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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  タンタンの冒険/ユニコーン号の秘密 《ネタバレ》 
私が映画オタクになった頃に一躍トップに躍り出たスピルバーグと、その世界を音楽で彩ったジョン・ウィリアムズ。そのコンビが今の時代に、まだこんなにも最前線で勝負できてるって事が何より嬉しい映画でした。今や世の中にCGが溢れかえり、どんなに実写に近づき、どんなに凄いCGを見せたところで「所詮はCG」と思わせてしまう状況の中にあって、スピルバーグはあくまで映像表現の道具としてのCGの見せ方を圧倒的なレベルで見せてきます。全編、CGでなければ表現できない、CGだからこその映像で溢れ、だけどそれは「所詮はCG」ではなくて、CGを使わせたら自分ならここまで見せる事ができるんだよ、っていうスピルバーグお得意の映像の快楽イベントお披露目の世界、最新ヴァージョン。ルーカスやキャメロン、バートンといった、最先端テクノロジーを嬉々として使う人々がCGという技術では数多のクリエイターとの差を見せつけるところまで行っていないのとは違って、ライブ主義、フィルム主義なスピルバーグがCGを道具として使った時にはここまで行けちゃうんだよ、っていう。これまでのサントラの幕の内弁当みたいなジョン・ウィリアムズの音(『ハリー・ポッター』で『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』で、そしてもちろん『インディ・ジョーンズ』で)と共に、この老境に差し掛かった、あるいは老成した人々が創造した映画は、他の追随を許さず凄まじいスピードで疾走し続ける快作でした。まあ、その疾走っぷりは脚本やキャラまですっ飛ばした感は否めませんが。
[試写会(字幕)] 9点(2011-12-04 19:57:36)
2.  ダンボ(2019) 《ネタバレ》 
オリジナル版を元にティム・バートン監督のカラーで思いきり膨らませたカンジ。   実写化されてしわしわリアルな感じのダンボってどうなの?って思ってたけど、やっぱり可愛くて健気で泣けて。ダンボが映るたびに泣けちゃうの。   それに、ティム・バートン監督の作品の常連が多く登場していて、バットマンとペンギンが揃ってるってワクワクしたりして。エヴァ・グリーンは相変わらず綺麗だし。  ヘレナ・ボナム=カーターが出ていないのは残念ね。   ただ、物語の主旋律が動物側ではなくて人間側に移ったこと(オリジナル版と違って動物はあくまでリアルな存在で一切会話しなくなったわ)、物語を現代的に発展させたために結果としてオリジナル版の否定みたいな面が出てしまったことには、ちょっと複雑なキモチ。  「象にとっての幸せはショウビズ界で成功を収めるコトじゃないでしょ?」って、78年の時を経て、価値観も大きく変化してるから、それは当然な流れなのかもしれないけど、でもディズニー作品は他のどの映画にも増して普遍性を持っているだけに、自社の過去作を簡単に更新しちゃうのって、どうなのよ?と思っちゃった。  それは『マレフィセント』や『シュガー・ラッシュ:オンライン』でも思ったことで。トシのせいか、『シンデレラ』『美女と野獣』『メリー・ポピンズ リターンズ』路線の方が好ましく感じるわね。   オリジナル版のファンに対するサービスというか配慮は散りばめてあるけど、ちょっとあからさまだったりわざとらしかったり。  コウノトリが赤ちゃんを運んできます、ってのはナシだけど一応コウノトリ出しときますね、とか、象とはいえ子供の飲酒シーンなんてもってのほかだけど、ピンクの象はアトラクションとして入れときますね、とか。ネズミの衣装を脱がせて逃がすあたりはオリジナル版完全否定ね。   ディズニー作品だし、ディズニー出身のティム・バートン監督だから、そんなつもりは毛頭ないハズなのだけど、なんとなくディズニーという企業に対する自虐的な面も感じちゃったりして(それはディズニーリゾート批判か?みたいな)、コレは一筋縄ではいかない映画ですよ、って感じたわ。   それにオリジナル版の、その先を描くことで現代的に発展させたとは言っても、結局『E.T.』フォーマットの作品なのよねー。『バンブルビー』といい、また『E.T.』フォーマットが流行りだしたのかしらねぇ?   何はともあれ、『ダンボ』とティム・バートン監督のハーモニーの妙味を味わってこそ吉、といったところかしらね。バートン監督のフェティッシュなカラーは抑え気味だけど。
[映画館(字幕)] 7点(2019-04-02 23:07:57)
3.  ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 
