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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  結婚行進曲(1928) 《ネタバレ》 
まずは、私が投稿した要望に加筆・修正をして下さった鱗歌さんに感謝してもしきれません。誠にありがとうございます。  本作は個人的にシュトロハイムの映画の中で一番好きな作品。 「愚なる妻」のコメディタッチ版とも言えるこの作品は、自ら騎士の甲冑に身を包むシュトロハイムの姿で幕を開ける。 いつも通りシュトロハイムは好色な貴族として登場するが、今回は若く純真な様子も覗かせる。空中から映される市街と人の群れ、群れ、群れ、教会を行進する人々の群れを捉えた優美なショット。その部分だけテクニカラーのフィルムとなる。 またこの映画は“指”も象徴的に映される。 娘を物色する指、嫉妬で往復ビンタを喰らわす女の手の指、結婚が決まり期待と不安で胸を膨らます心理を表す指、指、指。 美しい平民の娘に心を奪われるシュトロハイム。零落の限りを尽くす男は何人もの女性と関係を持つ。部屋に散乱した女の服が昨夜の情事を物語る。 わざと事故を起こし娘を病院に連れ込みキッカケを作ってしまう周到振り。猛犬を餌付けで買収するなど手馴れたもの。肉屋の男と花をめぐるやり取りは爆笑。 月夜の晩に花が咲き誇る広場のなんと幻想的で美しい事。 二人の男の間で苦しむ娘は、激しく流れる川の向こうに黒い化身の幻影を目撃する。 まるで彼女たちの運命を嘲笑うかのように、甲冑に身を包み彼女そっくりな女性を腕に抱えて去っていく。その姿は彼女にしか見えない。 シュトロハイムも金目当ての政略結婚は嫌なようだ。結婚相手くらい自分で選びたい。 美しきその娘もまた、昔からの知り合いである肉屋の男が度々ちょっかいを出してくる。無理矢理キスするものならツバを吐かれる始末。ただ、次第に粗暴ながら自分の事を思う肉屋に心を動かされかける。 ラストの雨が降りしきる中での結婚式。 短いショットの連続で緊張感を高め、祝福と殺意が飛び交う会場。ピアノを弾く手が死神のような白骨に変わる。 シュトロハイムは自らの運命を受け入れ、娘もまた身を引く潔さ。 だが涙は嘘をつけない。暴力的だった肉屋の男も、ようやく優しく彼女を励まし支えていく決意を固める。 冒頭のシュトロハイム扮する騎士は、幻想に出て来た黒い化身に代わり幕を閉じる。
[DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2015-01-02 21:36:05)
2.  劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者ルカリオ 《ネタバレ》 
映画にミュウが再登場する珍しい展開。 過去から人物やポケモンが出てくるのは「セレビィ」やちょっと違うけど「ジラーチ(100年周期)」以来。 伝説クラスのポケモンが3匹も出てくる展開は「ルギア」を思い出す。  ルカリオが段々心を開いてサトシと打ち解けていく過程は中々。 アーロンの真意が明かされる展開も王道ながら良い。はじまりの樹での冒険、波導まで宿していたサトシはもう完璧タイプ:ワイルドのポケモンです。  キッド・サマーズはクールでカッコイイ。
[地上波(邦画)] 9点(2014-12-31 21:20:52)
3.  劇場版ポケットモンスター 水の都の護神 ラティアスとラティオス 《ネタバレ》 
ポケモンの死が明確に描かれた作品の一つ。 同時に男女のキスが明確に描写された作品でもある。アレは“どっち”だったのかな。 サトシにとっても初恋?だったんじゃないかな。ポケモンの兄妹も人間の姉妹も、お転婆で悪い事もするけど家族思い。カスミはラティアスとラティオスの二人を見て姉たちを思いだしただろうか。悪役が憎めないのはミュウツーの人間への憎悪とはまた違う感じ。ミュウツーも愛ゆえに人を憎んでしまったからねえ。コッチも妹や姉のために戦ったところがあったし。「エンティ」に出て来たひとりっ子とは大違い。  ヴェネチアを意識した水の都における水上レースはハラハラドキドキで面白い。
