Menu
 > レビュワー
 > 鱗歌 さんの口コミ一覧。8ページ目
鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順123456789101112
投稿日付順123456789101112
変更日付順123456789101112
>> カレンダー表示
>> 通常表示
141.  アイランド(2005)
「問題提起してます」的なテーマを絡めたいかにもSFらしい設定も良いし、アクションシーンにおけるカークラッシュへのコダワリも嬉しい。問題は、その“SFらしさ”と“スピーディで豪快なアクション”という両者を繋ぎ合わせるために、“映画中盤で背景を全部説明してしまう”という安直な方法を取ってしまったこと。中盤でいったんネジを巻き直してしまう。テンションもいったん途切れてしまう。せっかくリキの入ったアクションシーン、謎を謎のまま引っ張っていくのにフル活用しちゃえばよかったんじゃないのかなあ、と。まあ、力を抜いて楽しめる作品、であることには間違いないけれど。
[地上波(吹替)] 6点(2011-02-18 01:54:22)
142.  アンストッパブル(2010)
わかっていたこととは言え、自分がこういう映画にヨワイこと、改めてつくづく思い知らされました。お涙頂戴の要素なんかまるで無いけど、映画観てる最中、もう涙が出て仕方が無い。それは、ひたすら運動エネルギーの巨塊として描かれる暴走列車のド迫力に、ただただ圧倒されるから(こういう映画を観てると“鉄チャン”の気持ちが少し理解できる)。そしてそのエネルギーの前には無力な人間の姿と、それでもなお暴走を止めようと列車に闘いを挑むその姿には、震えが来るほどの感動が。いやあ、暴走列車モノにハズレなし(例外はあるけど)。殆ど条件反射的に感動してしまいます(でも一部例外が)。以前、『暴走機関車』という映画がありましたが(メッチャ好きなんです)、本作は、この映画と、この映画の元になったクロサワ脚本の両方を合わせた感じ。暴走をどう食い止めるかに主眼が置かれている点はクロサワ脚本に近いけれど、列車の破壊的なパワーにこだわった描写は、コンチャロフスキーの映画版の方(四重連!)を思い起こさせます。D・ワシントンの仁王立ちの姿もJ・ボイトを思い出させるし。暴走列車モノ、最高です。アトミック・トレインなどは例外ですけど(しつこいってば)。さて本作ですが、映画中盤、列車の暴走の模様がテレビ中継によって描写されていくのが、いささか要領良過ぎるようで、何だかチャッカリしてる気もしたのですが、実はコレも意味がありそう。というのも、映画前半では「家族に“言葉”では気持ちが伝えられなかった」2人の主人公が、後半では、テレビという“映像”を通じることで家族との距離が縮まっていく、という、ちょいと洒落た仕掛けになっているのですね。また、運転席のミラーも重要な役割を果たしていて、もちろん暴走列車への闘いにおいても重要なのだけれど、主人公2人の関係をもこのミラーが表現していて、映画前半では不信の視線、後半では信頼の視線を表しているのが心憎いところ。ところで、デンゼル・ワシントンの役どころ、サブウェイ123の時とちょっと似ている部分もあり・・・そしてそしてこれもサブウェイ123の時と同様、列車の窓は、何故か濡れているのでした。
[映画館(字幕)] 10点(2011-01-18 22:39:11)(良:2票)
143.  アリス・イン・ワンダーランド
3Dで観てない私が悪いんですかね、2Dで観る限り、工夫の無い映画、余白の乏しい映画、したがって何の情感も感じられない映画としか思えなかったのですが・・・。カントクさんが映画で遊ぶのは大いに結構だけど、この程度の遊びには、付き合いきれません。なお、アリスの体が小さくなったり大きくなったりする際に、服のサイズが合わなくなる描写、これこそ全くツマラナイものだと思います。アリスの体が大きくなることと、アリス以外の世界すべてが小さくなることとは、同義であり区別は無いはず。しかしこの描写は、わざわざそこに区別をつけてしまった。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2010-12-28 00:41:19)