震災によって日常が簡単に崩れてしまう事を実感し、原発事故によって放射性物質に怯え、国に国民を安心させる能力が無く政治が国民を欺いているようで信用できない、何を頼り、何を信じて生きていけばいいのか見えてこない、そんな今の日本人の心に合っているような内容の映画でした。正義の味方とは何ぞや?と問うた時の1つの答えが描かれます。法の番人でただ人々を救ってくれるだけの便利な存在に限定されるのではなく、人々の正しさを求める意志を喚起させるもの。無関心でいる事、自分だけのために生きる事から脱却し社会形成への参加を示唆する、そんな奥深さを持った作品でした。もっとも、映画そのものはやや歪な感じが。これまでノーラン作品ってクドくて途中で飽きちゃって仕方なかったのですが、今回は2時間44分しっかり楽しめました。でも、その長さを以ってしても大急ぎのダイジェスト状態。切り過ぎのせいかカットが繋がらずに1シーン内で時間が飛んでしまっている箇所が散見され、登場人物は生身の人々まで含めて神出鬼没、一方で他のエピソードが流れている間、殆ど動かなかったと見受けられるキャラ続出。詰め込み過ぎですね。重層的に描く事で(それは反芻される空と地上と地下のモチーフにも象徴されます)世界の成り立ちを表しているのだと思いますが、層の一つ一つは扱いが軽く薄べったくなってしまった感もあって。アクションをいっぱい盛り込んだ娯楽映画にこれだけの要素を織り込んでいるのですから上手い作品ではあるのですが。蛇足ですがこの映画で初めてアン・ハサウェイをイイと思いました。まあ「ああいうキャラなら誰でも手放しで喜んじゃうクセに」って言われたら反論できませんが。
[映画館(字幕)] 7点(2012-07-27 22:01:19)
4.  ダブル・ミッション 《ネタバレ》 
過去作の映像を流す冒頭から安さ爆発で印象悪く。本編の画も安っぽく、ジャッキーも老けたし、アクションは物足りません。ちょっとしたアクションですらワイヤーで吊ってるのが判ってしまう動きだったりして、もう往年の動きを望むべくもなく。だけど、実はこれが意外な面白さで。ジャッキー映画の永遠の弱点とも思えた物語の魅力、そこを楽しめる作品だったりします。シングルマザーの子供達とのドラマは『ホームアローン』のようなファミリー向けコメディ映画(舞台は『E.T.』や『ポルターガイスト』を思い出す郊外の住宅街)、これまでのジャッキー映画には全くなかったテイスト。昔のようにアクションが映画を動かす事には無理がありながら、アクションスターとしての強力なブランドゆえ、なかなかそこから脱却できなかった訳ですが、今回は肩の力を抜いてお話で見せる映画になっています。3人の子供とのそれぞれのエピソードが微笑ましく、敵役のコミカルな味付けも心地良いヌルさで。ちょっとした感動も入れたほのぼの系は、無理したアクション映画よりもむしろ今のジャッキーに向いているんじゃないでしょうか。見終わって単純に面白かったぁ、って映画でした。ネコと豚が途中でどっかに行っちゃったのが気になりましたが。
[映画館(字幕)] 7点(2010-06-21 15:32:08)
5.  ダンケルク(2017) 《ネタバレ》 
 見る前にはノーラン作品のレビューに毎回書く事を、今回はさすがに書かずに済むと思いました。何しろノーラン作品には珍しく上映時間が1時間46分と短尺ですからねぇ。   IMAXの大きな画面と、いつもより増し増し状態の音響(大手がホンキ出すと音響設備はともかくスクリーンはさして大きくなくイマイチ暗い立川とかチッタとかはあっちゅー間にカスむっていう)で描かれる大迫力、臨場感たっぷりの戦場の世界。CGをあまり使わず(そこそこ使ってます)、実写で描く事で生まれる空気感、空間感覚のリアリティ。  んでも、それもこれ見よがしに全編こってりとノーランの俺様っぷりを見せられ続けると、早々にゲンナリしてきます。   物語性を排除して、ひたすら状況を描いてゆく作り自体は特に問題がある訳ではありません。時系列が入り乱れる作り自体にも問題はないでしょう。問題は、そうしてみせるだけのノーランの実力が本当のところ、どうなのよ?ってトコかな。  とにかく臨場感、迫力、そればっかりで作られたソレには意外なほどに顔が見えてきません。顔つーか表情かな。役者の顔のアップ自体は散りばめられてます。映画にとって重要な要素ですからね。でも、そこに当たり前のおざなりな表情しか見えない、つーか肝心なシーン、肝心なカットで顔逸らしてないか?みたいな。ほんの脇役の眼光まで捉えまくるスピルバーグとは決定的に違うところ(スピルバーグ映画はだから物語的にどうでもいいオッサンの表情がいつまでも頭にこびりついたりしますが)。  それから、3つの時間軸の違うエピソードがクライマックスの一点に集中してゆく、ハズが、その一点が微妙にブレてない?そのせいで散漫になってない?って感じ。民間の船舶が大挙して現れるシーンでの盛り上がりはあの程度のいいのかしら?みたいな。『ラッキーレディ』での民間船舶勢揃いシーンを見習いましょう、って。   全編見せ場の連続っぷりはアトラクションのようで、だけどさすがに1時間40分も続くアトラクション乗りたいとは思いませんわね。スペースマウンテンとカリブの海賊とホーンテッドマンションとセンター・オブ・ジ・アースとタワー・オブ・テラーとレイジングスピリッツを休み無しでまとめて1つで乗りたいか?ってハナシ。思考感覚麻痺させて「凄い体験した」って思わせたいのかなぁ?って感じ。だったら次は上映劇場に炎や熱風が出る装置でも仕込んだらいいわ。ノーランってひたすら即物的な監督よね。   元々ノーランが合わない私(マイケル・ベイと同次元の人と思ってます)、このノーランの俺様節をコッテリと見せられる映画に、結局は今回もまた毎回書くフレーズを書かねばなりますまい。  「長いよ、ノーラン。」