[地上波(邦画)] 9点(2014-12-31 19:24:51)
4.  劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者 《ネタバレ》 
子供の頃に見た時はよく解らないけどトラウマ、今見返すとウィンリィとロゼの件は「ブチ殺すぞ水島」と腸を煮えくり返らせていたが、この劇場版を見て一応水島の野郎を許す事にした。個人的には原作派だが、この映画も好きだ。  アメストリスの世界と、現実・・・つまり観客が実際に生きてきた歴史に存在したドイツ。そのドイツとアメストリスの世界がリンクするって展開が興味深い。人物もドイツのアルとアメストリスのアルという具合に、CLAMPの「×××HOLiC」のような別次元の“自分”がいるっていうの?そんな感じが面白い。 しかもドイツ側はなんとなんとなんとあのドイツ映画界の巨匠・フリッツ・ラング(マブゼ)!!!!!うおお~水島~、おめえ何て粋なんだっ!でもヒトラーの首ハネ飛ばしてテア・フォン・ハルボウを無理にでもかっさらってアメリカに連れて行きそうなラングだな(顔は大総統だし)。  弟を救うために等価交換で自らを差し出したエドが、人間の体を取り戻したアルと再会するシーン、そのエドの腕をウィンリィが久々に修理するシーンは子供ながらに良いなと思った。眼帯になった大佐が「だらしないぞおまえらっ!」という具合にかつての部下たちのために戻って来るシーンはカッコイイ。リザはマスタングの嫁。おまえら結婚しろよ。 ラースの最期は切ない。  ラストは哀しいけどさ、まあこういうハガレンもアリだなって思うよ。
[地上波(邦画)] 9点(2014-12-29 22:22:23)
5.  結婚哲学 《ネタバレ》 
それぞれの夫婦がくっついたり離れたりする二転三転のストーリー展開で暴れ周り、ラストはキッチリ収まってしまう見事なシナリオで描かれるセックス・コメディ。 セックスといっても、直接的な描写をしなくともそのエロティックな仕草で魅せてくれるルビッチ。  小物を使った上品な笑いの連鎖もたまらない。 特に夫婦が握り締める“花”がその時々の喜怒哀楽を表現するのが面白い。 そういやスピルバーグの「E.T.」も“花”が印象的な場面があったね。花は生命の象徴にもなる。 他にも帽子とか、美味そうなゆで卵とコーヒーでとか・・・何処までも上品、何処までも哲学的。 色んな解釈が持てる非常に愛らしい作品です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-21 21:42:45)
6.  劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲 《ネタバレ》 
3歳の頃だった。 ミュウツー怖かった。 でも可哀想だなと思った。 ピカチュウさらわれた時はハラハラしたねいつも。 サトシが石になってビックらホイ。 その時に「こいつは不死身か」という事にもっと早く気づいていれば・・・。 スーパーマサラ人の誕生である。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-15 21:06:00)
7.  月世界旅行 《ネタバレ》 
映画史上初のSF映画にして、初めて宇宙人と遭遇し、初めて宇宙人を殺した映画でもある(インビー・バービケーン会長の無双)。  月に「よく似た」人面衛生。 異星人が生存していたという事は、一応酸素のある衛生だったのだろう。 異星人の「歓迎」に合う博士たち。 途中遭遇した地元住民との最悪のファースト・コンタクト。 戦いの果てに無事に脱出、そしてシャツ一枚で大気圏を突破するバービケーン博士! オマケに異星人の捕虜までご招待。  この時代になんつー映画を作ってんだ・・・ジョルジュ・メリエス恐るべし。  突飛な内容というか、とにかく独創性に溢れた夢のある映画。  見る者の冒険心をくすぐる魅力的なファンタジー映画。  この後もメリエスは「生きているトランプ」といったファンタジーに富んだ映画を精力的に撮りまくった。 メリエスの情熱と野心は、今でも映画の中に生き続けている。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-09 23:15:41)
