Menu
 > レビュワー
 > すかあふえいす さんの口コミ一覧
すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順12
投稿日付順12
変更日付順12
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  殺し屋ネルソン 《ネタバレ》 
俺が見たのは海外で販売されたVHS。画質は悪かったが、この映画の面白さを損なうものじゃなかった。  コイツは間違いなくドン・シーゲル初期の最高傑作だ。  圧倒的破壊の全力疾走で見せる見せる見せる、これぞギャング映画と言わんばかりの面白さ。   「ダーティハリー」や「ラスト・シューティスト」といった初っ端からブチかます作品群と比べると、この映画は最初ブッ放さない。  徐々に速度が加速していくタイプの撃ちまくり殺しまくり映画だ。   実在したレスター・ギリス(ベビー・フェイス・ネルソン)の伝記としては実際のネルソンとかなり違うが、アクション映画としてシーゲルのやりたい事が詰め込まれた素晴らしい出来となっている。 ミッキー・ルーニー演じるギリスの凄味!   ビルの群れ、人の群れ、刑務所、ナレーションによるギリスことネルソンの紹介。刑務所を出ていく影、その直後に「Baby Face Nelson(殺し屋ネルソン)」の題名が出る。  迎えの車に乗り、目的地に着き、アジトの階段を上っていく。二人の会話が終わってからやっと人物クレジットが出る。   葉巻の煙を払うように「もう殺しはやらん」とサイレンサー付きの拳銃を返し一度は断るが、運命はギリスを再び殺し合いの中に引きずり込む。   刑務所から解放された喜びからか、浴びるように風呂ではしゃぐ。  久しぶりにあった女と熱いキスを何度も交わす。伝記の白熱球をひねって消し、情事に入ろうとする。その後にちゃんと電球を戻す律義さ。殺し屋としての血がうずく新聞記事。 ヒロインはバーバラ・スタンウィックやクローデット・コルベールに近いタイプのキャロリン・ジョーンズ。   点滅するネオン、バスルームに押し入られ、身に覚えのない拳銃という“罠”、ツバには腹パンで返答される!   さあギリスの“ネルソン”としての復讐劇が加速するのはここからだ。  列車、女が転ぶのはかがんだ標的をネルソンがブチのめすため、銃を奪い、車で運んだ遺体を猛スピードで地面に叩き落とす!   階段に隠れ、ターゲットが上ってきた瞬間に瞬く間に3人を射殺し車で即逃げる。本も死体が音をたてて転がっていくようにバラバラ落ちる演出。   酒を取りに隙を見せ、背中を向けた男の首に銃をつきつける。ガラスを撃ち抜くが一歩遅く、彼等は夜街を駆け抜ける。   脚から胸にかけてのラインを見るエロ医者、何回女とブチュブチュやんだよギリスは(憤慨)。   大火傷を負い包帯で顔を覆った男が渡す新聞、闇夜のブランコで作戦会議。  オフィス襲撃時の緊張。  時計、アイスクリーム屋に化け、警備を潜り抜け、車内では息を潜めてトンプソンを構える。  煙、「STOP」のバーを脚でこじ開け、緊張の糸が弾けた瞬間にトンプソンは火を吹き、金を積んだ車を奪って乗り換え逃げ切る。   仕事仲間の墓穴つくりを、酒を飲みながら見るだけの医者。そりゃスコップも投げたくなりますよ。   日光浴中の彼女に布をかける不器用な愛情、脚に触るエロ医者への嫉妬、愛情の暴走も加速していく。  他の男とちょっと喋っただけでも怒鳴り散らす。防弾とはいえいきなりバカスカ撃つんだから怖い。「裏切ったらマジでブッ殺すぞ」という警告としての発砲。   酒屋の登場で油断した後に現れる“本物”、裏口からの脱出、森の中での銃撃戦、巻き込まれる一般住民。  郵便局員から銀行強盗への早変わり。銃をクリックして脅す。おっちゃん涙目。    女にうつつを抜かす者たちの破滅、新聞の写真に刻まれるマーク。  ネルソンの転落も加速していく。思わぬ情報の流出、指紋手術の失敗、触れない腕で怒りの殴殺と船でドンブラコ。  ラスト20分のフルスピード。  銀行襲撃までのシークエンス、裏をかいて仲間まで“裏切り”閉じ込め、客のいる室内に催涙弾をブチまける。  銃声に異常な反応を示すほど精神的にも追いつめられる。動物狩りを楽しむ子供たちを撃ちそうになる瞬間。  クライマックスのチェイス、警官のバリケードもブチ破り、バックミラー、“死に場所”への直行・・・近づくサイレン、もたれかかり「俺を殺してくれっ!!」の絶叫!凄いラストシーンだ。
[ビデオ(字幕)] 10点(2016-11-24 22:47:06)
2.  ゴッドファーザー PART Ⅱ 《ネタバレ》 
