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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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121.  悪名桜
こういうシリーズものを観ておりますと、作り手の側としてはマンネリ路線の中にも多少の変化を、と趣向を凝らしたりするところなのでしょうけれど、観る側にはそれが結構気になる変化だったりもします。このシリーズは、「悪名」と言いながら実際はまるで聖人のようなイイ人、しかも腕っ節は滅法強い、という朝吉親分が、悪を懲らしめるオハナシ。悪を懲らしめると言っても、単なる鉄拳制裁だったりする訳ですね。世の中がよくなったのやらならなかったのやらよく判らなくても、観てる我々はとりあえず溜飲を下げる。とにかく、“任侠界の出来杉クンこと朝吉親分の悪者退治”ですから、いわばここで描かれているのは一種のユートピア。ところが本作、ちょっと感じが違う。まずそもそも、朝吉親分はいきなりカタギの商売人になっている。「八尾の朝吉」という“悪名”も本作ではあまり通じない。親の死に目に逢えなかった悔恨より、とあるチンピラを更生させようとするも、殆ど空振りで救いも無く。ユートピアとしての本シリーズを感じさせないまま、やるせない怒りをぶちまけるように、ヤケクソのように、クライマックスの殴り込みへ突入しますが、それとて、敵役の藤岡豚也じゃなかった琢也に「自分たちを倒してもまた別の連中がのさばるだけ」と捨てゼリフを吐かれてしまう訳で。シリーズ中の異色作と呼ぶほど異色ではありませんが(正直、マンネリですが)、ちょっとひっかかる作品ではあります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-04-30 13:31:33)
122.  悪名波止場
歌ありアクションありの人情活劇。一応は任侠シリーズで一応は死人も出ますが、コメディですね、これは。前作のラストシーンからそのまま物語は始まり、要するに、藤田まこと演じるニセ清次(その2)にまつまる騒動なのですが、ニセ清次は早々に退場。彼の妹のために一肌脱ぐ朝吉親分、このあたりはどっちかというと寅さん映画のノリですが、寅さんと違ってさすがは朝吉親分、金の工面のためマジメに肉体労働に励んでおります(任侠シリーズなのに?)。という、寅さんよりさらにカタギになっちゃってる朝吉親分ですが、やはり本分は悪への鉄槌、ラストでは悪党一味にトホホな制裁を加える“ハングマン”と化します(水攻めにあう吉田義夫さんの引きつった顔)。……やっぱりコメディですね、これは。おんな舟のアマゾネス軍団の凶暴さには朝吉&清次もタジタジ。という、時代のバイタリティが感じられる楽しい作品でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-27 08:29:24)
123.  アビス/完全版
「完全版、と言われても、元の公開版なんて久しく観てないから、どこが違うかどうせワカランよなあ」とか思いつつ観てたら、ラストでビックリいたしました、こりゃヒドイ(笑)。キャメロンは一体どこまで説教を垂れる気だったのか。元々本作に対する印象としては、「『2001年宇宙の旅』のパクリやんけ」と。中身が、ではなくて、シーンが。もともとキャメロンというヒトは、“『ターミネーター』の脚本家=オモロイ脚本を書く人”なのであって(その呪縛に苦しみ、おそらくは「失敗した」足跡が、すなわち『エイリアン2』なり『ターミネーター2』だと思うのだけど)、基本的に“良いシーン”を撮る人では無いと思ってます。そんな彼が、この『アビス』(『ターミネータ2』のCG前哨戦でもあるけれど)では、“ストーリーのオモロさ”を封印して、海底という未知の舞台で自分の空想力を膨らませ、また見事な潜水シーンを展開しているのですが、残念ながら、「ここぞ」という場面で、『2001年~』のシーンを借用してしまった。