8.  現金に体を張れ 《ネタバレ》 
個人的に戦争映画にハズレなしのキューブリックだが、フィルム・ノワールでも凄い映画が1本、コレだ。 競馬場を襲い現金を強奪するまでの流れを遡り、スリリングに描いた傑作「現金(ゲンナマ)に体を張れ」。 見えない大金という“太陽”を見つめすぎた男たち、女たちのドラマだ。 ジグソーパズルを組むように時系列を追う流れは、後のクエンティン・タランティーノの「レザボア・ドッグス」に影響を与えた。 とにかくこの映画、ムチャクチャ面白い。 キューブリックの映画でもっとも女性が印象的な映画だろうね。 ファーストシーンは競馬場からはじまり、コレから強盗を強行しようって場面で、物語は強盗にかかわる様々な人間の過去をさかのぼりはじめる。 ピースが徐々に繋がっていく感覚、 男たちを運命に引きずり込むそれぞれのファム・ファタール。 それとモリールのオッチャンをはじめとする死亡フラグ。 そして冒頭と終盤が繋がる瞬間、総ての歯車が動き出す! 検閲所での粋な会話、 蹄鉄によるパンク、 一瞬で終わる銃撃の迫力とクライマックスの畳み掛けは凄いぜ。 ラストの“太陽”を吹き飛ばしちまうのが犬とはねえっ・・・。 エリッヒ・フォン・シュトロハイムの「グリード」やジョン・ヒューストンの「黄金」を彷彿とさせるシーンだった。 その時のスターリング・ヘイドンの 「(・_・)」って表情がまた。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-15 16:05:37)
9.  ゲームの規則 《ネタバレ》 
過大評価だ!・・・と言いたかったのに、何でこんなに面白いの。いやマジで。 個人的にジャン・ルノワールの最高傑作が「ピクニック」で一番好きな映画でもある事は間違いないが、この「ゲームの規則」もすげえ面白い 「大いなる幻影」よりもずっと面白いし、ブルジョワ共の狂騒と没落していく様子を愉快に描いた傑作コメディだ。 第二次大戦開戦前夜、戦争の足音も聞こえずオープンな性と浮かれきった貴族たちの危うさが生々しく描かれる。 社交場での絶えない笑い声、裏舞台で本音を洩らすように辛辣に語り合う人々、ユダヤ人に対する使用人たちの声など皮肉たっぷりの会話も怖い。 大陸を渡った英雄も、この狂騒に包まれた社交場では一人の人間でしかない。 まず、ファースト・シーンで一気に引き込まれる。冒頭の闇夜、熱狂的に騒ぐ民衆がひしめく場面から物語は始まる。 車の衝突音だの、銃の発砲音だの音楽とかマジでうるせえ。 「大いなる幻影」や「十字路の夜」はパンッパンッとリアルな音だったが・・・拳銃の発砲音まで狂騒してやがる。 「大いなる幻影」では静かに泣くように発砲音は小さかった。この映画は、貴族たちの笑い声のように音がデカい。 食事会の場面や、その後のパーティーで起こる騒動、時折現れる人形の不気味さとカオス。 狩りの場面は、とても神秘的で俺が好きな場面の一つだ。貴族たちのスポーツとして、余興として、滅びゆく貴族たちの絶頂が垣間見れる場面でもある。 林にわんさかいるウサギや鳥たちを、木に棒を打ちつける音で林の外へと追い立てていく。まるで祭りの囃子のようにカンカンカンと。 猟銃を持った狩人たちは、獲物が出てくる瞬間をひたすら狙う。 獲物が出た瞬間に一斉射撃。爆音が辺りに響きまくり、次々と獲物は地に倒され堕ちてゆく。本当に撃ち殺しているのだから凄い。 まるで戦争映画みたいだ。 銃声が響く中で情事にふけようとする男女の様子が印象的。  後半のパーティーでの騒動も笑いが止まらない。 浮気をする召使の男女二人、それにブチ切れて拳銃片手に走る森番との追いかけっこ。それを咎められてショボーンと涙まで流して落ち込む姿の可愛さは何なのだろうか。仲直り?する場面は最高に微笑ましい。  で、熊の着ぐるみに入って何してんだよルノワールは(爆)
