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コメント数 1963
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61.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 
如何にも昭和の時代が漂う作りが見ていて懐かしかったりする。例えば高倉健演じる主犯や共犯者が電話でのやりとりをしている場面、赤い電話、今はあまり見かけなくなってしまった赤い公衆電話、時代を感じると言えば何も公衆電話だけではない。出演者の顔ぶれの豪華さなどは正に昭和ならではの物凄いキャストが出ている。東映らしく高倉健の犯人を筆頭に新幹線109号ひかりの運転手の千葉真一、運転司令長の宇津井健にその他にも一度しか出てこない志保美悦子に多岐川裕美に田中邦衛やら、東映らしくワンシーンだけの登場という辺り、田中邦衛の相変わらずと言うよりもこっちのがずっと先だからの北の国からの吾郎さんと同じ口調は既にこの時点で現れている。北海道で田中邦衛を映すのを観るとその後の田中邦衛という人の俳優としての人生を観ているようである意味、面白い。面白いと言えばここまでマヌケでイライラさせられる警察達はいないと思えるぐらいのマヌケぶりも、それ以上にパニック映画本来の持つべき形である。今回で言えば新幹線の乗客以上にパニックに陥っている千葉真一の運転手、一番しっかりしなくてはならない人間がパニックているという面白さ、色んな意味で突っ込み所満載の中、同じ突っ込みでも三人の犯人達の回想シーンや沖田哲男(高倉健)の別れた奥さんとの回想シーンやラストの空港でのシーンで、拳銃で撃たれる高倉健を映す時に流れてくる音楽、何とかならんのか?折角、パニック映画としてワクワクしているのに、あの音楽は無いぜ!あの下手クソな脱力感を感じさせる音楽のセンスの無さ、なんであんな音楽なんだよ?もうね、あの音楽を流すセンスの無さこそがこの映画の中での減点材料の一番の原因である。それにしても宇津井健の正義感溢れる姿は本物の警察よりも正義を感じさせてかっこ良い。最後にイニシャルKさんが書かれているように沖田哲男(高倉健)の別れた奥さんの名前、富田靖子を聞いて「さびしんぼう」(橘百合子)の顔が浮かんでしまった。
[DVD(邦画)] 7点(2009-08-24 21:42:58)(良:2票)
62.  白い馬(1952) 《ネタバレ》 
白い馬、正にタイトルが示すように白い馬の美しさ、そして白い馬に引きずられる少年、それを映すカメラ、この美しさの前には話なんてどうでも良く思えてしまいます。とにかく何もかも本当に美しい。モノクロだからこそ引き立つ美しさ、それにしてもあの白い馬が海を走るシーン、白い馬同士の格闘シーンの躍動感、迫力、これは白い馬の名に相応しい生きた馬のドキュメントでも見ているような作品と言って良いぐらいとにかく馬の美しさ、それに負けないぐらい少年の美しさも圧倒的である。 
[DVD(字幕)] 8点(2009-06-21 19:53:31)(良:1票)
63.  ショウ・ボート(1951)
私もこの映画、ザッツエンターテーメントの中で紹介されてるのを見て面白そうだから以前から見たいと思っていた。そんな訳ですが、あれ?ちょっと期待しすぎたかな?タイトルにあるショウボートの人間模様も歌との総合的バランスを思うと何か物足りない。作品そのものの雰囲気は悪くないのに、何故だろう?話によるとこの映画、最初はジュディー・ガーランド主演で撮られるはずだったと言うではないですか!エヴァ・カードナーは演技の上手さは折り紙つきであるが、歌というイメージで考えるとやっぱり違う気がする。けして、つまらないとは思わないが特別面白いとも感じなかったし、まあ、それなりに楽しめる程度ってことで6点!
