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1.  アニー・ホール
やっぱり、ウディ・アレンの映画といえば、これだな。よくも悪くも、彼らしさが詰まった作品。頭でっかちで、屁理屈屋で、それでいて寂しがりというアルビーのキャラは、やはりウディ・アレンだからこそ魅力的に見えるんだろうな。90分という短い時間にこれでもかと詰め込まれたエピソードと斬新な演出技法が脈絡がないかのように次々と出てきて楽しい。時間軸もぐちゃぐちゃの構成なのに、アルビーとアニー・ホールの出会いから別れまでという芯がしっかりしてるから、ちゃんと映画としてまとまってる。とはいっても、この映画のことをしたり顔であれこれ語るのも、映画館で映画論を(女性に)語る男と同じくらいみっともないのかもしれない。とにかく楽しみましょう。 
10点(2005-02-08 10:35:54)
2.  アマデウス
80年代の映画では最高傑作だと思ってます。中途半端に才能があるがゆえに秀才サリエリが感じてしまった不条理と苦悩、天才モーツァルトをも苦しめる「父」という呪縛、そして文句なしにすばらしい音楽と演奏シーン。いままで何回見たことか。もともとは舞台劇だったそうですが、まさに映画的魅力を詰め込んだ一本です。
10点(2004-03-12 13:55:04)
3.  アンダーグラウンド(1995)
映画館でみて、監督・脚本のエミール・クストリッツァの想像力のパワーに圧倒されました。ユーゴスラビアの現代史を、こんなかたちで描く事ができるなんてと驚愕したことを覚えています。ブラックユーモアと政治的なメッセージの絶妙なバランス。ふざけたマルコのキャラと悲惨な戦争や民族分離のコントラスト、そして美しく印象的なラストシーンまで、「映画」の持つ力を見せつけられました。
10点(2004-03-08 18:06:14)(良:1票)
4.  アメリカン・アニマルズ 《ネタバレ》 
こんなはずじゃなかった感じの大学生活。自分には何かが足りない。そこでハッと出会ってしまった美しい本。その強奪を企てることでだんだん生き生きし始める。ニューヨークに行ったときの解放感と「今を生きてる」感のある表情。でも計画は? なんと古今の犯罪映画から学ぶ。このあたりから何かがおかしい。なぜお前?という仲間が加わり、少しずつ不協和音が見え始め、徐々にことの重大さに気づきはじめる。彼らに一線を越えさせたのは何だろう。その答えは、彼らがあまりにも普通だったからかもしれない。普通じゃないことを求めてしまうことの普通さ。その普通さに真っ直ぐすぎたことで、何度も引き返すチャンスがあるのにそれを逃してしまう。そこには、アメリカン・ニューシネマのようなアウトロー的格好良さも、オーシャンズ的な華麗さも微塵もないけれど、普通の人たちの犯罪物語という意味ではどんな過去の映画よりも「リアル」味があり、そして切ない。あの強奪のシーンの頃には「おバカコメディ」とは言えないくらい感情移入してしまい、一緒に胃に穴が空きそうな時間を過ごし、そしてFBIの突入に少し安堵する。終始登場する「本人」たちも効果的。食い違う証言、みんな少しだけ自分を偽り、事実を虚飾している。それも含めて「普通の人々」の<真実>の姿を厳しくも、でもどこか暖かく包み込む。いやあ、いい映画を見た。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-07 21:39:14)
5.  アベンジャーズ/エンドゲーム 《ネタバレ》 
1つの映画を次の映画の予告編にしてしまったMCUには、ちょっと自分は否定的でした。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズや「ブラックパンサー」は楽しく見てましたが、ヒーロー大集合の「アベンジャーズ」にはどうも興味を持てず、飛行機で暇な時に見る程度の中途半端な観客でした。ただ、いよいよすべての予告編の「完結編」が出たことと、たまたま少し時間ができたことで、これまでの主要作品をまとめて見てみることに。そうすると、一つ一つの映画にちゃんと個性があって、さらに「assemble」させる脚本・演出の巧みさに感心し、徐々にはまっていき、いよいよの「エンドゲーム」でした。  個人的には、前作『インフィニティウォー』がヒーロー大集合ものの究極的な作品であっちこそが「マーベルらしい」作品かなと思いましたが、「エンドゲーム」は逆に最初からこの作品に関わってきた6人にスポットライトがあたり、展開もスローでマーベルらしいジョークもまじえ、じっくり描いてました。