61. 怪物の花嫁
『エド・ウッド』でのタコとジョージ・スティールの記憶が僅かに残る本作。起承転結がキチンとあり、怨念を糧に生きてきたマッドサイエンティストを演ずるベラ・ルゴシに惹きつけられた「なかなか面白い作品」で嬉しい驚きです。『海底二万哩』の巨額の費用をかけ28人がかりで操作したイカと本作のタコ。ビジュアルでは天地の差があるものの映画に対する愛情の大きさは一緒だと感じました。 [DVD(字幕)] 7点(2018-05-30 16:43:03) |
62. 海底二万哩
《ネタバレ》 原作未読、初見。 網にかかった大量のエビ・カニ、ウミガメと手を繋いでの行進、お茶目なオットセイ、電気ショックビリビリで退散する食人族(?)、ダイオウ(?)イカ このワクワク感といったら。いやぁ、もう、これは子供の頃に観たかったですねぇ。 単にSFファンタジーかと思いきや哲学的であり、動力と思われる原子力の先見性にも目を見張る。 カーク・ダグラス、ピーター・ローレ、ポール・ルーカスそれぞれに味わいが。 しかし、ネモ船長演ずるジェームズ・メイソンの前には三人とも霞んでしまった。 まず、その声に惚れ惚れし電気ショックビリビリ状態。これはポール・スコフィールドに続いて二人目。 端整な立居振舞とは裏腹に、地上に絶望し海に楽園を求めた憎悪を捨てないマッドサイエンティストの屈折模様にメロメロ。 冷静的確な指示ぶりにウットリ、ダイオウイカに先頭に立って立ち向かう漢の姿には胸熱で「死ぬな!死ぬんじゃない!」と拳を握り締める。 艇と部下と共に沈む覚悟を決めた際、「君たちは逃げたまえ」と三人に告げなかったのに-0.01点 宿敵ウォルト・ディズニーに監督を任されたリチャード・フライシャーの出世作にして渾身の傑作。 [DVD(字幕)] 9点(2018-05-02 23:48:51) |
63. 飾窓の女
《ネタバレ》 「10時半ですよ」と起こされたシーンに劇場の其処此処で笑いが。私は張り詰めた緊張の糸がプッツリと切れてしまいました。監督は何を思ってこんな結末にしたのか問い詰めたい。トボトボと帰路につきました。件のシーンまでは10点、以降は0点、エドワード・G・ロビンソンの惚れ惚れする重厚さに+2点 [映画館(字幕)] 7点(2018-04-15 00:39:48) |
64. カリギュラ
《ネタバレ》 ジョン・ギールグッド、ピーター・オトゥール共演以外の知識なく鑑賞。カリギュラ即位から暴虐の限りを尽くした挙句惨殺される歴史モノに名を借りたAV。モザイクがかかっているもののハッキリと映っており、ありとあらゆる種類の行為を飽きる程見せられる。官能美のカケラもないゲテモノポルノはそっち目当てで鑑賞してもゲンナリすること請けあい。彼等が何故こんなクソ以下のシロモノに出演したのか? カリギュラとダブって見える大金持ちの色情狂に薄汚い手口で騙された無念さを思うとハラワタが煮えくり返る。「小人の饗宴」を遥かに上回る鑑賞歴中最低最悪の動画。 [DVD(字幕)] 0点(2017-12-08 02:15:39) |
65. 彼女が消えた浜辺
浅はかな考え、独り善がりなお節介、その場凌ぎのウソ吐き。三拍子揃ったセピデーに吐き気がする、だけの作品。くどい演出にも辟易。 [DVD(字幕)] 4点(2017-11-30 16:32:52) |
66. カポーティ
《ネタバレ》 どこかで見たような話だと思っていたら、以前に鑑賞した「冷血」でした。タイトルに惹かれた思いは空振りに終わった作品でした。本作は作家カポーティが作品を完成させる過程を描いています。語り口と立居振舞が無機質な彼こそが「冷血」であり、彼にも作品にも魅力を感じられず、真っ当な一家四人の無念が晴らされるのを長引かせた一因に腹立たしさが募りました。フィリップ・シーモア・ホフマンの怪演に接し早逝が惜しまれます。 [DVD(字幕)] 5点(2017-09-17 19:21:09) |
67. 眼下の敵
洋上で遭遇した2艦の果し合い模様は実に見応えがありました。双方の艦長のリーダー像には心底脱帽でしたので、一見有り得ない結末も違和感なく見れました。 [DVD(字幕)] 8点(2017-07-02 19:04:50) |
68. 外套と短剣
《ネタバレ》 ローダー博士の誘拐、ボルダ教授の娘の奪還シーンは示されず、ジェスパーとジーナのロマンスに重きをおかれていて盛りあがりに欠ける作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2017-05-30 01:13:41) |
