏切りという名の犬
《ネタバレ》 初めは人間関係などが分かりづらくて、ついていけてるか不安だったけど、ヴリンクスが嵌められたあたりから面白くなってきた。ライバル同士の刑事がそれぞれ窮地に陥る波乱の展開。引き込まれる。ただ「7年後」の物足りなさは残念。1時間50分の映画だけど、ヴリンクスの出所時点で1時間20分、苦情係に飛ばされたエヴからカミーユの話を聞いた時にはすでに1時間30分が経過していて、いよいよ始まる復讐も、時間に追われているような感じで落ち着かなかった。もしも同じボリュームの復讐編が用意されていたなら、この映画は伝説になっていたかもしれない。まあ、伏線の回収にはなっていて悪くはないのだけど、やはりあっけないと感じる部分はある。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-07 17:42:04) |
24. 青い鳥(2008)
《ネタバレ》 転校した生徒の机を引っ張り出してきて、元の位置に並べる臨時教師の村内さん。そしてその机に向かい毎朝「野口くん、おはよう」と声をかける。先生の意図はもちろん野口くんの事情も知らないから生徒以上に「ぽかーん」状態で、一体全体どういう訳なんだ?、これからどうなるんだ?と一気に引き込まれていった。しかし何か裏がある訳ではなく、いじめた側のその後について、学校が取りがちな対応も含め、小細工なしの直球勝負で問いかける内容。先生の行為を100%支持する訳ではないが「責任」のくだりについては説得力があり、完全に納得させられた。世の中にはいろいろな人がいて、いろいろないじめの形があることを子供たちには知ってほしいし、大人も忘れちゃいけない。最初は先生が吃音である必要性がわからなかったけど、上手く喋れない故の丁寧な話し方が、ひと言ひと言に重みを持たせる効果があったかもしれない。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-05-17 17:38:59) |
25. アメリカン・ビューティー
この映画の本当の良さは主人公と同じくらいの年齢になってみないと分からないと思うから、40過ぎた頃に見直したい。でも、現時点でもそれなりに面白くは見られたし、少し何かを感じ取れたような気もしている。特にアンジェラの告白後のシーンは何回か繰り返し見たけど、本当に良い。全体としても無駄な登場人物がおらず、それぞれが結末に向かって重要な役割を果たす巧みな脚本だ。レスターの言葉「大丈夫、いつか理解できる」を信じて、再び観る時を楽しみに待とう。6.5点。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-02 18:01:40) |
26. アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!
おとなしいコメディだな~というのが率直な感想。ストーリーどうこうの映画ではないから、細かいネタで笑えるかどうかの問題だけど、残念ながら…。TLCとか知ってると笑えたのかもしれない…。内容を忘れた頃に吹き替えで見直そう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-09-22 20:01:04) |
27. 明日に向って撃て!