「ゴッドファーザー」は好きなシリーズだが、特に「PARTⅡ」はもう何度見たか解らない。 人によっては「PARTⅠ」こそ最高という人もいるだろう。 だが、俺は冒頭からヴィトの悲劇で始まり、ヴィトが栄光を掴んでいく“光”とマイケルが様々なものを失っていく“闇”が交錯する「PARTⅡ」が一番好きだ。ヴィトだけでなく、マイケルの過去も映されるんだ。ヴィトの思い出と混ざりながら。 初見の者にとって、ヴィトが今後どうなるかが気になって最後まで画面に釘付けにされたのだから。 シチリア島で葬儀が行われるシーンから物語は始まる。父、兄、母親まで地元のギャングに殴りこんで失ってしまうヴィトの悲劇。この瞬間からマイケルの復讐が始まり、同時に彼を救ってくれた島の人々の優しさがヴィトに生きる力と人を助ける愛情を育む。村の名前がヴィトを守る“偽名”となって。だから彼はシチリアに戻って来たのだと思う。困っている仲間や家族を守るために覚悟を決め、彼らの代わりに引き金を引いて。 彼らが奥さんの手作りパスタを美味そうに食べるシーンは和む。どうしてこの映画はあんなにも飯を美味そうに食うのだろうか。クレメンザとソニーは若い頃(物心つく前)からつるむ仲。 前半2時間のクライマックスを飾るのは、そんなヴィト自らが暗殺に向う場面だ。 ヴィトがどん底から這い上がり仲間や家族を得る一方、現代のマイケルは後半1時間30分をかけて最盛期からまた次々に最愛の仲間や家族を失っていく。フレドとコニーの何気ない会話が、別れの挨拶になるなんてさ。 華やかなパーティーですら暗い影が差し、寝室に銃弾の雨が振り込み安心して眠る事も出来ない。 議員も机の上の大砲をマフィアのボスに向けてケンカ腰。 痩せていたアル・ネリは亡きクレメンザの代わりを果たすかのように膨れ上がる。 数多の血みどろの殺し合いの後に、以前のマイケルたちが揃って食事をする場面なんかもう何回見ても泣きそうになっちゃうよ。ソニーは元気だし、コニーにブツブツ言ったりフレドとじゃれあう姿なんて・・・それが独りで煙草を吹かし、現在のマイケルの瞳に光が失われて幕を閉じる。
[DVD(字幕)] 10点(2014-06-26 19:38:01)(良:1票)
3.  この世界の片隅に(2016) 《ネタバレ》 
それは、川を流れる船の「片隅」から見上げた光景から始まる。 雲が流れ続け無限に拡がる青い空。果てしなく続くその姿は最初から最後まで「誰か」を刺激し、「誰か」が描く絵、絵、絵で語り続ける映画だ。  心の中で繰り返される「誰か」の感情と想いは、夥しくため込まれ爆発する時を待つ。  橋の上で放り込まれた先での出会い、夜になったらおやすみ、夢のような一時、スイカが繋ぐ出会い。  紙も板切れもノートも地面も何でもキャンバスにし、水平線を引き描いて描いて描きまくり記録されていく風景、顔、月日、年、思い出。  彼女が描く絵は生き物のように動き出し、白波が海を走れば波は兎になって海原を駆けて行く。  思わずクスクス笑ってしまう微笑ましい光景の数々、いくらドジをやっても笑ってくれた平和な日々、結婚しても後退と接近を繰り返す恋愛が少女を大人の女性に変えていく、愛のある拳骨、思わず申し訳なさそうに目をつぶり笑ってごまかす反応、絶対に笑ってはいけないクソ憲兵との“にらめっこ”戦時下の人々に光をさす闇市、幼い頃の記憶が蘇る再会、紙に溢れる甘いもの、夢や希望。  どんなに世界と人が変わろうが、女たちは“抗う”ことをやめない。 風呂に浸かり、汗を流し、飯を喰らい腹に詰め込み、服を仕立て直し、水の入ったバケツを担ぎ上げ、紙を奪われたら新しい紙を貰い続け、手を握り、引き連れ、腕を振り回し、歩いて、歩いて、歩き続ける。  着物を被り隠す黒髪、誰かに何かを打ち明けたくても言えないものを背負い込むうなじ、白く輝き日に焼けたりもする細腕、脚、口紅をさす唇、おしろいを塗りたくったり引っ張られたりする頬、顔。  料理くらい誰かに教える気分で、楽器でも弾くように楽しく作りたい、二人きりになったらキスくらいしたい。身を寄せ口づけを求めるのは、好きなのかどうか確認するため。両腕を布団にぶつけながら吐き出される複雑な想い。  やがて訪れる地面を曇らせる飛行機の影、戦争の音、警報が鳴る/鳴らないで変わってしまう警戒心。 死が迫り来る状況でも見つめ続けようとする絵描きの性(さが)。爆撃機が鳥の大群のように空を覆いつくし、炸裂する砲撃や爆弾の煙さえ、彼女にとっては格好の題材になってしまうのだろう。  男たちはそんな女たちに覆いかぶさり、抱きしめ守ろうとする。破片や機銃掃射が雨のように降り注ごうとも。頼まれなくたって生きて欲しいから。  終盤まで、空襲で焼かれた遺体といったものは徹底的に描かれない。あえて「見せない」方がかえって想像してしまい恐ろしいのだから。 波間を漂う帽子、“鬼”の石ころ、血まみれの服、ぽっかり空いた穴が誘う“死”、届かぬ声、閃光、振動、木に引っ掛かる飛んできたもの、座り込んだ「あの人」は誰だったのだろう。  暗闇で輝き散っていく白い花火、ひらひら舞っていく繋がった腕、花畑まで駆け込み微笑んで欲しかった“もしも”、もっと描きたかったもの、撫でてやりたかったもの。  布で覆い被してまで見せなかったものを「見せる」のは、戦争の悲惨さを伝えるためではない。どんなに傷つこうとも最後の最期まで抗おうとする人間の姿を「描く」ためだ。  生きる意思を放棄したはずの者が、燃え盛る焔を見た瞬間に無我夢中で叫び、逃げ続けるのを止め、何度もつぶってきた眼を見開き、布団を投げ飛ばし、体を投げ出すように火に飛び込み、倒れても這い上がり、バケツに入れぶちまけられる感情の爆発!! 