『2001年~』の神秘性の借用と、この『アビス』の説教臭く幼稚ですらある主張との、どうも噛み合わない落差。これだけの潜水シーン、海底描写の徹底ぶりを突き詰めれば、“良いシーン”としての充分にオリジナリティは発揮できたと思うんですけどね(当然、当時の『リバイアサン』『ザ・デプス』など比較にもならん訳で。『殺人魚フライングキラー』は比較になるだろうか?)。キャメロン監督、本作の撮影中に撮影プールを破壊してしまい、映画完成すらも危ぶまれ、マネージャーとしての資質にも疑問符がついてしまったのだけど、それでも何でも、(そこまでして撮影した)本作の海底シーンは本当に素晴らしいと思います。文句をつけ出したら、あれも惜しい、これも惜しい、特に「完全版」は痛いと思う。でもその上でやっぱり、この撮影を敢行した本作を、支持したいのです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-17 09:19:48)
124.  愛と喝采の日々
一見、「二大女優激突の巻」ってな趣向なんですけれども、必ずしもそうでもない気もしてくるんですね。片や、バレエ一筋ウン十年、成功を収めたけれどももう結構お歳を召されて第一線から退こうか、という女性。片や、早々にバレエを引退して家庭を設けた女性。娘の世代がいよいよバレエ界の主役となっていく中で、互いへの嫉妬心もあり、“二大女優”くれば恒例(?)の、あのシバキ合いのシーンともなる訳ですが。その一方で、娘の世代にも恋愛ありスレ違いあり、アレコレある訳ですな。要するにこういったことは「人生」として描かれる。ところがところが。映画では、そういった「人生」と並行してバレエのレッスンシーンが(これはこれで独立するように)描かれて、作品の見所になっております。そしてクライマックスの華やかな舞台のシーンでは、もはや映画前半のドラマを忘れ去るかのように、バレエそのものが活き活きと、実に活き活きと描かれます。ここでは前半で描かれた「人生」に対し、「芸術」が描かれています。「芸術」は確かに「人生」に裏打ちされ「人生」を糧にするのだけれども、いざ舞台において繰り広げられるのはやっぱり「芸術」そのものなのであって「人生」ではない。例えば「人生経験積んできましたからこれは芸術と認めて下さい」みたいな言い訳は通用しないのですな。背景にどんなドラマがあろうと、ドラマの中でどんなキャラだろうと、舞台におけるミハイル・バリシニコフの躍動する肉体は光り輝く。それは芸術の残酷さでもあるのだけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-06 09:07:46)
125.  アフリカの女王
オッサン船長とオバチャンがオンボロ船“アフリカの女王”号で川を下る、その道中に待ち受けるは、敵国ドイツ軍、急流、滝(まあ、お約束ですな)、蚊の大群にヒル、ってな訳で、冒険また冒険。これが美男美女の組み合わせなら、「ええい、勝手にエッチしてろ」となるところだけれど、まあ、これなら安心感があります(何の安心感やら)。ハンフリー・ボガートが、ムサいオヤジの役柄の割にやっぱり何ともダンディなのが(自分の船なのに屋根の無いところで寝て、雨が降ってきてもレディに気を使うあたり)、そんな訳ないやろ~と言いたくなる、と言うか、冒険に主眼が置かれ過ぎて2人の関係の描写がテキトーに感じる部分でもあるのですが。あと、共に苦労し彼らの命を救う“アフリカの女王”号という船、最初から破壊される運命にあると言うより、もう「破壊する気(破壊される気)マンマン」みたいなところがあって、ちょっと描き方に思い入れが少な過ぎるんじゃないの、と、扱いの悪さが気になるところ。しかし本作を見ていると、「スピルバーグは“オルカ”号を創造するにあたって、きっとこの“アフリカの女王”号を念頭においてたんじゃなかろうか」という気がしてしょうがないのです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-31 08:52:59)(良:1票)
