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イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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41.  あじさいの歌
裕次郎と芦川いづみのコンビ作はかなり久しぶりに見たが、やはり若い頃の裕次郎はアクション作品よりもこういう文芸作品で等身大の青年役のほうが個人的には好きだ。相手役の芦川いづみはこの映画でも抜群に可愛く、美しく、彼女を見ているだけでこちらの顔が自然とほころんできて、これだけでもこの映画を見てああ良かったなと思う。劇中、芦川いづみが裕次郎に自分は世間的に見て美しいのかとたずねるシーンでは思わず見ているこちらがうなずいてしまった。それくらい本当に可愛くて美人で素敵なのだ。そんな可愛くて美しい芦川いづみを何年も自宅の外に出さなかった東野英治郎がはっきり言ってすごく羨ましい。って何書いてんだ俺。脇役陣をみると轟夕起子や殿山泰司、北林谷栄なんか出てて「洲崎パラダイス 赤信号」や「わが町」を見てる身としてはつい川島雄三監督を思い浮かべてしまった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-23 11:26:21)(良:1票)
42.  遊び
同じ増村保造監督のデビュー作「くちづけ」と同じような感じの青春映画。増村作品を以前に見たのはその「くちづけ」だったが、二本を比べるとこちらのほうが70年代前半という時代性もあってか、より内容が重く感じるが、これもなかなか良い映画だったと思うし、関根(高橋)恵子と大門正明が主人公を瑞々しく演じていてとても良かった。ただ、増村監督の作品としてはデビュー作の後にいきなり後期のこの作品を見たせいか、「くちづけ」にあった演出のテンポの良さがなかったのがちょっと残念。これが増村監督最後の大映映画らしいが、最初と最後が同じような青春映画なのは偶然だろうか。
[DVD(邦画)] 7点(2007-10-16 17:13:41)(良:1票)
43.  アルプスの若大将
クレージーキャッツの映画でのとても勢いのある演出が好印象の古澤憲吾監督による若大将シリーズ第7作。若大将が歌うシーンになると、いきなり加山雄三のプロモっぽくなったりして、先月見た1作目からの数年で加山雄三が一気にスターになったことがうかがい知れる。それが僕のような特に加山雄三のファンでもないような身からすると少々気にならないでもないし、それから公開当時に時の人だったと思われるような有名人がカメオ出演していたり、ヨーロッパの観光映画的側面もあるといった部分がちょっと時代を感じてしまうのだが、古澤監督らしい勢いのある作品でとても面白かった。これで若大将シリーズ見るの2作目なんだけど、田中邦衛はたぶんいつもこうゆうキャラなんだろうなあとかだんだんシリーズの楽しみ方が分かってきた感じ。エンドマークを見てパラマウント映画のマークを思い浮かべてしまった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-09-05 02:48:17)
44.  赤毛
岡本喜八監督の映画で主演している三船敏郎を見るのは初めて。五月に見た「座頭市と用心棒」が内容的にちょっと物足りない映画だっただけに同じくスタープロ(三船プロ)制作のこの映画にはそんなに期待してなかったんだが、こちらはわりとシリアスな作風になっていてそれでいて喜八監督らしいユーモラスなシーンもあり、(代官役の伊藤雄之助がとくにコミカルな演技をしていて笑える。)なかなか面白かった。ラストのええじゃないかの踊りは圧巻。主演の三船が「七人の侍」の菊千代のようなキャラクターなのは三船の当時の年齢もあって若干の違和感を感じるのがちょっとと思うものの、全体的には喜八監督らしい傑作だと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2007-07-26 14:23:42)
45.  赤線地帯 《ネタバレ》 