心の溝を埋め距離を縮める歩みより、手助け、会話、髪を切る決意を語る瞳、「何処までも飛んでいけ」と追いかけ突っ走り、耐え続ける“理由”が無くなった途端に溢れ出る怒り、悔しさ、涙。  その姿は、幼い心にも焼き付いて離れないものとなって蘇る。 片腕が吹き飛びガラス片が幾つも突き刺さろうが手を握り、引き続け歩き続けようとした姿、座り込んでも…いや死してなおも庇うように。 子供も眠っているだけかも知れない、まだ生きているかも知れない、あるいは認めたくないからこそ必死になって群がる蠅を払い続ける。それを受け入れざる負えない流れ出る“死”。  失ったものを求めてさまよって、歩いて、歩き疲れた先でたどり着き、“見つけた”者と“探し続けた”者が地面に転がった飯の塊で結びつく。 女は黙って腕にすがりつく子供に隣を許し、暖かく迎え入れてしまう。  何も無くなったというなら、空で輝き続ける星の海を見つければいい、灯りを灯して暗闇を照らしなおせばいい。 居場所が無ければ探し、見つからないなら見つけ、作ってやればいい。 「なくなった」はずのものが釜を抑えながら飯をこさえ、「いなくなってしまった」ものを描き続ける。それは、こうの史代の想いでもあるのだろう。
[映画館(邦画)] 9点(2016-12-01 09:49:11)(良:4票)
4.  荒野の女たち 《ネタバレ》 
ジョン・フォードが本当に撮りたかったもの…それは女たちの生き様だったのではないか。  「我が谷は緑なりき」や「怒りの葡萄」の家族を支える女たちの、「駅馬車」で蔑まれている中だろうが赤ん坊を救うことを選んだ女の、「馬上の二人」の連れ去られ差別に苦しんだ少女の、「メアリー・オブ・スコットランド(スコットランドのメリー)」の王女になってしまった女たちの孤独。  野郎が跋扈する「三人の名付け親」や「捜索者」ですら、男は母親の様に子供を抱きかかえていた。いなくなってしまった女たちの代わりを果たしたかったかのように。  この映画は、冒頭の馬賊が駆け抜けるような映画ではない。理不尽な現実に打ちのめされ、それに抗おうとする弱者たちの静かな“怒り”が渦巻く映画だ。幼い子供たちの、彼等を守る女、女、女たちの。  馬賊たちは後の災厄を予告し、動乱の中国大陸に脚を踏み入れ取り残された人々を振り回していく。   馬に乗って僻地にやって来たカウボーイのような井出達の女医。このアン・バンクロフトのカッコ良さと言ったら。厳粛なキリスト教を笑い飛ばすように煙草をたしなみウイスキーを愉しみ、祈る暇があったら自ら行動し、家族や組織といったしがらみを拒むように孤独な様子を覗かせる。  それが運ばれてきた負傷者を見るやいなや医者として迅速に行動を起こし、病が発生すれば家中を駆けずり回り、貴重な水でも犠牲者を減らすために投げ捨て最善を尽くす。   隔離を告げる看板、ひたすら土を掘り返していた者が座り込み、布の下に眠る死者たちを想い打ちひしがれる。   一難去ってまた一難、建物の向こうで燃え盛る巨大な焔、門の前を通り過ぎる軍隊、扉を開いた瞬間に雪崩れ込む馬賊たち暴力の嵐。監禁と虐殺、けたたましい嘲りがこだまし頭がおかしくなりそうな閉鎖空間。それでも彼女は諦めず己を貫き通す。「汚い手で触んじゃねえっ」と言わんばかりに屈強な大男に平手打ちを喰らわせる気丈さよ!  女たちは老いたはずの肉体で新たな命を産み、女医はそれに応えるために壁を駆け上がり格子を握りしめ怒れるばかりに叫ぶのだ!!   馬賊たちとの取引、土埃にまみれた鏡を一目見て、ベッドに座り込み見せる弱さ、再び立ち上がり覚悟を決めた強さを見せる後ろ姿。虐殺を繰り返してきた者たちまで赤子の誕生に喜んでいるかのようにはしゃぐ奇妙な光景。   馬賊に尽くす女たちもまた犠牲者に過ぎなかった。代わりの女が来れば部屋から追い出され、用済みになればゴミ同然に投げ捨てられる。疲れ切った表情。  だが彼女は何度でも仲間の元に戻り、切り札を手に入れ、敵の懐へ飛び込んでいくことを選び続ける。椅子にふんぞりかえるのは身内同士の決闘で殺し合わせるため、服を着替えるのは寝るためでなく二人っきりの状況を作るために。  たった一人扉にもたれかかり、女たちを見送る視線。彼女が一度でも“祈る”ことがあるとするなら、それは見送ってやることしかできない仲間たちの無事くらいだろうか。   開かれた扉の先で待ち受ける野獣、杯に入れられる切り札、投げ捨てられる杯。医者の道を踏み外すようなことを選んでしまった・救ってやれなかった自分自身への怒りも込めて、彼女は投げ捨てるのだ。   最後の最期まで何かを“投げる”ことを描き続けた、フォードらしい締めくくりだった。
[DVD(字幕)] 9点(2016-11-24 22:41:14)(良:1票)
5.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
