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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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41.  AKIRA(1988) 《ネタバレ》 
原作好きの俺にとって、アニメ版は終わり「しか」描いていないので不満が残った。  オマケにあの時点では死なない筈のキャラを殺しやがって・・・誰だ殺した脚本家は!? 大友じゃないとしたらってゲエエ~おめえは橋本以蔵! 「軍鶏」でもあんな事やこんな事を(おっとこの件はデリケートすぎるのでこれ以上書くとヤバイ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ともかく本作はビルのガラスの一枚一枚を丁寧に描いたオーパーツの結晶とも言える作品。 冒頭のバイクシーンや動きのぬるぬる感が最高。 超能力の描写も、漫画で描く限界を超えた迫力を感じた。 佐々木望もこの頃はまだ棒読みだがほどよい感じで味わいがあり、岩田光男も悪ノリ暴走しない落ち着いた演技で好印象。時間が進む度に声に馴染んだ。 原作に沿った展開までは良かったけど、やっぱりあの終わり方は気に入らない。 だって原作は「人類が滅んだ後」もしっかり描いたからこそ良かった。 主人公たちが再び滅びようとする中でどう生き、どう死ぬのか。 その辺の描写がたまらないのだ。それが無い本作はやはり物足りなさを感じる。 この映画はアニメ史に永遠に残る「名作」にはなったが、原作を最後まで超えられなかった名作であろう。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-13 18:57:19)
42.  アンドロメダ・・・ 《ネタバレ》 
ロバート・ワイズのSF映画は結構面白くて好きなのだが、流石に「地球が静止する日」や「スタートレック」等に比べると派手さに欠け題材も取っ付きずらい印象。  宇宙船やら宇宙人やらが出てくる映画を期待した人間はさぞかし肩透かしを喰らったと思う。 本作のSFは「少し不思議」なミステリー仕立てだ。  人々が全滅した街に残された「未知」。 生存者は? 何故生存したのか? 物語は淡々とした作りだが、徐々に「未知」の招待に近づいていく緊迫感が漂う。  近未来風のセットではなく、あくまで当時の技術で魅せる事にこだわった造り込み。  宇宙人はいるのか? 地球外生命体はいるのか? いずれにせよ、地球外生命体が本当に発見された時が再評価の時だと思う(スタートレックしかり)。  核で成長とかその発想はなかったわ。 そういやトランスフォーマーで「レーザーウェーブ」ってロボットがいるのよ。 好物が核燃料だぜ? 是非とも福島の復興に来てください(超切実)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-10 08:20:07)
43.  あなた買います 《ネタバレ》 
「人間の條件」以降の小林正樹は苦手だが、それ以前の「この広い空のどこかに」や「黒い河」「三つの愛」といった庶民的でコンパクトなドラマはかなり好きだ。 小林正樹が苦手という人も、初期の作品を見てから判断しても遅くはないだろう。  この「あなた買います」もまた、そんな好きな映画の一つだ。 当時のプロ野球界の選手獲得問題を巡って、ドロドロかつシュールな奪い合いを描いていく。 いつもの堅苦しく窮屈な感じはしないし、何より利用する側と利用される側の立場が徐々に入れ替わっていく駆け引きが面白い。無垢な人間を“演じて”いた事が発覚する瞬間が怖い。   まず冒頭のシークエンスからして素晴らしい。 駅に着いた機関車から車、新聞とシーンが繋がっていく。 新聞に掲載された野球選手の写真、運転手と男の会話。これだけでも彼が「野球と何か関わりがある」と想像させてくれる。 男は山から海まで誰かを探しまわり、ビルの事務所らしき場所に“戻り”、またすぐに野球場へと“出掛けて”行く。 車が轢きそうになった女性が、野球場で活躍するある選手に笑みを送る女性として再び姿を現す。  とここまで、短いショットを繋げたスピーディーな演出で一気に引き込まれてしまった。  佐田啓二の演技も良いし、何より伊藤雄之助の存在感!  後期の小林正樹が好きな人は物足りなさを感じるかも知れないが、俺のように後期よりも初期の小林正樹の方が惹かれるという人にこそこの映画を見て貰いたい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-10 08:11:22)