69. 帰らざる夜明け
こんな陳腐な物語にシモーヌ・シニョレを起用するのは勿体なさ過ぎる。 [DVD(字幕)] 4点(2017-05-20 23:10:36) |
70. 間諜X27
X27の愛国心が薄っぺらいので、一つ一つの台詞や仕草が気障で鼻持ちならなかったが、目隠しで涙を拭いてあげるシーンの潔さはカッコ良かった。 [DVD(字幕)] 5点(2017-05-20 18:36:15) |
71. カティンの森
残忍なナチスドイツと残忍で厚顔無恥な火事場泥棒ソビエトに踏み躙られたポーランド。ご自身の父上も事件の犠牲となった監督の情念に満ちた遺言に思える作品。家族が帰りを待ちわびる者達の最期があまりにも無残で言葉も無い。 [DVD(字幕)] 7点(2017-05-04 00:37:50) |
72. 悲しみは星影と共に
《ネタバレ》 人を思い遣る者達が人を人とも思わない者達に虐げられるナチスによる迫害モノ定番の陰鬱さ。バッドエンドは想定内ですが、列車内における姉弟の会話の中で「手術が成功したら何でも見えるようになるのよ」「一番最初にレンカの顔が見たい」には泣かされました。旧ユーゴスラビアが舞台の本作。後年の紛争を思うと、人種がもとでの諍いのやりきれなさを実感させられます。 [DVD(字幕)] 8点(2017-04-20 14:15:35) |
73. カサノバ(1976)
巨匠の美的感覚が理解不能。小汚さ薄気味悪さ愚劣極まりなさは性豪の虚しい人生と比例しているものの、苦痛に耐えての鑑賞だった。 [DVD(字幕)] 1点(2017-04-15 20:25:18) |
74. カスパー・ハウザーの謎
実話なようなので仕方ないのですが、彼が何者かの興味だけで辛抱して鑑賞したのでガッカリしてグッタリ。 [DVD(字幕)] 4点(2016-12-26 13:24:35) |
75. 回転
幽霊映画としてはイマイチですが、先生が徐々に壊れて暴走してゆくサスペンス映画として見応えがありました。子役二人の不気味さは特筆ものです。 [DVD(字幕)] 7点(2016-11-13 00:18:39) |
76. カリフォルニア・ダウン
映像に2点。無茶苦茶なお話については語る気力も無い。 [DVD(字幕)] 2点(2016-04-30 00:28:32) |
77. 帰らざる河
《ネタバレ》 初見。マリリン・モンローの見惚れる美しさに3点。私でも直ぐに解る合成川下りはご愛嬌として、ストーリーがどうにもこうにも安っぽい。ライオン、トナカイ(?)、人間扱いされていないインディアンに失笑する。幼い子に後ろから人を撃ち殺させるのには、野暮を承知で、言語道断と言わせてもらいます。 [DVD(字幕)] 3点(2016-01-17 01:36:08) |
78. 合衆国最後の日
核施設でありながら、攻める側守る側双方から漂うチープ感がもどかしい。大統領が美味しいところを皆持っていった。女性が一人も登場しないところに「皇帝のいない八月」とは対極の硬派ぶりを感じた。私もサリンがあの後どうなったのか気になって仕方なかった。 [DVD(字幕)] 6点(2014-10-27 22:52:08) |
79. ガンジー
非暴力不服従でのインド独立の過程は冗長で退屈でした。子供をムスリムに殺され報復にムスリムの子供を殺した男に「地獄から抜け出る方法は両親を殺されたムスリムの子を拾って育てよ」と説くガンジーから、人種や宗派が違ってもヒトはヒトである事が彼の不屈の精神の根底を成していると思えた部分に値打ちを感じた作品。 [DVD(吹替)] 7点(2014-02-12 23:28:35) |
80. 鍵泥棒のメソッド
良く練られた脚本を体現する香川、広末、堺のアンサンブルが見事。記憶を失くしても気質は失くしていないコンドウがアパートの一室をごみ溜めから整理整頓された居住空間として、購入した本をしっかり読み込む。ノートに記された文字に「自力で着実に生きる」強烈な意志を感じました。健康で努力家な彼と仕事熱心の彼女の顛末に心地良さを味わえました。二人の引き立て役であった桜井演じる堺雅人特有の腑抜け感もいい塩梅でした。 [DVD(邦画)] 8点(2013-09-14 13:38:24)(良:2票) |