144.  あらくれ大名
どこからどこまでが史実なのか(というより、多少なりとも史実を含むのか)よくわかりませんが・・・時は大坂冬の陣。市川右太衛門演じる松平直次郎、家康の息子でありながら豊臣側につき、八面六臂の大活躍。とにかくやることなすこと豪快で、何かと無茶をしでかしては「がっはっは」と高笑い。最初から最後まで、右太衛門の高笑いがこれでもかと繰り返され、観終わった時には耳の奥底にこびりついて離れなくなること請け合い。それもヤケクソみたいな高笑いで、目は全然笑ってなかったりするのがちょっとコワかったりします。でまあ、とにかく、合戦あり、陰謀あり、ちょっとした恋愛あり、と、非常に楽しませてくれる作品になっているのですが・・・映画の大詰め、家康のいる伏見城へ乗り込んでいく右太衛門の勇姿にシビれ、敵味方の関係になったとはいえ、あくまで父である家康とのやりとりにちょっとホロリと来たところで・・・え~なんじゃそりゃ~といいたくなるような腰砕けのクライマックスが。罰ゲームかいな、これは(機会があればぜひ本作を観て、のけぞって下さい)。ま、しかし、大坂夏の陣を前に、颯爽と豊臣側に去っていく右太衛門、この後の波乱を感じさせつつも大団円、というラストが、これまたホロリときますね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-08-31 00:21:07)
145.  アバター(2009)
え~、劇場で3Dで観なかった以上、本作を観るつもりはなかったのですが、レンタル屋店頭に大量に残ってたもんで、はい、出来心です、すみません。とりあえず、2Dでもなかなか楽しめました。内容的には『ミッション』のようで『もののけ姫』のようで『ポカホンタス』のようで、要するに結構、ベタなのかも知れませんが。ナヴィ族が変な顔だと言う声もありますが、どうしてどうして、観てると違和感なくなってきます。髪型的には、今は亡き軍事評論家のエバター氏を思い出したり。それはともかく、本作の、この入魂のCG映像には、頭が下がります。ただ、2Dで観てしまったからなんでしょうけど、これは「これまでの集大成」的なCGであって、何か「今までできなかった」ような新しい世界が開けたような気はあまりしないですね。作り物、っぽい感じ、実写に似せようとして似せ切れないアニメ。内容的にも、気になる面はあります。主人公は実生活においては下半身不随で孤独の身、一方アバターを操っている間は飛んだり跳ねたり自由の身。ってコレ、要するに、主人公がナヴィ族にシンパシーを感じるとか何とか言う以前に、そもそも自分自身の利害、打算がありますやんか。そう言って悪いなら、ナヴィ族側につくにあたって、得るものこそあれ失うものはなく、何ら「苦悩」や「決断」の必要がないじゃないですか。またこの映画、やたら長尺のくせに、この映画が終盤に近付いてくると、明らかに物語を「端折って」慌ただしくなります(違和感ありあり)。いや長尺だからこそ、この辺りでグンとスピード感を出したいところなんでしょうけど、観る側がそろそろ退屈しやしないか、という、一種の媚のようにも思えます。そんなコトが心配なんだったら、そもそももっと映画を短くすれば(可能ならその分CGのクオリティを上げれば)いいやんか、と思ってしまいます。で、クライマックスの戦闘ですが、近代兵器を操る人間たち相手に、圧倒的不利で絶望的な戦いが続くかと思いきや、実はやたら強かったりするのがナヴィ族の可愛くないところ。でもまあ、このハチャメチャな戦闘シーンが、何だか『トゥルー・ライズ』を思い出させて、ちょっとうれしくなったりもするのですが。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-08-13 23:14:56)
146.  悪魔のいけにえ2