44.  アビス/完全版 《ネタバレ》 
この頃のキャメロンはマジで神。 「エイリアン2」や「ターミネーター」なんか娯楽の醍醐味が凝縮された傑作だし、「殺人魚フライングキラー」は色んな意味で最高傑作だと思う。 「タイタニック」なんてお粗末な映画を撮ったことが未だに信じられない。  本作「アビス」も悪くない出来だと思う。 確かに無駄に長いが、潜水艦によるスリリングなバトルの数々。未確認生命体・未知の敵との戦闘はスピルバーグの「ジョーズ」を思い出す。更には潜水艦という密室の恐怖。敵に殺されるか、自分で自分を追い詰めてしまうか。 後半の怒涛の追い込みは凄かったけど、詰め込みすぎていて余裕を感じられない。尺の長さもかなり脚を引っ張ってしまっている印象。 それでもキャメロンファンにはたまらない作品だろう。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-08 23:48:49)
45.  朝日は輝く 《ネタバレ》 
溝口健二の初期のサイレント作品。  これは元のフィルムの四分の一しか残っておらず、「東京行進曲」同様ダイジェストみたいな作品だ。  光の洪水から始まるオープニング、 電光掲示板でタイトルを出す斬新さ、 新聞と地球儀の数で月日を表す、 当時としては珍しい空撮映像、 新聞を製造する機械のうなりが聞こえるよな映像とかなり凝った実験的な作りだ。 完全に朝日新聞の宣伝ですハイ。そっちの「朝日」かよ!  溝口健二も結構職業監督というか、国の政策で幾つか映画作ってたんだな。 こういう映画と他のサイレント映画もいっしょくたに国が管理してくれていたらよかったんだがなー・・・残念だ。  戦争みたいな映像や関東大震災後の東京をチラリと映す。 それを新聞の記事として執念で追う記者たち。 記者にとっては大事な仕事、ただ一般人には邪魔だよな。 それでも記者は命懸けでネタを追う。 船の事故の時も「後でたらふく助けるから先にネタをくれ」だ。 図太いんだか白々しいんだか。  あっという間の25分だった・・・。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-07 21:20:33)
46.  アフリカの女王 《ネタバレ》 
セシル・スコット・フォレスターの冒険小説を映画化。 舞台は第一次大戦下ドイツ領アフリカ。 宣教師の兄セイヤーと妹ローズとオンボロ民間船「African Queen号」船長チャールズ3人ののどかなやり取り、 戦争によって焼かれる村々、 理不尽な暴力に抗おうと立ち上がる男と女の冒険活劇! 序盤は淡々と話が進むが、徐々に盛り上がっていく演出は見応えがある。 一本の河を通じてアフリカの雄大な自然を突き進む面白味。 そしてラストの「おい嘘だろ(笑)」と思わず言いたくなる衝撃のクライマックス!  今作のハンフリー・ボガートは、いつも漂うキザったらしい嫌らしさが無い。 飾らないで自分をさらけ出したありのままの人間像。 死を目の前にして、愛する女のためにあんな事を言い出せる。 いやあ「漢」だねえ~。 髭面でも男らしい匂い漂うボガートの味のある演技は見もの。 キャサリン・ヘプバーンも良い。 アフリカに兄と二人で布教にやってきた力強さ。 兄の仇を討たんと男勝りに行動できる勇気が出てたね。 この頃はもう良い歳したおばさんなんだけど、髪をパラッとした時のあの色気。 子供みたいに元気でシャキシャキ動く姿は若々しさがあって美しい。 敵の戦艦「ルイザ号」の船長を演じるセオドア・ビケルも面白い役どころ。 さらには過酷を極めるアフリカでのロケ。 二人とも倒れそうにヨレヨレなんだけど、「こんな事で負けてたまるか、一矢報いるまでは死なねえぞ」と気迫に満ちた表情。 それもそのはず、監督のジョン・ヒューストンがスタッフそっちのけでハンティングに熱中。 「人の苦労も知らんであの野郎!てめえもこの魚雷で沈めてやるぞゴラアアアッ!」とスタッフも希薄に満ちた演出をこなす。 特にジャック・カーディフの執念に満ちたカメラワーク! 激流を撮る撮る撮りまくる! 「赤い靴」や「黒水仙」で発揮したカメラをここでも発揮しているのは流石である。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-07 20:22:07)
47.  アンダルシアの犬 《ネタバレ》 
何を考えてんだかわけがわからない、でも何故か飽きないそんなブニュエルと言えば「アンダルシアの犬」。  個人的にブニュエルは「ビリディアナ」や「忘れられた人々」等メキシコ時代の傑作群で一目置く存在だ。 「よくこんな変な映画撮れるよ」と首を傾げながら拍手しちゃう監督だよ。  が、フランス時代の「アンダルシアの犬」はサルバドール・ダリ×ブニュエル・・・考えうる限り最高に意味不明な投げっぱなし映画が産まれないワケが無い。 ある意味映画を芸術(よくわからないけどとにかく凄いんだろうな)にしちゃったコンビです。 犯罪レベルで偉大な二人だ(きっと褒めてると思う)。  シュルレアリスムをテーマにした映画はジュルメール・デュラックの「貝殻と少女」を皮切りに マルセル・レルビエの「人でなしの女」、 ジャン・コクトーの「詩人の血」、 日本でも衣笠貞之助の「狂った一頁」などがある。 が、それよりも遥かに難解を極めた作品がブニュエルの「アンダルシアの犬」なのだろう。  映画は芸術?娯楽? 無論娯楽以外の何者でもない。 「映画=映像、無粋な言葉はいらない」という考えには大いに賛同する。  ただ、ストーリーを重視する俺は映画の芸術性や美しさというものは自然に生まれる存在だと思っている。 ダリやブニュエルも「自分の夢を映画にしたら面白いだろう」という発想からこの映画を作った。 だってブニュエル本人が剃刀男を演じてんだぜ? 100%本気でふざけています(褒めてる)。 ダリもそんな格好で何してんだwww  悪夢、手、乳揉みと後のブニュエル映画の要素が揃った短編。  眼球ぱっくり、 謎の手首、 虫がたかるほど臭い手、 おっぱい揉んで吐血、 謎のピアノにロバの死体、 掴んだ木の板を銃に変える謎能力、 脇ツルツルで感動、 とりあえず砂浜・・・意味不明すぎる。やりたい放題すぎだろ・・・(乳揉みも)。 凄まじい嫌悪感、病みつきになると抜け出せない魅力・・・それがルイス・ブニュエル。 「黄金時代」も酷い映画(賛辞)だったよ。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-01 20:28:24)
48.  赤線地帯 《ネタバレ》 
世間では評価の低い今作ですが、私には「山椒大夫」や「雨月物語」よりもずっと残酷で恐ろしい作品です。そりゃあ「夜の女」に比べると人物の掘り下げや辛辣さは無いですが、テンポの良いストーリー、一見軽快に振る舞う女たちが背負う心の闇。若尾文子のように成功を収める狡猾な女もいれば、木暮実千代のように出来てしまった子を育てるのに奮闘する女、息子に愛情が伝わらず絶望・発狂する女、と様々な女の栄枯渇水をまざまざ見せつけられます。56歳にしてこれほど若いエネルギーに溢れる作品。もっと面白い、もっと凄い映画を撮ったかも知れない・・・そう思うとこの作品が遺作として人々に記憶されるとは皮肉にも感じられます。ああ・・・もっと見たかった・・・こういう溝口映画を・・・。
[DVD(邦画)] 9点(2014-10-02 06:06:07)
49.  あこがれ (1958) 《ネタバレ》 
トリュフォーが「大人は判ってくれない」で長編デビューする以前に撮られた短編。 物語は自転車を漕ぐ美しい“あこがれ”の女性に憧れる子供たちが、“あこがれ”の女性と男性が愛し合っている様子を見て“嫉妬”する様を描く他愛の無い話だ。 トリュフォーの映画にはよく子供が出てくる。 木漏れ日の中、自転車を気持ちよく漕ぐベルナデッド・ラフォンが可愛い。あのロケットおっぱ(ry 子供たちが銃で撃ち合う“ごっこ”遊びは微笑ましいけど、徴兵され本当に戦場で殺し合う人間たちを暗喩しているのだろうか。 水を撒いている人間のホースを踏むイタズラはリュミエール兄弟やチャップリン作品へのオマージュか。 テニスをする“あこがれ”たちの横でタバコを回し呑みする悪ガキたち。ボールを取りにくる“あこがれ”にちょっかいを出したりする。 子供たちの“嫉妬”はエスカレートし、“あこがれ”の女性が男性とキスしたり抱き合ったりしている茂みを発見して邪魔しようとする。男性は邪魔するが、子供たちは楽しそうだ。 そんな男性はやがて徴兵され彼女とはなればなれ。 徴兵や戦争は後の「夜霧の恋人たち」や「終電車」といった作品でも触れられている。 穏やかな日常を描いて良い作品だった。この映画の後に「アメリカの夜」や「大人は判ってくれない」といった作品を見るのが楽しいのです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-02 06:05:55)
50.  荒武者キートン 《ネタバレ》 
バスター・キートンの最高傑作というと「将軍」や「セブン・チャンス」も挙がりますが、ストーリーの随所でアクションが炸裂する「荒武者」を私は推します。  単なるコメディ映画として片付けるにはもったいないほど練られたストーリーとアクション。 首が折れても撮影を続行するようなクレージーな俳優はキートンとジャッキー・チェンぐらいです。  昔から争い続ける二つの家。 同士討ちから始まるファーストシーン、時が立ち家の再興をかけて故郷に戻る主人公。 キートンというと無表情が売りですが、笑わずとも表情豊かなしぐさはとても魅力的な存在です。 犬と戯れるキートンは可愛いです。  しかし故郷に戻ってみれば爆破される家、電車で中を深めた娘も、実は父親が争っていた家の娘だった。 争う宿命にある男を愛してしまった娘・・・キートン映画はコメディである事を忘れるような設定のオンパレードです。  主人公は負けずに暗殺の危機をのらりくらりとかわして行きます。 爆走、馬、汽車泥棒、断ダイブに滝における「救出劇」! キートン渾身のアクション、今見ても思わず思わず拍手してしまうほど凄味があります。 「セブン・チャンス」の鬼神の如き爆走といい、キートンは本当に凄い人です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-22 13:24:04)
51.  愛怨峡 《ネタバレ》 
溝口健二と言えば「女を必ず酷い目に遭わすか死に追いやる鬼畜野郎」と考える人も少なくないだろう。  だがそんな溝口作品にもハッピーエンドで終わる作品がある事を貴方は知っているかな?  それがこの「愛怨峡」だ。 いかにもドロドロとした愛肉劇と殺し合いが起きそうな物騒なタイトルで、「愛憎峠」と間違えやすい題名だが、本作はそれほど陰惨な最後を迎えない。 むしろ誰がどう見てもアレはハッピーに近いラストだろう。  俺は溝口作品にこういう作品が一つでもあって嬉しい。 溝口健二だって人間だ。 神様でも閻魔様でもない。 たまにはこういう終わり方があるべきだ。 だからこそ俺は溝口に惚れた。  大体オープニングからしてズッコケるような感じがする。 物騒なタイトルと裏腹に楽しげなBGMが流れるオープニング。 クレジットの溝口の名前だけやたら崩れている時点で完全にアレです。  家の中を流すように映すカメラワーク、 走る列車から覗く自然の風景→都会のネオンへの切り替え。 距離感と時間経過を列車の風景だけで見せる。 これぞ映画だね。  子のためを思うからこそ預ける辛さ・・・今回の溝口は母親を描こうとした。  時の流れの解りにくさはあったが、アコーディオン?弾きになった芳太郎とおふみの衝撃的な再会で時間経過を辛辣に描く。  時の流れの残酷さ、だがおふみはこの2年で身も心も荒むどころか見違える程に強くなった(化粧の濃さも)。 2年前は弱々しい感じがあったが、心も面付きもたくましくなった彼女は頼もしく見えた。 熱を出した子を寝ずに看病する“母親”、 タバコ片手の“キャバレーの女”という匂いと二面性を感じさせる。  「ヨッちゃん」も素晴らしいかったね。 自らを「ヤクザもん」と呼び、自分を解っている男なわけよ。 オマケに愛する女のために一芝居を打ってまであえて身を引けるその男気。 本音を打ち明けるのも長年苦楽を共にした親方だけという、溝口作品きっての男の中の男だ。  夫婦漫才は山場でもあり伏線でもあった。  アンタがヤクザもんだって? だとしたら最高の“ヤクザ”もんだぜ兄貴・・・兄貴と呼ばせて下さいヨッちゃん兄貴! 溝口がここまで男を描いてくれて感動してしまった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-13 21:05:02)
52.  愛する時と死する時
戦争に揺れる男女の恋を描いた傑作。 本物のメロドラマとは、ダグラス・サークのような映画の事を言うのです。 「ロミオとジュリエット」に浸っている女性も、たまにはこういう本格的なメロドラマを見て欲しいものです。 男が見ても面白いんだから仕方ない(理由になってねえよ)。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-13 20:39:39)
53.  暗殺の森 《ネタバレ》 
ベルトルッチ初期の傑作。人によっては「ラスト・エンペラー」ではなくこの作品がベルトルッチの最高傑作だという人もいるそうだ。確かにそれほどの作品なのだろう。俺は最後まで余り好きになれなかったが。 第二次大戦前夜のイタリア。 主人公のマルチェロはファシスト組織の一員として暗殺の任務をこなす日々を送るが、幼き日のトラウマと優柔不断な性格で冷徹な殺し屋に成りきれずにいた。 まあ、殺しを部下に任せている事・銃もまともに撃てないなんて随分「中途半端」な殺し屋だ。 新妻となるアンナはマルチェロの裏仕事を知らない。 マルチェロも何処かファシストから足を洗いたさそうな表情を見せる。殺し屋一筋のマンガニエーロはそんなマルチェロをため息をもらしつつ護衛する。 マルチェロを励ます(?)マンガニエーロの姿はちょっと応援してしまう。 当の本人は殺しよりも魅力的な人妻にメロメロだ。いや夢中なフリと言うべきか。いや本当に惚れていたのかも。  母親の情夫、恩師の人妻・・・まったく嫌な事件だったぜ。やるせない。 車の中から“あの人”を見つめる姿なんてもう・・・ね・・・。  マルチェロが見た「アイツ」はソックリさんか本物か。それは解らない。  戦争によって狂い、戦争によって心を“抹殺”されていったマルチェロは今後どのような人生を歩むのか。そんな事を思うラストだった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-20 23:15:01)(良:1票)
54.  アナと雪の女王
デュエットが素晴らしい。  ダブルヒロインはD.W.グリフィスの「嵐の孤児」を思い出す。  現実的に生きる女性像が素敵だ。実写でCGとなると違和感があって余りノレないけど、やはりフルCGは良いね。
[映画館(字幕)] 9点(2014-04-29 15:30:44)
55.  アデュー・フィリピーヌ 《ネタバレ》 
兵役につく運命が待ち受ける男。そんな男にとって、二人の魅惑的な女性は最高の「現実逃避」だった。繰り返される他愛ない日々は、劇中で永遠に続くかのように続く。だが、運命はやがて男に訪れる。男にとっての「最後の晩餐」・・・それほどの輝き、それほどに儚く過ぎ去る一瞬の青春。男を送り出す彼女たちも、何処か寂しそうな表情を見せる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-10 21:53:35)
56.  アパッチ(1954)
バート・ランカスターが役者として演技開眼した時期に撮られた作品。 アルドリッチとは鮮烈なデビューを飾った「ヴェラクルス」や晩年は「ワイルド・アパッチ」といずれも傑作揃い。 特に本作はアパッチ族の野生の中で生きてきた主人公がマサイが、生きるために農耕技術を取得したり、妻を守り抜くため徐々に変化していく姿に注目。 アルドリッチ得意の豪快でスピーディーな演出が隅々まで輝る傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-04 17:12:01)
57.  アリバイなき男
ジョン・ヒューストンの「アスファルト・ジャングル」に引けを取らない強盗映画の傑作。  フィル・カールソンは余り評価されて来なかった人物だが、このフィルム・ノワール作品は中々良く出来た映画だと思う。  常にマスクを被せられた三人の男。 それぞれの顔を知っているのはボスだけであり、三人は互いの顔すら知らない。  恐るべき速さで銀行を襲い、映画はここから物語を始める。  車を使われたというだけで職も名誉も失われてしまった主人公。絶望は怒りへと変わる。   ボスの顔も解らず不安に苛まれる強盗団の男達は、彼らを執拗に追う主人公に追い詰められ板挟み状態だ。  「アスファルト・ジャングル」やキューブリックの「現金に体を張れ」に比べると少し物足りないかも知れないが、それでもジリジリと追い詰められる三人の姿は中々のもの。  完全犯罪を目論むボスの存在がとにかく不気味だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-31 19:08:43)
58.  暗黒街の弾痕(1937) 《ネタバレ》 
「俺たちに明日はない」より粋 これは、傑作である。だが、単純なフィルム・ノワールの傑作というワケではない。 ルーベン・マムーリアンの「市街」と共に二人の男女の逃避行を描いた恋愛映画でもあると思う。  男は善人だった。あんな優しげな表情をした男も、一度刑務所に入れば世間は冷たい。刑務所から出ない方が幸せだったのかもしれない。 ただ一人、愛する妻だけが男を信じている。 男は無実の罪で再び獄中に送られる。 世間は「人殺し!」と叫ぶ、男は人間も神父も神も信じられなくなる、それでも女は男を信じ続けた。  荒んだ男の心を、女はひたすら信じて癒した。 だが男の傷がいくら癒えようとも、背負った十字架は何処までも二人を死の運命から逃さない。 逃げて、逃げて、逃げて・・・気付けば、産んだ赤ん坊に名前を付ける暇すら失っていく。 それでも二人は明日を信じて生き続けようとした。  ようやく霧の晴れたその向こうに、二人は空高く登っていけたのだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-26 03:36:30)
59.  赤い矢
サミュエル・フラーによる南北戦争を描いた西部劇。 フラーのキリキリした面白さが輝る傑作である。 クリント・イーストウッドの「アウトロー」にも「赤い矢」に通じる演出が感じられる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 18:17:08)
60.  穴(1960) 《ネタバレ》 
ジャック・ベッケルはフレンチ・ノワールで数々の傑作を手掛けた。 元々フィルム・ノワールはドイツのフリッツ・ラング「M」やジャン・ルノワールの「十字路の夜」が原型として広く知られているが(知らない?じゃあ今すぐググレ)、アメリカの「暗黒街の顔役」や「マルタの鷹」以来すっかりノワールのお株はアメリカに奪われてしまった。 そんなフィルム・ノワールをフレンンチ・ノワールとしてフランス・・・つまりヨーロッパに復活させた監督の一人がジャック・ベッケルだ。  宇宙刑事ジャン・ギャバンが売れたのもルノワールとベッケル様々です(ギャバンの本体はタバコ)。  そんなベッケルの傑作は「アラブの盗賊」「現金に手を出すな」「モンパルナスの灯」「幸福の設計」「肉体の冠」と豊富だが、最高傑作はやはり「穴」になるだろう。 戦後実際に起きた脱獄事件をモデルに、刑務所内における一大脱獄劇をスリル万点に描いていく。 見張りの目を盗んでのやり取りは終始ドキドキの連続で、何時警備員が飛び出して来るものかと緊張の糸が絶たれない。  土まみれになりながらも穴を掘り続ける男たちの力強さ、鉄格子よりも硬い囚人たちの絆。漢の映画だぜ。 女っ気の無い作品だが、“5人”に会いに来た「あの女」は囚人たちの絆にヒビを入れるファム・ファタールだったのかも。  ラストの壮絶な展開には唖然としてしまったが、最後まで見事な作品だった。もっとベッケルの作品が見たかった。惜しまれる。
[DVD(字幕)] 10点(2014-03-11 23:57:55)(良:1票)
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