41. この庭に死す
《ネタバレ》 ダイヤモンド鉱山をめぐる軍と鉱夫たちの衝突とジャングルでの逃避行という2部構成のような物語。脱獄山師、娼婦、娼婦に片思いの爺さんとその娘(口がきけない)、神父の人間模様がなかなかの見応え。監督らしさが出ている大蛇と蟻の描写(ギャー、嫌~)を筆頭とする苛烈なサバイバル。シモーヌ・シニョレはどこまでズタボロになるのだろう、よくこんなの引き受けたなぁと思っていたら、綺麗なお姿になる展開に呆気にとられました。神父が「私が責任を持つから」と意思を通してことごとく事態を悪化させているのに監督の視線を感じるところです。衝撃の結末に「何で?」キョトンとなりました。 [DVD(字幕)] 7点(2021-01-15 14:26:02) |
42. ゴスフォード・パーク
高貴なのは生まれた家柄で中身はゲスな貴族達と人の悪口しか話題の無いゲスな使用人達のくだらないハナシを延々と聞かされて、グッタリ。「いつまでやっとんじゃい!」降ってわいたような殺人事件も何のインパクトも感じず。豪華俳優陣でありながらの体たらくの責任は誰にあるのだろうか。再見してみたいとは露ほども思えない愚作。 [DVD(字幕)] 3点(2021-01-02 02:25:24) |
43. コリンヌ・クレリー/濡れたダイヤ
連続殺人事件を追う警部補の物語で、エロ・グロ・サスペンス・アクションが目一杯詰め込まれていますが、品が無いというか安っぽいというかどれもが物足りません。コリンヌ・クレリーお目当ての方も歯痒い思いをされるでしょう。イーライ・ウォラックはギリギリ見せ場があったものの、トム・スケリットは全くのチョイ役でガッカリです。全然濡れてませんが! ダイヤの件は上手い脚本だと感じたところに+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2020-11-01 02:59:01) |
44. こはく
監督の実体験が元となっている為なのか、あまりにも淡々とした展開と演技に喜怒哀楽の感情が沸きません。裸お盆芸のアキラ100%の大橋彰としての活躍を期待したいところに+1点。 [DVD(邦画)] 4点(2020-10-25 16:55:45) |
45. 孤児ダビド物語
デイヴィッド誕生からの成長物語。善人悪人様々な人との出会いでの喜怒哀楽模様がテンポ良く描かれていて飽きずに観ていられる。結末に至る迄の人の死に都合良さを感じるのが残念なところ。 [DVD(字幕)] 6点(2020-08-17 08:28:34) |
46. ゴンドラ
ゴンドラに乗って高層ビルの窓拭きをする青年と母親と小洒落たマンションに暮らす11歳の少女。文鳥を介して出会った二人の物語。共に孤独であり、とりわけ少女の孤独感に胸を衝かれます。青年の実家である下北半島に二人で訪れ、青年の両親の質素だけど暖かなもてなしに少女の憑物が1枚1枚剥がれてゆく姿に胸が熱くなりました。筋立てはありきたりなのかもしれませんが、台詞を最小限に抑えて滑らかなカメラワークに見惚れた映像で紡がれた画面に引きずり込まれてしまいました。監督は本作以降AV製作で活躍されたという事ですが、それが頷けるシーンがありました。 本サイトのおかげで出会えた作品は胸に沁み入る秀作でありました。 [インターネット(邦画)] 8点(2020-06-28 05:41:44)(良:1票) |
47. 荒野のみな殺し
《ネタバレ》 凄いタイトルに「パーッといってみようか」釣られての鑑賞。ストーリーは無理筋無くなかなかの見応え。クライマックス対決場面は悪玉ラモンによって善玉がノーマン以外皆殺しにされるというパーッといく筈がテンションだだ下がりの当て外れ。ガンマンらしからぬモッサリした身のこなしに白けてしまったノーマンが作品を盛り下げる。両手包帯ぐるぐる巻きで銃が使えずダイナマイトを放り投げている役立たず状態はヒーローにあるまじき姿。「新世界より」第三楽章をバックに現われるラモンが主役だったらと思った作品。 [DVD(字幕)] 5点(2020-02-02 00:07:14) |