売春防止法が施行されるか否かという政治的な背景をバックに娼婦として生きる女たちの日常を描いた溝口健二監督の遺作。実際に売春防止法が施行される以前に作られているので題材としては当時非常にタイムリーな作品だと思う。ドラマとしての見ごたえも充分でインパクトもあるし、決して完成度は低くないと思うけど、それでも溝口作品としてはちょっと物足りない気がする。(こちらの求める要求が高すぎるのかもしれない。)ラストの女の子がちょっと怖かったのと黛敏郎の音楽が印象に残る。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-09-01 22:34:46)
46.  アンタッチャブル 《ネタバレ》 
昔テレビで見たときはさほど面白いと感じなかった映画だが、今回二十数年ぶりにDVDで再見したら、すごくシンプルで、それでいて展開もスピーディーで飽きさせず正直言ってこんなに面白かったんだと少し驚いてしまった。テレビドラマ化もされたノンフィクションが原作だが、実話の映画化にこだわることなく娯楽に徹したような作風になっている。ロバート・デニーロのカポネは登場シーンはそんなに多くはないものの、(昔に見たときはもっと出番が多い印象だったんだけど。)吹き替えで見ていてもその存在感はすごくて強烈に印象に残るし、これでアカデミー賞を受賞したショーン・コネリー演じる警官マローンも良い味を出していて、そのマローンがネス(ケビン・コスナー)に言う「仕事をやり終え、無事に家に帰ること。」というセリフは本作を象徴する名言。緊張感のあるシーンももちろん多いが、やはりクライマックスの駅の階段のシーンの緊張感はものすごく思わず見入ってしまう。最初に見た何年か後に「戦艦ポチョムキン」を見て元ネタのオデッサの階段シーンで思わず感動してしまった覚えがあるが、このシーンを見るとまた「戦艦ポチョムキン」を見たくなってしまった。エピローグのストーン(アンディ・ガルシア)との別れのシーンも良いのだが、その後のエンディング直前、禁酒法廃止を知らされたネスの一言は昔も良いなと思ったのだが、やはり今見ても好きだ。おっと、エンニオ・モリコーネの音楽も秀逸で忘れてはいけない。(2020年10月9日更新)
[DVD(吹替)] 7点(2005-11-14 01:58:44)
47.  アイ,ロボット 《ネタバレ》 
近未来が舞台の映画なので荒唐無稽なのかなと思っていたら、案外そうではなく現実の世界でも起こりうるようなストーリーだったのでけっこう面白く見られた。でも最後のほうで普通のアクション映画になってしまったのがちょっと残念。これは余談だが、ジェームズ・クロムウェル演じる博士の声を日本語版で演じているのは大木民夫。だから彼の「コンピューターの中にゴーストがいる。」云々のセリフが「攻殻機動隊」の荒巻が言っているようにしか聞こえなかった。
[ビデオ(吹替)] 7点(2005-08-24 02:21:47)(良:1票)
48.  AKIRA(1988) 《ネタバレ》 
昔に見たときはとにかくストーリーのわかりづらさと一部のキャラクター(老化した三人の子供など。)の気持ち悪さだけが印象に残り、細かなところはほとんど忘れていたが、久しぶりに見てみるとストーリーはやっぱりよくわからないものの、そこまで難解というほどでもなく、(でも、たぶん原作の漫画を読まないと全部は理解できないかも。)キャラクターの気持ち悪さもあまり気にならなかった。映像的には冒頭のバイクチェイスシーンをはじめ、30年以上前の映画とは思えないほどの迫力で、作画もすごく、これを見ているだけでじゅうぶんに浸れるし、楽しめる。それにもっと暗い映画という印象も以前見たときには持っていたのだが、ところどころにユーモアもあり、決してシリアス一辺倒になっていないのもいい。金田のバイクが有名な本作だが、話にかかわる重要なアイテムかと思わせておいて全くそうではないのはご愛嬌かと。でも、確かにカッコよく、惹かれるものがある。第三次大戦後の2019年が舞台で、劇中では2020年に東京オリンピックが開催されるという設定なのが、実際に東京でオリンピックが開かれることになっている今現在に見るとなにか予知能力を持った人が考えた物語のように思えてしまうところにも、得体の知れない本作のすごさを感じずにはいれない。(まあ、偶然と言ってしまえばそれまでなんだけど。ちなみに本来開会式があるはずだった日にこれを書いてます。)なににせよ、アニメ界にとってエポックメイキングな映画だったことは理解できる。おっと書き忘れるところだったけど、芸能山城組の音楽もものすごく合っていてとても良かった。少し甘めかも知れないけど、これに1点プラスして7点を。(2020年7月24日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2005-07-30 02:11:10)