126.  赤線地帯
普段は職場でイジラレ役の新人クンが、宴会の席で、実は風俗の常連だということを暴露された途端、先輩達から尊敬の眼差しで見られる、ってのはよくある(?)話ですが、まあそういう、みんなが知ってるようで知らないようでホントはどっちなんだよ、という風俗産業、売春宿が本作の舞台。ん~。正直、この雰囲気、苦手だなあ、こうもアタリマエのように、まるで健全であるかのように、描かれちゃうと。そりゃま、悲惨一辺倒ではないところがポイントではあるのですが、ヘンタイ性の部分には触れずにアッケラカンと描いているのには、どうも違和感というか何というか、納得いかんのです。ヘンタイ性も描くべきです(キッパリ)。とは言え、娼婦たちそれぞれの人生が多層的に描かれていく様は、映画が進むに従い、目が離せないものとなってゆきます。映画の尺が短いこともあって、なかなかに濃密な映画世界です。注目は、女優たちの演じる娼婦たちそれぞれの生きざま、に加えて、黛敏郎の不安をさそう音楽、な訳ですが・・・アヴァンギャルド全盛の時代に、最前衛の電子音楽を取り入れた割には、曲想自体は比較的落ち着いたものだと思います。ぽよ~ん、ひゅるひゅるひゅる。いっそ『天地創造』でも、ヤっちゃえばよかったのに。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-08-06 21:32:50)
127.  暗黒街のふたり 《ネタバレ》 
一見何とも判りやすいオハナシでして、それだけに、額面通り受け取っていいものやら警戒してしまうのですが。銀行強盗の罪で服役していたアラン・ドロン演じる主人公、このたびめでたく出所の運びとなり、保護司のジャン・ギャバンの支えを受けながら社会復帰を目指す。かつての仲間の誘いもキッパリ断り、勤め先の仕事は順調、愛する妻とも仲睦まじく、言うことなし。なのですが、やはり世の中思うようにはいかないもの。と言うかむしろ、こう言っちゃなんだけど、この主人公、気持ちいいくらい順調に転落の一途をたどっていきます。すべてが裏目裏目。主人公を支える人は皆、とってもイイ人として描かれ、それ以外は皆、とことんイヤな人として描かれて、主人公をひたすら不幸のどん底に引きずり込む、という類型化した図式。このまま終わってしまうと「何やねんこの映画は」となるのだけれど、ラストでその印象は一変します。この出来過ぎたオハナシの先に待っていたのは、もっともっと非現実的に思われがちでありながら確かに現実に存在する“ギロチン”という代物(ようやく廃止されたとのニュースを子供の頃に聞いた記憶があります)。このくだりは現実とも非現実ともつかぬ、まさに悪夢のような光景。ただ、「ギロチンにかけられる前には首のまわりの服を切り取るのか」(ホントかどうかは知らんけど)という、妙にリアリティのある細かい描写によって、これは夢ではない、現実なんだ、ということを強く印象付けられます。その怖いこと怖いこと。だからこういう一見判り易そうな映画は、油断ならないのです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-28 21:18:09)
128.  あらくれ大名
どこからどこまでが史実なのか(というより、多少なりとも史実を含むのか)よくわかりませんが・・・時は大坂冬の陣。市川右太衛門演じる松平直次郎、家康の息子でありながら豊臣側につき、八面六臂の大活躍。とにかくやることなすこと豪快で、何かと無茶をしでかしては「がっはっは」と高笑い。最初から最後まで、右太衛門の高笑いがこれでもかと繰り返され、観終わった時には耳の奥底にこびりついて離れなくなること請け合い。それもヤケクソみたいな高笑いで、目は全然笑ってなかったりするのがちょっとコワかったりします。