《ネタバレ》 とても綺麗な映画。名曲「雨にぬれても」をバックにブッチとエッタが歩いた野原の美しさよ。ブッチとキッドが追われる身になってからもアカデミー撮影賞に輝いた美しい映像を楽しめる。アメリカの雄大な自然が準主役とも言えそうだ。しかし、二人はそんな景色を楽しむ余裕はなく、徐々に追いつめられていく。レフォーズたちのしつこい追跡は適度な怖さがあって面白かった。三人がボリビアに逃げてからは失速した印象だけど、全体としてはなかなか。あと、ウッドコックはいいキャラだな~。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-08 20:00:25) |
28. あ・うん
《ネタバレ》 <原作未読・TVドラマ版も未見>なんか、全然面白くないなと思いながら見ていたけど、門倉(高倉健)と水田(板東英二)の仲が険悪になってからはなかなか面白かった。和解、さらにさと子の件と畳み掛けるラスト。終わり良ければすべて良しじゃないけど、ちょっと感動しちゃったんで、一応及第点。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-09-01 12:35:39) |
29. 悪女の季節
《ネタバレ》 悪党による財産争奪戦。やはり伊藤雄之助はブラックユーモアとの相性抜群で、東野英治郎や岡田茉莉子も好演だけど、なんと言っても山田五十鈴が面白すぎた。仏頂面、したり顔、困った表情、「ワーイ」なんていう笑顔、自分の娘を嘲笑ったり、甘い声を出してみたり、うそ泣きしたり、捲くし立てたり。忙しい。警察に行くと脅されて「行くなら勝手に行ったらいいじゃないの!」、体裁のいいことを言う片倉に「目玉が欲しかったらあれでもこれでも持ってたらどう?!」、爺さんを追いつめて「歩くのよ! 歩くんだってば!」、そして「騙されるもんか、畜生!」(ズドン) いや~ 悪女演技、楽しそうだ。岡田茉莉子と取っ組み合いをしたり、斜面を転がったりと、体も張っていて、そういった山田五十鈴が見られただけで満足。なかなか面白かった。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-13 18:32:53) |
30. 秋津温泉
《ネタバレ》 これは岡山県の山奥なのかな? カメラワーク含め、とにかく画が綺麗。そして岡田茉莉子ってこんなに美しい女優だったんだな~と思った。映画出演100本目の記念だそうで、岡田茉莉子ファンには嬉しい出来だろうか。一映画としては、二人の出会いは新子が17歳の時になる訳だけど、そこから何年経ったのかが分かりづらいことや、駆け足に感じる部分(例えば周作の結婚)があるなど、「カラー版『浮雲』」になり損ねた映画という印象。格調の高さは感じるけど、多分、毒が足りないんでしょう…。5.5点。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-07-23 23:31:02) |
31. ある殺し屋
ストーリー自体は特にどうとも思わないが、主人公・塩沢の仕事っぷりはかっこいい。この2年後に亡くなる市川雷蔵のクールな存在感によって平凡な脚本もそれなりに面白くなると。さすがスター。成田三樹夫、野川由美子、小池朝雄も良かった。小林幸子は座頭市シリーズで見かけたんで、今回は驚かずに済んだ。時系列ずらしだけは少し注意してご覧になった方がいいかも。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-06-10 17:34:10) |
32. 愛人/ラマン
《ネタバレ》 原作者の自伝的作品とあって、特に何を言いたいという事もなく、若き日の体験が赤裸々に綴られていく。少女は愛を知らず、大人は皆弱かった。情緒的な映像が素晴らしく、ベッドシーンまで美しく撮れている。何よりジェーン・マーチの裸体はそのままで芸術。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-03 13:38:28) |
33. 赤ずきん
《ネタバレ》 主人公の姉が狼に殺されたのは自殺、あるいは殺人だと暗示し、いかにも怪しい人ばかり登場させる。一風変わったサスペンス劇場だ。さらにゲイリー・オールドマンの登場からは「人狼」なる怪物が村人の中にいるという話になってきて、みんなが疑心暗鬼に陥るというストーリー。別につまらなくはないが、人狼の正体が明らかになり、なんやかんやと聞かされても腑に落ちない。自分が人狼の立場ならもっと楽に目的を達成できると思えるからかな。童話「赤ずきん」に出てくる有名なセリフを無理やりねじ込んだり、狼の腹に石を詰めるエピソードで締めくくったりは意外と好き。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-04-28 13:15:52) |
34. アンノウン(2011)