49.  阿部一族(1993)<TVM> 《ネタバレ》 
殉死というのは今現代に考えるとちょっと異様さを感じる風習のように思うのだが、深作欣二監督はそういう武士の忠義と、それに対する社会勢力とを対比させながら重厚さと格調の高さをもって描いていて、2時間ドラマのテレビ時代劇とは思えない劇場公開映画のようなクオリティの高さがあり、とても見ごたえのある時代劇に仕上げている。後半は阿部一族が藩に抵抗していく様が描かれていて、小林正樹監督の「上意討ち 拝領妻始末」を思い出すが、実際にもこういう事件はあったのだろうと思わずにはいられない。この事件は双方に多数の死者を出す悲劇になるのだが、すべてが終わった後になにか空しさを感じさせるラストになっているのも良かった。深作監督らしい激しいシーンはテレビ作品ゆえかいつもより控えめなのだが、クライマックスの阿部一族と藩の討手の戦いのシーンはいかにも深作監督らしい激しいアクションが展開されていて、これも見どころ。中でも佐藤浩市と真田広之の決闘シーンはリアルで迫力があり、深作監督の演出もここは力が入っていて、見ごたえもじゅうぶんだ。しかし、このクライマックスはそれまでの重厚な雰囲気と違いすぎて全体としては少々バランスが悪くなってしまった感があるのはやはりちょっと残念だった。でも、深作監督は明らかに映画を意識して本作を手がけているのが見ていてよく分かる作品になっていて、テレビ作品だからと言って侮れるものでは決してない骨太な時代劇としてじゅうぶん傑作といえる作品だと思う。(2014年8月28日更新)
[CS・衛星(邦画)] 7点(2005-06-30 14:30:55)
50.  OUT(2002) 《ネタバレ》 
偶然つけていたテレビで桐野夏生のインタビューが放送されていて、見ていると本作の映像も流れ、懐かしくなって初見以来久しぶりの再見。弁当工場で働くそれぞれに問題を抱えた4人のパート主婦たちが一人が起こした殺人事件をきっかけに社会から脱していくさまを描いていて普通なら重くなりそうなテーマだが、それをどこかあっけらかんと見せていて、とくに前半の見せ場である弥生(西田尚美)の夫(大森南朋)の死体を弥生を除いた三人で解体するシーンなどはやっていることは確かに凶悪犯罪そのものなのだけど、おどろおどろしさよりも死体解体に臨む主婦たちの平凡さとうろたえぶりがどこか笑いを誘い、演出の軽さもあって脱力してつい笑ってしまう。(それ以前の弥生の家にかけつけた雅子(原田美枝子)が弥生の夫の死体を見たときのリアクションもどこか軽かったのでこの時点からすでに笑ってしまっていたのだが。)死体処理の仕事を受けよった雅子たちが最初と違って手際よくことを進めていくのも見ていてつい笑ってしまうのだが、劇中で言及もされているように弁当工場のパート主婦という設定はここで活きていて、このための設定だったと分かる仕組みになっている。確かに後半はやや失速した気がしないでもないし、雅子とベテランパート仲間であるヨシエ(倍賞美津子)との友情話が始まるのは唐突に感じる部分ではあったが、この雅子とヨシエの話もうまく描かれていてそこまで悪くはなかった。カラオケで「人生いろいろ」を歌うシーンが初めて見た時から印象に残っているが、今見てもやはりこのシーンはとても秀逸で、本作の中でいちばんの名シーンだと思う。欲を言えば雅子の家族の背景が描かれておらず、口を利かない息子や万引きしてしまう夫(小木茂光)の存在が中途半端に感じてしまったのはちょっと残念だったかも。(このあたりはたぶん原作を読めばいいんだろうなぁ。)佐竹を演じる間寛平の悪役演技は彼の普段のテレビでのイメージから賛否両論みたいだけど、個人的には普通になんの抵抗もなく見れたし、役者として普通に上手いと思った。希望のある終わり方で見終わった後の後味が良いのも個人的には好きだ。(2022年7月4日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2005-04-20 21:03:07)