48. COLD WAR あの歌、2つの心
冷戦時代ポーランドが舞台ということで身構えて観ていましたが、某作品名台詞「一緒にいると苦しい 離れては生きられない」男女の普遍的な恋愛模様で響いてくるものは皆無でした。結末に、残された夫と幼い子供を思うとこの女の浅はかさに、後味が胸糞悪さで覆われます。澄んだ歌声でのスラブのしらべに聞き惚れている際の「オヨヨ~」に「えっ? オヨヨって聞こえたけど? 違うよね」都度笑ってしまいました。間違いではなかったようで、この点だけ記憶に残る(+1点)と思われる作品です。 [DVD(字幕)] 4点(2020-01-25 14:15:46) |
49. 幸福なラザロ
1980年にイタリアで起きた詐欺事件を元にしたという本作。 ???な内容であえなく寝落ち。後日気を取り直しての再見で?の部分が理解出来、更に再見で無私について考えさせられる事となりました。聖書に造詣ある方でしたらスッと入り込めるのかもしれません。私利私欲で劣等感やストレスに苛まれる事を思えばラザロの生き様は幸福と言えるのでしょうが、凡人の私にはたどり着けない境地であります。見た目が冴えないラザロですがその澄んだ瞳に、聖人というのは彼の様な普通な人物なのかもしれないと思わされました。良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2020-01-05 00:04:46) |
50. 心と体と
♪♪誰にも真似できない同じ夢を見よう Can you hear the calling?♪♪ が浮かんだ同じ夢を見る二人。その夢のシーンは得も言われぬ静謐さに加えて牡鹿・女鹿の佇まいがエンドレ・マーリアに見えた特筆すべき映像美。 また、吊るされた冷凍肉は何度か目にしたものの、そうなる過程は初鑑賞。衝撃過ぎて食べていたアイスクリームが以後喉を通らなくなる羽目に。ただ、単にグロではなくてシステマティックな工程での凛としたものを感じた映像。 映像美は満点。 初老エンドレと潔癖症&コミュ障マーリアの職場恋愛模様は、個性薄いエンドレが歯痒く物足りません。 マーリアのあれやこれやの健気さを見るにつけ、体を重ねなくても恋愛は育めるのを教えてやるのがエンドレの年の功じゃないのだろうか。 これは酷過ぎると思った際の値千金命の電話に心底ホッとさせられました。 [DVD(字幕)] 8点(2019-11-04 22:33:16) |
51. ゴールド・ディガース(1933)
バズビー・バークレイによるミュージカルシーンは「フットライト・パレード」に比べるとスケールが小さいものの、光るバイオリンの斬新な発想に只々感嘆。ドラマパートが絶品。恐慌不況下の中で懸命に生きるコーラスガール3人。ポリーとブラッドのロマンスを軸に、コーラスガールをゴールドディガーの寄生虫呼ばわりするローレンスとピーボディ、一泡吹かせようとするキャロルとトリクシー、それぞれが絡むコメディタッチの展開が絶妙。中でも美味しい所を持っていった感があるローレンスを演ずるウォーレン・ウィリアム(主役にクレジットされている)に身悶えさせられまくりでした。ラストのミュージカルのテーマの重さに感じた違和感に-0.1点。 [映画館(字幕)] 9点(2019-09-19 00:42:02) |
52. ゴールデン・ボーイ(1939)
ウィリアム・ホールデン21歳時のデビュー作。製作者による降板危機をバーバラ・スタンウィックの口添えで回避されたというエピソードが納得の硬直した台詞回しに白けてしまった。バイオリンとボクシング、アドルフ・マンジューとホールデン。二人がそれぞれの狭間で揺れ動くストーリーは、脇役の父親、ギャング共々深みが全く無く盛り上がらなかった。 [DVD(字幕)] 5点(2019-09-02 15:04:50) |
53. 孤独な天使たち
