21. タイム・マシン/80万年後の世界へ
B級の薫り高い娯楽作。リメイク版での、万感の想いを込めてタイムマシンのレバーをグググッ!と引く熱さに比べると、なんとお気楽な…でもまあ原作イメージに近いのはコッチの方か。でも…殴るだけで死んでしまうモーロックの弱さは、ちゃんと科学的理由があるんだけど、映画ではなんの説明もないんでお笑いにしかなってないぞ。見るならDVD版をお勧めします。オマケでついてるTV特集での寸劇が、そのまま本作の後日談となってて気持ちがいいんですよ。ま、オイラはSF作品の評価には厳しいんで点数低めにつけますけど、気楽に見れて一度は楽しめる、お勧め作品です。 5点(2004-03-08 05:40:44) |
22. 第5惑星
《ネタバレ》 原作だと、終戦後の主人公は人間の体臭を嗅ぐだけで吐きそうになるんだよね。反戦テーマとかの域を越えた何かを感じてたんだけど…内面を描くのがヘタなペーターゼンには、このあたりが精一杯の描写ってとこか。それに原作の見せ場は、長老達の前に立ってドラコ語で家系を詠唱するシーンだろ~! 何でナレと絵一枚で済ませるんだよ~! 原作のように舞台が孤島でなかったのも不満。グリーンランドの光景は素晴らしかったけどね。傑作になり得たSF小説を凡作(駄作とは言わないが)にしてしまった不満が、ちょっと点数を押し下げたかな。【ちょっと補足】製作会社は最初、テリー・ギリアムにこの監督話を持ちかけたんだそうな。それはそれでイヤだなあ。まあギリアムは即座に断ったらしいが。 5点(2004-02-23 02:35:06) |
23. 他人の顔
《ネタバレ》 オープニングの映像だけでも映画史に残る大冒険。長科白を独白する仲代達也にレントゲン線を当てて、ひたすら回り込みで透視映像を撮り続ける…あまりにも無謀な、リテイク不可能なフィルム! なんとなくレアだぞ! そしてラストシーンで通りを埋め尽くす、顔のない群集。シュールでリアルで、怖すぎます。それ以外は手堅い感じかな。もちろん原作の味が薄められていないのもポイントです。オリジナルのマッドサイエンティストっぽい化学的ウンチクは影を潜めてますが。 8点(2004-02-17 20:04:14) |
24. タイムマシン(2002)
ま、監督は実写デビュー作の上に、余計なプレッシャーがかかってるのは間違いないんで、1点割増してますが。ウェルズの『タイムマシン』であるからには、冒頭のタイムパラドックス的アガキは不要。後半も30分ほど足りない。それを差し引いてもなお、モーロックの口を借りて語られる「現代批評」には価値がある。中核スタッフはこの作品をどう撮るべきかわかっていたと思うんだけど、マネジメントや実力が不足していたという印象が拭えない。でも映画と同じくこの監督には未来があるから「あと2回までは失敗を許そう」思ったオイラ。時間旅行の大らかなムードは、パル版を彷彿とさせて素晴らしいが、あと4~5分は欲しかった。ヘルツォークばりに荒ぶる自然の中の時間旅行シーンを延々と映してくれたら、文句なしで10点あげたんだけどね…金がなかったんだろうな…。 7点(2002-08-31 19:59:20) |