クソ女vsクソ男によるハイレベルなギャグ映画 デヴィッド・フィンチャーによるまったくもって頭にくる実に不愉快な傑作です。キャラに殺意を抱いた映画は久しぶりだ。こういうフィンチャーを俺たちは待っていた!復活じゃー!  冒頭で女の頭をなでる男の視点。「頭蓋骨」というワードが出てくる時点で既に異常さが漂い、観客を揺さぶりはじめる。 バーの棚にたまったパズル、文字通りのグミ打ち、グラスがカウンターの上を流れると同時に過去へ。 男の回想の次は女の回想。このクソぬるい馴れ初め話で観客のイライラを高めていく。「セブン」の簡素さとは正反対だ。殴りたいほど素敵なクソ夫婦ですね。  人生ゲーム 窓ガラスが物語る事件の匂い ところどころに付着する血痕。 長年一緒に暮らしていた筈なのに妻の事をよく知らない男 妻が消えたというのにこの冷静さ。男も男だった。残された手紙の謎。  図書館「表に出ろクソカップル」  メディアリテラシーに踊らされる民衆、ニュース、Twitterであっと言う間に波及していく。  「笑って」で笑えるワケがな・・・って笑っているし( ゚д゚)。 「俺が嫌いでしょ?」 俺ら「当然だよ」  妹さん、もっと言ってやって下さい。 「女に批判されるのは不愉快だ」 黙れヤリチン野郎!何回S●Xしとんじゃわりゃああああっ!!この男がグラスを割ったところで俺の腹筋も崩壊した。  スイーツ(笑)「素敵ね」 まとも「キモ サイテー」  うおああああ!これが後44分も続くと思った時の恐怖は無いぜ!  ところが、後半はこのダメ夫たちとクソ女によるどちらが先に制すかという駆け引きで面白くなる。  アイドル(偶像)を追いかけまわす群衆の恐怖。 クソ完璧な女を演じるアメイジング・ファ●キン・サノバビ●チ・エイミー。アソコも「ザ・ワールド」! ノエル涙目。  「クソ結婚する」 「君のアソコは世界」 なんて素晴らしい訳なんだ。松浦美奈さんには心から敬意を払いたい。  そしてありがとうDQNカップル。どうか末永く爆発してくれ。良いケツしてやがったぜ。スカートをまくるイタズラに笑顔で応えるのは、二人の関係を暗示していた。 金を奪いやがって酷いだ?いいや慈悲深いぜ・・・指や腕をへし折ったり顔面を粉砕したり殺さなかっただけな。殺されなかっただけありがたいと思うんだな。  監視カメラすら利用する計画殺人はデジーの狂気すら凌駕する。デジー逃げて超逃げて。  弁護士のオッチャン、もっと笑ってくれ。   手のひら返しする人々、血まみれで登場する“アイドル”、音楽自重wwww嘘をつくな嘘をwwww  エレンのクソBBAも死ね。氏ねじゃなくて死ね。  マーゴが可哀想だ。デジーはコイツら殴っていいぞマジで。  ロングショットで薄気味悪い笑みを浮かべる女の顔を。殴りてえー。頭蓋骨カチ割りてー。  だから音www楽www自www重www やめろ!二度と観客の前で脱ぐな!てめえの裸体なんざ見飽きたわ!マーゴの美乳おっぱいの方が見たいわ(意味不明)!!!  冒頭で頭を撫でていた男の視点で、この映画は終わる。男は、妹を守るためにこの女を“受け入れる”しかなかった。  クソ完璧なアメイジング・ファッ●ン・サ●バビッチ・アス・エイミーは、「ゾディアック」と同様に野放しにされる殺人鬼なのである。
[DVD(字幕)] 9点(2015-06-08 21:24:31)
6.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 
「キングコング」に並ぶ怪獣映画の最高峰。それをデジタル・リマスターの美しさと音響で味わえる感動。 真っ黒い体躯、珊瑚礁のような背びれ、放射能を吐く怪獣「ゴジラ」。  日本に古くから伝わる伝承と、当時問題となっていた水爆実験を「怪獣」として具現化したのだ。  もしまた原爆が落ちれば、国会議事堂も、子供を抱きかかえた母親も何もかも全て吹き飛ぶ。 ゴジラの破壊は、正にそんな意味合いも持ち合わせている。  ストーリー全体はゆっくりゆっくり進む。 まるでゴジラが徐々に近づくように。  戦闘機の模型などはお粗末な物だが、実際に人が入り動くゴジラは本当に生きているかのような迫力を感じる。  水爆実験で揺り起こされたゴジラを食い止めようと苦悩する人間たち。 この人間ドラマも重要になって来る。 ゴジラに踏み潰されるだけが人ではない。 その圧倒的な恐怖にどう立ち向かい、どう打ち勝つか。  生物学者としてゴジラを調べたいという山根博士、 人類の驚異としてゴジラと戦おうとする尾形、 ゴジラを滅ぼせる兵器を作り出してしまった事に苦悩する芹沢。 原爆の惨状から生き残った事をほのめかす人々、 そして毎回ゴジラの熱線で散々な目に遭う事を義務付けられているような自衛隊! 懲りろ!!  人類が勝つか、ゴジラが勝つか、あるいわ一緒に戦うか・・・以後何十年に渡るゴジラとの戦いの歴史が始まる。  ゴジラもまた孤独・・・。
[DVD(邦画)] 9点(2015-01-21 19:25:23)(良:1票)
7.  コマンドー 《ネタバレ》 
ネタバレ:シュワちゃんが大暴れする(\デエエエェェェェエエエエエンッ/)  コンボイ司令官で楽しむか、桜ひろしで楽しむか。それが問題だが、だったら両方見ればいいだろっ!!!  この映画を5行でまとめると・・・        野郎オブクラッシャーアアアァァァツ!!!
