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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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21.  遠い太鼓 《ネタバレ》 
西部劇としては異色のアリゾナの密林を突き進む冒険活劇。 案外「インディ・ジョーンズ」の元ネタってコレだったりして。  一見すると単なる娯楽映画にも見えるが、ストーリーで描かれるテーマにはインディアンと白人の対立と和解など無視できない要素が転がっている。  「ダンス・ウィズ・ウルブズ」もインディアンに向き合った作品だったが、「ビッグ・トレイル」や「遠い喇叭」「死の谷」でインディアンを絡めたストーリーは先見性のある内容だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-18 17:30:57)
22.  となりのトトロ 《ネタバレ》 
田舎の原風景がアニメの中に生きる「トトロ」。 宮崎駿の数ある傑作の中で、「トトロ」はもっとものびのびと、もっとも自然豊かな映画ではないだろうか。 説教臭い部分もほとんど無いし、とにかく広い大地を走り、飛び回るような解放感がある。 そこに日本家屋の居心地の良さ、夏のほどよい暑さ、水の冷たさ・・・そういう無機質なCGでは味わえないぬくもりが映像の中に溢れているんだよなあ。劇中に流れるノスタルジックな音楽と共に。 「さんぽ」の音楽と共にメイたちの行進が始まるオープニング。 劇中のメイたちはオープニングから歩いて走って叫んで飛びまくる。 メイと小さなトトロたちの追いかけっこ、惚れた女に傘を黙って渡し去っていく男気、夜空に傘で舞う巨躯、母のために泣き叫びそれに応えるトトロと猫バスの爆走振り。 のどかな田舎に引っ越してきたサツキたち、サツキたちを案内する清太との出会い。清太はこの時、既にサツキに恋に似た感情を抱いていたのだろうか。 普通ボロ家だと苦い顔をする人もいるだろうけど、サツキたちは「これから自分達の家にするんだー」とワクワクした表情で家の探検にでる。大声は威嚇、恐怖を薄れさせるための自分への鼓舞。 ボロボロの柱も、二人にとっては自分達を迎えてくれる遊び相手になってしまう。 まっくろくろすけは群れをなしてサツキたちに住処を“譲って”行く。 だって「出ないと目玉をほじくるぞー♪」なんて言われたら逃げたくもなるわww 手足の“すすわたり”は子供にも大人にも「夢だけど、夢じゃない」。 雨の中バスを待つシーンはちょっとホラー。 眠りそうになるメイをおぶり、サツキは独りきりで父を待つ。そんな時にいきなり巨大な爪を持った怪物が横に現れるのだ。その怪物が数分の傘のお礼に雨を「どしんっ」と止めてくれたりサツキを助けてくれるのだから素敵じゃないですか。傘を開く瞬間にビクッとなるトトロが可愛い。 “めい”目掛けて電線や田園を風のように駆け抜ける猫バスの疾走感!愛情のこもった「ばか」の一言、直接母親に会う“楽しみ”を待つ事にするサツキとメイの成長もちょっぴり描かれる・・・夏にもう一度“不思議な出会い”をしたくなる映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-31 10:56:31)(良:1票)
23.  泥棒成金
ヒッチコックファンには不評な本作ですが、「ヒッチコックの作品」として見なければ普通に面白い作品だと思うのですけど。「シャレード」が好きな私にはヒッチコックのコメディタッチや「めまい」を思い出す凄いカーチェイス等かなり楽しめました。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-25 12:57:46)
24.  戸田家の兄妹 《ネタバレ》 