1作目が“チェーンソー狂”なら、今回は“チェーンソー教”。この第2作、他人にホメてもらいたいとか、理解してもらいたいとか、そういう感覚とは隔絶された超絶的おバカ世界。ほとんどビョーキ。一作目を超えたとは金輪際思っちゃいない癖に、この2作目の方にさらに高い点数をつけてしまう自分がいる。もちろん、そもそも映画に点数つけようなどというオコガマシイ事をしようとするから、こういう自己矛盾に陥ってしまうのだけど。それにしても、まあ、スゴイ映画です。今度こそ不当にも高い評価を受けてしまうことがないように、実に周到に、徹底的に、とことんまで、バカです。しかしそこにはやはり、際限の無い反復、異常なまでのシツコサが醸し出す、エゲツ無さとブラックな滑稽さがあり、しっかりと圧倒されちゃうのです(そういった点では一作目とも繋がっているよなあ、と)。ラストは主人公と一緒にとりあえず叫びたくなる、そんな映画。
[DVD(字幕)] 9点(2010-07-21 21:54:29)(良:2票)
147.  暗黒街の弾痕(1937)
いったん前科を背負ってしまった青年は、もはや世間には受け入れられることはない。ただひとり、彼を信じ彼を愛する女性とともに、ただただ転落の道を歩む。比較的短い映画なもんで、世間の理不尽さがストレートに描かれ過ぎている面はありますが、むしろそれだけに、その理不尽さと二人の愛が、好対照に描かれています。牢の格子を光線で強調したシーンなどは、いかにもアートしてます、みたいな感じがしないでもないのですが、霧の中で脱獄を図るシーンなどは、圧倒的な緊迫感で、幻想的でありながら生々しいサスペンスを見事に演出しています。また、自動車の窓から覗く強盗の視線、これに代表されるように、「視線」が印象的な映画、でもあります。と言う訳で、印象的なシーンの多い映画でした。
[DVD(字幕)] 9点(2010-07-19 23:06:19)
148.  悪魔の調教師
荒野の真ん中でクルマが故障し、立ち往生してしまったオネーチャン3人組。と、そこに現れたのは変質者の男、3人を自宅に拉致監禁。その家には他にも拉致されてきた女性たちが。変質男は自分がサーカスの団長だという妄想に取りつかれており、拉致してきた女性たちに鞭を振り振り、芸(?)を強要。逃げようとした者にはキツ~イお仕置きが待っているのでありました。しかし変質男、女性の一人を自分の母親だと思い込み(全然似てない気がするが)・・・ってな感じのオハナシです。いやこれが、意外にちゃんとしたサイコサスペンスでして。追いつめられる女性たちの姿と、彼女たちを捜索する人々の姿とを、並行して描くことで、なかなかハラハラとさせられます。離れの小屋に潜む謎の人物の存在も、さらにサスペンスを盛り上げるわけですが。ただ、まあ、「手堅過ぎる」といいますか、ほどほどに映画をまとめた上で適当に切り上げてしまい、「えっそれで終わりかよ」といささか味気なさを感じる作品でもあります。しかし何でしょう、この、「どうせヘボい映画なんだろう」と思ってたら意外にちゃんとしていたもんで、かえって欲求不満が溜まるというのは。反省しないといけませんね。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-05 23:03:02)(良:1票)
149.  悪魔の凶暴パニック
ヤケクソのような邦題ですが、中身は「悪魔」でも「凶暴」でも「パニック」でもなくって、かなり地味なサスペンス作品です。物語はといいますと・・・男女の集う、楽しかったはずのパーティは、惨劇と化した。何と、メンバーの一人の男が、カツラand全ハゲだったのである! って、まあ、これだけならば「ハゲで悪いかよ」ってな話なんですけれども、問題は、そのハゲ男が発狂して、他のメンバーを殺害してしまったのである! しかもハゲ男はその後あえなく頓死、やはりパーティメンバーの一人であったジプキンは故なく犯人と間違えられ、警察に追われる身に。真相を追う彼の前に、第2、第3の惨劇が発生、いずれも共通点は加害者が全ハゲであること。やがてジプキンがたどり着いた謎の言葉“ブルー・サンシャイン”。