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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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121.  悪名市場
ニセ朝吉親分登場の巻。悪い兆候です。主人公のニセモノが出てくるようになったらもう、ネタ切れの可能性大。実際、「ニセモノ登場」のエピソード一発のみ、という感じで、後が続きません。勝新も何をどうしてよいのやら、とりあえずしきりと足を組んでみたりするのだけど、足が短くてツラそう(大きなお世話ってか)。朝吉親分、「オレが本物だ」と名乗って見せるのもカッコ悪いし、と言って名乗らないままでは盛り上がらない。で、結局やっぱり、盛り上がることなく、シマリの無い展開に終始してしまうのでした。ラストは無理矢理、大勢の敵との決闘(もうヤケクソみたいな展開です)、これをさらにダイナマイト炸裂させ派手に演出しようとしたのが裏目。気が付いたらいつのまにか決闘が終わっており、もうグダグダ。賑やかしに白木みのるや藤田まことを登場させても、別にありがたくもなく。本作、空振りとしか言いようがないですね。ましてや、ニセ朝吉とニセ清次がこの後、準レギュラー化(?)しちゃうなんて、悪名シリーズ、先が思いやられちゃう、の巻でした。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-08 21:51:25)
122.  アルカトラズからの脱出 《ネタバレ》 
言わずと知れた脱獄映画の決定版。とは言ってもこれ、妙な作品でもあって、基本的に監獄の「外の世界」ってのが無いんですよね。ひたすら「中の世界」で脱獄に取り組む姿が、少ないセリフでもって描かれる。「外の世界」ってのが無いから、主人公はどこからともなく現れ、どこへともなく消え去ってしまって、終わり。脱獄の目的は、脱獄そのものにあり。ほとんど無目的とも言える冷えた情熱が、静かに着々と描かれていく。その姿に、そして時に残酷なまでの冷徹な視線に、シビれちゃうんですけれども。ただ、もう少し感情を交えて描いてもよろしかったのでは、という気もしないでもないですが(「静寂」の持つ不気味さの描写、とか)。あと、爪切り盗んだりスプーン盗んだり、ギリギリの綱渡りのような脱獄手段についての綿密な描写がある一方で、後半は何でもかんでも簡単に手に入れちゃう大味な描写になってしまうのも、ちょっと残念。というか、実際に命がけで脱獄算段を練る脱獄者と、その脱獄手段を空想してみる映画製作者との、想像力の差なのかも知れませんが。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-18 20:57:06)(良:1票)
123.  悪の花園
金採掘中に落盤事故にあった夫を助けて欲しい、という女性の求めに応じた4人の男たち、前半は現地へと向う一行の姿、後半は夫を救出した一行と襲いかかるアパッチ族との戦いが描かれる、という作品ですが。一体どこまで遠くまで行くねん、と心配になるほど次々に広がる大自然の雄大な光景に圧倒されます。ロケーションの素晴らしさ。って一部はさすがに書割の合成映像のようですが(笑)。で、救出に向かう一行、それぞにれに何やら思惑ありげ、その思惑が、復路において、往路と同じ雄大な自然を背景にどういう変奏を奏でるか、ってのが見どころだろうと思ってたのですが、これがイマイチ、これという展開を見せない。その分、先住民との戦いの方をしっかり描いているといえばそうなんですが、ここまでの思わせぶりは何だったのか、と。途中で死ぬヤツは妙にアッサリ死んじゃうし。ラストにおけるリチャード・ウィドマーク、“主役を食っちゃうカッコ良さ”というよりも、ゲーリー・クーパーを相手に「オレも『誰が為に鐘は鳴る』のアンタみたいな役やりてえ」と意地張ったみたいな感じで(笑)。悪役顔にはできないカッコ良さがあれば、悪役顔にしかできないカッコ良さもある、という訳で。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-08-19 07:05:11)