サイレント時代は漲る若さで撮った「大人の繪本 生まれてはみたけれど」、 そしてトーキーにおける小津の最高傑作は、個人的に「戸田家の兄妹」あたりだと思う。 小津の作品と言うと説明的で説教臭い話が多く、俺のような人間にはまず肌が合わないタイプ。 そんな俺でもこの「戸田家の兄妹」は良い作品だと思ったよ。メッチャ良い! 「東京物語」ほどかったるくないし、何より家族が崩壊していく様子をストレートに描写していくところに惹かれる。 突然の死や老いた家族のたらい回しなんか「東京物語」より残酷さを感じた。 戦前の映画で家制度の崩壊をここまで辛辣に描けたのは、家族を何十回と描いていく小津だからこそ出せた答えだ。 葬式の後に遅れてやって来た昌二郎は、正に家族への怒りをストレートにぶつける代弁者。江戸っ子人情を噴出させる小津のな。 「食うや食わずの人間だって、親と子の関係はもっと暖かいもの。どれもこれも一つの腹から生まれながらこの有様はなんだ!」 こ の 有 様 は な ん だ ! ! 「人が何と言おうとそんなこと構いやしないよ、対面だとか体裁だとか、世間体とか、そんなことじゃ何にも出来やしないよ。」 何故だろう・・・説教臭い匂いが無い。だって誰もが思う怒りがここに集約されているもの。 良い意味で小津の「家族」描写が完成された作品。唐突なラストもまた意味深だったりするのかも。 斎藤達雄はこれと「宗方姉妹」を最後に小津作品に出なくなってしまった。もう少し見たかったよ・・・。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-08 10:16:38)
25.  ドリーの冒険 《ネタバレ》 
茂みの向こうから駆けて来る少女、それを見守るように現れるその家族たち。 変な壺?を売りつけて来るオジサンを突っぱね、それに盗んで返答しようとして家族のお父さんにひっつかまり殴られ追い返される。  妻の静止を振り切る横暴な夫、親娘の無邪気なバトミントン?テニス?、眼を放した瞬間に背後から襲い掛かる報復者!  野の中を走り丘の上へ登り下っていく「おっかけ」、閉じ込める隠蔽、捜索、馬車をブッ飛ばす逃走。カーブを曲がり、水辺を突き進んだ瞬間に“さらわれ”流されていく流転。ガバガバじゃねえかおめえの馬車!  後の「東への道」では氷漬けになり“動かない”はずのものが砕け流れ始めるスリルになる。 向きを変え、小さな滝を降り、どんぶらこ、流れ着いた先で釣り上げ、駆け付け、抱きかかえるもの。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2017-05-27 01:33:27)
26.  どっちにする? 《ネタバレ》 
様々な絵コンテ、レジにぎゅうぎゅうづめになった3人の店員、リンゴと電球、虫の意外な選択にコッチも破顔だ。  月の床屋と歯医者、髪をかきむしり虫歯を気にする子供、木の前で行ったり来たり、電球はどんどん割れる。  晴れたり曇ったり、つ「折り畳み傘」、音に恐怖して逃走、美味そうなパン、電球を首に巻く犬。  なんだか「パクシ」の絵が可愛いver.みたいだ。  脚立は倒れ、ヤカンは沸騰し、アルマジロはドアを突き破る。恐竜は街を歩いて石ですっ転ぶ。 髪をイメチェン、アテにならない天気、武装して襲撃、恐竜も虫歯、ドアは破損し、縄跳びは速度をあげる。
[DVD(邦画)] 8点(2016-08-29 21:30:16)
27.  東京の女 《ネタバレ》 
田中絹代は「非常線の女」の役よりもこの映画の役の方がしっくりくる。確かに今作は作品としての出来はあまり良いとは言えないが、細かい演出とかが気に入っている。  酒瓶、少しずつスライドして釜、食卓の朝の風景に。 靴下には穴が、足袋と靴下が干してある、煙、息子が出かけると母は割烹着を放り投げて化粧を始める。  着物の上にコートを羽織る出で立ちは「非常線の女」の水久保澄子を思い出す。  名簿、警察・聞き込み、タイプライター、突然現れる洋画のクレジット。どうやら映画館のようだ。劇中で映されるのはエルンスト・ルビッチ等が参加したオムニバス「百万円貰ったら」のオフィスでの仕事風景。 トーキーの映画をサイレントで流すというのも不思議な感じ。  そして唐突に「東京の女」の違う場面に切り替わる。壁にかけられた警察のサーベルと手袋。 よからぬ噂、疑惑、噂を聞いて「信じられないという」表情、「私だってこんなこと言いたかないわ」という表情、泣きそうになるのを堪え切れず出ていく。男も着物を投げ出し、涙を瞳にためる。  何処かの化粧室、ケバいメイクをする女性たち、電話、噂は真実となって観客の前に叩き付けられる。結ばれた髪はほどかれ、男を誘う女の表情。この変貌振りは岡田嘉子の流石の演技。 近寄る手を振り払い、最愛の姉を引っぱったかねばならない辛さ、頬にやる腕を何度も何度も、涙を流しつつ。   鏡を見て弟にぶたれた跡を悲しげに見つめる。打ちのめされて夜道をトボトボ歩いていくあしどり、傍らで静かに燃えるランプの灯は消えかかる。 「百万円貰ったら」のパンフレット、しかしゲイリー・クーパーはカッコ良いなあ。「晩春」でも名前が出るくらいだし、小津も好きだったんだろうな。 電話の知らせを入れる小僧、時計屋、凶事を告げる電話。 あの瞬間の髪を乱し気味、ショックを受けた田中絹代の表情がとても良い。顔を見た瞬間に突っ伏して泣き出す。 記者に質問責めされる姉、泣きっ面に蜂ならぬマスゴミ、薄気味悪い表情で素晴らしく殴りたくなる。 姉は「このくらいのことで死ぬなんて」と嘆き悲しむが、弟はそれほどまでに姉を信じ、愛し、心の支えにして生きてきたのだろう。冒頭の煙が再び映しだされる。 道を歩く記者は電柱の記事を読み、笑いながら去っていく。
[DVD(邦画)] 8点(2015-07-30 15:57:02)
28.  突貫小僧 《ネタバレ》 
フィルムセンターで鑑賞。  いきなり「人攫いの出そうな日である」という出だしからして既におかしい。 悪い顔で現れる斉藤達雄、遊ぶ眼鏡の子供に声をかける、顔芸をかましまくる達雄。とうとう体全体でパフォーマンス、通りかかった女性も思わず笑って去っていく。  パンを買いそれにかぶりつく子供、それを取り上げると泣き出してしまう、泣く子供を黙らせるために色々と買うハメになる達雄。 警官にも仲の良い親子くらいにしか見えないのだろう。付け髭だった事がバレる、髭を取ったらただのイケメン、子供に付け髭をつけたり。  泣き出す子供、人攫いの親分?のところに連れて行く10円ハゲだらけのオッサン。ハートマークだらけの襖、松之助って尾上松之助?  オッサンに食べ物や飲み物をガンガンすすめる子供、「やめなさい」とぶっ叩いて叱る、撃ったおもちゃの矢が10円ハゲに命中ww  水鉄砲にたじたじ、桶でガード&叩きつける、尚もおもちゃの矢を打ち込み知らんぷり、あまりにもやんちゃなのでさらっておいて「捨ててこい」と言い出す親分。 一応お辞儀してお別れ、情が芽生えてしまう達雄、おもちゃも置いて一人寂しく・・・と思ったら自分たちも買ってもらおうと子供たちに追いかけまわされるwwwもう子供は懲り懲りだ~
[映画館(邦画)] 8点(2015-07-28 16:56:50)
29.  ドラゴンボール 最強への道 《ネタバレ》 
俺が最初見た「ドラゴンボール」は恐らくコレがはじめて。 BSで放送していたのを子供の頃見て、ドラゴンボールというものを知った。 今見ても、絵柄的に初期よりもサイヤ戦以降の方が好きなんだよねえ。ブルマの寝巻き姿エロく描きすぎだろスタッフ(笑) あとヤムチャもちゃんとイケメンに描かれていた。ヤムチャの終盤の扱いの酷さを思うと、何故か涙が・・・。  ストーリーはレッドリボン軍との戦いまでで物足りなさを感じるが、まとめるならおこまでが限界だろうか。「ドラゴンボール」を初代から劇場で見てきた人にとっては、原点回帰?とも言えるこの作品は凄い懐かしかっただろうね。 はっちゃんとのエピソード、ブルマのエロさ、「DANDAN心魅かれてく」を聞く分にはDBファン必見の内容。
[地上波(邦画)] 8点(2014-12-28 21:05:14)
30.  トータル・リコール(1990) 《ネタバレ》 
シュワちゃんが何処の誰だろと知ったこっちゃないSFアクション映画。  現代にも通じる記憶改ざんといった衝撃的な内容も、火星のB級チックなセットとシュワちゃんの暴れぶりで「どうでもよくなりそう」だ。  フィリップ・K・ディックが偉大すぎた。  ラストの二人の顔が壮絶すぎて泣いた。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-11 08:06:51)
31.  トランスポーター 《ネタバレ》 
これまたどうしようもない馬鹿映画だが、嫌いではない。 どんな品でも命懸けで運ぶ運び屋フランク・マーティン。 自分に課した3つのルールで動くフランクだが、一度ルールを破れば何でも破る。 依頼主のドアをブチ破るのも朝飯前だ。 出会ったばかりの女がいきなり服を脱いで主人公と一緒にベッドへダイブ! 主人公も精力爆発! 馬鹿なのか。 ド迫力のカーアクションは見ごたえ満載。 「TAXI」シリーズのリュック・ベッソンも製作に関わる腕の冴えだ。 「依頼人」と「請負人」。 二つの立場の駆け引きは中々楽しめる。 愛車が吹き飛ぼうが水没しようがフランクは気にしない。  タフな野郎だ。 そこがいい。 美味しそうなオランジーナに免じて8点の佳作を献上。こういうのは嫌いになれない。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-04 23:34:59)