その秘密とは? ってなオハナシです。どうですか、面白そうですか。確かに、盛り上げ方さえ上手ければ面白くなりそうですね。でも実際はというと残念ながら、盛り上がらない地味な作品になっちゃってます。クライマックス(に相当するであろう)の対決ですら、とってもアッサリしていて盛り上がらないことこの上なし(ま、襲ってくるヤツが「ハゲ」である以外に特徴ないしね)。大体、なぜ「ハゲが発狂」なんですかね(正確に言うと「ハゲのカツラが取れたら発狂」かも知れないけど)。誰しも身近にハゲの一人や二人はいるので、「もしやあの人も!?」と我々をビビらせようという作戦なんですかね。あんまりハゲを馬鹿にしてはいけませんよ。と、私もちょっと「ハゲ」を連呼し過ぎですかね、恨まれそうですね、すみません。
[DVD(字幕)] 5点(2010-06-08 00:07:33)(笑:1票)
150.  アメリカン・ギャングスター
イーストウッドが「硫黄島二部作」として2本の映画を作ったところを、リドリー・スコットは、どうしても一本の映画に収めたかったらしい。それならそれで、もう少しやり方がありそうな気がするのだけど・・・。ギャング側と刑事側の両側からその対決を描いた作品で、両者をことさらに対照的に描いて多層性を出そうとしているのかも知れないけど、もうひとつ噛合っておらず、いつになったら両者が絡むのやら、と少々待たされ過ぎの印象。両者がついに対峙した時に感じるべきカタルシスが、ちと弱いかな(エクステンディッド・エディションの方のラスト、劇場版ではカットされてるんだから本来どうでもいいのかも知れないし、ちょっと甘過ぎる気もするんだけど、それでもなお、本作の弱点を何となく補っているような気がしないでもなく)。クライマックスの銃撃戦は確かに凄かった、だけど、映画全体を通じてデンゼル・ワシントン自身にもう少し凄みが欲しかったですかね。終わりの方で、彼とラッセル・クロウがふと笑みを漏らすシーンは、ちょっとホロリと来たのですけれど、でも、そこに至るまでの過程がもっとしっかりしていれば、もっと感動できたんじゃないか、と。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2010-05-30 15:54:29)
151.  赤い風船
この作品に関しては語る言葉を知らない。ただただ、泣けてしょうがない。特にラストはもう、いたたまれない気持ちになる(嬉しいんだか悲しいんだかわからない。とにかく泣ける)。何が何でも子供に見せたくなったので、4歳の娘と一緒に観る。娘も、喜んだり怖がったり、夢中になっておりましたよ。さらには0歳の息子も巻き込んでみる。うーむ。さすが反応は乏しいが、いやきっと、0歳なりに何かを感じているに違いない(ホンマかいな)。まだ観てない方は、とにかく観てください。
[DVD(字幕)] 10点(2010-04-05 22:54:45)(良:2票)
152.  悪魔の墓場
邦題が『悪魔の墓場』なんていうベタなタイトルで、ちょっと「恐怖の味噌汁」とか「悪の十字架」とかに通じるものがありますが(悪魔の人形。あ、クマの人形。ってのもありましたね)。だいたい、悪魔の“墓場”ってんだから、すでに悪魔が退治された後のような。それはともかく、ロメロのあの名作(タイトル略。笑)をパクッて、青い顔のゾンビに人間を襲わせて食べさせてみました、ってな趣向の作品ですが。ロメロ作品の、ただただゾンビが人間を襲うという身も蓋もない感じ(だからこそ画期的なんだけれど)と比べれば、本作はそこにオカルト色を加えていて(ゾンビが変な儀式してたりするし)、いかにも「恐怖映画らしい映画」というか、まあ折衷的な作品になっております。要するに日和ってるんじゃないか、と言われそうですが、そういう中途半端なところがまた面白かったりするわけです(ロメロならこういうのは作らない、作れない)。しかもそこに「害虫駆除の超音波が、死人の蘇る原因なのだ」みたいな無意味な合理性を持ち込んでみようとする、思い切りの悪さ。つまり、オカルト映画とパニック映画を両方やってみました、という訳ですね。スバラシイ。主演の男優のヒゲ面がまた、私にとってはいかにも“これぞ70年代映画のヒーロー”ってな感じで(ごく一部の映画のような気がするけど)、ものすごーくカッチョよい。不自然なほど警察と対立するのも良いし、とりあえず「立て篭もり」をやってみせてくれるのもサービス満点。ただ終わりの方は、何もそこまでロメロ作品(タイトル略)を踏襲せんでもいいでしょうに、とは思いますけど・・・。亜流作品だ、こういうのこそ映画の墓場みたいな作品だ、という批判も当然あるでしょうが(まあ当然ですよね)、わたしゃ結構好きです。
[DVD(字幕)] 8点(2010-04-04 07:51:14)
153.  愛に迷った時 《ネタバレ》 
邦題は「愛に迷った時」だけど、実際にはジュリア・ロバーツは、たいして迷っていそうな気配もなく、ただひたすら表情をクルクルと動かし続けるばかり(表情を見てるだけで結構慌ただしい)。要するに、「旦那が浮気したもんだから、カミさんは娘連れて実家に帰り、楽しく過ごしましたとさ」というオハナシでした。しかも最後は仲直りしてハッピーエンド。えーーーーそれでいいのかーーーと、私の方がむしろコメントに迷ってしまう。うん、多分、次は本当に毒殺されると思うよ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-03-03 23:29:09)
154.  悪魔の毒々プラトーン
昔、英語の先生が“プラトーン”ではなく“プラトゥーン”です、と怒っておられましたが、これは多分オリバーストーンの映画の邦題の事を指していたのだと思います(まさか本作の邦題の事ではないと思います)。さて本作、無意味なエロと無意味なグロを交えつつ、緊張感の無い銃撃戦がこれでもかこれでもかこれでもかと繰り広げられる、これぞまさに「木曜洋画」路線の極北とも言うべき作品。銃撃戦の好きな方、銃撃戦なら何でもいいという方、特に、銃撃戦さえあれば大抵の事はガマンできるという方には、まさにおススメ。ゼヒその忍耐力を、本作で確認してみてください。無人島に旅客機が墜落。しかしその島は奇遇なことにテロリストの巣窟であった。さらに奇遇なことには、テロリストどもはアメリカ侵攻作戦をまさに展開せんとするところ。生き残った客たちは武器を手にとり、彼らに戦いを挑む。って内容。乗客の中には、ベトナム帰りのバトル親父やら、謎のスパイもどき(端正な着こなしの服の下には毒の吹き矢を常備)やら、ヘヴィメタ軍団やら、ちょっとイッちゃってる牧師やら、その他成金オヤジに食いしん坊オヤジと、キャラの多彩さには事欠きません(こんなヒドイ乗客ばかりなら、そりゃ飛行機も墜落するわな)。勿論、テロリスト側も得体の知れないヘンテコなる面々をそろえており、奇人変人どものデタラメバトルが展開されます。映画を作るにあたって、まともにストーリーを考えようという気がさらさら無く、変なキャラをてんこ盛り出しておけば何とか映画が繋がるだろう、てな感じですが。勿論繋がってません。それでも何でも、この銃撃戦のしつこさ、こればかりはもう、特筆もの。敵のテロリスト軍団がウジャウジャと次から次に現れるのを、片っ端から撃ち殺す。撃って撃って撃ちまくり、敵は倒れ倒れて倒れまくる(しまいにゃ、撃ってもいないのに倒れるヤツまで出る始末)。という訳で、どうせやるならここまでやらなきゃ、というノリですね(というか、どうしてみんな、ここまでやらないんだろう、というノリ。それは皆、自制心があるからですよ)。ひとつの道は確かに極めたな、と。さすがトロマ。 (で、6点なのか?ワタシの基準には統一性が皆無であることがよくわかった)
[DVD(字幕)] 6点(2010-02-14 07:46:12)
155.  アンダーカヴァー(2007)