その方法として、タイムスリップを導入するのも脚本の妙。ただたんに歴史改変ものとするだけでなく、それぞれが抱えている過去と対面し、それぞれの過去に「落とし前」をつける展開になっている、文字通りの完結編。そして、タメにためて「assemble」の一声からやっと本当のヒーロー大集合バトル、そしてさらに30分かけてのエンディング&クレジット。というわけで、これは「昔からの」ファン大感謝祭だったわけですね。これは11年この作品に付き合ってきたファンの方からすれば、11年越しの伏線回収なわけで、あらためてこのプロジェクトがすさまじい時間とエネルギーで作られたことがわかります。もちろん、ここ1ヶ月くらいで追っかけてきた自分も、それはグッとくるものはありましたが、11年見てきた人はこんなん冷静に見られないんじゃないかと、余計な心配までしてしまいました。  ただ、後付けのタイムスリップや自己犠牲展開は、ヒーロー映画としてはちょっと残念。過去に戻っても取り返しがつかないからこそ「ヒーロー」を人々は求めるわけだし、自分や誰かを犠牲にしない選択肢を模索するのも現代のヒーローには必要なんじゃないかな、と。そういう意味ではソウル・ストーンの件とラストはうーん。ここは違う展開を期待していました。  それでも、この作品から学んだことは、映画はスタッフと俳優だけでできるものではなく、観客・ファンがいてはじめて成立するもの。そして、11年見続ける人たちがいたから、この壮大な実験が成立し、私のような「ニワカ」かつ「懐疑派」でも楽しめるように、ちゃんと終わってくれた。11年間これを熱心に支えてきたファンのみなさんに心から敬意を感じました。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 8点(2019-08-26 07:58:07)(良:4票)
6.  アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 《ネタバレ》 
ヒーロー多過ぎで、ごちゃごちゃしてそうで敬遠してきたMCUですが、やっぱり見てみるかということでほぼ順番に見てきました。そのなかで一番びっくりしたのは、この『インフィニティ・ウォー』かもしれない。続編があるのはわかっているので、どうせ中継ぎなんだろうなあとは思っていたし、だからラストの「衝撃」はそれほどでもなかったんですが(それはそれで楽しみを半減させてるとも言えるけど)、それより驚いたのは、ごちゃごちゃ出てくるヒーローたちの世界観をちゃんと保ったまま、ヒーロー大集合をやってのけた、という点。とくに新顔のドクター・ストレンジとか、GOTGの面々とか、ブラックパンサーをそれぞれの映画世界のまま持ってきちゃったのは、脚本も演出もすごいと素直に感心しました。とくに、GOTGについては、ピーターとガモーラ、あと色物要員としてロケット&グルートくらいしか出番はないかと思ったら、ドラックスやネビュラ、さらにマンティスにまでちゃんと見せ場があってびっくり。このすさまじいバランス感覚。ほかにも、オコエとブラック・ウィドーとスカーレット・ウィッチの「強い女」3人衆の戦いとか、ソーとロケットの掛け合いとか、トニーとストレンジのちょっと似たもの同士なやりとりとか、説明抜きで、掛け合いと戦いぶりだけで登場人物どうしの関係性が見事に描かれていて、さすがのマーベル・スタジオの脚本&演出センスに脱帽でした。『シビル・ウォー』では無理矢理感があったヒーロー大集合(あれはキャプテン・アメリカ世界に無理矢理ほかのヒーローを連れてきた、という感じだった)ですが、今作くらいやり切ってくれたら満足です。ただ、その割を食ったのは、もしかしたらオリジナル・メンバーたち、とくにキャップ(最初「誰?」状態)、ハルク(今回はギャグ担当か)、ブラック・ウィドー(ワカンダだと「強い女」枠も交通渋滞)だったかもしれないけど(あとお休みだったホークアイ)、彼らの見せ場は次作なんでしょう、きっと。全員に見せ場を用意して盛り上げ、かつ物語上不都合のないかたちで退場させて整理し、最終作のための舞台設定をする。中継ぎ映画としては最強・究極の映画。
[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 8点(2019-08-23 02:21:49)(良:1票)
7.  アナと雪の女王 《ネタバレ》 