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-08 20:17:48)
10.  激怒(1936) 《ネタバレ》 
いやー本当アレだ。タイトル通りこの映画のラングは“ブチ切れ”てる。 ナチスのクソ共よくも私が映画を撮りづらい環境にしやがって、 ユダヤ人迫害しやがってあのクソチョビヒゲ、 おかげで私の愛しいテア・フォン・ハルボウと離れ離れだよファ●キンゲシュタポ、 まあ ど お せ?私の「メトロポリス」をメチャクチャにしくさった奴らのいる国なんかもうウンザリだね、売り込んで延命?そんな価値はもう無えよ!!アメリカでテメえらを散々disってやるよあ゛あ゛ーん゛!?・・・てな事をラングが何処まで思っていたかは別として、とにかくそんな感じにラングの怒りがズドンと伝わってくるアメリカでの記念すべき第一作「激怒」。  序盤は普通のドラマだが、徐々にドイツ時代の禍々しいまでの戦慄と恐怖が画面を支配しはじめる。  「凶悪犯が捕まった」という知らせがまるで伝染病のように拡まり群衆を狂気に奔らせる。これは「M」や「メトロポリス」等で見せてくれた群衆心理の恐怖。ラングがドイツで描き続けた恐怖であるし、同時に「私はドイツでこういう映画をいくつも作った。それもこの作品でひとまずお別れだ」という具合に、つまりドイツ時代との決別を感じさせる。 事実、アメリカ時代のラングはドイツ時代にあった“まがまがしい”ほどの恐怖は消えてしまった。だが、その代わりにドイツで研鑽を重ねてきた技術や美術はアメリカでより一層発展したと言える。後の「死刑執行人もまた死す」や「スカーレット・ストリート」「暗黒街の弾痕」「ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ(アメリカでは一番評価が高いラングのフィルム・ノワール)」へのな。「激怒」はそのはじまりでもある。  中盤の法廷劇で感じるのは、まるで河から溢れ出し止めようのない激流、それに何も抵抗できずに押し流されるような・・・とにかく圧倒的な恐怖だ。 祖国ドイツがナチスの狂気で染まり、意を唱える者はその声すら誰にも聞いて貰えず溺死させられる・・・問答無用で。 それにしたってウォルター・ブレナンの何と素晴らしいこと。「死刑執行人もまた死す」でも印象的だった。シルヴィア・シドニーは「暗黒街の弾痕」「真人間」だろ? この頃から出演していると思うと胸熱。 クライマックスは何度見ても衝撃的。 オマケに製作にジョセフ・L・マンキーウィッツ!傑作にならないワケが無い。 
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-01 00:33:56)
11.  決断の3時10分
エルモア・レナードの短編を原作とする「ユマ行き3時10分発」。 ストーリーの完成度は未だリメイク版に引けを取らない。  人間ドラマが主体の西部劇だが、ファーストシーンにおける居並ぶアウトローと取り囲まれる駅馬車の様相はワクワクするなという方が無理だ。  本作は強盗団の首領を捕縛し護送するというシンプルなもの。 首領を抑える事で強盗団そのものを押さえつけ、強力な盾であり敵に次々と襲われる餌でもある。 そんな命懸けの任務に集う仲間たち。 駅馬車を利用した隠蔽劇、 立場を超えた絆、 ラスト20分に渡る駆け引きは見応えあり。 走り去ろうとする列車における一瞬の戦いは面白い。  ただ奥さんが駆けつける必要はあったのか? アレで敵に襲われた人質なんてなってたら洒落にならない。  ラストの雨の場面がキレイだった事。美しい。  強盗団のボスを演じるグレン・フォードの顔は、一見に善人に見える「極悪人」だ。 見た目はニコニコ面でとても悪党には見えないが、不敵な笑みで主人公を嘲笑う時の表情は不気味である。  怖い顔のヴァン・ヘフリンは正義漢の塊だが、焦りと苛立ちが内に潜む凶暴性を見せる。 元々は家族を食わせるために参加した普通の人間。覚悟はしてきたがいざ妻と再会するとなると家族への愛情を覗かせる。このヴァン・ヘフリンは「シェーン」よりも好きな父親だね。 たった一人で戦い抜く姿は「真昼の決闘」よりもハラハラドキドキしてしまう。ゲイリー・クーパーが愛妻なら、ヴァン・ヘフリンは本来敵である筈のグレン・フォードに助けられる。孤独だと思う人間ほど誰かの支えで助けられている。人の支えの大きさを思い出させる。  あとフェリシア・ファーが可愛かった。特に胸が(ry