[映画館(字幕)] 6点(2017-09-10 17:04:28)
6.  TAP THE LAST SHOW 《ネタバレ》 
 タップ版『SING』。あるいは『幸せはシャンソニア劇場から』とか。もっとも再生の話ではなくて終焉の話ですか。   冒頭の『傷だらけの天使』オマージュからオーディションあたりまではインチキ臭くも楽しめるのですが、ダンサー達のドラマを描きだすと、途端にハリボテ感が出てしまって、シンドくなってしまいます。それぞれのドラマはありがちでクサくて、もう少しなんとかならないか?って設定のオンパレード。唐突に泣きだすキャラが複数いるあたりの不自然さ、ぎこちなさに演出力の問題が表出している感じがしました。むしろほとんどドラマ抱えてないYOKO(つーか99)の清々しい事。彼女が最も好ましいキャラでしたわ。  伝説のダンサーと言いつつも、伝説っぷりが一切描かれなかったり(杖を暴力的に振り回すばかり)、ラストで劇場主の物語にシフトしちゃったような状態になったり、とにかく描きたい事を詰め込み過ぎちゃった感じで、一体何処がいちばん大切なのか、何処が最も描きたかった事なのかが見えてこない、かなり支離滅裂な状態。萌が実はタップ踏めるとかいきなり舞台出ちゃうとか、意外な展開って言うよりは、雑なエピソードとしか捉えようがなく。一切レッスンしてないじゃん。   でも、ライティングは全編ちゃんとしてましたし、クライマックスのダンスシーンはカメラが必要な画をちゃんと捉えてました。ちょっと観客の表情を挿し込み過ぎではありましたが、シネスコの画角を活用して舞台の複数のダンサーの頭から足元までをきっちりと捉える画が主になっていて、その当たり前の事がキチンとできている映画って感じでした(それができてない映画って多いですからねぇ)。   主人公と劇場主との友情物語、世代を交代して自分達は世界から退いてゆく、そこを中心として、唐突だったり、伏線を回収できずにごちゃごちゃほったらかしになったエピソードの数々をバッサリ切っちゃえば、あるいは良い映画になったのかもしれません。
[映画館(邦画)] 6点(2017-06-29 21:32:47)
7.  大脱出(2013) 《ネタバレ》 
 愚かな配給会社や映画ライターのせいで映画前半の、どこに刑務所があるのかという秘密が明らかになってゆく流れが一切無効になってしまい、無駄に勿体つけただけの展開に。この人達には自分の行為が映画の脚本や演出を意味のないものにしてしまったっていう自覚があるんでしょうか? 業界はこういう馬鹿な連中を平気でのさばらせておいていいんでしょうかねぇ?   さて、じゃあそれがなければ傑作だったかというと、うーん。退屈はせずにそれなり、そこそこ楽しめはしますが・・・。   脱獄の計画を組み上げてゆくシチュエーションはあちこちに疑問符が浮かびますし(あれだけ監視されているのに普通に丸見えの場所で脱獄の会話していたり、ドクターに取り入ってゆく流れなんか、相手のメンタル面に訴えるにしても描写が曖昧で説得力が感じられなくて)、結局最後は力技で解決に持ってゆくので雑だなぁ、と。   それにスタローンの得意技な寡黙な役というのが相変わらず愚鈍な感じで大根にしか見えなくて困ったもので。   シュワルツェネッガーがヘリからマシンガンを取り外してバリバリ!ってところでコレコレ!って感じで気分が盛り上がりはしましたが、じゃあ、スタローンとシュワルツェネッガーで、おお、さすがにこの二人の共演作だけの事はある!ってところまで行ってたかっていうと微妙。  脱獄って言いつつ大虐殺になっちゃうクライマックスの不自然っぷりをもう無理矢理ねじ伏せちゃうようなパワーは既に二人から失われているわけで、それをなんとか演出側で上手く見せる事はできなかったのかなぁ。  この話ならばもう少しキビキビ動けるコンビに演じさせた方が良かったんじゃない?みたいな状態では困ってしまいますね。
[映画館(字幕)] 6点(2014-01-14 21:43:48)(良:1票)
8.  タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら 《ネタバレ》 
ビスタサイズのスクリーンに上下黒のシネスコサイズ、映像と黒の間にかかる字幕、たまに音声が飛ぶという、いかにもブルーレイ素材の映写っていう状態で見ました(そういうのはキチンと告知して欲しいわ)。冴えないオッサン二人が大学生グループに一方的に殺人鬼に間違われ、学生達が次々に一方的に自爆してゆくというスプラッタコメディ。前半はそのバカっぷりに大笑いさせて頂きましたが、中盤になって物語が収束に向けて動きだすとフツーの映画になってしまって。学生達の側にイニシアティブが移り、救出の物語になってからは特に面白い展開というのも無く、また、シリアルキラーの血統なんて流れは古いアタマの作りって思えてしまって。終わってみれば期待したよりも悪い意味でマトモな映画だったねぇ、って感じ。オッサン二人はあくまで巻き込まれる存在で突き抜けたバカに走る事がないので、その分もっと学生や警官の側にバカがいっぱい居たら良かったんじゃないかなぁ。血まみれ映画なのにハッピーなエンディングっていうのも、もっともっと突き抜けてハッピーにした方がギャップが激しくていいのにね。主役二人の小汚いジミなカンジはなかなかでした。
[映画館(字幕)] 6点(2012-06-04 06:39:26)
9.  タイタンの戦い(2010) 《ネタバレ》 
『シンドラーのリスト』コンビが神様だなんて、なんかの冗談かね?って感じだったり、元々オリジナルは設定だの物語だのではなくて、ハリーハウゼンの創り出した世界の独自性こそが作品のアイディンティティーだったワケで、それを今の「横並びで何を描いても同じですよCGワールド」にしちゃったら、なーんの意義もないんじゃないの?と思ったり。結構眠い映画です。『パーシー・ジャクソン』と思いっきりネタカブリしてるし。キャラが沢山出てくるのですが、みんな存在の意味も見せぬままにどんどん死んで、思い入れもなく退場って状態で。ポロポロいなくなっちゃうの。展開の超早いゲームみたい。メデューサなんて、オリジナル版の怖さに比べたら全然だし、メカフクロウあれだけで終了だし。あと、2D撮影で後から3Dに加工してるので、一部3Dに不整合な画があって目がおかしい?って感じる部分が。んでも、クライマックスのクラーケン戦だけは3D効果と独特な視覚効果とハデな音響とで、まるでテーマパークのアトラクションみたいで楽しめました。そして、終わってみればそこだけで、全てが既視感だけで組み立てられていた『アバター』よりはほんのちょっぴりだけ面白かったわ、みたいな。なので6点なのです。あれで椅子が揺れたら最高なのにね、と最近立て続けにUSJ、ディズニーシーに行った私は思ったのでした。
[映画館(字幕)] 6点(2010-04-26 13:55:57)
10.  ダンスウィズミー(2019) 《ネタバレ》 
 『さよならくちびる』おバカバージョン、みたいな映画だったわ。   矢口監督の映画、『ひみつの花園』から『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』までは好きなんだけど『ハッピーフライト』『ロボジー』あたりからあまり楽しめなくなって。   矢口監督の映画につきものな「いい加減な人びと」、それが高校生ならば「おバカねぇ」って笑っていられるのだけど、オトナとして仕事をしている立場で「いい加減な人」だと、とても楽しんで見てはいられなくなって。  そのいい加減さが物語を動かしてゆくって、不安感、不穏な雰囲気を漂わせてしまってストレス抱いちゃう。  今回の映画もそうで。だからまごうことなき矢口監督作品ね。   その上、歌って踊る映画なのだけど、普通のミュージカルがキャラクターの心や気持ちをそのまま歌や踊りで表現しているのに対して、この映画の主人公は意思に反して、不本意ながら歌って踊ってしまうわけ。それって見ていてあまり気持ちイイとは思えないのよね。  その姿を見て笑うというのを意図しているのワケなんだけど、主人公にキモチを移して見ていると、苦痛に思えて。苦痛なミュージカルシーンって、そこまで意図してたのかしらねえ?   『レ・ミゼラブル』のファンティーヌや『アナと雪の女王』のエルサ、最近では実写版『アラジン』のジャスミンの熱唱は決して楽しいキモチを歌ってるワケじゃなくて、苦しみの中で心から湧き出る想いを歌ってる、でも、コレはそれとは意味が全然違うワケで。歌うのは昭和な既成曲ばっかりだしね。  不穏な雰囲気で進む苦痛なミュージカル、うーん・・・   ミュージカルに抵抗がある人こそ楽しめる作品ということなんだけど、ミュージカルに慣れている身からすると(ヅカ好きだし)、ミュージカルの良さってところからは遠く離れた作品、ミュージカルへの入門にはなりそうにないカンジ。  そこを体験したければ素直に現在絶賛上映中の『アラジン』を見なさい、みたいな。   主人公の姓が「鈴木」だとか、嘔吐シーンがあるとか、監督の作品の烙印は登場するけど、そういうのはワリとどうでもいいわ。伏線やエピソードの回収をちゃんとせずにほっぽりっぱなし、投げっぱなしの悪いクセも相変わらずよ。   『旅立ちの島唄』や『グッモーエビアン!』の頃は透明感のある少女だった三吉彩花はすっかり美しいオトナになって、存在感もあって、良い女優さんになったわね。でも監督はこの映画のオーディションまで彼女の存在を知らなかったそうで、他の人の作品って意外と見ないモノなの?   舞台では実績も人気も十分なのに、映画では何故か不毛な日本のミュージカル、残念ながらこれもそのジンクスを破れる映画ではなかったわ。っていうか、監督、ティーチインでは昔からミュージカル好きって言ってたけど、ホント? 群舞は俯瞰で、ダンスは全身を捉えてステップを見せてこそ、なのだけど、そこら辺、ちゃんとしてたって言えるかしら?