昨年末に娘を連れてアメリカ国内の映画館で鑑賞。完全なこどもの付き添い気分だったので、「こどもの間で流行っているらしい」という情報のみで事前チェックなし。久々のピクサー以外のディズニー映画を映画館で見ましたが、意外といい・・・というか、いまや超有名な「Let It Go」のシーンは映画館で初めてみて、もう号泣。歌詞も、エルサが抱えてきた苦悩からの解放を描いてて本当にすばらしい(日本語版のこのシーンをYoutubeで見て、松たか子さんの歌はすばらしいと思いましたが、あの日本語歌詞は本来の意味を全く伝えていない・・・「姉」「長女」としての苦悩の部分が伝わってこないのが残念)! 正直、この映画はこのシーンがピーク。あとは、既存のプリンセスものの図式をうまくずらした展開はなかなかだし、オラフはキュートなキャラで「Some people are worth melting for」は名台詞でしたが、脚本全体はちょっと荒っぽく、残念な展開も少なくない・・・。なんか記録的な大ヒットとあとで聞いて、そこまでの映画かどうかはちょい微妙です。あとで知りましたが、日本では予告編でLet It Goのシーンをノーカットでオンエアしていたとのこと。でもあれは、その前の流れがあるからこそ感動的なわけで、あそこだけ見ても、まあ「いい曲だね」とか「CGきれいだね」で終わってしまうのが本当に残念。事前情報ぬきで、あのシーンを映画館で見て号泣できた私は幸せ者でした。あのシーンを最高の環境で見たいという理由だけで映画館に行く、というのもアリだと思います。
[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2014-03-18 01:27:28)(良:1票)
8.  アメリカン・ハッスル 《ネタバレ》 
若手演技派オールスター総出演という感じの本作。コンゲームを主題に置きつつも、物語の焦点はどちらかというと登場人物たちの愛情・感情のもつれ合いっていうところが本作のポイント。そこは、芸達者な俳優たちのおかげで、どこまでが詐欺のための演技で、どこまでが本気の感情なのかもわからず、見ている側は混乱しまくった挙げ句の「どんでん返し」のラスト。スカッとするというよりは、もう1回みてあれこれ確認したくなったのが正直なところでしたが、映画館ではそれが叶わず。エイミー・アダムスは、ちょっと影のあるセクシー美女をうまく演じきったけど、個人的には、ジェニファー・ローレンスが面白かった!空気を読まずに暴走する彼女に会場も爆笑。ただ、中年女の役を演じるには、お肌がキレイすぎたような・・・(映画館の大スクリーンだとそれがよくわかってしまう)。それにしても、これだけクセのあるキャラを見事なアンサンブルへと昇華させたデヴィッド・O・ラッセル監督の手腕は見事。
[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2014-01-27 12:58:08)
9.  愛のむきだし 《ネタバレ》 
とにかく密度の濃い4時間。冒頭の1時間半は何がしたいのかわからず、ひたすらボレロでもうやめようかとも思ったけど、満島ひかりと安藤サクラの登場で俄然盛り上がり、主人公一家の崩壊あたりですっかりハマってました。確信犯的にチープな映像の合間に魂を持っていかれるシーンがちりばめられていて、とにかく気が抜けない。ちょっとエミール・クストリッツァの映画みたいだとか思ってしまったりもした。あと、ユウがヨーコを新興宗教から救うだけで終わらず、最後はヨーコがユウを精神病棟から救うというところには、人の心を何かの枠にはめようとする「施設」vs「むきだし」状態の愛という構図が見えて、この映画のシンプルなメッセージみたいなものを感じることができた。そして、西島、満島、安藤の3人は本当にすばらしかった。監督の才気と若い俳優のエネルギーが見事に結晶化した快作であり怪作。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-10-01 09:36:20)
10.  アルゴ 《ネタバレ》 
近年の映画で、ただ単に空港で出国する過程のシークエンスをこれだけ緊迫感をもったシーンに昇華させた例ってないんじゃないかな。ド派手なアクションや設定やCGを用意しなくても、その背景と登場人物が置かれている状況を丁寧に描けば、観客をドキドキさせることができるという、エンタメ映画の教科書のような佳作。もちろん、この映画にはイラン側の視点が欠けていて、アメリカ側の一方的な描き方だという、そういう前提で見るべき映画だと思う。しかし、アメリカ側の一方的な視点のなかでも、イランの人々が時々魅力的に描かれる点も付け加えたい。たとえば、ラストの空港の革命防衛隊の男。もっとも反米的なはずの彼が、映画撮影班だという一隊に最後に隙をみせてしまうところ。映画の絵コンテを興味深そうに見る男たち。もともと、すべての人たちを「公平に」描くことが難しいのであれば、今作のような方法は、ある意味、潔く、だからこそ描けているものもあると思う。ただ、アカデミー賞取っちゃったのは、ある意味、まずかったかも。この映画の潔さが、政治の文脈「のみ」で非難されるのは、ちょっと悲しい。