でまあ、とにかく、合戦あり、陰謀あり、ちょっとした恋愛あり、と、非常に楽しませてくれる作品になっているのですが・・・映画の大詰め、家康のいる伏見城へ乗り込んでいく右太衛門の勇姿にシビれ、敵味方の関係になったとはいえ、あくまで父である家康とのやりとりにちょっとホロリと来たところで・・・え~なんじゃそりゃ~といいたくなるような腰砕けのクライマックスが。罰ゲームかいな、これは(機会があればぜひ本作を観て、のけぞって下さい)。ま、しかし、大坂夏の陣を前に、颯爽と豊臣側に去っていく右太衛門、この後の波乱を感じさせつつも大団円、というラストが、これまたホロリときますね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-08-31 00:21:07)
129.  アバター(2009)
え~、劇場で3Dで観なかった以上、本作を観るつもりはなかったのですが、レンタル屋店頭に大量に残ってたもんで、はい、出来心です、すみません。とりあえず、2Dでもなかなか楽しめました。内容的には『ミッション』のようで『もののけ姫』のようで『ポカホンタス』のようで、要するに結構、ベタなのかも知れませんが。ナヴィ族が変な顔だと言う声もありますが、どうしてどうして、観てると違和感なくなってきます。髪型的には、今は亡き軍事評論家のエバター氏を思い出したり。それはともかく、本作の、この入魂のCG映像には、頭が下がります。ただ、2Dで観てしまったからなんでしょうけど、これは「これまでの集大成」的なCGであって、何か「今までできなかった」ような新しい世界が開けたような気はあまりしないですね。作り物、っぽい感じ、実写に似せようとして似せ切れないアニメ。内容的にも、気になる面はあります。主人公は実生活においては下半身不随で孤独の身、一方アバターを操っている間は飛んだり跳ねたり自由の身。ってコレ、要するに、主人公がナヴィ族にシンパシーを感じるとか何とか言う以前に、そもそも自分自身の利害、打算がありますやんか。そう言って悪いなら、ナヴィ族側につくにあたって、得るものこそあれ失うものはなく、何ら「苦悩」や「決断」の必要がないじゃないですか。またこの映画、やたら長尺のくせに、この映画が終盤に近付いてくると、明らかに物語を「端折って」慌ただしくなります(違和感ありあり)。いや長尺だからこそ、この辺りでグンとスピード感を出したいところなんでしょうけど、観る側がそろそろ退屈しやしないか、という、一種の媚のようにも思えます。そんなコトが心配なんだったら、そもそももっと映画を短くすれば(可能ならその分CGのクオリティを上げれば)いいやんか、と思ってしまいます。で、クライマックスの戦闘ですが、近代兵器を操る人間たち相手に、圧倒的不利で絶望的な戦いが続くかと思いきや、実はやたら強かったりするのがナヴィ族の可愛くないところ。でもまあ、このハチャメチャな戦闘シーンが、何だか『トゥルー・ライズ』を思い出させて、ちょっとうれしくなったりもするのですが。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-08-13 23:14:56)
130.  あばれ大名
他の大名たちが太閤殿下への恩義も忘れて家康にペコペコする中、ふん1万石なんぞ返上してやるわい、と家康の前で大見栄をきってみせる、前田慶次郎。しかしその影では思わぬ陰謀が。慶次郎あやうし! ってな訳で、あばれ大名:市川右太衛門が、それなりに大あばれして八面六臂の大活躍、というオハナシですが。主人公のやんちゃなキャラとはウラハラに、右太衛門ひとりやたら貫禄あり過ぎ(あばれ大名というよりメタボ大名)、というのが正直な印象で、でもやっぱりヒーローというものはこうでなくては!とも思うのであります。大体、あの形相で、「イヤだイヤだ」と反抗期みたいな大人げ無いことばかり言ってるのが、観てて何となく羨ましくすらなるではありませんか。それにしても、時代劇の登場人物ってのは、何かっつうと高笑いしますなあ。でも、その高笑いだけで何となく我々を納得させるものがあるのです。「実はカクカクシカジカだったのでござる」「それは知らなんだ、失礼つかまつった」「いやこちらこそ」みたいなセリフの代わりに、とりあえず高笑いする。いやあ、いいじゃないですか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-07 11:20:49)