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-05-24 15:05:08)
64.  小説吉田学校 《ネタバレ》 
よくぞこれだけのメンバーを集めながらも全くもって一人たりとも疎かに描くことなく政治の表と裏の醜い部分、当事者にしか理解出来ないであろう苦悩、跡目問題など様々な要素をスリリングに描いて見せているのには感心させられた。何より主演、吉田茂を演じてる森繁久彌の圧倒的な存在感と凄み、そして、吉田内角を支える男達、中でも小沢栄太郎はここでも素晴らしい演技力で吉田茂というこの一人の男と共に吉田茂を総理の椅子から引きずり降ろそうとする連中との戦い、吉田茂を内角総理大臣の座から降ろそうと企む三木長吉演じる若山冨三郎もこれまた凄い迫力!名優の名優達による男と男の壮絶なる戦いの中で父吉田茂を思う娘役の夏目雅子の存在も忘れることは出来ない。父親に対する想いの果てを語る時の夏目雅子という女優の眼の美しさ、それを片隅でそっと見ている時の父親吉田茂(森繁久彌)の眼には娘にだけは解って欲しい(欲しかった。)というようなものが感じられ、父と娘、血が繋がっているからこそ政治家である以上に親子としての深い愛が伝わるシーンでもある。見る前は何だかとても堅苦しいイメージしかなく、退屈そうな感じしかなかったのだが、ずしりと重たくそれでいて、見応えある大作になっていて政治映画としていうより一本の映画として十分楽しむことが出来た。それにしても森繁久彌の吉田茂は凄い。まるで本物の吉田茂が乗り移っているようだ。
[DVD(邦画)] 8点(2009-04-21 21:53:38)(良:1票)
65.  真空地帯 《ネタバレ》 
軍隊なんて所はいかに自由など存在もしなければ、自由すら求める事が出来ない場所であるという答えがこの作品の凄まじいほどのリアルで怖い非人間的な奴らの態度から伝わってきて、やりきれない思いでいっぱいになります。上等兵からの酷い仕打ち、それに対する下級兵からの心の叫び、あの木村功演じる木谷一等兵の才気溢れる演技から伝わってくる。人間の自由を奪う場所、それが軍隊における生活であるとするならば、それを自らの体験を持って書いた原作者である野間宏という人の過去を想像するだけでも物凄いやりきれなさでいっぱいになる。自らのこうした経験があるからこそ本物のリアリテイーを感じることが出来るのである。自分を裏切った者への復讐に燃える木村功の木谷一等兵の怒りの爆発の凄さ、人間は誰かに対して信用すればするほど裏切られた時の怒りというものは恐ろしい。その恐ろしさ、怒りを爆発させる木村功の演技がとにかく怖い。山本薩夫監督の気合の入った演出に応えて見せた俳優陣、軍隊の中では人間なんてものは非人間的であって、如何に惨酷な人間しか作ることが出来ないかというものをここまでリアルに描いた作品はおそらくこの映画が初めてかもしれない。そのぐらい凄まじい力を持った気合の入った恐ろしい映画である。
[DVD(邦画)] 8点(2009-04-03 21:58:50)
66.  幸福(1964)
タイトルこそ「幸福」とあるけれどこれは人間の幸福について、男と女とでは考えが違うというようなものを見せられているようであり、そして、タイトルとは裏腹に何とも惨酷であり、男のエゴイズム、身勝手な部分というものを徹底的に見せ付けられているようで何とも怖い。この映画は女流監督であるからこその視点に立ち、男というものは一人の女性だけを愛すことなど出来ない勝手な生き物であるとさえ言われてるようです。モーツァルトの美しい音楽と何だかジャン・ルノワール監督の映画でも見ているようなほどの美しい映像がよりこの映画の惨酷さというものを際立たせている。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-29 09:39:23)
67.  幸福の設計 《ネタバレ》 
アントワーヌよ!あれだけとっさに宝くじの番号言えるんだからさあ!どこで落としたのか?ぐらい覚えてろよ!しかし、男達のイカれてること。イカれてること。アントワーヌのイカれぷり、アントワーヌ婦人に付きまとうあの嫌らしい爺のイカれぷり、そんなイカれてる二人が殴り合ってるのを楽しんでる周りの連中、中でもカウント9まで数えながら一旦止めてアントワーヌ!と叫ぶ観客の一人、さっさとテンカウント数えたらどうなんだ?この映画はみんなみんなとにかくイカれてる。映画自体はやはりイカれてる。だからてつまらなくはないが何だか物足りない。あのクソ爺をもっともっと痛め付けて欲しかった。 
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-02-25 20:28:45)(笑:1票)
68.  ショウほど素敵な商売はない 《ネタバレ》 
何と優雅な作りであることか!作品全体に漂う空気、どの出演者にしてもまず顔が良い。良い顔、している。ショウほど素敵な商売はないというタイトルに偽りなしと言えるぐらい観ていて、本当にショウほど楽しいものはない。こんな楽しい商売を一生の職業として生きていけたら何て素敵だと思う。マリリン・モンローの歌う場面を見ているとビリー・ワイルダー監督の「お熱いのがお好き」を思い出してしまう。ただこの作品ではそんなマリリン・モンローがちょっと前に出すぎてやしないかと思えてならないのがマイナスである。あれだけのスターだから仕方ないのかもしれないけど、私としてはもっとドナルド・オコーナーを前面に押し出して欲しかった気がする。まあ、色々と愚痴、不満もあるものの、そうは言っても面白く見られることだけは間違いなく、特に最後のステージでの大勢のダンスシーンと全編に流れる音楽の楽しさ、華やかな表舞台の上に立つ人達の笑顔の何て素晴らしいこと!世間的にやたら高評の「ウエストザイド物語」のような人が死んだり、柄の悪い連中、人種差別といったものが全くないのがこの映画の良い所です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-02-11 11:35:01)
69.  情婦マノン 《ネタバレ》 
これは恐ろしい。一見、男と女のメロドラマのような雰囲気、ラブストーリーというような感じで見せておきながらじわりじわりと二人の男女の裏に隠された何か見てはいけなかったような恐ろしいものを見てしまったようで本当に恐ろしくて、メロドラマを見ていると同時に惨酷な運命へと突き進む恐ろしいサスペンスものを見ている感覚に襲われた。クルーゾー監督らしい人間描写、追い詰めていく緊張感、そして、圧巻なのはやはりあのラストシーン!射殺された青年を逆さまに担ぎながら砂漠を歩いていくマノンの姿がとにかく怖い。怖い。これほど惨酷で恐ろしい恋愛ものなど私は初めて見たかもしれない。これはラブストーリーではあるけれど、ラブストーリーの形を借りた何とも恐ろしくも哀しいサスペンスドラマの傑作だ!
[DVD(字幕)] 9点(2009-01-14 21:56:24)
70.  七変化狸御殿 《ネタバレ》 
主演に美空ひばりで時代劇風、オペラッタミュージカルコメディとこりゃまた色々贅沢な作りにはなっているけど、美空ひばりを完全に売り出すための作品てのが解ってしまって折角の面白い題材も脇を固める喜劇役者、特にあの二人、伴淳とフランキー堺の持ち味が殺されてしまっていて残念でならない。この二人の面白い俳優の面白さがほとんど見られないのがとても不満である。そんな中で後半、何と何とあのマキノ雅弘監督の「次郎長三国志」のパロディが出てきた瞬間、思わず嬉しくなってしまった。美空ひばりと堺駿二の二人が森の石松のお墓の前で座ってる場面でいきなり森の石松のあの歌が聞えてきて何だか急にまた「次郎長三国志」シリーズが見たくなってしまった。この監督、間違いなく「次郎長」ファンであることが解る。それにしても歌あり、チャンバラありの、おまけに狸世界での恋愛映画と何だか欲張り過ぎではないかと?この映画はマキノ映画ファン、特に「次郎長三国志」ファン、中でも私のように石松ファンの為にあるようなそんな感じの作品であり、勿論、美空ひばりファンの為にあるようなものでもあり、いずれにしても滅茶苦茶で欲張り過ぎたが、それなりに楽しめる作りにはなってると思います。
[DVD(邦画)] 6点(2008-12-29 17:20:46)
71.  自由への闘い
ジャン・ルノワール監督による戦争への思い、反戦がテーマで自由への闘いとタイトルにあるように自由を求める男のドラマであるが、やはりあの名作「大いなる幻影」と比べてしまうと見劣りしてしまう。フランス人である監督がアメリカで撮ったこの作品、戦争の怖さと人間が人間が裁くことの難しさ、辛さみたいなものを描こうとはしてはいるものの、やはりアメリカという国、監督の母国でないだけにアメリカ側な立場でしか描けてないようにも思えて辛い。けして、悪い映画でもないし、完成度もなかなかだとは思うが、ドイツ人の悲しさがこの映画の中では見られないし、いまひとつ伝わらない。この監督らしい人間を見る視線、優しさと厳しさとのバランスという意味で何か引っ掛る。良い映画ではあるんです。それでもやはりこれ以上の点数は付けにくい。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-12-23 21:23:24)
72.  清水の暴れん坊
芦川いづみ大好きな放浪紳士チャーリー様!お先に失礼します。石原裕次郎と北原三枝、同じく石原裕次郎と芦川いづみ、この共演作は沢山、あるし、結構、観てはいる。浅丘ルリ子とも結構、共演してますよね。ところがこれがまた石原裕次郎と北原三枝に芦川いづみの三人が一つの映画で共演しているものとなると沢山、あるようで意外と少ない気がします。この三人の共演と言って真っ先に思いつくのはおそらく放浪紳士チャーリーさん、そして、私も他の芦川いづみファン、石原裕次郎ファンも「陽のあたる坂道」ではないかと思います。少なくとも私にとっての石原裕次郎、北原三枝、芦川いづみ三人共演作と言えば「陽のあたる坂道」である。で今作は、タイトルを見た時はマキノ映画を思い出しました。清水の暴れん坊って正にマキノ映画風な時代劇かと思った。しかし、やはりこの三人でそうはならない。石原裕次郎はスーツ姿を決め、ここでもいつもの裕次郎らしく好青年ぶりを発揮している。どことなく子供ぽさを残したまま大人になりきれてない若者を演じるとこれほど見事にハマる俳優はいないと思うぐらいである。北原三枝に対する態度と芦川いづみに対する態度の違いはいつも思うがその違いにしても単なる女たらしじゃないものをこの石原裕次郎という俳優から感じられるのはこれはもう演技を超えていると思わずにはいられない。まるで石原裕次郎そのまんまのような感じがここでも見られる。北原三枝と芦川いづみについて言えば、常に気の強そうな女、北原三枝に対して気は強そうだけど本当は弱そうな、芦川いづみ、作品としての完成度、面白さでは「陽のあたる坂道」には及ばないし、北原三枝にしても芦川いづみにしても確かに守ってあけたくなるような女ではあるけど、この二人にしても他の裕次郎映画の女性に比べると魅力という意味で劣る。欠点もかなり多い。それでもなかなか見れない三人の共演作を見ることが出来るという意味で観て良かった。損はない。これがこの映画に対する私の感想です。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-11-19 21:34:31)(良:1票)
73.  情事(1960)
アントニオーニの映画を見ていると人間の心の中に見え隠れする気だるさ、やるせなさの中にこそ人間本来の持っている愛情表現みたいなものが感じられる。同じこの監督の愛の不毛三部作全てに共通して言えるのは雰囲気作りが全て似ている。何とも乾いた空気、何とも気だるい雰囲気、モニカ・ヴィッティはいつも何かに対して怯えているように思えてならない。人間は常に死に対して怯えて生きている者なんだよとまるで言っているような感じと同じように男は女に女は男に対しこれまた何かに不安を感じ、常に不安定な生き物であると語っているようである。台詞の少なさ、何の説明もないままに終わってしまうのはこの監督の映画作りにおける一貫性なのかもしれない。とにかく観ていてもよく解らないのだが、その解らない中に観る者への問いかけ、自分達で考えようとでも言っているようである。それにしてもまたまたモニカ・ヴィッティの何とも言いようのないあの目付き、その中にある。隠れているような男を見る時の視線の奥にあるやるせなさ、不思議な魅力に私は作品そのものはまるっきり理解出来なかったけど、モニカ・ヴィッティの怪しげな魅力には完全にやられた。この女優、観れば観るほど益々、好きになっていく。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-10-21 21:57:41)
74.  事件 《ネタバレ》 
同じ野村芳太郎監督の「疑惑」を見た後に見るとどうしたって見劣りしてしまいます。一人で見ていたら昨日から遊びに来ている親戚の男の子4歳がやって来て一緒に見ていると裁判シーンで「一体、あなたは何をしていたんですか?」て問われた大竹しのぶ演じるヨシ子がみんなの前で「セックスです」て大きな声で言った後に「ねえ、おじちゃんセックスってなあに?」て聞かれて困りました。そういうことはなるべく小さな声で、他の人に聞えないようお願いって気分でして、それよりもそういう質問はお父さんかお母さんに聞くか若しくはいずれ大きくなれば解ることなので、子供は子供らしく外へ行って遊んでこいって気持ちになりました。
[DVD(邦画)] 6点(2008-10-19 11:18:21)
75.  社長行状記
やっぱりこのシリーズは三木のり平がいるといないとでは大違いである。この作品を観て改めてそう思った。日本を代表する名喜劇役者勢揃いの「社長」シリーズにおける三木のり平、三木のり平がいるだけで話そのものなど大して面白くもなく、どれを観ても同じようなパターンであったりと、それはまるで「男はつらいよ」シリーズを観るのと同じである。内容はどれもこれも似たようなもので、マンネリも良いところである。しかし、そのマンネリこそが「男はつらいよ」シリーズと同じで安心感というものが作品全体に漂っている。森繁久彌にいつも叱られてばかりの三木のり平がとにかく良いのです。まるでチャップリンやキートンを思わせるような感じや太鼓持ちのような腰の軽さがあればこそのこのシリーズ、三木のり平あってこその「社長」シリーズ!社長の浮気現場に必ず邪魔しにやってくる三木のり平が私はとにかく好きで、好きでたまらない。脇を固める俳優陣の中にあって、一段と面白いのが三木のり平なのです。三木のり平の面白さの前には他の喜劇俳優や特にフランキー堺も霞んで見える。小林桂樹と奥さん役の司葉子も流石に三木のり平の前には歯が立たない。いずれにしても三木のり平いてこその「社長」シリーズの中の一つであることは間違いない。
[DVD(邦画)] 6点(2008-08-19 21:32:06)
76.  地獄門
長谷川一夫と京マチ子の二人を見ると真っ先に溝口健二監督の名前を思い出す。この二人共、溝口作品において、インパクトのある演技を見せている。そして、今作でも印象に残るであろうこの二人、長谷川一夫のどこまでもしつこい男ぶり、女からしてみたらこんなしつこい男はごめんであろうし、男の私からしてもこのしつこさは異常であるとしか思えないぐらいのしつこさである。そんなしつこい男に好かれる女、京マチ子はまるで百人一首に出てくるような女の感じが凄くする。映像的な美しさは皆さん指摘の通りで本当に素晴らしい。しかし、物語としてはそれほど面白くもない。けして、つまらないわけでもないし、まずまず楽しめるものの、期待したほどのドロドロさ、凄みはあまり感じられなかった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-07-28 21:44:49)
77.  姉妹(1955) 《ネタバレ》 
野添ひとみと中原ひとみの二人のひとみコンビによる姉妹の物語で、これがまた何とも素朴な感じが二人の演技とその周りの人達の温かさから感じる良い映画です。この話の中では姉が野添ひとみで妹が中原ひとみですが、実際のところ、二人の年齢を見ると野添ひとみより中原ひとみの方が姉ではある。そんな二人がとにかく本当に良い。しっかり者の姉と天真爛漫で思ってることは何でもぽんぽん口にする活発な妹、性格の違うこの二人が色んな悩みな苦しみを超えて、最後は結婚する姉とそんな姉を見送る妹、姉と妹の喧嘩もするけど本当に心の通っている姉妹である様子が観ていても解る。妹が姉に対して言う台詞「私も私なりに幸せになるから、お姉ちゃんはお姉ちゃんらしく幸せにね」「お姉ちゃん、本当の主婦みたいだったもの、あはははは」て笑いながら泣くあの顔は忘れられなくなりそうなぐらい本当に良い妹ぶりを発揮している。そして、花嫁姿でバスに乗り去っていく姉を一人、丘の上から「お姉ちゃん~~~」と叫ぶ妹の姿に姉と妹、妹が姉を心から応援しているという妹から姉に対する励まし、応援とも取れるラストシーン、これは間違いなく妹から姉への応援メッセージと共に姉の妹への私は結婚して嫁いで行くけど、けして、妹のことは忘れないという正しく「姉」と「妹」タイトル通りの「姉妹」の絆を美しく描いた作品だ!
[ビデオ(邦画)] 8点(2008-06-20 22:01:23)
78.  ジャズ大名
何ともハチャメチャで陽気で相変わらず岡本喜八監督の描く人間たちはおかしな奴が多い。時代劇とジャズとは普通では考えられないようなその発想の面白さ、デタラメなこの面白さこそこの映画の一番の見所ではないかと思うぐらい本当に作品としてはデタラメではあるが、作品全体に見られるエネルギー、あの外国人達の何とも下手くそなジャズの演奏が何だか可笑しい。殿山泰司の変てこな坊さんも笑える。何も考えずに肩の力を抜いて楽しんでもらいたいという岡本喜八監督の思いが伝わる作品になってます。欲を言えば時代劇にしては殺気というものが少し足りなく思えるものの、それでも今の時代劇よりはずっと良い。少なくとも最近のNHKの大河ドラマよりはマシだと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-05-25 11:56:12)
79.  社長えんま帖
このシリーズ、やはり三木のり平がいるといないでは大きな違いを感じてしまう。三木のり平が醸し出す。まるで落語に出てくる太鼓持ちのようなお調子の良さ、これが大した面白味のある話でもない話、つまりどれもこれも同じようなパターンの作品の中で笑いを提供してくれている。そんな三木のり平不在になってからというもの、笑いという意味で物足りない。三木のり平がいない「社長シリーズ」の不満が残る。社長シリーズ全体、まるで寅さんシリーズや釣りバカシリーズと同じような完全なるマンネリもそれでもついつい見てしまうのはこのシリーズがやはり好きで仕方ないからであって、森繁久彌、加東大介、更にここでは不在の三木のり平、そして、そして、もう一人、今朝の新聞でまたしても悲しい訃報という記事を見て寂しく思えてしまう小林桂樹、あぁぁ、作品全体のシリーズの終わりへと近づいていくことの悲しさ以上に、これでこのシリーズを支えてきた四人の偉大なる名喜劇俳優が全員、この世を去ってしまったことの方が寂しい。小林桂樹さん、森繁久彌さんの後を追うようにして亡くなってしまったけど、天国で森繁久彌に加東大介、三木のり平といった仲間とこのシリーズの中で楽しくやっていたように楽しくやってください。本当に今まで沢山の映画で良い演技、見せてくれてありがとうごさいました。心よりご冥福お祈り致します。(2010.9.19追記)
[DVD(邦画)] 6点(2008-05-15 21:02:57)(良:1票)
80.  処女の泉 《ネタバレ》 
私には神の信仰など深いテーマについてはよく解りません。しかし、この映画はそういう難しいことを抜きにしても人間の持っているわがままな部分、惨酷さ、何の罪もない人がただただ己の欲望、身勝手さによって強姦された挙句に殺されるという惨酷さ、そんな惨酷な部分を描くこの何とも許せない話の中にあって、娘に代わって、また神様に代わって自分の娘を殺した男達を刑に処すというその気持ちは父親としての、また人間の持っている悲しさ、それは殺されたカーリンのことを嫌っていたもう一人の女、インゲリの同姓に対しての嫉妬、眼の前で三人の男に殺される場面をただ目撃することしか出来なかった彼女も一人の人間として苦しんでいる様子が観ていてもよく解る。人間とは如何に惨酷で弱い生きものか?という問いに応えているような本当に見ていても寒気のするような内容ではあるものの、画面全体の美しさ、白と黒とのコントラストの色使いの凄さ、カーリンが教会へと向う場面で馬に乗って行く場面のあの美しい映像美、途中で出会う男達に強姦される場面もその後の殺人シーンにしても殺された後に舞う雪も何かもが本当に美しい映像美として心に残るぐらい本当にどのシーンも美しい。男達への復讐を自らの手でやりとげた父親の見せる涙にこそ人間の持っている悲しい部分が現れてもいるそんな気がしてならない。ラスト、殺されたカーリンの死体を目にして神様は何て罪なんだというようなことを祈る人達、流れ出る水の美しさにはため息が零れる。どうしようもないぐらい観ていてもやりきれない気持ちにはなるので何度も繰り返し観たいとは思いませんが、これだけ人間の矛盾した気持ち、惨酷さ、欲望などを美しく描いた映画は他には観た記憶がない。とにかく一度、観たら忘れられないぐらいの美しさが惨酷な世界と相成って描かれていていつまでも心に残りそうです。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-04-20 12:07:55)(良:1票)
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