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no oneさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 487
性別 男性
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23806/
年齢 41歳
自己紹介 多少の恥は承知の上で素直に書きます。

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1.  イヴの総て 《ネタバレ》 
リアリティを感じたのが、イヴはさまざまな策謀をめぐらして栄光を手にするものの、敗者にしか見えないという点だ。誘惑した男にはプライドを傷つけられ、脅迫にしても無意味で、友人を失っただけ損だった。大女優の付き人になるまではともかく、時間がかかっても正攻法の努力をした方が、遥かに理に適っていただろう。  こういう人、実際にいる(性別に関わらず)。自分以外はみんなばかだと思っているのか、本人は狡猾に他人を利用しているつもりで、実際はバレバレ。歪んだ自己愛に基づいて行動してるから判断力が鈍って、浅はかな目論見は見透かされることがわかっていない。  女の子が鏡に見惚れる万華鏡のようなラストシーンは鮮烈に美しい。けれども映っているのはどこまでも自分だけ。きらびやかな夢が虚しいナルシシズムの発露でしかないことを告発するようだ。  階段に座ったイヴが夢見るように語った「観客からの喝采だけあればいい」という言葉は、本心に聞こえた。演劇への純粋さを表明する演技と取っても別に矛盾はないが、きっとあれは、本心と仮面とが一致した珍しい瞬間だったのではないだろうか。授賞式のでイヴは裏切った友人達に臆面もなく謝辞を送るが、あれも実は何分の一かは本気のなのではないか。マーゴの「自分の心を正しい場所に置きなさい」という言葉はただの皮肉とは思えない。マーゴはあれだけ忌み嫌いつつも、イヴの本質を理解できてしまったのだろう。  〈イヴ〉は最初の女の名前、タイトルはつまり女のすべてという意味だろうと思われる。秀逸な筋書きではあるけれどしかし、所詮は男が書いた脚本だと感じるところはある。最後は男性がおいしいところをかっさらい、善人悪人に関わらず女性に支配的な位置に立つ。行き着く真理は「女の幸せは結婚」、か。なんだかなー。  端役で出演しているマリリン・モンローの実人生を、なんとなく作品に重ねてしまった。貧しい境遇から這い上がって名声をつかむも、待ち受けていたのは痛々しい最期。世界中の男性に愛されたようでいて、食いものにされたようにも取れる。  また、脚本は堅固に構築されているが、余裕もなければ隙もない。映画でも小説でも、あまりに言葉を尽くして説明してしまうのは野暮だ。加えて直接作品の出来とは関係ないが、字幕は細かいニュアンスを殺していたと思う。多少は仕方ないとしても台詞のテンポまで全然違うのは勘弁してほしい。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-25 00:00:12)(良:1票)
2.  イースタン・プロミス 《ネタバレ》 
人間の抱える矛盾、屈折した心理を巧みに描いている。主要な登場人物のほぼ全員が何らかの葛藤を抱え、それが歪んだ形で行動に現れている。同性愛者である自分を認められず相棒に娼婦を抱かせるキリル、流産した子どもの代替として行きずりの赤ん坊に執着するアンナ、覆面捜査官の域を逸脱した行為に出るニコライ――。  とりわけセミヨンの抱える矛盾は深刻だ。息子への憎悪と愛情、組織の秩序の尊重とエゴイズム、異国の少女を家畜扱いする一方で身内の娘を「天使」という。組織の規則を破ってまで息子を救おうとしたにも関わらず、最後にはその息子の手で幼い娘を殺させようとする。自己矛盾を統制しきれずに単純にエゴイスティックな行動に出た結果が、ついには破滅を呼ぶ。  ニコライが覆面捜査官になった理由は何だろうか。おそらくは最初から、正義感の裏側に自分でも認めたくない悪への憧憬があったことだろう。アンナに告げる「さよなら」の言葉が、彼のその後の選択を示している。  こうした矛盾、屈折にこそ人間が人間であることの苦しみがある。それは往々にして、悪が生まれる隙でもある。ラストで繰り返される少女の独白は、人が抱える闇の深さを物語っているかのようだ。
[DVD(字幕)] 9点(2008-12-13 15:22:28)(良:3票)
3.  インランド・エンパイア 《ネタバレ》 
熱にうなされているときの、長く不快な夢のような時間だった。とにかく意味不明。秩序だった物語なしに、断片的なイメージの集積だけで一人の女性を表現しようとしたのではないかと思う――たぶん。なんとなく『リング』に出てくる呪いのビデオを思い出した。  デヴィッド・リンチの暗い精神世界に際限なく沈み込んでいくようで、不安を掻き立てられる一方で不思議と惹きつけられるものもあった。気持ちの悪い、しかしある種の美しさも備えている、洗練された悪夢。リンチはこと人の神経を苛む技術にかけては天才的だ。  正直集中力を保つのに苦労することもあったが、ひとつひとつの映像のクオリティが高いのでなんとか観ていられた。割と眠かったのに、観終えると妙な満足感がある。強烈な個性を持った作品で、はっきり言って楽しめる人の方が少ないだろう。こんな実験作を作って許されるのは大学の映画サークルの一年生か、巨匠だけだ。気安くおすすめはできないけれど、個人的にはそこそこ面白かった。