51.  愛の渇き 《ネタバレ》 
蔵原惟繕監督と浅丘ルリ子主演コンビによる三島由紀夫原作の映画。冒頭からのヨーロッパ映画のような雰囲気には引き込まれるし、映像の美しさや、テーブルを囲んだ一家のやりとりを上から見下ろすような長回しのワンカットで見せるなど、印象に残る部分はあるが、主人公である悦子にもちょっと感情移入しづらいものがあり、(浅丘ルリ子は熱演していて良かったのだが。)その悦子に身を任せている舅(タイトルバックが流れる直前の悦子との絡みシーンがとてもエロチックに感じる。)を演じているのが中村伸郎というのはなんか違う気がする。それに三郎を演じる石立鉄男にも説得力が感じられずドラマとしてはなんかイマイチ。しかしさっきも書いたように映像的な演出面についてはなかなかよく、中でもパートカラーで時折出てくる赤い色が鮮やかで印象的。とくに完全に映像がカラーになり、悦子が赤い夕陽を背にして歩くラストカットが鮮烈だった。5点かとも思ったがやっぱり6点を。
[DVD(邦画)] 6点(2023-07-02 15:04:40)
52.  アナと雪の女王/家族の思い出
「アナと雪の女王」のスピンオフ第2作で、マスコット的キャラクターである雪だるまのオラフを主人公にしている。内容はオラフがエルサとアナのためにクリスマスの伝統を捜しに行くというものだが、全編オラフを中心としたPVを見ているような印象があるものの、ほかのディズニー短編と比較して上映時間22分と、30分アニメ一本分くらいの長さがあるためか、起承転結がしっかりしていてそこそこ面白く、オラフのキャラクターとしての魅力もよく出ている。「アナと雪の女王」本編を見終わって本当に直後に見たためか、舞台の街の雪景色を見て、またエルサと思うところだったが、舞台がクリスマスなので、冬の時期に降る自然の雪なんだと思いなおし、ちょっと感慨深い気持ちになった。
[地上波(吹替)] 6点(2019-05-06 22:52:37)
53.  アウトレイジ 最終章 《ネタバレ》 
前作で完結とうたっておきながらまだ続きがあるような終わり方だったのでどうかなと思っていたら、やっぱり出たシリーズ第3作。しかし今回は今までと比べるとかなりおとなしく、このシリーズの魅力の一つであった激しい罵り合いや殺しのシーンも迫力やインパクトに欠け、印象に残るシーンも少なく盛り上がらないし、逆に前作からの数年間で病気をしてしまった西田敏行と塩見三省が見ていて痛々しく感じた。とくに中田を演じる塩見三省は前作で迫力のあるドスの利いた演技を見せていただけにあまりの変わりようにビックリ。たけし映画としてもかなり平凡な出来で今まで感じたことのないようなやらされてる感じがして物足りなかった。それに本作のあとしばらくしてたけしの事務所独立騒動が起こったが、そのあとになって本作を見るとやはりたけしは乗り気がしないまま作ってしまったと思えてならないし、シリーズとしても三本全部見て最初の作品が一番面白かったという、シリーズものにありがちな感想になってしまう。やはり映画監督としてのたけしには好きなように映画を作っていてほしいと思う。それでもラストの虚無感は既成感はあるものの、やっぱりこういうところがたけし映画らしさを感じる部分ではある。「アキレスと亀」以来久しぶりに大杉漣がたけし映画に出ているのが嬉しく、やっぱり大杉漣はどんな作品に出ていてもたけし映画に出てるイメージが強く、本作でも堅気から先代(神山繁)のあとを継いだ花菱会の会長を演じているが、その勢いだけの小物というキャラが良く合っていた。結果的にこれが大杉漣にとって最後のたけし映画出演になってしまったのは残念だが、やっぱり大杉漣は寺島進と並んでたけし映画に無くてはならない存在だったと思う。あらためてご冥福を。そして独立したたけしが今後、どんな映画を作るのか、ちょっと気になるし、不安ももちろんあるが、楽しみでもある。
[DVD(邦画)] 6点(2018-08-25 18:16:03)
54.  赤穂城断絶 《ネタバレ》 