《ネタバレ》 「交通事故に遭い、4日間の昏睡から目覚めると 妻は自分を「知らない」と言い、見知らぬ男が自分を名乗っていた!」←こんな不可思議な話の真実が(大筋では)矛盾なく出来ているってだけで、そこそこ満足。「おかしいだろ」と思っていた事がひっくり返って合点がいくのはなかなか気持ちが良い。ただ、やっぱりラストはいただけないな。何も自殺しろとまでは言わないが、そこにあるのは罪を背負った男の姿であってほしかった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-04-20 17:30:46) |
35. 愛と死の間で
前世の記憶、生まれ変わりとか、コメディ以外では難しいんだろうな~。この映画では俳優が真面目に演じれば演じるほど滑稽に見えてしまった。1991年なら既に名声を得ていたはずのロビン・ウィリアムスがこんな映画にこんな役で出演しているのが謎である。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-03-24 00:03:56) |
36. 青空娘
なんとなくだけど昔のテレビドラマはこれ系が多かった印象がある。ホームドラマって言うのかな。テンポが良く、賑やかで…。それの原型みたいに思えた。ストーリー展開は大層なものではないけど、若尾文子ファンなら見て損はないだろう。あぁ、末っ子小僧の羨ましさよ。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-03-06 18:04:12) |
37. アジョシ
結論から言えば期待したほどではなかった。単にアクションを楽しむ映画で、ストーリー自体の面白みは薄い。アクション映画も嫌いじゃないけど、韓国映画に求めてるのはもっと違うものだった。不必要に登場人物が多く、分かりづらくなっているのもマイナスかな… 似てる顔が多かった気もするし。ウォンビンの鍛え上げられた肉体は良かった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-02-24 18:08:15) |
38. アメリカン・ヒストリーX
《ネタバレ》 父を殺されたデレクが犯人のみならず黒人全体(有色人種全体か)を憎んでしまった理由は白人至上主義者だった父に影響された為だと後半で明らかになる。3年で考え方がほぼ180度変わったのは未来への希望だが、個人ではここまで。弟は説得できても、他人、特にこれが集団となっていた場合、手のつけようがない。昔に比べれば随分マシになったとはいえ、根深い問題だからこういう映画やドラマがちょくちょく作られるのは意味があるのかなと思ったり。本作はメッセージ性だけでなく、面白さも一級品だからおすすめ。あれだけの体を作り上げ、役に臨んだエドワード・ノートンの力も大きいだろう。 [DVD(字幕)] 9点(2012-02-05 13:31:00) |
39. アンストッパブル(2010)
《ネタバレ》 ジャドさん含めてプロフェッショナル、職人と言ってもいい男たちの命を懸けた仕事っぷりが実にカッコいい。会社の決定にも現場を知り尽くすフランクは脱線計画が失敗すると見抜き、独自の行動に出る。実際の事故では死者は出ていないし、モデルになった二人も上からの命令通りに動いていただけらしいが、映画としての面白さを考えればこういう事も必要だと思う。でも最後は忠実に作ったようで、止まった後は「あれ、それだけ?」とも思ってしまった。フランクが考えた作戦で止まった方が盛り上がりそうなものだけど、実話ものの価値を最低限は保とうとしたのかもしれない。面白かったのは間違いないが、最後が微妙でちょっと残念。でも8点くらいは余裕で。映像も良し、俳優陣も良し。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-10 17:36:03)(良:1票) |
40. アイルトン・セナ ~音速の彼方へ
《ネタバレ》 F1には全然興味がなくて、セナについてもブラジル出身の偉大なレーサーで事故死した…くらいの知識しか無かったため、なかなか楽しめた。セナvsプロストのライバル関係が熱い。これは盛り上がるの当然だな。その後の時代はシューマッハが強すぎてつまらなかったみたいだから、セナ、プロストの時代をリアルタイムで見ていた世代が一番だね。FIAの会長がフランス人で、同じフランス人のプロストを優遇、セナは厳しい条件で戦わされたりもしたが、それでも勝つところがヒーローなんだろう。でもウィリアムズ移籍後は「タッチ」の和也が死ぬ回みたいな妙な空気になってて悲しかった。そしてセナ死亡の一報を伝えるメディアとして、日本の映像が長々使われたのはびっくり。フジテレビ三宅アナとか若い…。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-20 21:45:51) |