[試写会(邦画)] 5点(2019-06-21 20:34:29)
11.  鷹の爪GO 美しきエリエール消臭プラス 《ネタバレ》 
 キャラネタは相変わらずの面白さなのですが、今回はその凝ってみました的な物語の背景設定が「ぼくがかんがえたSF超大作」みたいな中二臭さ炸裂で、ちょっと置いていかれ気味。   クライマックスの泣かせにしても吉田くんが褒めるような総統の人間性っていうのが、実のところこの作品でも過去作でもそういう風には伝わってきてなくって、なんか一方的に送り手側が酔い痴れてません?って感じがしてしまって。   っていうか、今回泣かせを入れ過ぎ。『鷹の爪』で泣かせなんてのはイレギュラーというか、ネタの1つ程度の存在でいいと思うんですけどねぇ。   大体、前半はオキテマス・スマイルとヨルニーがメインだったのに、クライマックスになると完全に鷹の爪団に話が移って、ヨルニーなんて最終的に何処へ行っちゃったのやら、って状態で。   これまでの作品にあった時代を反映するネタが減り、凝った設定と鷹の爪団(特に総統)への過剰な思い入れがどうも間口の狭い作品にしてしまった感があって、一方でバジェットゲージの存在は映画を引っ張るためのマンネリな手段と化し、ここに来て『鷹の爪』も曲がり角に来たのかな、って感じがします。   やっすいフラッシュアニメだからこそできる事、そこを見失ってゆくと存在の意味がなくなってしまうと思います。こういう物語自体はもっと上手く作れる人が幾らでもいるのですから。
[映画館(邦画)] 5点(2013-09-20 21:53:19)
12.  ターミネーター:ニュー・フェイト 《ネタバレ》 
 『ターミネーター』の1の原理主義者で2は要らないと思ってるアタシにとって、『ターミネーター』って1と4だけでいいと思ってるのよね。T2、3、新起動、そしてコレは単なる1の亜種。同じところをひたすらグルグルしてるだけで先に進もうとしてない(3はT2で血迷っちゃった道を元に戻す役割を果たしたって功績がありはしたけど)。それより4の続きを見せてよ、って。   なんか色々言いたいコトはあるんだけど、そうね、いちばんひっかかったのは緊張感の無い画が多過ぎるコト。コレは『ターミネーター』の映像です、なんてとても思えないような腑抜けた画がいっぱいよ。呑気なロードムービーみたいなユルい画だらけ。キャメロンが関わっていながらこんな画しか撮れないってどゆこと?   それにキャメロン独特の似非フェミっぷりね。女は男と同等でいいという、あくまで男基準の女性像。今回は「本物の男」がほぼ物語に絡まないゆえ、女性の映画的に見えつつ、みんな男の代替品みたいな状態でしかないわ。キャメロン毎度のマッチョイズム映画よ。   映像的には更新されつつも(でもそんなにお金かかってるようには見えない程度のスケール感ね)、お話的には旧態依然とした出涸らし状態、もはや『ターミネーター』ってコンテンツからは新鮮な面白さは何も生み出されないのかしら?   キャメロン自身が『ターミネーター』の世界の理論をキチンと定義・理解してない、ってのはT2時点で思ったのだけど、今回コレで更にハッキリしちゃったのが情けないわねぇ・・・
[映画館(字幕)] 4点(2019-11-10 16:05:46)
13.  旅猫リポート 《ネタバレ》 
 見終わってひたすらつらいだけの映画で困っちゃった。   お客さんを泣かすように作ってあるんだけど、泣ける映画はいい映画、というわけじゃないからねぇ。   予告編で物語はある程度予測できるのね。で、その予測通りなのだけど、更に背景にはもっと色々あって、そして主人公の境遇に対して、果たして物語は、映画は、メッセージは、それでいいの?って疑問に思ってしまって。主人公、もう人生猫だけ。ひたすら不幸。しかもその猫に対してすら不幸。それでも猫のナナと過ごせて良かったね、ってそれ、本当に良かった? 猫を残してこの世を去る事の無念、それがどれだけ不幸な事か。   つまりこれ、アタシのような独り身の猫飼いに対して冷や水を浴びせてくる映画ね。  日頃、感じてる不安、つらさ、十分自覚しているつもりのそこを改めて嫌らしくつついてくるようなカンジ。映画にいじめられてる?みたいな。   で、アタシこの映画、後半かなり経つまで「ナナとの旅」がひとつの旅だと思い込んでたわ。叔母さんがナナを飼うために転職して、って、だったら最初から旅に出る必要なかったんじゃ?・・・ってもしかして、その旅は何回かに分かれていて、いちいち時間が経過してる?みたいな。いや、ちゃんと注意して見てれば、ひとつの旅で富士山冠雪しててひぐらし鳴いてて菜の花咲いてるワケないんだけどさ、こっちはナナばっかり見てるっての。  そういうところの構成がダメだった気がするのね。何年前とか何年後とか字幕を出すパターンもあれば、断りなくいきなり時間が戻ったり飛んだりするパターンもあって、その上、旅には区切りを付けずに出っ放し状態に思わせて。わざわざ混乱させたかったのかなぁ?   猫のナナはとても可愛くて、他に出てくる猫たちもみんな可愛くて、だけどそんな猫が不幸なことになっちゃうとしたら?って悲しみとか不安とかを投げかけてきて(ハチは大体5~7歳くらいで死んじゃったのよね・・・)、それでいい映画を見たわ~、なんて気分になれるワケはないのだった~。つらいわ~。