32.  東京行進曲 《ネタバレ》 
溝口健二の初期のサイレント映画。  当時の東京の様子を上空から拝めるのは大変貴重だが、このフィルムも四分の一にまとめられたダイジェスト。 残りのフィルムは何処へやら。  溝口らしいといえばらしいが、普通の普通の作品。 たった25分だけでもそれが解る。  印象的だったのが、後ろの兜の影と男の影が重なり鬼のようになる場面。 そこに思いをよせる女の表情を重ねる。 これぐらいかな。  後はなんだかんだ言ってハッピーエンド。 船に乗り込み旅立つ・・・・てやっぱり船が出てくるのか。  溝口だな~。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-03 23:33:08)
33.  逃亡地帯(1966) 《ネタバレ》 
アーサー・ペンによるサスペンス映画。 一つの街で保安官が事件と向き合う様子は西部劇を彷彿とさせる。 毎晩乱痴気騒ぎで腐敗した街、自分だけ正義を貫こうとする保安官。 街から追放された厄介者が再び街に来るのはよくあるパターンだが、今回は厄介者と知り合いの女が街にいる。 「狙いはおまえだろ、俺たちを巻き込むな」てな具合は「真昼の決闘」を思い出す。 ただ「真昼の決闘」と違うのは、街の住民が狂乱的になるという事。 ババーに殺されるのではないかという恐怖と同時に、厄介者と知り合いの女性への異様な好奇心が住民を駆り立てる。そこに描かれる狂気の生々しさが印象的だった。
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-17 08:00:03)
34.  時計じかけのオレンジ 《ネタバレ》 
人間好きなものは、嫌いなものは一生好きになれないのが性というものらしい。 もちろんキューブリックは好きな監督だよ。キューブリックの戦争映画にハズレはないって思っているし、犯罪映画でも初期の「現金に体を張れ」や後年の「シャイニング」は大好きだ。 でも「時計じかけ」だけはマジで勘弁して下さい。もう一度あの狂気に満ちた世界を見ろだなんて俺にとっては拷問といってもいい。ダメなものはダメなんです。途中出てくるルドヴィコ治療法の映像だって俺には怖すぎる。 同じSFで人間の狂気を描く作品なら、俺は「博士の異常な愛情」を選ぶだろう。  でもこの映画がすごいという事は認める。認めざる負えないよ。 近未来的で不思議な世界観、そこを闊歩する若者たちの狂気、狂気、狂気!女が服を破られおっぱい丸出しでレイプされる寸前、変態どもが乱入して縄張り争い。老人をなぶり、車を猛スピードで飛ばして次から次へと悪事を重ねていく。仲間ですら腹に杖を撃ち付け川に叩き落し「上下関係」をハッキリさせ、支配しようとする。強盗、強姦、虐待、何だってやる。ルイス・ブニュエルの「忘れられた人々」を思い出す強烈さ。  だが彼らに罪悪感なんて欠片もない。何故なら「楽しい」から。自分たちが同じ目に遭うなんて考える気もない。今しか奴らは見えていない。 いつの時代も若者は時代を逆走する。「世界を変えられるのは俺たちだけだ!」それが巧を奏せば“英雄”にされる。だが大抵は“愚か者”となって自分の愚かさを思い知らされていく。 主人公なんか正にそう。怖いものなんて何も無い。いや怖いものを「まったく知らない」から。止める人間がいなければ何処までも奴は突っ走る。ソイツに共感する奴もいると思う。  俺?俺の場合は共感どころか「クソ野郎がブッ殺してやりたい」と素直に思ったね。この映画の後に「雨に唄えば」を見たからこそ言っておきたい。誰かアレックスをジャック・ニコルソンの斧でブッ殺せるゲーム作ってくれマジで(嘘ですゴメンナサイ殺さないで下さい)。  偽善者?そう思いたい奴はそう思え。ただ主人公を見てムカツかない奴も俺はどうかと思うぞ。 なんせアイツが好きな音楽も聞けない、悪事も出来ずに仲間にも裏切られていく様子は不覚にも同情しちまいそうになった。犯した女が筋肉モリモリマッチョマンの眼鏡になっているわ、美味そうなスパゲッティ喰いながら失神するわ、部屋に監禁されて好きな音楽に“殺され”そうになるわ。 「こんな奴に同情するなんて・・・」でもこれが人間だと思う。  でこのまま死ぬのが普通の映画だろ?ところがどっこい、重傷負って死ぬどころかピンピンしてら。オマケに開き直って女とヤリまくり、いつも通りの主人公だ。見事に「免疫」が出来ちまった。  ただただ「(゜д゜) 」だったよ。 殺意も同情も呆れ果てて失せた。  馬鹿は死んでも治らない奴っていんだな・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2014-01-31 10:27:33)(良:2票)
35.  東京物語 《ネタバレ》 
再見。 個人的に「大人の見る繪本 生まれてはみたけれど」や「淑女は何を忘れたか」「その夜の妻」と傑作の多い小津だが、戦後の小津は「浮草」以外あまり好きになれないでいる。  とはいっても、見返してみると以前とは違う発見があるものだ。  船の汽笛や列車の走行音が響く港町。意気揚々と何かの荷造りをする老夫婦、それに笑顔で応え嬉しそうに出かけていく娘。彼女は通学路を行く子供たちに混ざるように道の向うへ。いくつになっても誰かの「子供」ということに変わりはない…と本作の展開を予告する。  晴れ渡った空に煙突から吹き上がる煙が吸い込まれるように消えていき、その空の下に洗濯物が風でたなびき、子供たちは野球道具を持って遊びに行き、駅では女同士が語り合う。穏やかな音楽とともに。  これは…きっと楽しい映画なんだろうな~と最初見た時は期待に胸を膨らませたものだ。 ところが、物語は想像以上に重くのしかかる。オマケに笠智衆のゆったりとした喋りで恐ろしい睡魔に襲われたものだ。  落ち着き払う静かな老夫婦、それを迎え入れる「子供」たちは忙しそうに家中を駆ける。成長し続ける子供たちの世話をしなければならない余裕の無さ、がんじがらめの日常。解放されすべてを終えつつある老人とは違って。  聖母のようにいつもニコニコ顔で振る舞う原節子も、俺には何処が影があり不気味な幽霊のように見えた。たまにボケをかましてクスッとさせてくれたけど(電話のやり取りとか)。 同じ小津でも「晩春」の嫉妬の表情、「麦秋」のユーモアと色気、「成瀬巳喜男の「驟雨」といった彼女の方が人間味があって可愛いし好きだ。  本音を押し殺して家族を迎え入れる親たち、挨拶を強制される子供たちは嫌がっているのかすぐに別の場所へ走り去ってしまう。 ずっと一緒で馴染みの関係ならともかく、遠く離れて暮らす存在だしなあ。子供たちにとっては、自分たちの場所を奪う得体の知れない他人にしか思えないのだろう。 自分の机を勝手に廊下に移されるんだから。子供は正直だ。だって本当に英語の勉強してたし。  子供たちの本音がさらけ出されるとともに始まる「たらい回し」。「戸田家の兄妹」のそれよりも遥かに悪化している。 追い出される形で家を出て旅を続け、酒を飲み交わし愚痴を聞いてもらい、旅先の旅館でさえ音が五月蠅くて満足に寝られない。  歩き続けた先でたどり着く海原。そこに夫婦水入らずで団扇をあおぎながら、久々に静かな刻を過ごす。  立ち上がった瞬間の「よろめき」が予告するもの、優しさに満足して「旅立つ」死、幼い子供に向けられていた愛情が、溢れ出る涙によってようやく親にも向けられる。後悔しても、行ってしまった者は戻って来ない。  親を愛するが故に不満を言う香川京子。子供に勉強を教え面倒を見る教師だからこそ、余計に思いやる気持ちが強いのだろう。 それに対し、すべてを許しなだめる原節子。未亡人として夫の死を乗り越え耐えて来た強さ。黒のスカート、灰色(紺色?)のスカートの対比。  老人は、そんな尽くしてくれる者に「幸せになれ」と言って送り出そうとする。死を乗り越えた者どうしだからこそ、自分を大事にして欲しいという想い。揺れ動き溢れ出そうになる本音、それを見て立ち上がり、餞別として渡す「形見」。それは新しい人生を刻んで欲しいという願いも込められているのかも知れない。  冒頭と違い、轟音をあげながら突っ走る列車の疾走。それに乗り込み、時計を見つめるその瞳。「再出発するぞ」と決意をかためた意志の強さを感じる。 そこには、さっきまで「本音」を隠すように顔を覆って嗚咽していた者の姿はない。「父ありき」の列車の場面といい、こういう小津の演出はほんとに憎いくらい素晴らしい。  老人は、団扇をあおぎながら静かに窓の外を見つめ続ける。汽笛を吹かす船の行く末さえ、暖かく見守るように。
[DVD(邦画)] 8点(2014-01-07 17:11:39)(良:2票)
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