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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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21.  大砂塵
ジェームズ・ディーンの「理由なき反抗」やフィルム・ノワールの大傑作「夜の人々」で知られるレイの異色作。 レオーネが「ウエスタン」を作る際に参考にした傑作の一つ・・・らしい。  本作は歌の西部劇。 とにかく五月蠅い。 ギターと酒場が大惨事。 主題歌の「ジャニー・ギター」の戦慄は美しい。  ラストの意外な決闘にはビックリしたよ。  それにしてもこれほどヒロインがうっとおしいと思った映画は無いわ(泣)  「ミルドレット・ピアース」や「ユーモレスク」「雨(ルイス・マイルストン)」で美しかったジョーン・クロフォードも、本作はカラーの色合いもあってか年増でケバい。 「オール・ザ・キングス・メン」や「去年の夏突然に」で印象的だったマーセデス・マッケンブリッジも今作は顔が怖い。 鑑賞の際は是非ともクライテリオン版のDVDで。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-12 18:44:50)
22.  太陽(2005)
これは、まず日本じゃ撮れない。日本は主観で天皇像をやたら特別視しすぎるきらいがある。天皇もせっかく「私も人間だ」といったのだから、日本人はもっと砕いて描いても良い筈だ。 その点、ソクーロフは客観的で、あくまで一人の人間として天皇を描いた。 口ももごもごし、まるで子供のように植物の研究に明け暮れ、「人間て良いな~」と謳歌していそうな、何処にでもいそうな感じに。これほどユーモアと気品を両方感じさせる天皇、中々いない。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-30 19:12:36)
23.  大列車作戦 《ネタバレ》 
バート・ランカスター&ジョン・フランケンハイマー最高の1本となる戦争アクション。 ナチスVSレジスタンスの壮絶な列車アクションがスリル満点で楽しい。連合軍の無理難題と亡きレジスタンスの亡霊たちをかかえるレジスタンス達、意地でも勝利の可能性を逃すまいとするナチス。 走行中の列車に飛び乗るシークエンスの見事なこと。ドラマも熱い。果たして戦争が無ければ例の大佐も、石炭で顔が真っ黒になるレジスタンスも平和でいられたのだろうか。戦争アクションの醍醐味、ここにあり。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-10 23:56:38)
24.  第9地区 《ネタバレ》 
“恐怖”という意味では、作り物とハッキリ解ってしまうCGよりも生々しいアニマトロニクスの方が何百倍も怖い「エイリアン」の方が上だが、技術を抜きにしたドラマ面ではこの「第9地区」に軍配を挙げたい(そんな好きじゃないけど)。 何よりリドリー・スコットの「エイリアン」と共通する部分があるのが面白い。 スコットに出てくるエイリアンは、たった一人でリプリーたちに戦いを挑んだ。リプリーたちにとっては恐怖の対象でしかない“敵”だが、エイリアンにとっては住処を荒らしに来た侵略者(エイリアン)にしか映らない。  「第9地区」は主人公そのものがエイリアンになってしまい、人間の時は侵略者か見世物小屋でも見るように感情の移入なんて有り得なかっただろう。 そんな男が徐々に異星人に変貌していく。当然人間たちからは疎外され、その中途半端な容姿は異星人にも奇異に見られる。 スコットの「エイリアン」もまた、仲間となる存在がなく常に孤独だった。更にはその凶暴性を人間側に利用されてすらいた。  しかし、「第9地区」は奇跡的に異星人の親子と意志のコンタクトを取る事が出来た。人間だった時に失ったものを、異星人になって少し取り戻せたのは皮肉なものだ。 例え利害関係の一致で一時的な事だったとしても、異星人の子供との絆は確かなものだ。 そしてエイリアンになって初めて知った人間の凶暴さ。彼らは害虫駆除くらいにしか思わないのだろう。「何かされてからでは 遅い!!」という恐怖が人間に牙を剥かせる。  男は何者として戦ったのだろうか。人間としてか。異星人としてか。どちらにせよ、彼は“彼”でしか無い。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-27 16:23:04)(良:1票)
25.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
ティム・バートンの「バットマン」も面白かったが、ノーランのこの傑作はさらに進化を遂げた傑作だ。 この映画の良いところは、とにかく単純明快である事。物語はシンプルであればあるほど面白い。 正義を自称するバットマンは必ずしも光にはならず、かといって悪の限りを尽くすジョーカーが必ずしも闇にはならない。ぶっちゃけ闇vs闇、または光である筈の警察まで闇の部分を見せる光と闇のカオス。 ファーストシーンのピエロのマスクを被った強盗団。“ジョーカー”という見えない存在に操られ金を奪い、人を殺し、遂には仲間内で金を奪い合う様子はスタンリー・キューブリックの「現金に体を張れ」を思い出す。 本作最大のボスキャラでもある“ジョーカー”の登場の仕方が実に粋だったぜ。 法廷に銃を容易に持ち込ませる=既に裏切り者が混じっている。まるでマフィア映画だ。 自らを“SCARFACE(疵男)”と名乗るジョーカー。ジョーカーの公開殺人にはビビッた。 ジャック・ニコルソンも凄かったが、ヒース・レジャーの全身全霊を賭けた演技は絶賛するしかない。 それにしたってゴードン局長が主人公すぎる。 ウェインとアルフレドの会話が気になる。「共犯?僕は君が黒幕だと言うつもりだよ」 あの秘書め、ヒッチコックみたいな格好しやがって(アルフレッド・ヒッチコック)…「ライジング」は本当にアルフレドが黒幕なんじゃあないかと思っている。だってコイツ何処にいたわけ? ジョーカーの尋問シーンは、有利に進めていた筈のバットマン側を絶望に叩き落す強烈な場面。尋問しているのか、それとも尋問されているのか。迫られる選択。 つうか捕まえた奴は胃の中まで精密検査しとけよjk・・・。 引き起こされる悲劇、だが物語はココで終わらない。クライマックスの二段構え。 またも迫られる選択、囚人がイケメンすぎる。 うーむ、何だか最終的な“敵”はジョーカーではなく“焚き付けられ犯罪に奔ってしまう人間総て”だったのかも知れん。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-27 15:49:07)
26.  第七天国(1927)
第七天国 素直に好きと言えない男。「ダイアン チコ 天国」の言葉でしか愛の言葉を言えない恥ずがしがり屋。 そんなウブな少年を、戦争の悲劇が襲う。だが、そんな悲劇が二人をより強く結びつけるとは皮肉なものか。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-23 00:18:02)
27.  奪命金
ジョニー・トーによる傑作。 3つの物語が一つに繋がっていく展開が面白い。銀行員もヤクザも刑事もみんな金が絡んだ問題を抱える。 人間の存在そのものを頼りなく描く視点が良い。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:05:33)
28.  007/ロシアより愛をこめて 《ネタバレ》 
イアン・フレミングの原作をダイナミックに仕上げた痛快アクション映画。 前作「ドクター・ノオ」はSF色の濃い展開がされたが、本作からボンドの秘密兵器、強烈なファースト・シーン、リアリティとアクション性と「お約束」を高めた造り込みとなり、以降の007シリーズの土台を固めた作品。 真面目なフリをした超娯楽馬鹿映画「007」シリーズの最高傑作と名高い本作。 テレンス・ヤング監督の監督魂、気合の入ったアクションの磨きも一番神がかってる。 後半の「北北西に進路を取れ」を参考にしたヘリの攻撃シーンの迫力が一番の見所でもある。 この作品が遺作となった「ペドロ・アルメンダリス」の名演も忘れちゃあいけない。 何も言わなくともカッコイイ「ショーン・コネリー」、 ジョン・バリーの最高すぎる音楽、 そして「お約束」。 俺はこういう「お約束」が嫌いなタイプだけど、この映画から「お約束」を抜いたらただのスパイ映画だ。 この「お約束」の瞬間の安心度は異常。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-13 18:02:48)
29.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
007最高傑作。 今回の「カジノ・ロワイヤル」は原作小説第1作目! 本作こそ紛れもない「最初の007」であり、娯楽スパイアクションになる前のハード・ボイルドタッチの渇いた作風が特徴だ。 本当に「ゴールデンアイ」の監督か?本作は完全にそれを超えた。 オープニングは歌詞の入ったカッコつけで嫌いなのだが、それ以外は完璧と言っていい。 何より動きだけで状況を読み取らせる戦闘が堪らない。 暗殺から始まるファーストシーン、たった一人の爆弾魔を全力で殺りに行く壮絶な追走劇、大使館なんざクソ喰らえ!爆破だ!! セバスチャン・フォーカンとダニエル・クレイグの「障害物競走」が凄すぎる。パルクール習いてえー。 負けず嫌いで張り合うクレイグの顔。 いい加減スパイしろよ(褒めてる) 多分シリーズで一番スパイしないスパイなんじゃねえかコイツ? 女性関係はあくまで情報のためと割り切る姿勢、常に生傷が絶えない荒々しさが気に入った。 スパイしないスパイは戦ってなんぼ。 特に「お約束」を最後まで廃した展開が良かった! 今までの007は「どうせ死なねんだろ(舌打ち)」を楽しむのが恒例だったけど、今回のボンドはマジで死ぬんじゃないかとヒヤヒヤしまくった。 毒盛られた時の焦りまくるボンド。 「過去に大使館を吹っ飛ばしたスパイは亡命でもしたわよ」 堂々とボスの家で帰りを待つボンド。  捕まってもぶん取った“軍資金”のために殺されない。 どんな拷問を受けても屈しないボンドの頼もしさ。 奴の股間はチタンか?  二重、三重の駆け引きが明かされていく終盤も中々だが、やはりあの結末は悲しすぎる。 これほど言葉を介さずにメッセージが響いてくるボンドは久しぶりだ。 本作はあくまで「ボンドの過去」だが、ボンドが変わる度に全く別の映画として楽しんでいる俺にとっては「現在進行形」の後味なのだ。  最初と最後の出来事で見せるボンドの表情がより虚しさを漂わせる・・・この表情の変化。 本当今作のボンドは女運が無い・・・恐ろしく人間臭い。そこが良い。  ラストで「標的」を地に這いつくばらせて真の“007”となった姿が印象深い。  後味は悪いけど、完成度は文句なしの傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-13 18:00:59)(良:4票)
30.  ダーティハリー 《ネタバレ》 
個人的にシーゲルは「殺し屋ネルソン」が最高傑作だと思うが、イーストウッドとのコンビはコレがベスト。 赤狩り(レッド・パージ)の嵐が吹き荒れる時代から戦い続けてきたリベラル派シーゲル、そしてスパゲッティウエスタン(マカロニウエスタン)を経てアメリカに戻ってきたアンチ・ヒーローが結んだ師弟関係。その二人が70年代に蘇らせる刑事アクション。 輝くバッヂと法の文章、ドス黒いサイレンサー付きライフル、スコープに映る標的、襲い掛かる凶弾…! 黒いサングラスで威圧するように登場するハリー・キャラハン。 ハリーは手がかりを得るためにひたすら歩き壁をよじ上る。どんなにボロボロになり砂の山に埋もれようとも。ペンが拾い上げる証拠、残される犯人からの挑戦状。ここからクソ野郎スコルピオとハリーの孤独な戦いが幕をあけるのである。  やさぐれ警官がやさぐれたのも腐った世の中で自分の意思を貫き続けたためであろう。むしろ汚名を背負ってまで仕事を、肌の色に関係なく平等に嫌い、思いやり、鉛弾をブチ込み、理由なく殺された人々の無念を晴らそうとするハリーを俺は心から応援してしまった。その姿勢は映画監督として「許されざる者」や「グラン・トリノ」といった傑作でも貫かれる。  食事中に事件が起きればマグナム片手に車ごとブッ転がす!水道が噴出する中をゆうゆうと、のしのしと歩き、撃ち尽くした拳銃の銃口を向けてショットガンに手をかけようとする犯人に警告を示す。犯人はそのことを知らない。 「ホラ、入ってないだろ?」って笑顔がたまらない。  対するスコルピオの次の標的を物色し不気味な笑みを浮かべる狂気。 ヘリによる捜索、夜の市街を淡々と走り、窓から覗くもの、窮地と救助、イーストウッドが監督したビルにおける説得場面。殴りつけて必死に抱え込む姿が面白い。 捜査とはいえ堂々と覗くハリーもやっぱり男。でも前の奥さんを気遣ってか再婚もしない。 ボルトアクションライフルによる狙撃とマシンガンによる銃撃戦、夜の暗闇で影が蠢き、あらゆる閃光が照らす。  脚に仕込むナイフ、バッグを抱えて公衆電話から公衆電話への移動、走り続ける追跡、トンネルでのひと悶着、銃撃戦、ナイフ。 恐怖の鬼ごっこ、人の人権踏みにじっといて弁護士呼べとか言ってるクズの脚の傷を踏みにじって何が悪いというのか!人質最優先で手掛かりを得るために殺さない、あるいは警察という組織を信じているからこそ法の裁きに委ねようとしたのかもしれない。 ボロクソになっても諦めないスコルピオのしぶとさもたまげたもんだ。  あの明け方に哀しそうに、疲れ切ってたたずむハリーの姿といったらないぜ。病院への見舞いとレディ・ファーストな気遣いは数少ない癒し。  信じていたものに裏切られる絶望、悪魔が世に再び解き放たれ再び犯罪が繰り返されるやるせなさ。  バイソンの群れ、バスという密室で子供たちに狂気を振りまき、橋の上から走行する車両に飛び乗り一騎打ちへ! 工事現場の狭い道におけるジリジリとした追跡のスリル、石を運ぶレール、開けた空間に見つける切り札あるいは逃げ場を失う選択か。冥途の土産に弾丸も星もくれてやる。  「真昼の決闘」のゲイリー・クーパーは、自分でまいた種によって民衆にも仲間からも見捨てられたことを“認めて”か、バッヂを地面に捨て自分を信じてくれた若妻と一緒に去っていく。 本作のイーストウッドは民衆を信じ、腐敗した警官と法に対しての怒りをこめバッヂを投げ捨て独り寂して去っていく。 「荒野のストレンジャー」で「真昼の決闘」のifを描いたイーストウッドだ。あの場面は完全に当てつけです(褒め言葉)。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-10 20:43:10)(良:1票)
31.  大酔侠
キン・フーは大好きな監督だ。 メチャクチャ面白いし飛び抜けてる(俳優のブッ飛び具合が)。  「大酔侠」はそんなキン・フーの最初の傑作だと思うし、俺が一番好きな作品だ。 後年の「迎春閣之風波」や「忠烈図」「侠女」に比べるとまだまだ完成されていない部分も多いが、それでも個性豊かで魅力的な登場人物、ユーモア&ヴァイオレンス、迫力満点の大立ち回りと既にキン・フー映画の醍醐味が詰め込まれているぜ。 まあ、俺が一番好きだと言う理由はやはり“女剣士”の一言に限るね。 冒頭のド派手なスタートダッシュから一転、雷鳴と共に登場する旅の剣士。“最初”の主人公だ。 この後「取って置き」のキャラクターが出てくるが、ソイツのやり取りはもう最高。 寡黙で男勝り、気丈に振舞うもピンチの時は女らしい一面も覗かせる・・・強い女性は万国共通で美しい。 一見すると普通の顔立ちなんだが、女の一面を覗かせる時、そして戦っている時の彼女はカッコイイし美しい。 傷を負った時は不覚にもドキッとしてしまった(キン・フーなのに)。 キン・フー映画の女って愛嬌より度胸・華より青龍刀・色気皆無(褒め言葉)の女傑キャラしかいないのかと思っていたが、そういう意味でも彼女は大変貴重なキャラだ。  ペイペイに魅せられた野郎共は「侠女」も必見だ。あの作品の彼女はとにかく素晴らしい。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-07 02:31:24)(良:2票)
32.  大平原 《ネタバレ》 
デミルの西部劇の中でも「平原児」に並ぶ最高の1本。 西部劇の醍醐味がすべて詰め込まれているし、とにかくメチャクチャ面白いし。今見ても最後まで楽しめる指折りの西部劇の一つだと思う。 序盤は銃撃戦の一切ないドラマが25分続くが、コレがまた面白い。銃撃戦だけが西部劇じゃないって事を証明してくれる出だしだ。 25分を過ぎた辺りから次々と巻き起こる事件の数々。アクション、ガンファイト!特に中盤のスー連合(インディアン)との死闘は西部劇史上に残る屈指のスペクタクルだ。 物語は大西洋と太平洋を結ぶ「大陸横断鉄道」の施工を巡って繰り広げられる政治ドラマから始まる。 そこから鉄道工事に命を賭ける個性豊かな面々のドラマで楽しませてくれる。 武闘派エンジニアで列車の保安官を務めるジェフ・バトラー、 列車の運転手を務めるモナハン、 モナハンの娘で男勝りの元気な女性モリー、 アウトローでバトラーの戦友でもあるディック、 用心棒を務める鞭の名手フィエスタ、 フィエスタの相方リーチ、 過激なクレイトン、 工事の阻止を企てる悪党キャンポーと魅力的な登場人物たち。 特にキャンポーにつるんじゃいるが昔の義理でバトラーを裏切れないディックの存在が面白い。 酒場でのやり取りは絶対「やっちまいなバトラー」ってシーンだと思うぜ。ピカピカに磨かれた鏡に感謝だ。 セリフの方も熱い言葉が多い。 「拳銃で人の心を変えられないわ」 「顔を隠せ身元が判らなくなる」 「モーゼだって海を渡ったぜ」 「私は支持するわ」 俺も支持するぜ、インディアンを無闇に殺しやがった男をブチのめしてくれたバトラーに。 デミルの西部劇はただの娯楽じゃない。インディアンを撃つ前に「殺生も許されるわよね赤い悪魔なら」なんてセリフはデミルの作品じゃなきゃ言えねえよ。 命懸けで大陸に渡った開拓者たち、元々そこを故郷にしてきたインディアンたちの衝突。 交流もあったが、その多くは殺し合いの負の連鎖が続く悲劇を生んでしまった。今日に語られる西部劇はその負の連鎖を正直に告白してきてくれた。もう二度と同じ過ちを繰り返さないためにも。 西部の荒野を突っ走る列車に込められたフロンティア魂。線路は続くよ何処までも。未来に向かって今日も人々の夢と希望を乗せて走り続けるだろう。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-03 04:29:43)
33.  大脱走 《ネタバレ》 
第二次大戦末期。  「史上最大の作戦」と言われたノルマンディー上陸作戦。その裏で行われた「史上最大の大脱走劇」!  前半2時間の“大脱走”をするまでの工程を積み重ねていく楽しさ・個性豊かな面々が脱走の一瞬に命を賭ける熱さ・ノルマンディーで戦う何万という仲間のため・一人のために体を張って叫んで、走って、戦い抜く魂!  それをもう1時間も追走劇の緊張と興奮を味あわせてくれるんだもんなー。お腹一杯ですよ。 人物の描写や脱走までの工程がとにかく丁寧。捕虜収容所の複雑な関係も面白い。みんな個性があってよく描けてる。  実際に戦争に言った強者どもがひしめく。みんな良い顔してるぜ。脱走のシーンも、少しずつ慎重にいって、そして一気に弾け飛ぶ。   特にヒルツの生き様はカッコイイ。 仲間のために何度でも逃げ、何度でも戻ってくる。かならず生きて。盗んだバイクでのチェイスも凄い。いつも浮かべる不敵な笑みが良いね。  ラストはとても悲しいけど、最後にヒルツが戻ってくるシーンを見るだけでも「また見たいな」と何回も思ってしまうのです。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 11:06:46)(良:1票)
34.  第三の男 《ネタバレ》 
キャロル・リードは「二つの世界の男」と「フォロー・ミー」は文句なしの傑作だと思うが、この「第三の男」はやや完璧すぎるし、影の演出のあざとさも気になる。 淡々と謎を解き明かしていく流れ、オーソン・ウェルズの登場シーンや地下水道での追走劇も計算され尽くしている。 加えて、プロデューサーのデヴィッド・O・セルズニックの演出。 この男はどんな作品でも必ずと言っていいほど三角関係をねじ込んでくる。 「キングコング」で怪獣、男、女の三角関係を描いた男だ。当然「第三の男」も小説家、女、闇の住人の三角関係に発展していく。  第二次大戦後の暗い影が付きまとうこの映画。 戦後の新しい時代の白い「光」、社会の黒い「闇」の世界。 日夜問わずにこの白と黒がせめぎ合うサスペンス。 そこにシンプルな音楽の調べが何とも言えない雰囲気を作り出す。  友人の不可解な「謎」を追ってウィーン市内を渡り歩く主人公。 事件の真相を追うのは友情か、それとも作家としての好奇心か。 途中で出会った謎の女性。 友人について知っているらしいが、彼女にも暗い影が見え隠れしている。  様々な国が入り乱れて統治するウィーンの街は、戦後の混沌を表す良い見本だ。  そして主人公の前に現れる「第三の男」。 音楽のリズムが一気に変化し、暗闇から姿を表す。 こんなにドキドキする登場シーンはそうそうないぜ。  主人公と「第三の男」との駆け引きは徐々に激しさを増し、下水道を縦横無尽に駆け巡るラストまでの流れは惚れ惚れする。  光の中に生きる者と、闇にしか生きられなくなった者、それぞれの顛末。  それはコインの裏表のように、常にひっくり返される存在なのだ。  ラストの舗道のシーンは良いね。何度見ても。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-25 13:23:33)
35.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
パトリシア・ハイスミスの原作、ヌーヴェルヴァーグのスタッフが多数終結した傑作スリラー。間違いなくルネ・クレマンの最高作だ。  海を走り飛び立つ飛行機 お洒落なOPからしてこれがヌーヴェルヴァーグの要素をふんだんに盛り込んだ作品であることが解る。撮影にアンリ・ドカエ!  机の上に敷き詰められたパンフレット、写真、絵の山、二人の男の会話から物語は始まる。  パンフレットの船、男たちが友情を深める船、事件が引き起こされる密室になる船。 盲目の男にぶつかり、謝罪の気持ちの金を払い、杖をとってしまい盲人の真似、彼らは車が絶対に止まると信じて車道を横切るのである。信じてはいるが、万が一車に轢かれて死ぬかも知れないというスリルも楽しんでいる。もう一人の男は女と遊ぶために盲人の真似ごとをする。  宝石に触るわ胸にさわるわ尻を叩くわやりたい放題、口づけは挨拶のように交わされ、それが少しずつ二人の男に亀裂を生む。 手に握られた戦利品、船上であんなに仲良くやってたのに…あの娘を自分の物にしたいという欲望が男に決断させてしまう。  海中に消えたはずの者が常にその存在を感じさせ、緊張を持続させる。ホテルで追っ手を撒く駆け引き。 隙をついて扉を開け、寝室で無防備に寝る女に近づく欲望。彼は焦らない。友人を虜にした女性、今度は自分がその女性を虜にしてやろう。それは自分を裏切った者への復讐でもある。慰めるのは過去を忘れさせて自分のものにするため。  ギターは投げ捨てられ、水着姿で手をつなぐことによって二人に肉体関係が成立したことを静かに物語る。 船が運んでくる無言の帰還者、「手」。  警官が、メイドが映画の終わりが近づいていることを知らせる。太陽をあおぎ、椅子に深く腰掛けて満足げな顔を見せる主人公。何も知らずに酒をあおり、店員の呼びかけに無垢な笑顔を見せる。  それを静かに見守る船によって、物語は締めくくられる。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-25 13:14:16)
36.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 
「真昼の決闘」×「リオ・ブラボー」×「要塞警察」の超絶進化版と言うべきか。  たった一人でテロリスト集団相手に孤軍奮闘で戦い抜くこれぞアクション映画。ビルという閉鎖空間の息苦しさ、緊迫感、一瞬で決まるアクションの緊張感! ヤン・デ・ポンのキャメラもフルスロットルだぜ。  ロイ・ロジャースいいよね。 ランドルフ・スコットでもジョエル・マクリーでもないってところが面白い。  テロリストの敗因?ゲイリー・クーパーファンを怒らせてしまった事だろう。 「今度のジョン・ウェインはグレース・ケリーをかかえて帰れないぞ!」 ショットガン持って暴れまくるウェインを想像してしまったのは俺だけでいい。ちなみにウェインがお姫様抱っこをやるのは「捜索者」です。  そしてよりによってロイ・ロジャースファンをだ。  テロリストは皆殺しにされてしまう。 ジョン・ウェインは「死ぬのは俺たちだけで沢山だ!」とダイナマイトで投降者は殺さず、ゲイリー・クーパーは住民が助けてくれなかった奴辺当たりも含めてに敵を全滅させる。  ブルース・ウィリスは知り合いを殺しやがった&クリスマスを邪魔したので皆殺し&もて遊び確定。殺ろうと思えばいつでも殺れたんだぜ?野郎何て奴だ・・・楽しんでやがる(褒めてる)。  クリスマスプレゼントはテロリストの遺体かプラスチック爆弾で。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-07 15:53:39)
37.  脱出(1944) 《ネタバレ》 
似たプロットを持つ「脱出」と「カサブランカ」。  ハワード・ホークスがヘミングウェイの原作を純水な娯楽として仕上げたのに対し、マイケル・カーティスはやや政治色の強い内容となっている。  決定的に違うのは船の「脱出」、飛行機の「カサブランカ」。 そもそも題材は似ているが原作はまったく違う。内容もオチもまったくの別物。  で、どっちが好きかと問われれば俺は迷うことなく「脱出」を選ぶ。 ホークスが好きだからというワケでなく、純水なハードボイルドであり娯楽に徹したコチラの方が完成度があるだろうし好きだ。無駄がなくスマート。 ハンフリー・ボガートもコッチの方がイカしてる。  というより、俺は「カサブランカ」みたいに臭すぎるメロドラマが嫌い。 女性の好みもイングリッド・バーグマンよりグレース・ケリーやローレン・バコールみたいな色気と情に厚い方がタイプなのです。  ノッケから酔って寝てるウォルター・ブレナンに水を浴びせて起こすボガート。 ホークス映画といえば名優ブレナンの存在も忘れられない。コレほどライフルが似合う御老体はいない。  ローレン・バコールの粋な登場の仕方にもそそられる。  酒場の粋なピアニストも好きだ。 銃撃戦の後で怯える人々をピアノの音色で元気づけようとする心意気。レクイエムまでかなでてくれる。 ピアノを聴いて歌いだすバコールが良い。  中盤の“脱出”シーンは警備艇の照明だけを撃ちぬくスリリングなやり取り、終盤のバコールとボギーの連携&机ごと敵を撃ち抜くシーンに震えた!  ラストシーンで顔を見合わせにんまり笑うボギーとバコールは完璧夫婦。本当に結婚しちゃうんだからお熱いっす。  ローレン・バコールとのコンビは「三つ数えろ」でも拝める。 ラストの駆け引きも面白かった。傑作。  ローレン・バコールは今もスクリーンの中に生き続ける最高の女優の一人です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-04 22:06:54)
38.  丹下左膳餘話 百萬兩の壺 《ネタバレ》 
久々に再見したがやっぱりムチャクチャ面白い。前回は字幕付きで見たが、一度内容が頭に入っていたからか二度目は字幕なしでも超楽しんでしまった。今回は2004年に出された「幻のシーン」が収録されたソフト。   物語は百萬両もする一つの壺を巡って展開される。 出だしは淡々とした語りで始まるが、壺が次から次へと持ち主を変えていく様子がミソ。 道場主とその妻、貧しくも強く生きる町人の親子、そして我らが丹下左膳とその相棒お藤の二人。それぞれに掛け替えのないパートナーがおり、尚且つ壺が彼らを巡り合わせるこのドラマ。 偶然か必然か、運命のイタズラをユニークかつテンポよく描いていく。何といっても面白いのが夫婦揃ってツンデレという所。  左膳「誰があんなガキ!」→もうしょうがねえな~(照れ) お藤「あたしは子供が嫌いなのよ!!」→暖かいご飯をたらふく食わせる 仕舞いには子供を寺子屋に行かせるか道場に行かせるかで夫婦喧嘩に発展する始末(ある意味終盤の道場への殴り込みよりもハードなバトル)。 幼いながら気丈に振る舞うちょび安が可愛い。   用心棒(居候)はいつの時代も立場があるんだか無いんだかハッキリしませんね。 怖い形相だけど本当は優しい左膳、口は冷たいけど体は腹の減った子供にご飯を食べさせたり物欲しそうな竹馬を買ってあげちゃったりうなじがちょいと色っポイお藤姉さん。   本作は終盤までほとんど戦闘がないが、一瞬で決まる戦闘の鮮やかさも素晴らしい。 懐に手を入れる侠客、顔は横を向いても目線は常に相手を捉える左膳、子供が数を数える瞬間の緊迫・・・一瞬の抜刀!    何?金がいるって?そんな時は道場破りよおっ!!     また2004年に日活から出されたDVDに収録された幻の場面。 クライマックスで左膳がちょび安を止めるべく家から出た矢先、左膳に恨みを抱くヤクザ連中が左膳に絡んでくる場面。 戦後に公開されたver.はGHQによって一部の殺陣がカットされてしまったそうだ(「人情紙風船」や「河内山宗俊」も同様に一部の殺陣がカットされてしまっているという)。   だが2004年にクライマックスの殺陣の一部を収めた数十秒のフィルムが発見され、見事にdvdで蘇った。 残念ながら音声トラックは行方不明の無声、画質も余り良くない。それでも一瞬の斬り合いが光る音が聞こえんばかりの迫力。ヤクザ連中をあしらう様に肩を突き離し、それでも「野郎ッ!」とばかりに斬りかかるヤクザたちを叩き伏せる!   本作で左膳を演じた大河内傅次郎。 伊藤大輔監督の元でも左膳を演じましたが、今作では喜劇役者としての才能も活かした演技が特徴。その独特の野暮ったさとセリフの聞き取れなさが左膳のエネルギー溢れるキャラにピッタリですね。山中貞雄監督の演出、傅次郎のパワー漲る演技が合わさった名演です。   お藤を演じた新橋喜代三(今村嘉子・後に結婚して中山嘉子)も好演。愉快なやり取りが忘れられません。 「野良犬」で貫禄ある演技を見せた山本礼三郎も出ていたりと、俳優陣も曲者揃いで楽しませてくれる。   字幕で楽しむも、字幕なしで味わうも絶品の1本です。
[DVD(邦画)] 10点(2013-12-24 12:57:34)(良:1票)
39.  ターミネーター2 《ネタバレ》 
前作の「ターミーネーター」は殺戮マシーンという恐怖に徹した恐ろしさがあったけど、本作はその殺戮マシーンが「心強い仲間」になってくれる。  オマケに襲い来る敵は前作より最強凶悪の敵だとさ。  最高の常軌の逸し方じゃないか。  スピルバーグの「ジョーズ」を2部作にしてより濃くしたような面白さ。  「ジョーズ」は鮫に怯えるパニック映画から鮫の恐怖に打ち勝つヒーローものになるが、 「ターミネーター」シリーズは襲い来る恐怖と殺し合うだけじゃなく、恐怖を味方に付けお互いの立場を理解し、絆を結んでいくという力強い内容が醍醐味でもある。昨日の敵は今日の味方。   昨日の敵は今日の味方。  襲い来る暗殺者、 頼りになるスーパーマン、 そんなスーパーマンがピンチだ! 今度は守られる側がスーパーマンを助ける番だ! それに応えてスーパーマンは必ず戻ってくる! 何度でも。 このシンプルを極めた面白さ。  きめ細かなメカニカル描写、 質感のある映像美、 そして人間とロボットの立場を超えた絆・・・最高じゃないか。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-17 11:44:23)(良:1票)
40.  瀧の白糸(1933) 《ネタバレ》 
「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」のフィルムが見つかるまでは、当分この作品が溝口のサイレント期の最高傑作の一つとして語られる事だろう。 誰かが見つけてくれるのが楽しみだ・・・。  この映画が面白くなかったという人は、恐らく状態の悪い物を見てしまったのだろう。 もったいない。  俺の見た奴も画質こそフィルムの状態が悪く荒れてはいたが、弁士の神調子、神BGM。  そして何といっても始めから終わりまで目まぐるしく展開されるストーリー。 飯を喰らい、心と心の交流、そして別れ。  溝口映画でも指折りのファースト・シーンは凄い。  初期の溝口はこんなにも動き、スピード、テンポに溢れ、女の描き方も素晴らしい。 カメラワークが凄いのよ。 馬車の中からのカメラ! “手ブレ”のリズムはこの頃からあったのか! 馬丁とヒロインの粋なやりとりも相まって最高の出だしだったよ。 後半もテンションをほとんど落とさず、ラストの悲しくも凛々しい最後に繋がった。 水面、海、船、溝口映画の漆の藍色。 初期の溝口はクローズアップが多いので、その美しさをじっくり堪能できる。 そこからあの溝口映画独特のロングショットが挿入される時の威力ときたら・・・。  入江たか子のエネルギーに満ちた美しさもそうだが、この頃の溝口は脂の乗り切ったパワーがあった。 岡田時彦の演技も光る。 馬鹿正直な男が一人の立派な人間に成長した様子。 サイレントとはいえここまで違いを見せつけてくれた。 この後も数本の作品に出演するが、残念な事にそのほとんどのフィルムが未だ行方不明であり、すぐに亡くなってしまった彼の実質最後の出演作だ。 他のフィルムが発見される事を切に願う。  サイレントは絵で見せることが勝負。 小説の世界を絵で魅せる事に魂を燃やした描写、そして溝口映画の十八番とも言えるたたみかけるようなセリフ・・・もうね、密度が半端じゃないね。  何より男の心理にも迫った描写も良い。 泉鏡花の素晴らしい原作を、映像でも遺憾無く見せる。  オマケにこの上を行くほど面白かったという「狂恋の女師匠」「日本橋」「唐人お吉」の存在。 もっと凄いのか・・・見たいなあー・・・。
[試写会(邦画)] 9点(2013-12-14 17:46:39)
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