自分で稼いだ金ならまだしも、親の金で好き勝手する14歳の弟とヤク中アバズレ感満載の異母姉の交流に嫌悪感のみ募る。ラストショットに「だから? 何?」としか思えない。 [DVD(字幕)] 3点(2019-06-09 15:57:37) |
54. 孤狼の血
知人の御親族がエキストラ出演という事が鑑賞理由。なかなか良いシーンのご登場が羨ましい! 反目するヤクザ2組と剛腕刑事三つ巴の闘いは、けたたましさとグロシーンのオンパレードで欠伸連発。頭痛・胃痛に難儀する。これは知人に何と申し上げるべきかの思案が原因か? 自分に正直には申し上げられない。ア痛タタタ。 [DVD(邦画)] 3点(2019-05-20 23:35:00) |
55. 五瓣の椿
《ネタバレ》 原作未読。牢屋で針仕事をしている時の憑き物が落ちたような顔つきと丸梅の妻の自害に、復讐の虚しさを味わう事に。青木の人物像は山本周五郎作品ならではのものであり、「上意討ち拝領妻始末」に続いての加藤剛の若かりし姿に見惚れました。長さを感じさせない力作。 [DVD(邦画)] 8点(2018-11-28 02:31:40) |
56. 五本の指
《ネタバレ》 スパイ・サスペンス映画の最高傑作。殺害・格闘シーンは無く、金庫の国家機密書類をカメラで撮影する手口で至極アッサリしているにもかかわらず、実話ものというのも相まって、全編が痺れる緊張感に満ち満ちる。特筆すべきは主人公ディエロの人物像。欲望にしがみつく手(5本の指)というタイトルそのままの「これから絞首刑になる人間にロープの太さを教えたところで何になる?」が示すドイツへの愛でもイギリスへの憎しみでもない、貧しい出自の彼の憧れである紳士の地位と高嶺の花 Anna を買う金の為だけの売国行為。淀みのない話しぶりと落ち着きはらった物腰で窮地をすり抜ける姿に、「こんなはずでは」と思った矢先のどんでん返しにディエロ同様絶句する。poor Diello を体現するラストシーンはジェームズ・メイソン名場面集の暫定1位であり脳裏に焼き付く絶品演技に胸が締め付けられる。 [DVD(字幕)] 9点(2018-09-30 00:59:00) |
57. 恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ
暑苦しいイメージがあるジェフ・ブリッジスが醸し出す虚無的な雰囲気に惹きつけられる。一方ミシェル・ファイファーは蓮っ葉のイメージそのままで物語に酔えない要因に。兄弟の姿から、自活の為に好きでもない仕事をこなして「今日も稼いだ」と疲れ果てる虚しさと好きな仕事が出来る有難味をイヤと言うほど思い知らされる。 [DVD(字幕)] 5点(2018-08-15 01:16:41) |
58. 絞殺魔
《ネタバレ》 犯人の人物像、動機、逮捕までの過程に興味津々だったのですが。中盤であっさりと犯人が判明してからは垂直落下のようにトーンダウン。実話なので仕方ないとは言え超能力者やら二重人格やら脱力感が半端ない。被害者や遺族の無念さが押し寄せてきた自供模様に点数の全てを。 [DVD(字幕)] 6点(2018-05-02 21:28:57) |
59. コンタクト
《ネタバレ》 ジョディ・フォスターとジョン・ハートのファーストコンタクトのみ印象に残る。北海道に予備の施設があるという都合の良い展開に馬鹿馬鹿しくなるも、ヴェガ星人とのご対面見たさに我慢して鑑賞、した甲斐がなかった。ダラダラと時間をかけて描かれた、父娘、コンタクトの意図、国防、クリントン大統領、神さん、ハデン、全てが思わせぶりなだけ。テーマの高尚さも思わせぶり。徒労感がひどい作品。 [DVD(字幕)] 3点(2018-04-25 14:15:59) |
60. コブラ・ヴェルデ 緑の蛇
共に枯れた感を醸し出す最凶タッグを観ていて侘しくなり、ラストショットのクラウス・キンスキーの姿に寂しさがこみ上げました。 [DVD(字幕)] 5点(2018-04-04 14:24:53) |