131.  あるいは裏切りという名の犬
はじめに断っておきますが、この映画、皮肉とかじゃなくて、本気でとっても面白いと思いますよ~。この点だけ強調しておいて、あとは好きなこと書いちゃいます。何といってもこの、連続ドラマで半年くらいかけてやるような、かなり大河チックな物語を、よくこの長さに収めました。って、明らかに収まってませんねえ、やや無理が。前半の強盗団との対決から、後半は思わぬ展開、ってか、おいおいここまでが前置きかよ、このペースで進めて本当に映画が終わるのか?と心配になってしまいました。私も、家庭用ビデオカメラで子供を撮る時には、新しいビデオテープをおろした時には大胆にどうでもいい光景をバンバン撮ってしまうのですが、テープの残りが少なくなってくると、だんだん撮り方がセコくなってコマ切れのシーンばかりになってしまいます。この映画もそんな感じです(だいぶ違うけど)。ムヤミに長い映画にも閉口しますが、本作に関しては、せめて3時間くらいの作品として、観てみたいですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-06-06 11:46:30)(笑:2票)
132.  暗殺(1964)
司馬遼太郎の連作小説『暗殺』の中の『奇妙なり八郎』が原作。原作は、短編らしくエピソードを緻密に折りたたんで構成されているけど、その味わいとは異なり、映画はどっちかというとハードボイルド調。なにしろ清河八郎役が、Gメン丹波ですからね~。幕末を代表するトリックスターともいうべき清河八郎のイメージに合っているかというと、多分合ってないと思いますが(笑)、ここでは、冒頭に繰り返し出てくる「奇妙なり八郎」というセリフと、映画における八郎像が、むしろ対照的であるところがミソ、なのかも。幕末に渦巻く意志と意志の衝突、みたいな青春映画調ではなく、むしろ運命論的な暗い雰囲気が漂う作品で、才気が溢れるような入魂の映像が見事。とか言いつつ、こういう映画って、観ている間ずっと「ホラすごいでしょ、すごいでしょ」とアイヅチを求められ続けているような気分になって疲れるんですけどね(笑)。音楽は武満徹、60年代に邦楽器への関心を示した彼は、ここでも尺八を取り上げており、絶妙の効果、いやまあ、狙い過ぎじゃないかと言われればそうかもしれんが、この後の代表作、エクリプス(66年)、ノヴェンバー・ステップス(67年)と繋がっていくことを思えば、興味深いところ。・・・ところで昨今の社会の閉塞状況や、それに対する不満の湧き上がり、何か幕末につながるものがあるようにも感じます。年功序列の廃止だの実力主義だのと表向きは言われながら、かえってそれが故に、保身への執着、既得権益への執着が蔓延している世の中。支えとなっていた帰属意識を失ったのみで、代わりとなるべき寄る辺を見出せない世の中。いずれ、野心と大望が、血で血を洗う争いを生んでいった、あの幕末期のような混乱が、現代にも巻き起こるのかも知れない。そんな時に、こういう、ある種“冷たい”映画を観て、視点を変えてみるのも、よいのかも知れません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-26 09:53:03)
133.  或る夜の出来事
どうでもいいようなヘナヘナ~なお話に、大仰なカメラ。近代映画の、素晴らしさも虚しさも、この辺りから始まったんじゃないのかね~、なんぞと思ったり。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-10-13 21:15:03)
134.  アウトランド