124.  悪魔の植物人間
マッドサイエンティストもの。実験台として誘拐してきた人間を実験で“植物人間”にしちゃう。冒頭から、高速再生フィルムによって植物がニョキニョキ成長する様を見せてくれたり、食虫植物の捕食シーンを見せてくれたり、いやいや、この映画、マッドサイエンスどころか普通にサイエンスしてますよ、なかなかに興味深い。でも、食虫植物って、植物なのに「捕食する」というその動物っぽさが、得体が知れなくて不気味な点なんだけど、ソレを人間と合成してもなあ。むしろ親近感が沸いたりして。やっぱり実在の食虫植物の方が、何とも知れず不気味なんです。で、しかも、この“植物人間”を巡るストーリー、サスペンスが、あまり面白くない。むしろこの映画で目を惹く点、そしてこの映画をカルト化しているのは、実際の障がい者が出演している見世物小屋のシーンの方、ですね。ビックリ人間大集合。見世物小屋のおどろおどろしさ、眉をひそめる見物客。実に正直な描写だと思います。足に畸形のある障がい者が、「僕は特に芸はできません。でも、この足は、動きます」と動かして見せる場面など、こんなセリフは脚本家の想像だけじゃ書けないですよね。で、そんな彼らにも当然、日常がある(日常があるどころか、彼らにはその人生しか、無い)。公演後、客のいない舞台で、ささやかなパーティをやってるシーンなど、実に印象的です(そしてそれがぶち壊しにされてしまうくだり!)。と言う訳で、この作品、イイ映画だ思いますよ。何と言っても多面性がある。ただ、肝心のメインの軸(要するにサスペンスの部分ですな)が、さすがにもうちょっと、何とかならんかったのか…。
[DVD(字幕)] 6点(2012-06-24 09:35:29)
125.  アビス/完全版
「完全版、と言われても、元の公開版なんて久しく観てないから、どこが違うかどうせワカランよなあ」とか思いつつ観てたら、ラストでビックリいたしました、こりゃヒドイ(笑)。キャメロンは一体どこまで説教を垂れる気だったのか。元々本作に対する印象としては、「『2001年宇宙の旅』のパクリやんけ」と。中身が、ではなくて、シーンが。もともとキャメロンというヒトは、“『ターミネーター』の脚本家=オモロイ脚本を書く人”なのであって(その呪縛に苦しみ、おそらくは「失敗した」足跡が、すなわち『エイリアン2』なり『ターミネーター2』だと思うのだけど)、基本的に“良いシーン”を撮る人では無いと思ってます。そんな彼が、この『アビス』(『ターミネータ2』のCG前哨戦でもあるけれど)では、“ストーリーのオモロさ”を封印して、海底という未知の舞台で自分の空想力を膨らませ、また見事な潜水シーンを展開しているのですが、残念ながら、「ここぞ」という場面で、『2001年~』のシーンを借用してしまった。『2001年~』の神秘性の借用と、この『アビス』の説教臭く幼稚ですらある主張との、どうも噛み合わない落差。これだけの潜水シーン、海底描写の徹底ぶりを突き詰めれば、“良いシーン”としての充分にオリジナリティは発揮できたと思うんですけどね(当然、当時の『リバイアサン』『ザ・デプス』など比較にもならん訳で。『殺人魚フライングキラー』は比較になるだろうか?)。キャメロン監督、本作の撮影中に撮影プールを破壊してしまい、映画完成すらも危ぶまれ、マネージャーとしての資質にも疑問符がついてしまったのだけど、それでも何でも、(そこまでして撮影した)本作の海底シーンは本当に素晴らしいと思います。文句をつけ出したら、あれも惜しい、これも惜しい、特に「完全版」は痛いと思う。でもその上でやっぱり、この撮影を敢行した本作を、支持したいのです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-06-17 09:19:48)
126.  悪魔の毒々モンスター/新世紀絶叫バトル