[映画館(字幕)] 8点(2013-03-11 06:04:01)(良:1票)
11.  アヒルと鴨のコインロッカー 《ネタバレ》 
伊坂作品の映画化としては、キャストや仙台の雰囲気も含めて、個人的にはほぼ完璧だったと思います。あの小説のユーモアと切なさが奇妙に融合した雰囲気を、とてもうまく再現しています。中盤では、前半に登場した回想シーンが違ったキャストで再現されますが、それが悲しいトーンを帯びて、全く異なった話に感じてしまうあたりは見事です。このへんは映画という表現媒体のアドバンテージをうまく生かした展開だったと思いますし、その難役をさらりと演じた瑛太もよかったと思います。ひとつだけ気になったのは、ディランのCDが「ベスト盤」だったこと・・・。「神」ですから、レコード盤とまでは言わなくても、せめてオリジナル・アルバムで持っていてほしかったなあと思ってしまいました。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-02-16 10:49:30)(笑:1票)
12.  アメリカン・パイ
まったく期待せずに、ただのおバカ映画だと思って見たので、ハッピーだけどちょいホロ苦い結末に、不覚にも感動してしまった。毎年おきまりのように大量生産されるティーン・ムービーも、たまにこーゆー佳作が混じってたりするから侮れない。ま、確かに下ネタのオンパレードなんですが、根っこにあるメッセージというか、そーゆーのがちゃんと伝わってくるのがいいですねえ。監督がこの後『アバウト・ア・ボーイ』を撮ったというのも、なんだか納得です。それにしても、みんな当然のようにビール飲んでますねえ・・・。そういうのも含めて好きなんですけどね。
8点(2005-01-23 19:10:11)
13.  アダプテーション
現実とか虚構とかいうのがバカバカしくなる脚本、ニコラス・ケイジの超自虐演技、メリル・ストリープの怪演、クリス・クーパーの壊れっぷり、全部まとめて1本の映画にしちゃうスパイク・ジョーンズの演出。アメリカの映画館で見たんですが、日曜の午後、平均年齢50歳オーバーしてるであろう観客がゲラゲラ笑ってました。映画の国の懐の深さを見せつけられた1本。そんな観客にのせられて、僕もすっかり楽しんでしまいました。一人でDVDで見てたら印象は違ったかな?
8点(2004-03-09 03:05:14)
14.  哀れなるものたち 《ネタバレ》 
前作『女王陛下のお気に入り』で免疫はできていたと思ってたヨルゴス・ランティモス作品ですが、今回もまた独特すぎるワンダーランド。前作では3人の女優の演技合戦が見物でしたが、今回はエマ・ストーンの独壇場。冒頭の赤ちゃん演技から終盤の難しい語彙も駆使する知力あふれる姿まで、やりたい放題という感じでした。それが女性の解放と自立という本作の主題とも見事に合致していて、彼女の表情や動き、ファッションを見ているだけでなんとも爽快な気分になるから不思議です。とくに、後半に彼女が「知」にめざめるきっかけが、「男」ではなく、本とシスターフッドであったというところは、とてもよかった。マッド・サイエンティストともいえるゴッドウィンがそれでも彼女と関係を築けていたのも、科学という知への執着があったから。また、船で出会った黒人青年とベラの会話もよかった。彼が現実の矛盾を象徴する「格差」をベラに見せつけることで、本作が単に性欲や性愛の話ではなく、私たちも生きる「世界」についての寓話であることが明らかになります。セックスのシーンばかりが話題になるのですが、実は「知」というものの可能性を描いたものとして受け取りました。  とはいえ個人的にはちょっと難点も。まあ、キャラの位置づけ上しょうがないのですが、マーク・ラファロ演じるダンカンにはもう少し奥行きがあってもよかったのではないかとは思いました。ダンカンと終盤に登場するある男性はまさに「有害な男性性」の象徴なのでしょうが、彼自身のなかにある理のようなものを浮き彫りにしてはじめて、「有害な男性性」と向き合えるのではないのかな、とも思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2024-01-29 21:46:04)