[映画館(邦画)] 4点(2018-10-28 19:34:37)(良:1票)
14.  ターミネーター:新起動/ジェニシス 《ネタバレ》 
 「審判の日を回避するだとぅ? 『2』の愚行を再び犯すのか!」と予告編見て憤懣やるかたない状態だった『1』至上主義な私ですが(なので個人的には『2』よりも『3』や『4』の方がまだマシ)、本編見たらそれ以前の問題でした。どんどん別の時間軸が生じて、どんどん書き換え可能です、って設定にしたらさ、もうなんでもアリだっての。そんなもん、幾らでも作れちゃう。   映画は二次創作みたいな状態です。『1』と『2』の事が大好きなオタクが妄想爆発させました、みたいなシロモノで、その両作の設定をひたすら弄ぶばかり。物語は『4』以外の定型フォーマットに則って毎度おなじみの事してます、って状態。何か新しい事をしたか、と言えばその都合のいい設定をした事と、今回の敵が(既に予告編時点でネタバレしてるので書いちゃいますが)ジョンだって事くらい。それだって過去の設定を弄んだだけですけどね。  T-800が老けてる部分を始めとして「むしろファンとしてこのオマージュから来る面白味を共有してね」的な甘い作りが目立ちます。でも、そのワリにそこはおかしいんじゃない?って部分もあって。カイルがジョンから貰ったサラの写真は途中で燃えちゃうハズじゃなかった?みたいな、そもそも『1』と比較してズレてる部分があれこれあるんですけど?って点があって。  大体、シュワT-800の顔にはとことんこだわってるクセになんでサラとかジョンとかカイルとか似てなさ過ぎなん?   でも今回最大の問題はキャラにちっとも魅力がない点ですね。T-800は単なる過去作のパロディキャラの域を出ませんし、サラはこれまでと別の第三の人格として登場しますが背景がややこしい事になっているので背負ってるものの重さが見えてきません。カイルに至っては一切の影が無くなってただの短気なおっさん。T-1000は単なる咬ませ犬で「これでもか」っぷりがとても希薄。   色々なシチュエーションを並べて「これって面白いでしょ?」って見せつけてくる感じですが、キャラに魅力がなくて、どうとでもなる設定では危機感も希薄になって、もう『ターミネーター』の世界で遊んでます、って感覚。   謎を残して更なる続きの予感を示して終わりますが、この物語に延長線を引っ張ったところで同じ事をダラダラ続けるばかりになる気がするんですが。  未来に向かうとか言いながらひたすら過去に囚われ続けてちっとも未来に進んでいかない皮肉なデキの映画ではありました。
[映画館(字幕)] 4点(2015-07-10 22:06:49)(良:3票)
15.  ダイ・ハード/ラスト・デイ 《ネタバレ》 
【ネタバレ注意:鑑賞後にお読み頂いた方がいいと思います】   『1』から『4.0』まで全て先行上映で見ていて、今作も初日に(今回は先行が無かったので)勇んで見に行ったのですが・・・   ※もはやアレをジョン・マクレーンだと思う方が難しいです。一般の犠牲者を大量に出したって構わないって姿勢はただの凶悪なハゲおやじ。それ、ニューヨークが舞台でも同じようにできた?   ※これまでのシリーズが全て2時間超なのに今回はタイトな98分、単に見せ場の数が少なくなってスケール小さくなってますって状態なんですよね。話は『4.0』の前半45分くらいに『3』のラストくっつけたようなモノ。画面もシリーズ初のビスタサイズって事で縮んじゃったし。この程度で『ダイ・ハード』の看板ぶら下げちゃうのもねぇ。『小・ハード』とか『ダイ・ソフト』とかでいいんじゃない?   ※「親として間違ってた」ってセリフを立ち聞きする事でドラマが成立する、なんて考える脚本家がそもそも残念な存在なのかな。   ※クライマックスのオチの映像を予告編やテレビCMで流しちゃう配給会社は最低ですけど、そもそも見せ場がソレしかないような状態なのも事実なワケで・・・。   ※つーか、大きな二か所の見せ場がどちらも同じネタです、ってどんだけ芸無いの。ヘリ相手に落下。どちらも平面的な縦スクロールアクションでファミコンのゲームみたいですよ。『忍者くん』か? 『うる星やつら ラムのウェディングベル』か?   ※『1』の魅力って小物なの。色々な小道具・小ネタに通った血がドカーン!って一大事と対比されてスリルやサスペンスやドラマを生んでたの。靴とか、フォトスタンドとか、クマのぬいぐるみとか、クリスマス柄のテープとか、ロッカーに貼られたヌードグラビアとか、生垣の植物のトゲとか。  だけど『2』以降はそれを軽視しちゃって、そしてこの作品で行くとこまで行っちゃった、とにかく壊したり爆破したり殺したりすればそれでいいんでしょ?って。  いやそれならシュワでもスタローンでもラングレンでもヴァンダムでもセガールでもベレンジャーでもリーアム兄さんでもいいんだってばさ・・・
[映画館(字幕)] 4点(2013-02-17 00:04:09)(良:1票)
16.  タイタンの逆襲(2012) 《ネタバレ》 
飽きたわぁ。だって前作と基本は同じなんだもん。冒険の旅に出ました、怪物にどんどん仲間が殺されて人が減ってゆきました、最後はデカいラスボスと対決です、って。前作で批判された部分に対して特に配慮する事もなく、義務的に続編作ってみました、って感じ。どうせ物語は大して面白くないのだから、せめて怪物関係を充実させて欲しかったところなのですが、これは明らかに前作に及びません。だって映像が揺れ過ぎでディティールよく判らないんだもの。何やら獰猛そうなのが無闇に暴れてます、って映像ばかりで、具体的にどんな恐ろしさなのよ?っていう描写が欠けてしまっていてガッカリ。怪獣映画的な溜めは必要だと思うのですが。その点、ラスボスはデカい分、ゆったりとした動きでその姿をしっかと見る事ができます、けれど、このラスボス、単にぼーっと立ってて腕を振り回すだけってゆー。攻撃が溶岩飛ばしのみ。前作ボスのクラーケンのアトラクション的映像に比べるとかなり地味になっちゃった印象です。3Dは前作に比べると良くなりましたし(前作は距離感が破綻しちゃってる箇所があるようなレベルでしたからねぇ)、「3Dのキモは主観での移動ショット」っていうのは判っているようですけれど、延々とソレで通す訳にもいきませんからねぇ。せめてせめて、父から子へ、更に孫へと世代が移ってゆくドラマ、そこだけでもキチンと一本筋を通してくれていれば良かったんですけど、それが描かれるのってほぼ冒頭とラストだけですし。なんか娯楽映画シナリオ作成ソフトに要素ぶち込んで組みあがったような、色々な「魂」が足らない感じの映画でした。
[映画館(字幕)] 4点(2012-05-16 07:07:11)
17.  TIME/タイム 《ネタバレ》 
時間に支配されるという設定はとても面白いのですが、なんともユルユルな映画でして。映画の中で発揮される力のベクトルが曖昧で、色々とハンパな状態であると思うのですよね。アンチユートピアの基本設定がちゃんとSFとして昇華されていない、徹底的に細部のディティールまでを設定していないから、それおかしいだろ?って箇所だらけになっちゃう。時間を通貨として単純に置換し過ぎなんです。この『銀河鉄道999』的テーマを抱えた作品は、「限りある命の物語」のハズが資本主義経済に対する疑問のようになってしまい、反社会的分子の物語へと堕してしまっているようで。それとて、そちらに突っ走りきれてなく、SFにもファンタジーにもなれずにあちこち曖昧。限られた時間が生み出すギリギリのサスペンス、っていうのも時間の扱いが意外と雑なので、唐突に訪れる危機!の繰り返し。階層によって区切られた地域、あれが、じゃあ具体的にどのような地図を描いているのか、そこを追う者、追われる者がどのように移動する事になるのかも、もう全然把握させるように描かれてはいない訳で、追う側のベクトル→に対して、追われる側が同一方向→に銃撃してみせるというマヌケなミスショットにも象徴されるように、物語がどこを目指すのか、どこに向って突き進むのか、もうヘナヘナな状態。ロボット出しただけ、宇宙船出しただけでSFにはならないように、雰囲気だけでSFにはならないのよね。でも、アマンダはステキざんした。あの髪型はどーかと思うケド。
[映画館(字幕)] 4点(2012-03-25 15:49:49)(良:2票)
18.  探偵はBARにいる 《ネタバレ》 
まず、ミステリーとして成立していません。最初から電話の相手が誰なのかは明白なので、大泉洋がどれだけ振り回されるのかをイライラと眺める映画、というカタチでしか見られないワケで。次にダラダラと長いです。エピソードはもっと整理されていていいと思います。そもそもミステリーとして成立していないゆえに、勿体付けてミステリー要素を描く部分は全くのところ無駄なのですから。それから松田龍平とのバディもののように宣伝していましたが、彼はあまり物語に関わって来ずに微妙な存在。更に西田敏行は映像の情報からだけでは大変に胡散臭いオヤジにしか見えず、いい人だいい人だってセリフで説明されてもねぇ。大泉洋の暴走はそこに至る感情の描写不足でいちいちただのヒステリーにしか見えないし。そして、センスの古さがどうにもこうにも。悪い意味で大変に東映らしいです。暴力団が出てきて殴り合い、発砲しまくり、って。今時、ひたすら暴力団話な映画を延々と見せられるのも、ちょっとレトロな感じで懐かしいかな、とも思いますが、まあ相当に時代遅れです。大泉洋の、クサいモノローグがギャグとしてしか成立しない状況で、だけどそれがちゃんとギャグになっておらず、半分シリアスになっちゃっているって点も何やってるんだか、って感じで。なんか、最近、明らかにセンスが古いモノを古いままに出してくる邦画っていうのがあって、ギャグとかレトロ趣味とかではなくてマジっぽかったりするので、そういうのに一体どう反応すればいいのだか、ちょっと戸惑ってしまう私ではあります。小雪の店の色調及び小雪の服装の色の変化、っていうところに映画的ゲージツポイントがあったりするのですが、そういうところを評価したところで、映画そのものの価値が向上したりするモンでもねーでしょーよ。雪をね、もう少し映画のカラーを決める要素として上手く使ってたらねぇ。
[映画館(邦画)] 4点(2011-09-16 21:32:32)
19.  食べて、祈って、恋をして 《ネタバレ》 
見る前からゲンナリって感じの映画で。だって、どう考えても他愛ないラブストーリー、それが何故か2時間20分てんこ盛りって状態なワケですから(スイマセン、コレ、単にシネコンのマイレージ稼ぐためだけに見ました)。で、実際に見たら、コレが意外にも・・・思ってたよりもっとダメで。主人公がとっても自分勝手な人間で(アタシは悩んでガマンしてるのよ、って言いながら、一方的に離婚決めたり、さっさと他の男とデキたと思ったら、すぐまたイヤになって捨てたり)、だからもう何も共感を抱く事なく進んでゆくワケですが、事もあろうに、結局彼女の出した結論は、もっと個人主義に走りましょ、って。いやいや、アンタ、これまで十分に勝手気ままに生きてきてますよ?とツッコミ。しかも、結局彼女はどの土地へ行っても、英語圏の人間とツルんでるばかりで、その国の文化をちゃんと受け止めてる訳でもなく。彼女の暴走する自己愛のダシに使われた男達や各国の人々や神様が不憫で仕方ネーや。いやいや、判ってますって。コレは女性向けのファンタジー。美味しいもの食べて、美しい風景眺めて、イイ男達とのアバンチュールを堪能しましょ、って。オッサンが口出しするだけヤボってもんで。ほぼ女性客ばかりで埋まった六本木のシネコン、土地柄ゆえに、英語圏のオバサマ達で溢れ、彼女達の大袈裟なリアクションもセットで見たら、まあ、それはそれで楽しめたかな、と。何しろ、若い男のお尻に大ウケだもの。
[映画館(字幕)] 4点(2010-09-22 14:13:48)(笑:2票) (良:1票)
20.  ダーリンは外国人 《ネタバレ》 
原作はアメリカ人の夫との文化の違いから生じる日常の笑いを綴ったエッセイコミック。その淡々とした語り口そのままに映画化する事は困難でしょうから、映画は山あり谷ありの物語になっています。だけど、中盤以降、ダーリンは外国人であるというこの作品のキモ、アイディンティティそのものが消滅してしまっているのはどうした事でしょう? 親に結婚を反対され、二人の仲もぎくしゃくしてって、それは別にダーリンが外国人でなくても成立する物語なんです。男女間の普遍的な物語、ちょっといいカンジのよくあるラブコメディ、それは少なくともこの題材に対して相応しいスタイルではないと思うのですが。漢字オタク、日本語オタクなダーリンという側面も、単発のネタでしか描かれないために、そもそも何が面白いのかが原作を読んでいないと判らないというヘンな映画でもあり。っていうか、そもそも原作は夫婦を描いているのに、この映画では結婚に至る以前の状態を描いていて、だけど違った文化を持った二人がどう知り合い、どう付き合うようになっていったか、ってところに関してはすっ飛ばしてしまっていて、見たいところは全く見せてくれない映画だったりします。『ダーリンは外国人』なのに、ダーリンの事はちーっとも描かず、日本人の側ばっかり保守的で封鎖的で感情を表さず、みたいに内省を促すように描くヘンな映画で困ったもんだなぁ、って。外国人向けの英語字幕付き上映で見たのですが、映画そのものが全く外国の人向けにはできていないので、ちょっと恥ずかしい気がしました。でも、それはつまり私が日本人である事を意識したワケなので、それはそれでこの映画の意味はあったのかな?
[映画館(邦画)] 4点(2010-06-04 21:30:36)
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