深作欣二監督による忠臣蔵。組織対組織、権力への反抗といった物語の描き方や、決して美談だけに終わらせないところ、そして赤穂城を明け渡すか否かのシーンの浪士たちの熱気や討ち入りシーンの血なまぐさい派手な斬り合いといった部分に深作監督らしさは感じるものの、全体的にはかなりオーソドックスな作りで安心して見られる反面、深作監督なのだからもう少しドラマ的に激しさや盛り上がりがあってもよかったのではと思えなくもない。吉良を演じているのが金子信雄で、見る前は山守のようなキャラの吉良を期待していたが、確かに憎々しさはよく出ているものの、インパクトはそれほどなくやや肩透かしといったところ。浪士の一人である橋本(近藤正臣)にスポットがあてられ彼が主役のサイドストーリーが描かれているのは本作の中でいちばん深作監督らしさを感じる部分で、実際にこの部分は面白かった。(いつもの深作監督のヤクザ映画ならこういう人物こそ主人公だよなと思う。)忠臣蔵映画では珍しく討ち入り後の四十七士の切腹までを描いているのが新鮮だった。ここがけっこう長いのだが、ここがあることで最初に書いたように決して美談では終わらせないぞという深作監督の意地も感じることができる。深作監督は当初吉良を主人公に本作を構想していたみたいだが、一度はそういう吉良側から見た忠臣蔵を見てみたい気もする。それともう少し、深作監督は後年になって「忠臣蔵外伝 四谷怪談」を手掛けているが、あの映画は本作に不満を持っていた深作監督のリベンジの意味もあったのかなあと思ってみたりもする。これで深作監督の時代劇映画はすべて見たことになるのだが、思えばいちばん最初に見た深作作品が「忠臣蔵外伝 四谷怪談」だった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-06-24 17:17:05)
55.  網走番外地 決斗零下30度 《ネタバレ》 
シリーズ第8作。一作目に出演していた丹波哲郎や、シリーズ初期作で毎回悪役を演じていた安部徹が久しぶりに出演していてなにやら懐かしい気になるし、冒頭に真一(高倉健)の殴り込みシーンが回想的に入っているのもちょっと集大成的な感じがしなくもない。(その中で出てくる「七つの子」を歌う男は杉浦直樹かと思った。)そんな今回は真一が列車の中で出会った父親を捜す少女とともに向かった炭鉱が舞台になるわけだが、例によってその炭鉱ではいざこざが起きていてという筋立て。健さんと炭鉱といえば「幸福の黄色いハンカチ」をどうしても思い浮かべてしまうのだが、やはり東映アクション映画である本作は当たり前だがまったく違う映画になっている。今回も健さんはかっこいいのだが、それ以上にかっこいいのが丹波哲郎扮する喫茶店のマスターで、もちろん一作目とは違う役柄だが、出てくるだけで画面のすべてを持って行ってしまいそうな勢いを感じた。少女の捜していた父親が大槻(田中邦衛)というのはシリーズを連続してみているとどうなのかと思う部分もなくはないが、前後のつながりを重視するシリーズではないのでこれでいいのだろう。(東映のシリーズものでこれを気にしていたらキリがない。)ドラマとしてはシリーズの定番ともいうべき真一とこの大槻の娘との交流がみどころとなるはずであるが、今までのこのパターンの回と比べるとその部分はちょっと弱い印象があり、そこが残念といえば残念。でもこの少女のませたキャラクターはよく立っていた。今回面白かったのは冒頭の列車の中でのマジックシーン。手に火がついて慌てる真一がなかなかお茶目で、後年の出演作では見られないような健さんの演技もこのシリーズの見ものなのかもしれない。同じく列車のなかで登場する由利徹も持ち前のコミカルな味をいかんなく出している。
[DVD(邦画)] 6点(2018-01-31 01:19:49)
56.  網走番外地 南国の対決 《ネタバレ》 
シリーズ第6作。高倉健といえば北国、雪というイメージが強く、このシリーズもタイトルどおり舞台は北海道なイメージだが、今回は「南国の対決」というサブタイトルで「網走番外地」シリーズなのに沖縄が舞台、というところに突っ込まずにはおれないが、当時返還前だった沖縄でロケをしているという点でシリーズでは初めての海外ロケということになるのかな。まあそれはおいておいて。今回は橘真一(高倉健)が組長の不審な死がきっかけで沖縄に真相を探りに行くといういかにもな任侠映画定番の筋立て。先週見た「荒野の対決」が任侠映画という感じがあまりしなかったのと比べると対照的だ。健さんと沖縄というのが見る前はミスマッチな感じがしていたのだが、実際見てみるとそれがむしろ新鮮な感じがした。真一と子供の友情を絡めているのもこのシリーズらしく、今回は船の中で出会った少年の母親探しというエピソードがサイドストーリーとしてあり、少年と母親との再会というのがハイライトになっているが、見つけた母親(三原葉子)のけばい姿を見て逃げてしまい、(気持ちは分かる。)真一が母親を説得するのだが、真一が真顔でさりげなくギャグを言い放つもんだから本当はしんみりしないといけないシーンなのに思わず笑えてしまった。それに谷隼人と大原麗子が敵に捕まって大ピンチというときにどこからともなく現れる鬼寅(嵐寛寿郎)。パターンではあるが、今回鬼寅の出番が前半になかっただけに思わずお前どっから現れたんだと笑いながら突っ込んでしまった。それでも演じるアラカンの殺陣は老いていても素直にかっこいいと思えるところがすごい。健さんももちろんかっこいいのだが、今回はクライマックスの対決シーンがえらくあっさりとしているのが物足りないといえば物足りない。でも、少年の父親である悪の親玉(河津清三郎)が少年に真実を告げぬまま死んでいくシーンはありがちなお涙頂戴シーンではあるが、やはり少しほろっとさせられる。でも、この映画、やはり沖縄が舞台のせいか見ていて途中から「網走番外地」シリーズの一篇であることを忘れそうになる部分もあった。さっき書いたように健さんと沖縄という組み合わせは新鮮だったんだけど。
[DVD(邦画)] 6点(2018-01-20 18:27:24)
57.  網走番外地 荒野の対決 《ネタバレ》 
シリーズ第5作。約1年ぶりにこのシリーズ見るのだが、今回は「荒野の対決」というサブタイトルどおりかなり西部劇を意識した作風で、北海道が舞台のはずなのにちゃんと西部劇らしい雰囲気が出ているのがまずすごいし、話のほうもヤクザではなく、牧場のイザコザというあたりも任侠映画ではなく西部劇を思わせている。この話を「日本侠客伝」シリーズや「昭和残侠伝」シリーズでやってしまうと違和感がすごそうなのだが、「網走番外地」シリーズの場合だと先の二つに比べると任侠映画というよりアクション映画という印象が強いせいか、そこまで抵抗なく楽しめる。それに東映の映画で馬に乗っている高倉健というのもなかなか新鮮だった。(かつて時代劇スターだった鬼寅役のアラカンが西部劇調の作品に出演しているのもけっこう新鮮な感じ。)今回のドラマ部分のハイライトは健さん演じる橘真一と彼になつく仔馬 花子とのふれあいなのだが、これが動物相手だからか見ている方としては感情移入しやすく安心して見ることができ、この辺は動物映画のようでもあった。しかし、今回は敵側に殺されるのが主人公側にいる人間ではなく、敵である河津清三郎たちと対立している牧場(主人公側)の馬というのが意外だった。馬たちを目の前で殺されたヒロイン(大原麗子)の泣き叫ぶ姿が悲痛で印象に残る。ここから殴り込みシーンになだれこんでいくのだが、さすがにライフル片手というわけにもいかず、いつものようにドスを片手にというのがやっぱり東映の健さん映画らしい。杉浦直樹がこのシリーズでまたもインパクトの強い役柄で登場していて印象に残るが、彼の正体が明かされるのが最終盤であるというのはちょっとまずかった気がして、もう少し早く明かせていればよかったかなと。それと敵ボスである河津清三郎がとどめを刺されないで終わるのもこの時期の東映のシリーズ映画では珍しく思う。カタルシスはないかもしれないが、たまにはこういうのもアリだ。
[DVD(邦画)] 6点(2018-01-13 16:20:10)
58.  暗黒街最大の決斗 《ネタバレ》 