惑星イオの採掘場という、すべてが人工的にセッティングされた舞台、そしてその中での主人公の孤独な戦い。これを、映画の画面という“横長”の世界を駆使し、見事に切り出していく手腕・・・・・・と、このストーリーのイマイチ度とのギャップこそ、まさにハイアムズ作品の醍醐味ですなあ(まあ、例外もありますが、ストーリーがイマイチなのが基本)。主人公が孤独な戦いを繰り広げるのはケッコウですが、いささか孤独過ぎて、話がもう一つ膨らまない。協力者のオバチャンや、妻子との関係など、料理のしようもあるだろうに、どうも消化不良。それに、クライマックスの「宇宙服同士の格闘」なんぞ、盛り上がるかどうか、考えればわかりそうなものなのに(笑)。それでも何でも、やっぱり目が離せないのが、さすがハイアムズ(もはや誉めてるのやらケナしてるのやら)。中盤の追跡シーンのカメラなんぞ、実にお見事。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-09-16 17:57:16)
135.  アサルト13 要塞警察
『リオ・ブラボー』→『要塞警察』→『アサルト13』という伝言ゲーム的リメイク(?)で、原型がドンドン失われていく。ドンドン面白くなればそれはそれでいいけど、なかなかそうはいかない。そうはいかなくても、やっぱり「立てこもり」というシチュエーションは大好きなのでついつい甘くなる。完全武装した敵が屋外でうごめく姿は、意外にもカーペンター風味を醸し出しちゃったりしてる気もして、なかなかスリリング。しかし攻撃の手際が悪すぎて、ナントモカントモ。次回またリメイクされたら、お目にかかりましょう。
[DVD(字幕)] 7点(2007-01-08 13:36:32)
136.  ある殺し屋
物語の時間進行がバラバラになっているトリッキィな構成。なぜ寿司の折り詰めを「3つ」買うのだろう・・・? 主人公のセリフが切り詰められていることもあって、最初は謎めいたストーリー。これが、映画の進行とともに徐々に明らかになっていくところに、ハードボイルド的シブさと、謎解きのスリルがあります。雷蔵の表の顔は、7・3分けカツラ風髪型の飲み屋のオヤジ、しかし裏の顔は切れ者の殺し屋。いや、切れ者と言うのとはちょっと違うのかもしれない。ヌカリ無く着々と準備を進める有能ぶりとは裏腹に、どこか生死を超越したような、雷蔵の虚無的な表情(←いつもどおり、という話もある)。その姿はまるで死神のようでもあります。ラストの後ろ姿が実に印象的。その後の成田三樹夫のセリフは、直前の雷蔵のセリフをそのまま頂いたもので、映画のオチとしてはピシッとキマったシーン、のハズだけど・・・「おいおい、シタリ顔でそのまんまヒトのセリフをパクりやがって。オマエは寅さんか!」と、つい突っ込んでしまいました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-08-15 13:10:42)(笑:1票)
137.  アクシデンタル・スパイ
あんまりヒネリのない展開、ナゾめいた展開と思ったその都度、すぐに真相が明かされ、あまり高いテンションを保てません。ジャッキーもさすがに歳で、肉体アクションにも勢いがない。彼もそろそろ限界か?と心配するが、いやとんでもない、しっかりと劇中で素っ裸になってみせ、いまだ衰えぬ肉体を披露。これにはなんだかホッとしたね。この肉体ならまだまだいけるよ、ジャッキー。彼は局部を一生懸命隠しながら逃げ回るが、なんでそんな必死に隠すんだ、肉体美には自信あるけど、アソコには自信ないのか?ってなワケはなくって、そう、彼は正義の味方、そして映倫の味方。「いや、でも一瞬見えた」とかなんとか、みんなでワイワイ言うのもまた楽し。さてそんなわけで、何かと物足りないように思える部分もあったりする映画なのですが、それでもなんでも、やっぱりジャッキーはアクション映画の申し子、ちゃんと派手なアクションも準備してて、満足! アクションが派手なシーンほど、ストーリーに無関係、という大きな泣き所はあるけれども、それでもさすがと言いたくなる。クライマックスの(ホントに本筋に関係ない)カーアクション! いかにもレトロなアクションシーンだけど、やっぱりこういうの観たいんだよ、わたしゃ。もうニコニコしちゃいます、にこにこ。「トラックは高いところから落とせ」というのは、アクション映画界の常識。基本に忠実なジャッキーに乾杯。
[地上波(吹替)] 7点(2006-01-08 22:21:38)
138.  “アイデンティティー”
ミステリの中でも、いわゆる「バカミス」というやつですね。「そんなんで納得できるかよ~」という気持ちと、「おお、こいつは考えたな」という相反する気持ちが同居してしまった私は、もはや犯人の仲間入りか。「誰が」「なぜ」「どうやって」を合理的に説明してくれるのが理想的なミステリで、そういう意味では当然ながらこの映画には物足りないモノがないでもないのですが(特に数字のキーホルダーは思わせぶり過ぎて肩透かし)、その物足りなさが実は一種の見せ球になっている、まあこれがバカミスの醍醐味でもありましょう。「新本格」ミステリ好きの中には、結構こういうのが好きな人、いるんじゃないですかね。
[DVD(字幕)] 7点(2005-05-09 23:35:31)(良:2票)
139.  アラモの砦
前半は舞台劇ふうの描き方。アラモ攻防戦に至るまでの展開が会話中心で進められます。会話主体でスタジオ撮影、しかも登場人物たちがなんとなくカメラを意識したような半身の立ち位置なもんだから(笑)、ホントに舞台っぽい。ジム・ボウイとトラヴィスが物語の中心、アレ、我らがクロケットはどこに?と思ったら映画中盤でようやく登場。これはむさい。これに比べりゃボーグナインが何だか爽やかに見えてしまう(何せ若いからな)。さて、このまま会話ばかりで映画が進んでしまっては面白くない訳で、なんぞもう一工夫~と思わないでもないけれど、後半で戦闘が描かれることは観る側としても充分「期待される」わけだから、緊張感は持続され、これもひとつの描き方。そしてこの前半の「静」と、クライマックスの攻防戦の「動」とが対比されて、一気に盛り上がりますな。まー、ジョン・ウェインの『アラモ』ほどドンパチドンパチはじけてませんけどね、白兵戦による緊迫の攻防戦を描ききります。最後に、この映画で気になった点を少し。「ロマンス要素の描き方が中途半端で、消化不良かな?」「戦いに挑む者を募る劇的なシーン、よりによってこんな肝心なシーンで、晴れてるのに大豪雨。せめて曇りの日に撮影して~」「大砲の音が、どう聴いても太鼓の音みたいです、何とかして~」。以上。
7点(2004-12-26 15:56:32)(良:1票)
140.  アラベスク 《ネタバレ》 
目薬で殺害するという冒頭のショックシーンから、もう釘付け。とにかくカメラがトリッキーで、観ててつい目を白黒させてしまいそうなほど。ミラーごし、ガラスごし、その他その他、思いつく限りの撮影を展開し、さすがにクドいのですが(笑)、まさにアラベスク状態。マンシーニの音楽も、ビックリ系の音楽で、映像に負けじとトリッキー。ええと、舞台はロンドンでしたよね、確か?全然そんな気がしませんでした。はっはっは。さてさて、ストーリーの方も、二転三転、転がりすぎて、結局ワケワカラン(笑)。えーと。暗号解読を頼まれたのにそれは暗号ではなくて?マイクロフィルム?でも首相は暗殺されちゃって?え?首相もニセモノ?何のための暗号だったの?そもそも誰が何を何のためにやってるのか、誰か、5W1Hを整理して教えてちょ~。ってない映画で、面白かったです。なんだそりゃ(↑一応ネタバレ表示したけど、バラせるほど私がネタを理解できていないのであった)。それはともかくこの映画、アクションはなかなか見ごたえあります(特にラスト)。でも中盤の、クレーン車との死闘、クレーン車が高圧につっこんだら乗ってるヒトは本当に感電するのだろうか?という素朴な疑問が。 答え:一般に映画の中では感電します(悪人に限る)。
7点(2004-08-13 00:57:16)(笑:1票)
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