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-23 20:43:02)
12.  迎春閣之風波 《ネタバレ》 
香港映画界の巨匠キン・フー(胡金銓)が手掛けた究極の武侠映画。 ブルース・リーの師匠みたいなもんだし、何よりサモハン・キンポーが武術指導。そこにキン・フーの静と動の演出を撮り抜く演出。 それは日本で言えば伊藤大輔や黒澤明のような重厚さがあり、尚且つマキノ雅弘や山中貞雄のような肩の力を抜いて楽しめるシャープでスピーディーな・・・まあ理屈をこねても仕方ない。とにかく面白れえ。 モチロン、アクションだけ関して言えばブルース・リーやジャッキー・チェンといった後続の方が洗練されているだろう(キン・フーの場合はブッ飛びすぎ)。 ただ、個性豊かな登場人物やドラマの面白さは今の中国映画なんぞより遥かに面白い。 冒頭15分はそんな丁寧でコミカルなドラマで楽しませてくれる。 「迎春閣之風波」は中国は明の時代が舞台。 お上の殿下率いる田豐たちと朝廷に反旗を翻す朱元璋一門の戦いを描く。 舞台は朱元璋一門の門派が密かに開設した料理屋「迎春閣」で繰り広げられる。 「迎春閣」に訪れる奇妙な客たち、それを迎える武闘派姉ちゃん・姉さんたち。 博打をやる者、飯を食う者大歓迎、ただし強盗連中は容赦なく滅多打ち。 序盤のドタバタした楽しいやり取りを見ていれば解るだろう。機密文章だとか、敵味方が誰か解らないとか、怪しげな美女とか、キン・フー映画に其の辺のスリルは皆無です(褒めてます)。 いや、いつ誰が刃を抜き放ってもおかしくないという肌を刺すような緊迫感は「龍門客棧」の方が圧倒的だ。だが楽しさは断然コッチだろう。 そこから中盤はシリアス一色になってくる。緊迫したやり取りや次々と血に染まる「迎春閣」、そしてラストのダイナミックなバトル、バトル、バトル!ラストバトルの壮絶さ、華やかより男勝り・女傑振り!愛嬌より度胸!それがキン・フーの女たちだ。 しかしコレで驚いていてはいけない。 「大酔侠」や「忠烈図」はもっとブッ飛んでるから(スタントマンじゃなくて猿が飛んでんじゃないかってくらい)。 個人的にキン・フーの最高傑作は「忠烈図」と「侠女」だが、一番好きなのはやはり「大酔侠」と本作だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-06 03:45:01)(良:1票)
13.  激突!<TVM> 《ネタバレ》 
これは現代の「西部劇」とも言える。  西部劇が馬なら現代は鉄の馬同士の一騎打ち!  物語はどこまでも単純、どこまでもシンプル。   アメリカのだだっ広いハイウェイに車が一台。   そこに突然現れた巨大なトラック。   ノロノロで追い越させ、追い越させたと思ったら猛スピードで突進して来る。   借金の取立てが命の取立てになってしまった。   ブザーを鳴らす愉快犯かと思いきや、故障したバスを押してやったりと実は優しいのか?   いや、やっぱり主人公の車を付け狙う愉快犯か。  カフェの外で不気味にたたずむあのトラック。   主人公の心も恐怖と怒りでピークだ。    ともかくトラックの運転手は正体不明のまま。声も顔も出ない、不気味な二の腕だけが主人公を挑発する。   フロントバンパーに貼られた無数のナンバーは何を語ろうとしているのか。   トラック野郎にあるのは狂気だけなのか。   正体が解らないという恐怖。   スピードが出すぎ車が止まらないとう恐怖。   日常に溢れた恐怖を最高潮に引き立てるスピルバーグの妙技。   後の「ジョーズ」はかなりヒロイックな展開がされたが、この「激突!」はひたすら追いかけっこ。   だがそんな主人公も我慢の限界。 上等だテメエ!“決闘”だよバカヤロウ!  壮絶な二台の追走劇。   「車のエンジンが中々かからない」の始祖だが、これは衝突でエンジン部分がひしゃげたからこそ起こるだろうという現象であり、普通の車がそんな欠陥品なら会社なんか潰れてる。後の奴らは何か勘違いしてんだよな。   ラストのトラックと向き合い、車で迎え撃とうという様子はバスター・キートンの「セブン・チャンス」を思い出す。   迫る岩の大群、逃げるのをやめて「あえて」正面から避ける事にしたキートンの勇気と発想。   もしスピルバーグがこのキートンの傑作を見ていたとしたら、俺はもっと尊敬するぜ。   少くともカフェでのやり取りは黒澤明の「野良犬」が元らしい。  つうか主人公は何回車上で振り返るんだよ。   主人公がいつ余所見で事故るかそっちの方がよっぽどハラハラするわ。   バックミラー涙目。   教習所涙目。   ラストの夕陽のシーンがキレイだった・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 11:05:00)(良:2票)
14.  拳銃王 《ネタバレ》 
ガンファイターの孤独を描ききった名作。 私が西部劇を見直すキッカケとなった思い出深い作品です。 ヘンリー・キングというと「頭上の敵機」のような戦争アクション、「慕情」のようなドラマが素晴らしい作品がありますが、本作は人間ドラマを軸にした西部劇。  後にフレッド・ジンネマンが「真昼の決闘」という似たようなテーマの作品を撮りましたが、やはり「拳銃王」のドラマには及びません。  本作はアウトローとして名を挙げ無敵となった男の孤独をテーマにしています。 賞金首として保安官、仲間内からも命を狙われ続ける主人公のリンゴオ。 どんな敵も早撃ちで葬ってきたこの男ですが、ある日「別れた妻とよりを戻そう、もう人を殺すのはやめよう」と無性に故郷に戻りたくなりました。 死と隣り合わせの毎日、いくら人を殺めても満たされない心・・・リンゴオは故郷に癒しを求めます。 グレゴリー・ペックの人間臭い演技がたまりません。 「白昼の決闘」における悪童といい、西部劇におけるペックは野性的な魅力を感じられます。 そんなリンゴオですが、街に戻っても既に賞金首として知れるリンゴオは「危険な人物」か「賞金」にしか見えません。 何処に行っても命を狙われる宿命・・・それでもリンゴオは昔の仲間や街の人々との交流を経て「普通の人間に戻りたい」と努力を続けます。 リンゴオが時折見つめる時計。秒針を観客に見せないのが良いですね。リンゴオにしか解らない焦りと苦悩を感じられます。  殺し合いからの解放、わだかまりがほどけていく夫婦・・・リンゴオの「殺し」が冒頭で終わっている部分も印象的です。 しかし運命はリンゴオの死がまっていました。 いくらリンゴオ自身が変わっても、彼を「賞金首」でしか知らない者は絶えず命を狙いにやって来る・・・残酷なものです。 それでもリンゴオは一瞬とはいえ、本当の人間として生をまっとうしたのかも知れません。 悲しい結末でしたが、その生き様は強く胸を打つ映画でした。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-28 03:06:10)(良:1票)
15.  化粧の王様 《ネタバレ》 
黒いボード?のようなものと共に現れるシルクハットの男。  ボードに絵を描き始め、描いた髪を鬘(かつら)を被るようにつるつるの頭の上に出現させるのは監督のメリエス本人だった。様々な髪形や髭、服装をまとっていくメリエス。  遂には悪魔と化し、白い布をまとい消え去ってしまう。悪魔の造詣にメチャクチャ気合い入ってて思わず笑ってしまった。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-07-28 17:14:08)