15.  愛なのに 《ネタバレ》 
今泉脚本らしい、書店主と女子高生の微笑ましいやりとりでほのぼの進んでいくのかと思いきや、当然放り込まれる城定印の大人男女の激しい濡れ場。このなんともアンバランスな構成が妙にはまっている。そして、結婚直前のカップルが抱えていた問題の、まさかまさかの真相には大爆笑。とくに終盤、中島歩さんと向里祐香さんの情事の後の会話のなんともいえないユーモア。適度にエッチ(死語)でクスクス笑えて、少しほっこりする。いろいろ見れば「7点」くらいの映画ではあるのだけれども、そうであること自体を愛したくなる小品。世界も世間も重苦しい昨今だからこそ、この映画の軽さは自分にとっての「救い」でした。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-01-25 20:27:59)
16.  アイリッシュマン 《ネタバレ》 
Netflixで見ました。トラック運転手であり殺し屋でもあるフランク、兄貴分のラッセル、そして組合活動家のジミーの3人の関係を稀代の名優3人が演じるわけだから、演技合戦は見応え十分。とくに3人の関係が破綻し事件へと流れていく過程は、制約の少ない配信系映画だからこそ描けた丁寧さと描き込みにうなるしかない。個人的には、スコセッシといえば『グッドフェローズ』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に代表される早送りのようなスピード感ある演出が好みだけれど、この映画はスロー再生したような演出で、重厚ではあるけれどさすがに3時間半は長かった。ただ、最終盤に、この作品がある種の「終活」映画であることが明らかになってくると、そのゆったりとした流れやスロー再生的な演出の意味もわかってくる。そして、ラストの見事な引きの画から見えてくるのは、前出2作品のような「駆け抜けた」感ではなく、家族や友人などさまざまなものを失ってきたフランクの孤独感と寂寥感だけであり、それがギャングと暴力の映画を撮ってきたスコセッシ御大がたどり着いた境地なのだとすれば、それはそれで納得感もありました。それから、若い時代も特殊メイクなのかCGなのかデニーロやペシが直接演じていて、映像技術の進歩には目を見張るけど、顔は若いのに動きがおじいさんなのはちょっと不自然・・・。とくに、娘を小突いたグロサリーの親父を懲らしめるシーンのデニーロの動きは年齢相応で、別の意味でなんだか寂しい気持ちになりました。
[インターネット(字幕)] 7点(2019-11-28 23:20:02)
17.  アス 《ネタバレ》 
ジョーダン・ピール監督・脚本作品は、前作『ゲットアウト』もそうだったけど、会話劇のほうに魅力が詰まってる。家族のあいだのつい笑ってしまうブラックな会話、白人友人家族との微妙な距離感とか、そのへんに他の人にはない独特のユーモア感覚があって面白い。一方の動きの演出についてバリエーションがそこまで多いわけではないので、心理劇として高いレベルにあった前作と比べると、中盤以降のホラー・アクションの部分には少し退屈した部分もありました。プロットや設定の荒唐無稽さはちょっとつまづくと一気にかみ合わなくなりそうだけれど、ユーモアと寓話感でなんとかバランスを保った感じ。好きなのはラストのこれまでの構図を一気にひっくり返す仕掛け。ちょっとだけ「そうなんじゃないかなー」と思いながら見ていたけど、ものすごく切なくて胸は熱くなるのに、背筋はスーッと寒くなる、ちょっと他にはない感覚を味わうことができました。そして、人種も国籍も階級も性別も、生まれ落ちた環境の違いで全く違う人生を歩まされてしまうということの恐ろしさというメッセージを、とてもわかりやすく示してくれたと思います。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2019-11-12 01:39:46)
18.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル
トーニャ・ハーディングとその関係者の証言ドキュメント仕立てで、彼女の半生と彼女を一躍時の人にした襲撃事件の裏側を描く。一つの出来事を異なった立場の人々の視点から描く「羅生門」風な組み立てにもなっているので、常に誰かの主観で物事を眺め、ドキュメンタリー風なのに時には「真相」自体が宙ぶらりんになる感覚が新鮮。基本的には、トーニャ、母、夫、コーチ、夫の友人で自称ボディガードの5人の語りが交錯していくのだが、物語が、この狭くて濃厚な「レッドネック」(白人貧困層への蔑称)の世界にどっぷりとはまっているのが面白い。アメリカではフィギュアスケートは、しばしば選手だけでなくその家族の物語として描かれる(日本でも五輪メダリストの家族の物語をやたら追いかけるのは一緒か)ので、審査員にそこを指摘された時のトーニャの困惑と母親へのアプローチ(とその失敗)のシーンは、彼女という「異物」を結局は排除してしまったスケート界やメディアへの強烈な皮肉だった。ただ、映画として夢中で見ていたのはこのあたりまでで、終盤の肝心の襲撃事件の話はどうしても主体が彼女から夫とその友人のほうへ移行してしまうので、物語の軸がぶれてしまって、個人的には少し飽きてしまった部分もあった。まあ、それもふくめて彼女が生きた「世界」だったのだろうけれど。でも、最後に彼女を訪れる母親の行動には絶句・・・・。あのシーンは、「家族」という物語を徹底的に突き放した、この作品の白眉でした。
[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 7点(2019-07-13 21:05:01)
19.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 《ネタバレ》 
面白かった! 何よりもゾンビ1体1体が「モブ」ではなく、「個性」があるのが魅力。その人の生前がどんなものだったのかが浮かび上がり、それぞれが個性のある動きを見せる。だからゾンビと戦うアクションも単調にならず、とくに都会でのゾンビ大発生の大パニックからタクシーでの脱出のシークエンスは、文字通り息つく暇なく夢中で楽しめました。また、そんなアクションの主人公を演じるのが大泉洋というのがまたいい。「大泉洋」なのにちゃんとその役の人になりきって見えるという彼の役者としての魅力は、この映画でも十分に味わえます。とくに不穏な雰囲気のなかで英雄の日常を描いた序盤のおかげで、そこからのパニックのスピード感が際立つ。後半のショッピングモール以降は、一転古典的な社会風刺風ゾンビ映画になりますが、ラストの連射バトルは「ラスボス」の魅力もあってダレずに楽しめました。難があるとすれば、原作ありものゆえの説明不足感か。結局ヒロミは何なのかよくわからないし、主人公が「発症」しない理由(これは恋人が彼を想って「歯」を折ったから、というふうに思えるけど、それで回避できるようなウィルスなのかな・・)や伊浦がどこで噛まれていたのか、とか、そのあたりのロジックが続編ありきなのかおざなりだった。あとモールの空間的な位置関係もわかりにくく、終盤はアクションの勢いで押し切られた感じでした。とはいえ、これだけの本格アクションが楽しめる日本映画、そうはないと思います。
[インターネット(邦画)] 7点(2019-06-01 08:09:41)
20.  アウトロー(2012) 《ネタバレ》 
『ミッション・インポッシブル:ローグ・ネーション』がよかったので、同じ監督&トム・クルーズ作品ということで鑑賞。これは、掘り出し物。好みは分かれると思うけど、最初の銃撃シーンからサスペンスの持たせ方がうまい。派手さはないけど構成がしっかりしてて目が離せない。あと、主人公リーチャーのキャラがいい。車乗れない(っていっても免許がないから、という理由はちょっと笑える)、武器も持ってない、クレジット・カードも使えない。で、バスで移動っていうのが、何だか笑える。序盤の弁護士ヘレンとのやりとりもちょいコメディ入ってる。律儀にチンピラやら弁護士に車を借りてやっと移動手段ができたり、武器がないから射撃場の親父(ロバート・デュバル!)を呼び出したりとか、真面目にやってるのにどこか笑えてしまう。その意味では、トムの現実離れした「スター」感がうまくハマってるのかも。よく見てみると、なんでチンピラの仲間に簡単に頭、殴られちゃうのか(痛そうだからわざとではなさそうだし)とか、凄腕の敵のはずなのにラストの銃撃ではなぜ1発も当たらないのかとか、詰めの甘さはあるけど、シリアスなのにちょいクスッとくる新しいハードボイルドものとして、楽しめる1作だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-01-22 11:08:54)
010.16%
120.32%
260.95%
3345.39%
4457.13%
511217.75%
612419.65%
716025.36%
88914.10%
9426.66%
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