[DVD(字幕)] 7点(2008-12-10 09:13:12)(良:1票)
4.  イル・ポスティーノ 《ネタバレ》 
唐突な結末に引いてしまったけれども、この映画に漂う空気は好きです。陽光きらめく海沿いを自転車で走る姿にあの音楽――ほんの少し、ジブリっぽいなと感じました。
[DVD(字幕)] 6点(2008-02-16 18:06:07)
5.  イザベル・アジャーニの惑い
ウザすぎるこの二人……と思いつつも最後まで鑑賞。  映像や演出に関しては全然文句のつけようがなく、美しい映画だと思う。そういった面に関しては好きといってもいいくらいだ。でも話としては、二人ともマジうぜえ、しかなかった。「何やってんだよ」「嘘ばっかり…」「そりゃそーだ」「え、え~?」などなど、ぶつくさ突っ込みながら観た。  インタビューではエレノールは情熱的な女性として演じたみたいな話だったけど、自分の事情だけで動いてるから周囲と軋轢を起こしているだけじゃないだろうか。たまに思い切った決断――端的にいえばバカをやるだけで、「情熱的」というのとはちょっと違う。アドルフに関してはもう、理解不能。捨てるなら捨てるではっきりしろよ、もう。  勝手にやってろ、と思った。「エゴとエゴのシーソーゲーム」ってのはミスチルの歌の詞だったっけか。
[DVD(字幕)] 6点(2007-11-18 01:50:44)
6.  硫黄島からの手紙
とてもよくできていたけれど、不満な点が二つ。  第一に、硫黄島戦の史実に比べると、あまりにも描写が生ぬるいということ。少し知識のある人であれば、現実の戦いの方が遥かに悲惨であったことがわかるはず。何もドキュメンタリーにしろといっているわけではないし、残虐シーン目白押しにすべきだとは思わないけれど、ここまで省略されると「なかったことにされている」印象を受ける。  米兵が日本兵に何をしたのか、軽く説明するか、少なくとも暗示するくらいはしてもよかっただろう。ノンフィクションであっても主観的編集が過ぎればフィクションになるように、ここまで省略してしまうと、もはや史実を元にしたファンタジーといわれても仕方がない。それに米兵による大量虐殺は省略する割りに日本兵の自決はあからさまに描写する辺り、どうかなあと思う。  第二に、日本人を客観的に描いているように見えて、実はそうでもないということ。主要登場人物はみんな当時の政治的風潮とは距離を持った人ばかりで、一部にはまともな人間もいたけれど、大本営はあくまでも悪であり、狂信国家であったというふうに描写される。  栗林中将、西郷やバロン西というアメリカ人にとって理解しやすい人物ばかりを配置し、脇役の清水ですら犠牲者として語られるけれども、実際には当時の国策に同調した人々の方が多数派だったはずだ。天皇万歳を叫んで自決したような兵士を人間として描写するのが本筋ではないのか。これでは日本人が相対化されているとは言い切れない。  総じて、これはやはり「アメリカ人のための映画」なんだと感じられた。映画自体の完成度は高く、こめられたメッセージが的外れだとは思わないから8点を付ける。しかしこれでは限りなく絵空事に近いフィクションでしかなく、硫黄島に材を取る必要はなかったと思う。これがイーストウッド監督が述べたように「邦画」であるとは思わない。ところどころで日本語の台詞が日本人にも聞き取りにくいのはささやかな欠点のようでいて、作品の本質を端的に表している。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-27 01:13:53)(良:4票)
7.  石のゲーム
主要登場人物は「石」のみ。でも可愛いんです。楽しいんです。きれいなんです。そしてちょっと可哀そうなんです……単純だからこそ、シュヴァンクマイエルの魔術の素晴らしさを実感できる作品。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-01-12 09:57:59)
8.  インファナル・アフェア 終極無間 《ネタバレ》 
恥ずかしながらクライマックスに至ってもしばし意味がわからず、「へ?」という感じだった。まあ考えればなんてことないのだが、少し不親切な気がした。サプライズを優先するあまり、主人公の心理描写を怠っている。最後の言動が唐突な印象。サプライズも新味がなく、びっくりするよりもまず「こいつも潜入捜査官かよ」と呆れてしまった。警察もマフィアもあまりにもスパイに頼りすぎ。他にネタがないのだろうか。ヨンが死んでもあまり哀しみが湧かないというのもどうかと思う。やっぱりどんでん返しを弱めてでも人間ドラマに集中すべきだったんじゃないかなあ。
[DVD(字幕)] 6点(2005-12-28 02:29:15)
9.  イージー・ライダー 《ネタバレ》 
案外楽しかった。車に揺られて窓に流れる風景を眺めているのは嫌いじゃないので。広い道路と真っ青な空、障害物のない開けた風景がすがすがしく、バイクは乗らないがその快感の一端ぐらいは感じ取ることが出来た。無限に色彩を変える空を眺めていると、自分がゼロになっていくような爽快感がある。その快感に二人のライダーは求めていた自由を見た気がしたのだろう。  しかしワイアットはどんなに走っても満たされない自分に気づく。「大金があって、しかも自由だ」と無邪気にはしゃぐビリーに、「それでも、ダメなんだ」とつぶやくワイアット。保守的な田舎者連中が正しいとは思っていない。かといって、麻薬に溺れて放浪する自分たちが正しいとも思えない。  人が進化して一段上の社会が訪れるという、あまりにもちゃちなヒッピー思想。理想社会に憧れた連中は虚ろな目つきで砂地に種を蒔き、誰もが平等に暮らす「金星人」は地球人の前に姿をあらわそうとしない。現代社会に失望して輝かしい理想を掲げるが、けっしてそこに行き着くことはない。  二人は外見は怖いが、ある意味では純粋すぎるくらい純粋だ。最後に吹き飛ぶバイクの無残な姿は、現実に押し潰される理想と重なって見えた。
[DVD(字幕)] 8点(2005-11-18 15:42:21)(良:1票)
10.  インファナル・アフェア 無間序曲 《ネタバレ》 
悪党であるはずの人間がほんの一瞬だけ垣間見せる人間らしさ、あるいは善良であるはずの人間が魔が差したばかりに犯す取り返しのつかない罪。善と悪、どちらに転んでもおかしくない人間の性が上手に描き出されている。とくに死の間際のハウの表情には心を動かされずに入られなかった。心から信頼していた弟の裏切りに気づいた瞬間、彼の胸にはどんな思いが去来したのだろう?  ただし、サムについては役者の選出に失敗しているように思える。深刻なシーンでも、いまいち役者がブサイクすぎるというか、犯罪組織の頭が持ってしかるべき迫力というものがなく、入り込めない。  ハウが四人を組織に引き込むシーンや、四人を粛清するシーンには迫力があった。後者はあきらかに『ゴッドファーザー』に似ているが、それでもなお魅せる。映像のセンスが現代的で洗練されている。  しかし疑問が一つ。サムによって兄を追い詰められたヤンが、どうしてサムの仲間になれて、しかも後々絶大な信頼を得るようになったんだろうか。ハウの遺骸に泣いてすがっていた男を、ハウの一族を皆殺しにしたサムが信じるか? 復讐されてもおかしくないんだから殺しておくのが当然では?
[DVD(字幕)] 8点(2005-10-26 00:06:24)
11.  インファナル・アフェア 《ネタバレ》 
欠点は多い。でもそれを補って余りある脚本の素晴らしさ。 あえて描写されなかったエレベーター内の出来事、出てきてすぐの一言――「俺は警官だ」の言葉が重い。オープニングがフラッシュバックする「俺はああなりたい」の台詞。恋人に「善人か悪人かを知っているのは本人だけ」と言われていたけど、おそらく本人が一番混乱しているのではないだろうか。 マフィアをやめて警官の道を選びながらも、警官として胸を張って生きていくにはあまりにも汚れすぎている。けして胸を張って警官としての誇りを抱くことはできない。自分だったら自首してしまうだろうな、と思った。実はそのほうが楽なんじゃないだろうか。 (ところで作中でも「潜入は屋上好きだな」と揶揄されていたが、屋上のシーンが多い。密談も屋上、ゴルフも屋上、殺し合いも屋上、ラストシーンの葬式まで屋上。監督は屋上好きだな。空の絵が印象に残る映画だった)
[DVD(字幕)] 7点(2005-06-07 17:15:53)
12.  イレイザーヘッド 《ネタバレ》 
幻想と現実が入り混じり、しかもその幻想が安易な解釈を許すほどわかりやすくない。おおざっぱにまとめれば、駄目な男が不幸な現実から幻想の「天国」へ抜け出すまで、といったところだろうか。 あの奇形の赤ん坊から、萩尾望都のマンガ『イグアナの娘』を思い出した。このマンガは子供に愛情が抱けない母親の心情を、「娘が醜いイグアナに見える」という映像的にわかりやすい形で上手く表現した作品。  同じように、もしかしたらヘンリーと妻が子供を気持ち悪い怪物のように感じているだけで、ほんとうは義母の言ったように「ただの未熟児」だったのかもしれない、と思った。近所に住む女から見たら、ヘンリーの顔が赤ん坊の顔だったというシーンでさらにその疑いが強まる。赤ん坊が醜く見えるのは、自分にそっくりだからなんじゃないの? だから殺したかったんじゃないの? と。多分ヘンリーは、妻やその家族、赤ん坊よりも誰よりも、自分が一番嫌いだったんじゃないだろうか。  おそらくヘンリーは赤ん坊を殺したあと、自殺したのに違いない。醜い現実を何もかも目の前から消すために自分自身をこの世から消し、文字通りの意味で「天国」へ向かった。それがこの作品の、ほんとうの結末なのではないだろうか。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-25 22:46:08)(良:1票)
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