井上梅次監督による東映暗黒街シリーズ第2作。今回も任侠映画とは違う印象が残る映画になっていてとくに話にアメリカマフィアが絡んでいるところはいつもの東映ヤクザ映画にはないことでこれがけっこう新鮮。鶴田浩二演じる主人公が友人(大木実)と弟(高倉健)の板挟みになるなどドラマ重視の展開で、主要登場人物の中で純粋悪となる人物も安部徹だけというのが少し異色に感じる。確かにドラマ部分はよく出来ていると思うものの、「暗黒街最後の日」を先週に見たばかりのためか、比べてしまうとアクション映画としてはやや物足りなさが残る感じかな。植村謙二郎がドスを片手に乗り込んで行って射殺されるまでの展開はドラマとしては任侠映画の作風に近く、切なさもあり、やはりここがいちばん印象に残った。東映動画時代の高畑勲監督が助監督として実写劇映画に参加しているのが珍しい映画でもある。
[DVD(邦画)] 6点(2017-07-08 16:15:21)
59.  網走番外地 悪への挑戦 《ネタバレ》 
シリーズ第9作。今回は網走で刑期を終えて九州へやってきた橘真一(高倉健)が鬼寅(嵐寛寿郎)が働く不良少年の更生施設で働くことになるところから話がはじまり、刑務所帰りの真一が不良少年たちを更生させていく話・・・にはなっていないのがさすがにこの時期の東映の健さん映画。ストーリーとしての見どころは施設を脱走した一人の不良少年(谷隼人)と真一の友情なのだが、これがやっぱり印象に残るものになっていて良いアクセントになっている。川津祐介がメインゲストとして出演していたり、敵役のヤクザの親分を演じるのが東宝専属の田崎潤だったりと、東映ではなじみのない俳優が出演しているのが新鮮に感じられた。(この時期の田崎潤の他社出演は当時の邦画の斜陽を感じなくもない。)不良少年の一人を演じる石橋蓮司も若いが、不良少年たちの中に「男はつらいよ」シリーズで博を演じる以前の前田吟の姿があるのはけっこう貴重だ。それともう一つ、いつもは主人公の仲間として出ている印象が強い田中邦衛がほんのチョイ役なのは意外に感じる。(久しぶりにこのシリーズ見るからかもしれないが。)ラスト、威勢のいいだんじり囃子の聞こえる中で殴り込みが行われるのは演出としてなかなか効果的だったと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2016-12-30 12:49:21)
60.  悪人 《ネタバレ》 
「悪人」というタイトルは殺人事件を犯してしまった主人公を差しているのかと思っていたら、そんなに単純な話ではなく、人間誰しもが持っている闇の部分を描いている映画になっていて、演じている俳優たちの演技も素晴らしく、淡々とした展開だが、最後まで集中して見ることができた。とくに事件の真相が明かされるところまでは目が離せない。しかし、事件の真相が明かされてからの主役ふたりの逃避行にイマイチ乗ることができず、行動がすごく浅はかに見えてしまい、共感はできない。演じる妻夫木聡と深津絵里は熱演していて、演技自体はいいだけにこれはちょっともったいなく感じた。(ついでに言うと前半で初めて会った二人がいきなりラブホテルに行く展開は理解できない。)それよりも娘(満島ひかり)を殺された父親(柄本明)には少しだけだが感情移入することができた。しかし、増尾(岡田将生)のある一面だけを見て人間性を判断しているあたりは「こういう人いるよね」と妙に客観的になってしまったのも事実だ。主人公の祖母(樹木希林)が騙されるエピソードはほかと何も関わりがなく、浮いて見え、取りあえずこの祖母にもなにかないとと付け足した感じが否めない。演出に関しては見る人をグイグイ引き込む力があり、最初に書いたように見ていて退屈はせず集中して最後まで見ることができるのだが、ドラマとしては描き方が一面的な人物が多く、薄みで物足りなさがある一方でいろんなことを描きすぎて大味に感じるという印象が残る。このあたりはもう少しなんとかなったのではと思うと惜しい映画だと思う。音楽は久石譲なのだが、彼の最近の担当作品の中では久々に耳に残るようなテーマ曲だったのは良かった。それともう一つ、作中で出会い系サイトが重要な役割をしていて、主役ふたりが出会うきっかけも出会い系サイトなのだが、深津絵里(ラストのタクシーのシーンでの抑えた静かな演技が良い。)がネットで男と知り合う役を演じていると「(ハル)」をつい思い出してしまう。本作でも赤い服を着て白い車に乗っているのでなにかよけいにかぶって見えた。
[DVD(邦画)] 6点(2016-09-20 12:02:18)
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