[DVD(吹替)] 9点(2014-12-20 21:17:20)
8.  ゴッドファーザー PART Ⅲ 《ネタバレ》 
前2作と比べると見劣りするかも知れないが、意外にも他と比べて最短となる2時間40分余。その“たった”2時間40分もしないで「ゴッドファーザー」は完結していく。 ヴァチカンが裏社会で闇に染まっている描写にまずビックリするし、ジョーイ・ザザの予想外の逆襲、ヴィンセントの予想以上の活躍、ソフィア・コッポラが予想以上に大根(後に監督として大活躍するとは思えない)で度肝を抜かれるシーンばかり。 相変わらず美味そうにパスタを喰う面々、その直後に「フレドお゛お゛お゛っ」と絶叫するアル・パチーノの哀しみ。老けメイクが凄い。 吹き替えだと長年担当した野沢那智の演技の変化にも注目です。 マイケルがいくら変わってもそれを狙う者は“以前のマイケル”しか知らない。負の連鎖は続く。 バチカンとの全面戦争・・・その果てに待つ悲劇に次ぐ悲劇・・・勝利を得ても、愛する隣人がそこにいなければ何の意味もない。 懐かしい音楽で思い出す、愛しき人の幻想。 最後の絶叫、そして何も言わず力なく眠るマイケルの姿・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-19 20:36:46)
9.  河内山宗俊 《ネタバレ》 
実在の茶坊主、河内山宗春を扱った時代劇。 実在の宗春の死はハッキリしない部分も多く、逆に言えばそのミステリアスな最期が後年の多様な脚色を生んだのだろう。 「丹下左膳」や「人情紙風船」に比べると余り演出の冴えを感じられない。 それでも無関係だった河内山と用心棒が徐々に関係を深めていく様子や、丁寧な掘り下げ、一触即発な抜刀の場面、数分ながらラストの殺陣など流石の演出だ。 でも雪を背にしたカットはちょっと懲りすぎな気が・・・と思ったら、雪夜を背に哀しげな表情を見せる原節子の美しさは何ともいえない。  それに、本作の最大の見所はやはり人間ドラマだろう。 油断できないキャラの河内山、ユニークな用心棒の先生、河内山を気遣う女房代わりの女性、「丹下左膳 百萬両の壺」に出ていた例のコンビも忘れがたい。この作品のキーパーソンだ。 加藤清正は違うだろうけど。  それに超初々しかった節子。 喧嘩が止まるほどカワイイ節子。かわゆいっす。こんな初々しかったのか・・・。  クライマックスとなる路地裏での斬り合いは見づらい部分もあるが、閉所における息詰まる攻防が見所。 ストーリーは「人情紙風船」ほど暗い部分も覗かせたが、ラストの希望を抱かせる走りっ振り。  姉の愛情に気づいた弟は、光の中に向って走り続けるだろう。
[DVD(邦画)] 9点(2014-12-15 23:25:41)
10.  ゴースト/ニューヨークの幻 《ネタバレ》 
んん?この良作までこのサイトのオールドタイプ共は点を低くするのかね?だからこのサイトはダメなんだよ。若い人がどんどん離れていくワケだ。  ニューヨークで起こった男女の数奇な運命を描くロマンス・ファンタジー映画。 愛する男を襲った突然の「悲劇」。 その悲劇が信じられない「奇跡」を生む・・・! ストーリーは恋愛、ファンタジー、ホラーが充実しているが、面白いのは主人公が思いもよらない立場となって真相を知っていくという所。 冒頭のアホみたいなイチャイチャ振りからは想像が付かないほど話がガラリと変わるのだ。点が低い人はその時点で全面撤退しちゃった人もいるだろうね。 あらすじだけ追えば陳腐に見えるストーリーも、本編は奇想天外でありながら実に丁寧な作りをしている。 主人公が何も出来ないもどかしさと戦い、それを努力を重ねて自分の「利点」に成長させる。 主人公の予想以上の「反撃」は胸がスッーとなる事だろう。 これぞ映画だ。 影のヒロインとも言えるウーピー・ゴールドバーグも凄い良かった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-13 19:17:53)
11.  紅夢 《ネタバレ》 
チャン・イーモウとホウ・シャオシェンが組んだ女性映画の傑作。 イーモウとしては「活きる」に並ぶ最高傑作だと思う。 少女が林の中を一人歩いてくるファースト・シーン、たどり着く先には巨大な提灯が赤々と、熟れた果物のように灯をともす。 貧しい生活と、その生活を愚痴る母親に嫌気がさし頌蓮は家を出て嫁いできた。 だが、嫁ぎ先はもっと息苦しい思いを強いられる場所でしかなかった。 春夏秋冬の一年ではなく、女達が真の幸せを得る“春”は永遠に来ないのかも知れない。 男には3人の夫人が既におり、彼女は4番目の女として迎えられた。 見かけこそ寵愛を注ぐという赤い提灯が掛けられているが、実際は4人目の女に注がれる愛情など少ない。頌蓮にとっても、顔が遠くからぼやけて映る程度の“記憶”しかない男なのだ。 劇中では何度となく響き渡る小羅が印象的。 第一夫人の大太太、第二夫人の卓雲は同情を寄せるが何処か影がある、第三夫人の梅珊は元舞台女優としてのプライドからか彼女に対抗意識を向ける。朝方響く彼女の歌声は、大旦那や他の夫人たちに対するアピール。召使の雁兒も大旦那に可愛がられる女の一人だ。人に見えない場所で頌蓮の洗濯物にツバを吐くほど敵意を見せ、夫人の一人になるべく彼女の部屋は赤い提灯だらけで禍々しく光る。