シビれた!圧倒されました。警察署長である父、やはり警察官である兄、彼らとは正反対に、チンピラ同然の弟。警察とマフィアとの抗争の中に、彼ら家族の確執、絆、そして運命が描かれる、という、物語自体も確かに劇的で魅力的なんですけれども、何と言っても、映像の力強さが目を引き、映画に強くひきこまれずにはいられません。この映像には、温度が、時間が、深さが、確かに感じられます。この映像の持つ生々しさがあってこそ、物語が生きたものとなり、物語が生きているからこそ、映像もまた生きたものとなるわけで。アクションシーンをとっても、これほど「泣ける」カーチェイスが、かつてあったでしょうか(ごめん、あったかもしれない)。抑え気味のセリフが、かえって感情を雄弁に物語っているんだけれど、しかし、この映画の中で最も雄弁であったのは、弟役を演じるホアキン・フェニックスの後ろ姿、印象的な彼の大きな「背中」ではなかったでしょうか。出会えてよかった、と思える映画でした。
[DVD(字幕)] 9点(2009-12-06 22:45:43)(良:2票)
156.  悪魔のはらわた 《ネタバレ》 
冒頭のクレジット「アンディ・ウォーホル プレゼンツ」。これが本作の最大かつ唯一のキモでありオチであったりするわけで、本編は気楽に観ることにしましょう。って言ってもなあ。主人公のマッド・サイエンティスト、理想の人類を作り上げるべく、男女の人造人間を製作し、コイツらをコービさせようと。となると、男の方の頭部パーツは、なるべくドスケベな奴をぶっ殺して頭部をゲットすべし。ところが、手違いにより、ドスケベ男の代わりにフニャチン野郎の頭部をとりつけてしまったから、さあ大変(←べつに大変でも何でもないよなあ)。しかも、フニャチンの友人であるドスケベ男は、博士の妻の浮気相手。屋敷に出入りするうちに、殺害されたハズの友人を発見し・・・。てな内容。いやあ、バカですね。考えようによっては大変よくできた話で、繰り返される惨劇の末に死体の山が築かれるラストなど、シェイクスピア悲劇を彷彿とさせるような、させないような。しかし、やっぱり、バカですよね。このバカバカしいお話を、真面目に演じている若き日のウド・キア、彼のハイテンションぶりが、何とか映画を支えている(いや支え切れていない)のですが、さすがの彼も、撮影用のドロドロの内臓には、やや持て余し気味か。映画全体を通じて、「内臓=バッチい」という印象が、やたら強く残る映画でした。
[DVD(字幕)] 5点(2009-10-19 22:21:43)
157.  アイ・アム・レジェンド 《ネタバレ》 
あの、無人のニューヨーク。平然と狩りを繰り広げる主人公、そして平然と獲物を奪うライオン(アメリカにもライオンいたのか)。いいですよね~、何だか。昼はこういう非現実の世界を圧倒的なCGで描き、夜は夜でゾンビみたいな連中がモリモリ襲ってくるというわけで、とりあえずギミックには事欠かないはず。なのに。なのにこの、映画全体から受ける印象の、なんとも地味~なこと。この地味さは、はっきり言って、“伝説”級ですよ。そりゃまあ、主人公ひとりニューヨークに生き残った、という設定から来る地味さもあるでしょうけど、問題点はそれだけじゃなさそう。まず、水平的展開(物語が展開していく推進力、非可逆性)の弱さ。そもそも、一人生き残った主人公が、律儀にも肉体をバリバリ鍛えつつ、律儀にコザッパリした身なりで、これまた律儀にも白衣に着替えて熱心にワクチン開発を続ける、という優等生ぶりがツマラナイ訳で、普通、もっと自暴自棄になったり、何らかの“心の傷”があってもよさそうなもの。で、この過剰な優等生が、難なく、ある日ワクチンを完成させちゃって、はい、オシマイ、と。やっぱりさー、「転機」なり「決断」なりの劇的なモノがあってこそ、人間、レジェンドにでも何にでもなるだろうけど、この映画、何もないよね~。という、展開の弱さが、まさに地味・・・。次の問題点、垂直的展開(意外な設定下の思考実験としての面白さ)の弱さ。大体、人類滅亡寸前というサバイバルを描くのに、「あ、どうやら電気と水は来てるのね」という時点で、SFとして弱い。都会が無人になっている、という映像のインパクト以外に、これといって面白さを示せていないのがツライ。大体、変なゾンビみたいのがいくら襲ってきても、CGのチャラチャラ感が恐怖感を弱めていて、はっきり言って、この映画の中では、現実に存在するマネキン人形の方が、よほど不気味に見えるわけです。主人公とマネキン人形の関係、やりとりの描写を、もっと深めていてこそ、サスペンスを生み、映画の印象を深めたのではないでしょうかね。いや、きっと製作者も、そう思いつつも、それができなかったんじゃないかな。マネキンの不気味さを一応は描いてみつつも、イマドキ、CGモンスターを出さなきゃ皆さん納得しないよな~とやっぱりついつい陳腐な方向に走ってしまう、というジレンマが、感じられなくもなく。