108分がひたすら長く感じる、ほんとーにどうしようもない作品。しっかし、作品のほぼすべてを、およそマトモでないシーンで埋め尽くしたのは、大したもんです。観てて、まったく気の休まるヒマがありません(いや、こんな作品を観てる時点で、ヒマだと思われても仕方ないんだけど)。テロリストの引き起こした大爆発により、世界はパラレルワールドに分裂し、一方の世界には良い毒々、もう一方には悪い毒々がいて、っていうんですけどね、興味ないですよね、すみません。ま、実際観てても、「たぶんそういうオハナシなんだろう」とは思うけれど、想像で補ってます、観ててもワケわかりませんから。下ネタとスプラッタばかりだし。視覚的な悪臭ってのがあるなら、まさにコレですね。こんな映画に出てる連中、何考えてるんだろう、と思ってたら、コリー・フェルドマンが出てましたね(笑)。一応、点数、1点にしときますけど、0点か1点か悩んだ末の1点ですよ。でも勧めるか勧めないかと言われれば、お勧めしますよ、これも修行の一環です。とりあえず、家族に見つからないように、観て下さいよ。
[DVD(字幕)] 1点(2012-06-03 09:27:13)
127.  アンノウン(2011)
いやー実に実に面白かった、興奮しました。謎に満ちた発端がイイですね。テンポよく挿入されるアクションがイイですね。待ち受けているのは思わぬ展開(そりゃま、似たアイデアの作品は過去にあったけど、この程度の類似を見咎めて楽しまないのでは、日頃からミステリ小説なんて読んでいられない(笑))。そして何より、このサスペンスの雰囲気がイイですね。ミステリってのは、単なる「こんなトリック思いつきました」という報告書じゃなくて、本分は、そのトリックをいかに「語る」か、にある訳で。本作は、まずはその「語り」に徹している、その丁寧さに非常に好感が持てます。一体何が起こっているのか。誰が敵で誰が味方なのか。単純にプロットやトリックという意味での物語ではなく、それらを含めた、サスペンスの流れとしての「物語」、それをいかに「語る」か、どのようなカットを積み上げていくか。例えば“主人公が電話帳のページを破る前に辺りを確かめる視線”、などというレベルから、省略せずに描写をひたすら紡いでいく。この映画には「適当に色々撮って、後で編集で何としよう」みたいな発想は無く(そんないい加減な映画があるのかどうか知らんけど)、どのようなシーンにも強い意思が感じられて、しかもそれが、意思のための意思じゃあない、あくまでサスペンスを盛り上げ、映画を面白く「語ろう」とする意思であるのが、実に嬉しいじゃないですか。強いて文句をつけるなら……このタイトルはもうちょっと考えてつけてもよいのでは(こんなタイトル、どんな映画にもついちゃうよね)。
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-05-20 08:34:54)(良:2票)
128.  愛と喝采の日々
一見、「二大女優激突の巻」ってな趣向なんですけれども、必ずしもそうでもない気もしてくるんですね。片や、バレエ一筋ウン十年、成功を収めたけれどももう結構お歳を召されて第一線から退こうか、という女性。片や、早々にバレエを引退して家庭を設けた女性。娘の世代がいよいよバレエ界の主役となっていく中で、互いへの嫉妬心もあり、“二大女優”くれば恒例(?)の、あのシバキ合いのシーンともなる訳ですが。その一方で、娘の世代にも恋愛ありスレ違いあり、アレコレある訳ですな。要するにこういったことは「人生」として描かれる。ところがところが。映画では、そういった「人生」と並行してバレエのレッスンシーンが(これはこれで独立するように)描かれて、作品の見所になっております。そしてクライマックスの華やかな舞台のシーンでは、もはや映画前半のドラマを忘れ去るかのように、バレエそのものが活き活きと、実に活き活きと描かれます。ここでは前半で描かれた「人生」に対し、「芸術」が描かれています。「芸術」は確かに「人生」に裏打ちされ「人生」を糧にするのだけれども、いざ舞台において繰り広げられるのはやっぱり「芸術」そのものなのであって「人生」ではない。例えば「人生経験積んできましたからこれは芸術と認めて下さい」みたいな言い訳は通用しないのですな。背景にどんなドラマがあろうと、ドラマの中でどんなキャラだろうと、舞台におけるミハイル・バリシニコフの躍動する肉体は光り輝く。それは芸術の残酷さでもあるのだけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-06 09:07:46)
129.  アラバマ物語
まずは描かれる子供の世界。実にユーモラスに、実に活き活きと描かれており、この点だけをもってしても稀有の作品だと私は勝手に思い込んでいるのですけれども。この「子供の世界」が見事に描かれることによって、グレゴリー・ペック演じる父親、その存在は我々にとっての父親ともなる訳で。完璧な人間ではないかも知れないけれど、カッコいいのが父親。家族っていいよね、そういう映画。家の外には、危険もあれば(狂犬病の犬とか)、怪しさもあり(ブーとか)、そして不正義もある(人種差別とか)。父親の力をもってしても、どうにかなることもあればどうにもならないこともある。しかしそんなときこそ家族の絆……といいたいところだけど、時には隣人に、見知らぬ人に助けられることもある。そうして子供の世界は、家から社会へと少しずつ広がっていく。そういう映画。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2012-03-26 22:50:32)
130.  アマルフィ 女神の報酬 《ネタバレ》 
まさか、織田裕二主演のフジテレビ映画でこんな感動するとは思わなんだ。いや実際私も、大抵の方と同じ感想、「うわー往年の名レスラー同士のプロレスみたいな“夢の(笑)”キャスティングやなー」とか、「織田裕二の喋り方、だんだん山本高広に似てきたな」とか、「佐藤浩市が出てくると、“どーせアナタが犯人なんでしょ”とツッコミたくなるね、冗談だけど」(←冗談で済まなかった)とか、思いつつ見てたんですけどね。結局、感動しちゃいました。クライマックスの、織田裕二と佐藤浩市が対峙する場面がとにかくシビレちゃったんですが、黒田が、少女の母から犯人に向けた「死なないで」というメッセージを伝えるシーン。この場面って、ベタな映画だったら、“伝言”じゃなくって、黒田と一緒に駆け付けた少女の母が直接、叫んじゃったりするのでは。映画冒頭、まるで不仲の夫婦のように無言でエレベーターに乗り込む二人、意思が通いあわないにも関わらず行動を共にしなければならない二人が、一連の事件を通じ、ついに気持ちを通い合わせた途端、離れ離れになり別行動となる。その最後に、交わし合う視線。結ばれた信頼によってこそ、これまでの迷いはすべてふっきれて、二人は決然と行動する、そしてその一方、信頼すべきパートナーを失ったことで復讐に走り犯罪に手を染めた犯人が、最後に見せる迷い。クライマックスの緊迫感の中、妙に寒がってみせる現地警部のいい味など、脇役陣も忘れがたい面々で、何かと嬉しい驚きのある映画でした。
[地上波(邦画)] 8点(2012-03-04 17:55:35)(良:1票)
131.  悪魔のしたたり/ブラッドサッキング・フリークス
江戸川乱歩もビックリの「舞台で行われている殺人劇は実はホントの殺人でしたとさ」という作品。「脳味噌チュルチュル」などの変態シーンの連続、かなりビョーキの作品ですが、“批評家を血祭りにあげる”などというテーマ性には、一応自覚症状も見てとることができますね。ははは。「こんな映画、どうやって終わらせるねん」と思いつつも、あまりにもヒドイ内容なので感覚がマヒしてきてしまったのか、ラストでは「おお、なるほど」と妙に納得してしまった自分がいる。 点数は一応、1点としておきますが・・・点数をつけることに何の意味もありませんけどね。
[DVD(字幕)] 1点(2012-01-02 08:14:00)(良:1票)
132.  アフリカの女王
オッサン船長とオバチャンがオンボロ船“アフリカの女王”号で川を下る、その道中に待ち受けるは、敵国ドイツ軍、急流、滝(まあ、お約束ですな)、蚊の大群にヒル、ってな訳で、冒険また冒険。これが美男美女の組み合わせなら、「ええい、勝手にエッチしてろ」となるところだけれど、まあ、これなら安心感があります(何の安心感やら)。ハンフリー・ボガートが、ムサいオヤジの役柄の割にやっぱり何ともダンディなのが(自分の船なのに屋根の無いところで寝て、雨が降ってきてもレディに気を使うあたり)、そんな訳ないやろ~と言いたくなる、と言うか、冒険に主眼が置かれ過ぎて2人の関係の描写がテキトーに感じる部分でもあるのですが。あと、共に苦労し彼らの命を救う“アフリカの女王”号という船、最初から破壊される運命にあると言うより、もう「破壊する気(破壊される気)マンマン」みたいなところがあって、ちょっと描き方に思い入れが少な過ぎるんじゃないの、と、扱いの悪さが気になるところ。しかし本作を見ていると、「スピルバーグは“オルカ”号を創造するにあたって、きっとこの“アフリカの女王”号を念頭においてたんじゃなかろうか」という気がしてしょうがないのです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-31 08:52:59)(良:1票)
133.  アナコンダ2 《ネタバレ》 
先日の金曜ロードショーでの放送で、それなりの高視聴率を上げてしまうのが不思議と言えば不思議だけど、どうもこのテの映画、関東地区より関西地区の方が視聴率が高いらしい、と言えば、何となく納得してしまう。理由は無いけど。で、この第2作目とやら。第1作と同様(とは言っても内容的には何ら関連性が無いが)、ヘビの扱いが非常に悪い。何かにつけ無視されがち。いやこの第2作ではそれなりにヘビとの戦いが内容のメインにはなっているけれど、登場人物たち、密林の中でいつ背後から襲われるか、などと心配している気配が無い。要するに、台本に「今はヘビが襲ってくるシーンではありません」と書いてあるかのごとく(そりゃ書いてるだろうが)、気を抜きまくって、ジャングルの不気味さみたいなものはさっぱり感じられない。実際、密林と呼ぶには妙に明るいし。と言う訳で、ヘビの扱いは悪いし、人間どももちゃんと演技をしない。しっかり活躍しているのはサルだけで、こちらは見事なカット繋ぎを見せたりする。演出側もサルにだけは敬意を払っているらしく、ここぞという場面では必ずサルの表情を挿入。いやホント、サルだけは素晴らしいです、ハイ。あとこの映画、ラストのヘビ退治の方法は、これはなかなか斬新じゃないでしょうか、土砂に埋めて退治するなんて。ヘビなんだからきっと、埋められても出てくるような気がするけど・・・。
[地上波(吹替)] 6点(2011-11-16 22:20:51)(笑:1票)
134.  仇討(1964)
仇討の果し合いが行われようとしている冒頭。その順位が着々と準備が進められるシーンから、時間を巻き戻し、そもそもの事件の発端が描かれる。そして、時間軸を自由に行き交いながら、事件がさらに次の対決を生み、そして冒頭で示されていた果し合いの全貌がいよいよ明らかになったとき、退っ引きならぬ立場に追い込まれた主人公の焦燥感が、痛いほど我々の心を突き刺す。震えが来るほどのクライマックス。凄まじい、とは、まさにこの事。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2011-11-08 23:37:56)
135.  アメリカ上陸作戦
これは何とも、楽しい愉しい映画ですね。アメリカのとある島の近くでソ連の潜水艦が座礁し、乗組員の一部が島に上陸してきたことから巻き起こる騒動。ホームドラマの世界に突然、ソ連兵が闖入してきて、それでもホームドラマのノリが続いていくという、噛み合わない面白さ。はたまた、そもそも潜水艦の艦長のヘンテコリンな言動が騒動の原因なら、島の住人もそれに劣らずヘンテコな連中だらけ、なもんで、騒動が連鎖反応的に広がっていく、“転がり出したら止まらない”面白さ。で、一連の騒動を通じて、冷戦構造への皮肉、「個人レベルであれば、人間同士、誰でも互いに仲良くしたい、理解し合いたい、できれば争いたくない、と思っており、またそれが実現もできるのに、国同士の関係になるとどーして無意味に敵対するのか」という風刺が描かれてもいて。こりゃま、いささか素朴に過ぎる主張ではありますが、しかし脚本のうまさと、俳優たちの誇張された演技が、この風刺を受け入れやすいものとしております。ラストなんぞ、「何やねんこのアホみたいな“エエ話”ぶりは」と呆れかねないところですが、「ま、愉しいからいいか。コメディだもんね」と、(一応)納得しちゃう。でまあ、この映画、何が面白かったって、主人公の作家が、ソ連兵に振り回される一方で、家族にも振り回されちゃうところ。非日常と日常のせめぎ合いが誇張された面白さ、ですが、特に息子の言うことに振り回された挙句「育て方を間違えたか?」なんて言い出すのが、傍目に見れば「そんな事言ってる状況じゃないでしょ」となる訳ですが、一方で父親の立場からすれば妙に切実でもあります。そしてまた、“個人同士は仲良くできるはずなのに国同士はなぜ仲良くできないのか”という点にもこれはつながっていて(家族=ミニ国家)、要するに国家ってのは、こういう内部の不満、内部からの突き上げを常に抱えているわけですね。それを抱えながら国家自身をどうやって維持するか、それが国家の関心事。個人同士がナゼ互いに仲良くし理解し合いたいと考えるのか、それは、それが自分を維持し守っていくための手っ取り早い方法であるから(もたれ合いの構図)。国家同士にはこの関係は当てはまらない。そんな素朴ではいられない。現に、主人公が、そして島の住人が、トチ狂っていったように。という訳でこの映画、実は一筋縄ではいかぬオハナシかもしれんなーと思った次第。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-09-04 00:32:39)
136.  悪魔の沼
よくもまあこれだけバッチいセットを作ったもんだと。そしてよくもまあ、こんなキタナいモーテルに、みんなアタリマエのような顔して泊まれるもんです。普通の作品なら、キタナイ=リアリティ、なんですけれど、この映画ではもはや、あまりのキタナさが、超現実的な世界観へと昇華されているという・・・。内容もおよそまとまりといったものは無く、メチャクチャだし。変態男がワニを飼っている、という、ただそれだけ。あとは成り行きまかせ。しかしその物語のカオスが、やがて同時進行する醜悪さと恐怖へつながっていき(床下の少女、階上に監禁された母親。終始落ち着かず考えの読めない変態に対し、妙に毅然とした意志を感じさせるワニ)、最後には妙に納得させられてしまうのが、この映画の不思議なところ。音楽がこれまたデタラメで、とても良いです。
[DVD(字幕)] 8点(2011-08-17 08:15:00)(笑:2票)
137.  赤線地帯
普段は職場でイジラレ役の新人クンが、宴会の席で、実は風俗の常連だということを暴露された途端、先輩達から尊敬の眼差しで見られる、ってのはよくある(?)話ですが、まあそういう、みんなが知ってるようで知らないようでホントはどっちなんだよ、という風俗産業、売春宿が本作の舞台。ん~。正直、この雰囲気、苦手だなあ、こうもアタリマエのように、まるで健全であるかのように、描かれちゃうと。そりゃま、悲惨一辺倒ではないところがポイントではあるのですが、ヘンタイ性の部分には触れずにアッケラカンと描いているのには、どうも違和感というか何というか、納得いかんのです。ヘンタイ性も描くべきです(キッパリ)。とは言え、娼婦たちそれぞれの人生が多層的に描かれていく様は、映画が進むに従い、目が離せないものとなってゆきます。映画の尺が短いこともあって、なかなかに濃密な映画世界です。注目は、女優たちの演じる娼婦たちそれぞれの生きざま、に加えて、黛敏郎の不安をさそう音楽、な訳ですが・・・アヴァンギャルド全盛の時代に、最前衛の電子音楽を取り入れた割には、曲想自体は比較的落ち着いたものだと思います。ぽよ~ん、ひゅるひゅるひゅる。いっそ『天地創造』でも、ヤっちゃえばよかったのに。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-08-06 21:32:50)
138.  アーマード 武装地帯
現金輸送車の大金を、あろうことか輸送を受け持つ警備員たちが奪う、という現金強奪作戦。しかし、現場に目撃者がいたことから、思わぬ展開になる。なぜ計画が頓挫するかと言えば、仲間が“6人”しかいないからですね。「七人の~」「~の七人」でお馴染みの“7人”に、一人足りない。これがケチのつき始め。6人の中のひとりである主人公タイは、従軍経験があり、凄惨な体験もしてきたらしいが、詳しくは語られない。ドッキリにひっかかってビビりまくったり、絶対に血を流さない条件でこの計画に参加したりするあたりの、ひとの良さ(そんな彼でも道を踏み外してしまう。金が無いことの不幸。彼の従軍経験も、おそらく貧困と関係があるのだろうけれど、映画ではあえて触れられない)。流血沙汰となってしまったことで、彼は仲間と対峙し、この計画の阻止を図る。現金輸送の装甲車の中に立てこもる彼、そう、まさにこの映画は、ついつい嬉しくなってしまう“立て篭もり”の映画。それも、“立て篭もり”の内部から描く通常のパターンではなく、“立て篭もり”を破ろうとする外部から描く、一種の人間狩り、でもあります。装甲車のドアを破ろうとする手立てが逐一描写されていく、その克明さ(観てる側も正直、主人公タイではなく残り5人に肩入れしてしまいがち)。一方でタイの、どう行動をとるべきかの苦悩が描かれもする訳ですが、単にもっともらしく「今、悩んでます」という表情を描くだけではないのが、この映画の密度の高さ。彼の苦悩の表情と、その背景における何らかの「動き」は常にセットになっていて、映画の推進力が損なわれることはありません。この密度の高さがあってこそ、90分に満たない尺に収められる訳で。派手でもなく、長くもない映画ですが、意外な充実感のある作品です。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2011-07-05 22:46:20)
139.  暗黒街のふたり 《ネタバレ》 
一見何とも判りやすいオハナシでして、それだけに、額面通り受け取っていいものやら警戒してしまうのですが。銀行強盗の罪で服役していたアラン・ドロン演じる主人公、このたびめでたく出所の運びとなり、保護司のジャン・ギャバンの支えを受けながら社会復帰を目指す。かつての仲間の誘いもキッパリ断り、勤め先の仕事は順調、愛する妻とも仲睦まじく、言うことなし。なのですが、やはり世の中思うようにはいかないもの。と言うかむしろ、こう言っちゃなんだけど、この主人公、気持ちいいくらい順調に転落の一途をたどっていきます。すべてが裏目裏目。主人公を支える人は皆、とってもイイ人として描かれ、それ以外は皆、とことんイヤな人として描かれて、主人公をひたすら不幸のどん底に引きずり込む、という類型化した図式。このまま終わってしまうと「何やねんこの映画は」となるのだけれど、ラストでその印象は一変します。この出来過ぎたオハナシの先に待っていたのは、もっともっと非現実的に思われがちでありながら確かに現実に存在する“ギロチン”という代物(ようやく廃止されたとのニュースを子供の頃に聞いた記憶があります)。このくだりは現実とも非現実ともつかぬ、まさに悪夢のような光景。ただ、「ギロチンにかけられる前には首のまわりの服を切り取るのか」(ホントかどうかは知らんけど)という、妙にリアリティのある細かい描写によって、これは夢ではない、現実なんだ、ということを強く印象付けられます。その怖いこと怖いこと。だからこういう一見判り易そうな映画は、油断ならないのです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-04-28 21:18:09)
140.  秋日和
これもまあ、映画の歴史において再三現れる「三人の○○」モノの一本、ですね。三人の天使というか、東方の三博士というか、いや実際は脂ぎった三人のオヤジなんですけども(仮にこの三人の名前を、チョビヒゲ、メガネ、オールバックとしよう)、この三オヤジの超おせっかい(今の目で見たらセクハラ指数満点)のオハナシ。亡き友人の未亡人とその娘、どっちもイイねえジュルジュル、なんてことを言いつつ、結婚こそが人生の幸せにキマっとるとばかり、娘を何とか結婚させようと奔走する。しかし娘の方は例によって「ワタシ結婚しないわ」と母の原節子を困らせる、このゴネっぷりはかつての原節子の姿、因果は巡るとでも言いますか。映画の基調はユーモラスな雰囲気で、三人のオヤジの調子良さとか、誤解から生じるドタバタとか、コメディらしく楽しめるのですが、それらの顛末の中で、娘の友人などもからんできて物語を重層的に広げ(何度か登場する屋上のシーンが印象に残ります)、さすが、ドラマとしても充実しています。そもそも、結婚こそが幸せ、という価値観に裏打ちされている一方で、メガネこと中村伸郎が(必要以上に)服を脱ぎ散らかしそれを奥さんが片付ける理不尽な「家庭」シーンを入れるあたり、一筋縄では行かず、なかなか皮肉。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2011-04-01 03:46:34)
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