邸宅の閉塞感や抑圧が、一層彼女の心を圧迫する。 形見の笛を探した先で見る頌蓮を“呪った”人形、 意外な人物の敵意を知るショック。彼女もまた女たちの潰し合いに嫌がおうにも巻き込まれていく。 梅珊もまた頌蓮に味方をする傍ら、卓雲を潰すために一時手を組んでいるだけに過ぎないのかも知れない。 とうとう頌蓮も“牙”を向いてしまう。 例え本心からじゃなかったとしても、心の何処かで「邪魔者は死んでしまえばいい」と思ってしまったのかも知れない。 召使の部屋から提灯を全部出させて焼き尽くすシーンは、抑圧されたものが弾けるようなシーンでもある。心を“破壊”するのだ。 人間の命のなんと儚い事か。 あんなに赤々と灯された火が竹筒の一吹きで消えてしまうように、人間の命も簡単に消えていく。 ロングショットで一人の人間の“灯”が消えていくのを見つめる場面。 新しくやってくる第五夫人はかつての“大太太”であり、“頌蓮”でもあるのだろう。 赤く燃えるような提灯は何を語るのだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 01:30:45)
12.  コロッサル・ユース 《ネタバレ》 
これは、本当にデジタルで撮られた映画なのだろうか。 まるで昔のカメラで撮ったかのような奥行きと映像美が拡がっているではないあ。 そう、今の時代には失われてしまったロスト・テクノロジーとでも言うべきか。   「ペドロ・コスタ」は、絶望に沈むある街で生きる人々を描くのだ。  消えゆく孤独な魂、消えていく土地の哀しみを・・・。  かつてロバート・フラハティは「極北のナヌーク」を撮った。 イヌイットと生活を共にし、彼らの生きた姿をフィルムに残した。  日本の小川紳介もまた。  ペドロ・コスタは、この時代にその域まで己の精神を研ぎ澄ました作家と言えよう。  作品は一見すると楽しみづらいかも知れないが、ドキュメンタリーとしても、一つの娯楽としても是非とも見て貰いたい作品だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-10-07 18:32:28)
13.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 インターナショナル・ヴァージョン 《ネタバレ》 
「攻殻機動隊」のレビューは既にしてあるので、今回は「インターナショナル・ヴァージョン」の感想。  日本版キャストで演る前に先にアメリカ・フランスで上映したやつを凱旋公開したver.だそうだ。  冒頭に漢字の“漫画”とアルファベットの“MANGA”をクロスして組み合わせたようなマークが出てくる。  オープニングの説明文も「IN THE NEAR FUTURE-...」とすべて英語で書かれている。 「インターナショナル・ヴァージョン」のキャストは日本版よりも若い印象を受ける(バトーが青年みたいな声になっとります)。 いや逆に言ってしまえば、日本のキャスト陣が良い意味でドスの効いたメンツで構成されているという事なのかも。 ともかく、どっちの素子さんも声に艶があってカッコイイですハイ。 でも日本語より英語の方が雰囲気があると思うのは気のせいだろうか? 絵のタッチも洋画みたいな感じですし。  たまに「fu●k off」とかガヤで聞こえんのは気のせいですねハイ(商店街での銃撃戦とか)。   人形遣いは国際的にも男の声なのね(「2.0」でも英語版はトム・ワイナー(Tom Wyner)です)。   「The Net is Vast and Infinite(まったくネットは広大だわ).」  
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2014-09-04 06:37:09)
14.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0 《ネタバレ》 
「GHOST IN THE SHELL」そのものに対しては今更言う事は無い。  08年にCGの演出や一部セリフの入れ替えがされた「2.0」。  音がよりリアルになってコッチの方が好きという人もいるだろうね。音響は最高レベル。  ただ、個人的にCGを使う必要性はまったく無いと思うんだけど。 あのオーパーツの塊みたいな素子やヘリの作画がCGに置き換えられてしまったのはちょっと残念。  緊迫感も旧ver.の方があったかな。  特に戦車戦はそう思った。素子が腕に捕まってゴーグルが割れるシーン。 旧ver.は装甲を破壊されるようなグシャッて感じだったが、「2.0」はガラスをパリンッと割られるような感じでちょっと軽いと思った。バトーが素子の助けに間に合うシーンは重さが増したように感じたけど。 ヘリのセリフが違うとその後の印象も結構違うのね。   一番ビックリしたのは、前作じゃ「ナウシカ」のクロトワ(家弓家正)だった人形使いが「ナウシカ」のクシャナ殿下(榊原良子)になったという事だ(押井的には「パトレイバー」の忍さんですよねー)
[DVD(字幕)] 9点(2014-09-04 04:06:37)
15.  恋人までの距離(ディスタンス) 《ネタバレ》 