[DVD(字幕)] 6点(2009-07-24 23:51:21)(良:1票)
158.  アイス・エイジ2
アクションが活きていて、前作よりずっと面白いと思って観てたのですが、実際、子供も前作よりよっぽどよく食いついておりました。クライマックスで迫りくる水の描写も、なかなか見事なもの。これだから、1作目がイマイチであっても2作目を無視する訳にいかんのです。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2009-06-07 11:33:13)
159.  あばれ大名
他の大名たちが太閤殿下への恩義も忘れて家康にペコペコする中、ふん1万石なんぞ返上してやるわい、と家康の前で大見栄をきってみせる、前田慶次郎。しかしその影では思わぬ陰謀が。慶次郎あやうし! ってな訳で、あばれ大名:市川右太衛門が、それなりに大あばれして八面六臂の大活躍、というオハナシですが。主人公のやんちゃなキャラとはウラハラに、右太衛門ひとりやたら貫禄あり過ぎ(あばれ大名というよりメタボ大名)、というのが正直な印象で、でもやっぱりヒーローというものはこうでなくては!とも思うのであります。大体、あの形相で、「イヤだイヤだ」と反抗期みたいな大人げ無いことばかり言ってるのが、観てて何となく羨ましくすらなるではありませんか。それにしても、時代劇の登場人物ってのは、何かっつうと高笑いしますなあ。でも、その高笑いだけで何となく我々を納得させるものがあるのです。「実はカクカクシカジカだったのでござる」「それは知らなんだ、失礼つかまつった」「いやこちらこそ」みたいなセリフの代わりに、とりあえず高笑いする。いやあ、いいじゃないですか。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-06-07 11:20:49)
160.  あるいは裏切りという名の犬
はじめに断っておきますが、この映画、皮肉とかじゃなくて、本気でとっても面白いと思いますよ~。この点だけ強調しておいて、あとは好きなこと書いちゃいます。何といってもこの、連続ドラマで半年くらいかけてやるような、かなり大河チックな物語を、よくこの長さに収めました。って、明らかに収まってませんねえ、やや無理が。前半の強盗団との対決から、後半は思わぬ展開、ってか、おいおいここまでが前置きかよ、このペースで進めて本当に映画が終わるのか?と心配になってしまいました。私も、家庭用ビデオカメラで子供を撮る時には、新しいビデオテープをおろした時には大胆にどうでもいい光景をバンバン撮ってしまうのですが、テープの残りが少なくなってくると、だんだん撮り方がセコくなってコマ切れのシーンばかりになってしまいます。この映画もそんな感じです(だいぶ違うけど)。ムヤミに長い映画にも閉口しますが、本作に関しては、せめて3時間くらいの作品として、観てみたいですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-06-06 11:46:30)(笑:2票)
030.08%
1190.49%
2411.06%
3731.89%
41614.16%
53619.33%
663116.30%
7122131.55%
888522.87%
93749.66%
101012.61%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS