61. コンテイジョン
《ネタバレ》 途中までは、一人一人の存在感が妙に希薄だし、死者続出の割には絶望感も終末感も漂っておらず全体が作り物っぽいなあと思いながら見ていたのです。しかし、見終わった後に印象を強烈にしているのは、コティヤール・パルトロウ・ウィンスレットというオスカー3女優ですらもさっさと出番を切り捨てる容赦なさ。比較的出番の多いデイモンやフィッシュバーンやジュード・ロウも、活躍らしい活躍は何もせず、うろうろしているだけ。一番地味っぽいジェニファー・イーリーが、ごくさりげなくワクチンを開発しているという結果の、妙な生々しさ。そして、最後に皮肉に満ちた「1日目」をさらりと持ってくる着地、その前のカメラのくだりとのつながりのセンス。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-08-11 00:59:56)(良:1票) |
62. コーカサスの虜
《ネタバレ》 捕虜交換云々という話だとは知っていたので、もっとはらはらする展開かと思っていたら、何とも牧歌的な雰囲気なので驚きました。あえてエンターテインメント性を排する方向をめざしたのかもしれませんが、それでも、前提としての敵味方の緊張感まで感じられないのは問題です。例えば、冒険家がどこかの集落にたまたま迷い込んで、戸惑いながらも何とか現地の民と交流する、というような場合と、あまり違いが感じられません。なので、いざ事態が変化して行動を要する局面になっても、何でいきなり慌ててるの?という感じになってしまうのです。 [DVD(字幕)] 5点(2015-06-02 02:22:50)(良:1票) |
63. go(1999)
《ネタバレ》 同一シーンを角度を変えて繰り返すパターンは好きなので、点は甘め。悪人っぽく見える人も何だかんだで善人になっていくのが面白い。ただ、各ストーリーの相互の絡みはもう少し欲しかったとは思う。 [DVD(字幕)] 7点(2015-01-17 01:51:12) |
64. 婚期
《ネタバレ》 登場人物のほとんどが何か性格が歪んでてまともな言動に乏しいのだが、脚本や演技は割とレベルが高いため、さらにモヤモヤ感が増幅されるという、困った作品。大体、若尾文子と野添ひとみを組ませて、あんな最低姉妹コンビをやらせるか。●北林谷栄の婆やの存在感は凄すぎ。あのまま行くと1人で全部持っていってしまうことになるため、後半、その存在意義を孫娘の方にシフトし、かつ出番を削っているのは、正解。●船越英二のダメ夫ぶりもどうしようもないんだが、実は防御力が一番強いのは、こういうタイプだったりして。何を言っても通用しないんだから。●最後、「夫婦は何だかんだあっても、元に戻るものなのだ」という着地も見事(このときの京マチ子の芝居の変化にも注目)。案外、離婚率が増加した現在こそ、こういうテーマが意味を持つんじゃない? [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-12-24 00:53:46) |
65. ゴーン・ガール
《ネタバレ》 「ある日妻が失踪した」というたった1つの出発点から、2時間半を一気に見せ切る手腕はさすが。一気に話を走らせない、じわじわとした進行がスリルを高めているのだが、トレント・レズナーの不安感を溢れさせる音楽センスも大きく貢献していると思う。ただし、エイミーが帰還してからは終わるようで終わらない中途半端な展開になっており、あそこはうまくまとめれば10分で切り上げられたのではないか。●父親を警察から引き取って車で送るシーンで、ブルー・オイスター・カルトの"(Don't Fear) The Reaper"(※死神が扉から入ってきて彼女を連れ去ってしまうという曲)が流れるのだが、あれは意図的な選曲なんだろうか、やっぱり。 [映画館(字幕)] 6点(2014-12-23 21:14:54) |
66. ゴジラ×メカゴジラ
釈由美子が隊員としての現場経験があるようにはまったく見えない。宅麻伸が有能そうにはまったく見えない。隊員の皆さんも、閣僚の皆さんも、緊張感がありそうな人が1人として存在しない。そりゃ、こんな人たちに国防を任せていたら、何でもないことでも大ピンチになるでしょう、としか言いようがありません。制作者はやる気があったのか? [CS・衛星(邦画)] 1点(2014-08-16 02:16:57) |
67. ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
いくら怪獣が頑張っても、人々が怖がっているようにも驚いているようにも全然見えず、怪獣に真剣に立ち向かっているようにも見えないため、意味がない。役者陣の演技も、主演の彼女を筆頭に、まったくダメレベル。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2014-08-13 03:14:51) |
68. ゴジラVSデストロイア
《ネタバレ》 都市襲撃のシーンで、下の方では車や列車が当たり前に動いている。この辺の志の低さだけで、どんなスタンスで作られたかが分かります。そもそも、どういう危機が起こっていて、それに対し、どういう人たちが、どういう対策を取ろうとしているのかという基本設計がまったくなくて、ただ怪獣が暴れていてただみんなが慌てているだけなんだから、制作者は何がしたかったのかさっぱり分からない。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2014-08-04 02:19:30) |
69. ゴジラVSメカゴジラ
怪獣たちの戦いを存分に見せきってくれるところは好印象。ただ、それに対して大きく足を引っ張っているのが役者陣で、使い方が全然考えられていない。これだけ揃えておいて、みんながそれぞれワーワー騒いでいるだけなんてね・・・。辛うじて演技が見られるのは小高恵美くらいか。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2014-08-03 03:43:40) |
70. ゴジラ(1984)
《ネタバレ》 前半は、むしろ54年版より良いんじゃないかと思っていたんですよ。俳優陣の演技がちゃんとしているという点において(まだどんくさかった頃の沢口靖子を除く)。しかし、着実に盛り上げる後半部分において、突然話が次々に別方向に行ってしまって、迎撃ミサイルだとか、ビルからのヘリ吊り上げだとか、もうゴジラは全然関係なくなってしまいました。せっかくの役者陣をもっと活用するという発想はなかったのか? [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-07-24 02:56:32) |
71. ゴジラ(1954)
《ネタバレ》 出自を除いては、ゴジラそのものにキャラクターづくりができているとは言い難い。また、対する人間側も、多くは右往左往しているだけで、ゴジラに対してどのように対峙し、対決していくのか、ドラマが存在しない(芹沢の最後の決断は、すでに指摘されているが、ゴジラの中身と関連づけられているわけではないので、ドラマになっていない)。したがって、後発の怪獣アクションにはすでに抜き去られているものと位置づけざるをえませんでした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-07-23 00:16:26) |
72. 告白(1981)
デニーロとデュバルのぶつかり合いであれば、もっとスリリングな演技合戦を期待していたのですが・・・何か、最後まで、どこかのんびりした空気のまま、演技の軸足が見えないまま終わってしまいました。 [DVD(字幕)] 4点(2014-07-10 21:03:22) |
73. こわれゆく女
怖いですよ怖いですよどうです怖いでしょおおおおと制作側が語りながら作ってしまっているから、逆に何も怖くない。そうすると、ただ同じやりとりを繰り返す長いだけの作品にしかならないのです。 [DVD(字幕)] 3点(2014-06-15 00:43:19)(笑:1票) |
74. 恋のからさわぎ(1999)
導入部からしてもろに設定のための設定になってしまっているし、ジュリア・スタイルズもこの頃はまだ演技が未熟だったのか、ただ高飛車なだけで、全然魅力的に見えない。なので、いくら登場人物がいろいろ頑張っていても、最後が楽しみに感じられないのです。エンディングのLetters To Cleoの「甘い罠」のカヴァーは面白かった。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2014-02-25 01:57:28) |
75. 恋する惑星
《ネタバレ》 前半と後半が全然つながっていない時点で、何がしたかったのかが分からない。"California Dreamin'"の使い方がしつこすぎるのもマイナス。フェイ・ウォンが合い鍵で忍び込んであれこれやるといったところは新鮮だったので、その辺の観点をうまく使えばもっと面白くもなったと思うのに、そういう方向には行かなかったね。 [映画館(字幕)] 5点(2014-02-09 20:09:12) |
76. 告発のとき
《ネタバレ》 苛酷な戦争体験が人をおかしくしてその結果云々というのは、すでに多数の先例があるわけで、この作品はその辺の枠を出ているものではない。しかも、ポール・ハギスの計算癖あふれる脚本をこういう題材でやられると、登場人物の死に体ぶりがかえって目立ってしまうのです。フランシス・フィッシャー(タイタニックのブカター婦人)をトップレスで登場させちゃったというびっくりする成果に+1点。 [DVD(字幕)] 5点(2013-10-20 00:10:56) |
77. この愛のために撃て
《ネタバレ》 ハリウッド・テイストな分かりやすいサービス満載のアクションながら、警察内部の対立であるとか、決戦の場所が警察署内であるとか、それを導くためのさまざまな道筋であるとか、あまり見ないネタもちりばめてあってなかなか美味しい。ただ、臨月の妊婦の人質という設定は、よく考えると反則ではないかと思う。もうすぐ産まれるかもしれないという一事だけで自動的に状況を設定できてしまうし、最後に無事産まれたらめでたしめでたし、というのも、ほかの展開と関係なく成立できてしまうから。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-29 03:25:11) |
78. Go!(2001・矢崎充彦監督作品)
《ネタバレ》 えらく自主製作っぽい、もっといえばちょっと貧乏くさい出だしから一転、女性との出会いが一段落つく頃からは、ドラマがぐいぐいと動き出す。一番良かったのは、主人公が最後までださくて格好悪いのを貫き通している点。しかしその描写は作為的ではなく、不要な部分はばっさりと切り落とし、自然に見る側をのめり込ませる力を持っている。格好良い台詞も目を見張る得意技もないけど、原付で長崎まで走ってしまう体力と根性だけは持っている。その主人公の特性を、描写の上でも大事に育てているのがよく分かる。あと、さりげなくキャストも豪華ですね。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-08 04:10:37) |
79. 告白(2010)
《ネタバレ》 原作は、長文の一人称の交錯と裏返しというところにトリックの基本があったので、映像化は難しいんじゃないだろうかと思っていたのだが、何とか原作の空気を壊すことなく上手くまとめていると思う。ウェルテルは原作ではもっとウザそうな描写だったのだが、ここではもっとあっさり風味で、作品の流れを止めないようにしているのは感心した。あと、ラストの爆発のしつこさと、先生と少年Aの直接の対峙は余計だったなあ。あそこは電話の会話で容赦なく終わるところに風味があったはずで、そんなに無理矢理盛り上げようとせんでも。 [DVD(邦画)] 6点(2013-02-05 03:30:31) |
80. コレラの時代の愛
いくら、50年がどうのこうのと口で言われても、時の経過やそれに伴う変化の描写に裏打ちされていない以上、意味がないのです。単にダラダラ過ぎているようにしかみえませんでした。ハビエル・バルデムの投入がもったいない。 [DVD(字幕)] 3点(2013-01-11 04:05:57) |