16.  劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション 七夜の願い星 ジラーチ 《ネタバレ》 
「7日間」という言葉は普通タイムリミットとして使われるが、ポケモンの映画は“7日間だけ”というよりは“7日間もある”という印象。マサトにとってはたった7日間の出会いと別れだけど。セレビィとマサトの温度差が哀しい。今までのマサトとジラージの交流もあって。  セレビィのロマンチックさに比べてポケモンたちが襲われる描写は結構エグい。空中ポケモンたちの閉所での戦闘、デカ・グラードンとのバトルがとにかく凄い。この作品も明確な悪役と呼べる存在がいるかどうか微妙。まるで自然災害と戦っているような印象も。  どうでもいいけど、オープニングのマトリックスもどきは何だったのだろうか。
[地上波(邦画)] 8点(2014-12-31 20:13:53)
17.  劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション 裂空の訪問者デオキシス 《ネタバレ》 
デオキシスとレックウザのバトルだけガチンコの激突、ラルースのハイテク技術やトオイの描写はあまり掘り下げられずオマケ程度。短編が無くなって100分もあるのに、もうちょっと人物描写を掘り下げても良かったと思う。  デオキシスたちが戦う理由は以前のポケモン映画に比べると何も無いに等しい。きっとそれ相応の理由があるのだろうけど・・・。デオキシスよりもラルースのコンピューターが暴走していく様子の方が怖い。アンノーンを思い出す無機質さ。
[地上波(邦画)] 8点(2014-12-31 19:45:00)
18.  劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を越えた遭遇 《ネタバレ》 
ポケモンは死の描写が曖昧な事が多いけど、このセレビィは衰弱によってポケモンが“死ぬ”事を意識させた。  若いときのオーキドにはビックリ。タイムスリップという展開で人間が歳を取る事も意識させる。他の作品と違って本作は異色とも言える。
[地上波(邦画)] 8点(2014-12-31 19:06:04)
19.  劇場版ポケットモンスター 結晶塔の帝王 《ネタバレ》 
エンティ。過保護ポケモン。アンノーンというファンネルを駆使して幼女を守ろうと頑張る。ミーもワガママ放題で大変。心の壁で塔一つ建ててしまうゆとりパワー。エンティは板挟みのフルボッコで涙目。サトシのママが最強すぎる。  離れていたリザードンがサトシを助けるべく駆けつける姿はカッコイイ!頼りになるな~。一番好きなポケモンはサトシのリザードンだったりする。
[地上波(邦画)] 8点(2014-12-31 18:52:14)
20.  劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕 《ネタバレ》 
ポスターだけ見た時は海を泳ぐポケモンかと思ってた。ラプラスとか出て来た時期だったし。本当は氷の大地を割り、天高く舞い上がるポケモンだった。確かホウオウが第1話で出て(といっても正体がハッキリしない伝説のポケモンだったし名前も不明?だった)以来、それの対となる存在のルギア。当時はサンダーとか3大ポケモンの4匹目みたいな存在だったっけか。最近のポケモンに詳しくないからよく解んないや。 「ミュウツーの逆襲」の哲学的な内容をより発展させた雰囲気。サトシがルギアを見つけ出して眠りから解き放つ瞬間は凄い。サトシの母親の言葉も良いんです。  この頃のサトシは等身大の10代という感じでよかった。コレで世界の命運とかがかかってしまうのだから大変だ。  まさか「マナフィ」ぐらいになると人間離れもピーク、で世界どころか地球の命運を賭けた戦いに挑めそうなほどスーパーマサラ人になると誰が思うだろうか。
[DVD(邦画)] 8点(2014-12-31 18:38:51)
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