「ビフォア・サンライズ」。 とても素敵な映画だ。これほど平和で、これほど人の心を揺さぶる恋愛映画は。  ゲーセンで不良がナンパしてきたり、ギター持った男が奇声をあげてきたり(「スクール・オブ・ロック」)とか、そういうハラハラする“イベント”はまったくないと言っていい。本当に一時の静かな出会いと別れなのさ。 音楽も冒頭と終盤までほとんど無い。  列車の中でふと出会った男女二人。最初は一人で暇な時間を潰すための会話だったが、やがて互いの心の傷を見せ合って溶け合う中となっていく。  列車にはじまり次々と移動して移動して移動して、喋って喋って喋りまくる。結んだ髪もあっと言う間にほどけるくらいに。 なのに不思議と飽きることなく、延々と聴いていたいような穏やかな時間が流れる。街からは出ないけど、移動しまくる様子はこの映画も立派なロードムービーなのだろう。  手相占いのばあさんとか、二人に絡んでくる人々の会話も面白い。  ゲーセンで体ごと動かしてゲームを愉しむ様子。確かに、解ってても体ごと動いちゃうよねーあーいうのって。  人気の無い公園での交わり。 夜が明け、昇るサンライズ(朝日)は別れの時間が迫っている知らせ。 彼女が三つ編みでラフな服装になっているのは事後を物語るのだろうか。  列車の前でハッとして「もう・・・お別れなのね」なんて表情をする場面はもらい泣きしそうになったよ。  続編の「ビフォア・サンセット」も素敵な映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-09-03 19:37:30)
16.  絞死刑 《ネタバレ》 
「絞死刑」・・・タイトルを聞いただけで?と思った。どうやら“くびりころす”国(ひとびと) を描いた作品らしい。 実際に起きた「小松川高校事件」をモデルにした映画。  冒頭はドキュメンタリー風のタッチで、一人の人間が死刑執行される瞬間を描いていく。この頃から死刑制度が必要なのか不必要なのかが問われていたのか。 死刑を執行する人間は、これから罪を犯した“ケジメ”として殺される人間を見届けなければならない。首に喰い込んだ麻縄の跡も・・・。 人間が完全に死ぬまでをストップウォッチで計ったり、必死に諭して、飯まで食わせるんだぜ?酷い話だ。  大昔は磔とか、首を斬られた罪人をそのまま晒し者にして民衆の前で見せたそうだが、今の世の中そんな事はしない。殺される人間にも“人権”て奴が発生するからだろうか。  ところが、そこから事態は急変する。 一度しくじった刑を“殺り直す”って発想がまず思い付かねえよ。 記憶を失えば絞首刑(縊り殺す)が出来ない。 それでこれから殺そうとする人間の記憶を取り戻させようとする様子が何処かユーモラス・・・けど、ゾッとする。 法を破り人殺しもいとわぬ者、法を守って人を殺そうとする者・・・一体どっちが正しいんだろうね。劇中の人間のように、本当に笑いながら人を殺す相談をする奴もいるだろうよ。 つうか教育部長がウザイ。 人一人殺すのに愛情だの何だのと歪んでいるとしか思えない。  もし殺される奴が日本人の“K”で、殺す側が朝鮮の“R”の人々だったら・・・差別とかそういうものが立場によってがらりとひっくり返されたら・・・そう思うと怖くてしょうがない。ステレオタイプな差別描写が、より一層そういう事を考えさせる。  更に日本の男尊女卑の問題や宗教問題にまで踏み込んでしまう大島渚の大胆さ。 映画というジャンルで戦い続けた男のメッセージが刻まれた作品の一だった。  ラストシーンで検事以外の人間が見た“女”の姿。“R”は“R”である事を受け入れる・・・。  後味は悪いが、「儀式」と共に一度は見ておきたい作品だ。 この映画が嘲笑うものは、死刑制度、そして人間そのものに対する矛盾なんだろうね。多分。  俺は「少年」や「戦場のメリークリスマス」の方が好きだが、この映画は大島渚にしか撮れない最高傑作だ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-06-24 18:06:50)
17.  コンドル(1939) 《ネタバレ》 
否、ケーリー・グラントのカッコ良さに惚れる逸品である。 ケーリー・グラントと言えばコメディやヒッチコック作品で有名だが、若い頃はもっぱらコメディだ。 しかし、若い頃も落ち着きのある冷静でカッコイイ役もそつなくこなしてる。  冒頭のシーンが凄い。 特撮技術よりも、飛行機音と無線機から聞こえる音響だけでスリリングな着陸シーンを演出してしまう妙技。 ケーリーの演技も相まって、必見のシーンとなっている。  「コンドル」戦争を背景にした航空映画だが、一番の醍醐味は男たちの人間ドラマだ。 「ヘンリー4世」を引用するシーンの粋なやり取り、リチャード・バーセルメスのカッコ良さ、後半から出てくるコミカルなやり取り。 実に硬派で、ロマンティックで、楽しい映画だ。 スクリュー・ボール・コメディではドアや電話といったアイテムのやり取りが殺人的な笑いを産む。 毎回笑いすぎてしばらく腹痛になってしまうのが毎回の悩みだ。 ジーン・アーサーの変貌振りはギャグとしか言いようがない。  男たちの友情に押され気味のジーン・アーサーよりも、一瞬とはいえ元恋人として強烈な印象を残すリタ・ヘイワースの方が魅力的である。  とにかくオススメ!
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-07 20:01:47)
18.  港々に女あり
いやあ、こりゃ本当に楽しい映画だよ。 「女あり」ってタイトルだからルイーズ・ブルックスの魅力を堪能する映画・・・かと思ったらヴィクター・マクラグレンたち船乗りが泣いて笑ってド突き合って仲直りするという楽しい映画でしたよまったく。 流石ホークス、この頃からドッカンドッカン見せてくれる。  ルイーズ・ブルックスのキャラと、ホークス特有の女性の個を尊重する演出が上手くハマッている。余計に魅力的な女性像になっているぜ。 こりゃアメリカで勇名を轟かせるよ。やっぱホークスは女を発掘する達人だね。楽しい一時だった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-12 01:27:43)
19.  恋する惑星 《ネタバレ》 
再見。 激しい銃撃戦といったアクションで魅せる「天使の涙」、本作は恋愛がメイン。  本当に意味あり気なようでけっこうテキトー、意味不明でのんびりした映画だが何故か嫌いじゃない。 ゴダールやトリュフォーにも通じる「いい加減さ」がこの映画にもある。 ある者はその意味のない映像に文句を付け、ある者はインテリや絵画、あるいわ心地良い音楽を聞き流すように受け入れる。俺の場合は後者に近い。  冒頭からいきなり追いかけっこ、手ブレと思いきや一瞬一瞬止めるコマ撮りの演出。 この様子は回想形式で語られ、まるで過去の幻想を見せられるような気持ちになる。  唐突な誘拐事件も、標的も何故彼女がそうするのか理由は語られない。 男と女による交互の回想、終止符を打つ復讐?の弾丸。  国際電話で英語や日本語が混ざり合うカオス。混沌とした文化が拡がる町に生きる主人公の警官。 香港は昔から日本人やらイギリス人やら様々な国の人間が混ざり交流してきた港町だ。三ヶ国語を流暢に喋る人間がザラにいても何も不思議じゃない。94年に公開された時、香港はまだ“外国”だった。 というより、仕事で故郷から離れて生活しているという人間も多い。「心の故郷」であって「生まれ故郷」って奴は少ないだろうな。少なくとも、悪人を追って国境すら越える警官や復讐のために旅をするような人間にとってはその場のしのぎの宿にすぎない。  主人公の警官はどうだろうか。 任務を果たしたはいいが、生きがいとしてきた仕事がなくなり、かったるい日々を送る。そんな彼の心を満たすのが複数の女たちだ。  追ってから逃げる謎の女、売店の少女、客室乗務員(当時は「スチュワーデス」?)といった女たち。  「フィルム・ノワールみたいになるのかな?」と思いきや、序盤のサスペンスは何処吹く風。  終盤はそんな彼の淡い恋模様を延々と見せられる。 だが、不思議と退屈はしない。やたら生活観のある空間に居心地の良さを見出してしまうのだろう。 ゴダールで言えば「はなればなれ」のような・・・とにかく愛らしい、愛すべき映画である。  あの寅のヌイグルミはホワイトタイガーだったのだろうか?  「隠れてないで現実に立ち向かえ」 じゃあおまえも前の彼女は忘れろよ・・・。  思わぬ再会、パスポート、エンドロールが白一色というのも面白い。  あのパスポートで男と女は何処かに旅立つのか、それとも任された店を「第二の故郷」にして永住するのか。それは男と女たちだけの知るところなのです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-10 21:58:25)
20.  孤独な場所で 《ネタバレ》 
「夜の人々」か「孤独な場所で」か。 ニコラス・レイの最高傑作として名高いフィルム・ノワール。  レイの描く人間は、常に内側で暴力を爆発させ痛々しいまでに自分を追いつめる人物描写が多い。  ジェームズ・ディーンを主役にした「理由なき反抗」が良い例で、主人公は元より、主人公の親友までもが内側に向かう暴力によって自分を傷つけてしまう。   「孤独な場所で」は、一度怒りだすと己を抑えられない暴力的な脚本家を主人公にしている。  一度は主人公を愛した女も、やがて彼の暴力性に怯え始める。 愛が恐怖や怒りに変わる時、殺人容疑の真相が明らかにされ、新たな事件が生まれてしまう。   終始何かに突き動かされて苛立つ様子は、何かに怯えるように不安定でじっとしていられない。  まるでルイス・ブニュエルの「エル」のように、精神を病んでいるような様子さえある。恐ろしい映画だった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-06 18:32:40)
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
700.00%
829828.46%
971868.58%
10312.96%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS