41. パール・ハーバー
《ネタバレ》 日本が完全に悪役として描かれているので、観ていて気分は良くなかったですね。まあ、戦闘シーンは迫力があったとは思いますけど。 ただ日本人としてのバイアスを除いたとしても、この映画の物語の核となる主人公たちが繰り広げる三角関係に全く感情移入ができませんでした。どうみても身勝手でドロドロなのに、なんかあっさりとしたタッチで美しくまとめているのがどうなんだという感じです(まあ、真珠湾攻撃でそれどころではなかったということなのかも知れませんが)。戦闘シーンと恋愛シーンのアンバランスさが気になりましたね。 しかし、戦艦アリゾナが今もまだ1000人以上の遺体とともに真珠湾に沈んだままになっているんですね・・・・ [地上波(吹替)] 4点(2009-11-11 23:16:45) |
42. パンドラの箱(2008)
《ネタバレ》 親子関係・兄弟関係そして介護問題という、トルコだけでなく我々にとっても他人事では無い普遍的なテーマを扱っているので見入ってしまいました。 しかし、この問題は難しいですね。ラストの一人で山に入っていくアルツハイマーの祖母をただ見つめるしか術のない孫の心境が非常に良くわかります。 緻密に計算された映像美と演出、そしておばあちゃん役の演技が素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 7点(2009-11-08 11:28:15) |
43. 巴里の恋愛協奏曲(コンチェルト)
《ネタバレ》 2003年の作品ではありますが、昔の洋画を見ているような懐かしい雰囲気が漂うミュージカル映画でした。まあ、1920年代にヒットした作品の映画化で舞台劇をそのまま映像化したような感じでしたけど、それがまたレトロな感じで良かったと思います。 ストーリーもちょっと下世話な男女の物語をユーモアを交えて軽妙で小粋な感じに仕上げていて面白かったです。ラストも上手くハッピーな感じになっているのもいいですね。料理で言えばメインディッシュではなく前菜といった感じの作品です。 [地上波(字幕)] 7点(2009-10-27 23:37:22) |
44. パリ空港の人々
《ネタバレ》 トム・ハンクス主演の「ターミナル」に感じが似ているなと思ったら、モデルとなった人が一緒なんですね。ただ、こちらの作品のほうが現実的なストーリーですね。 玄関まで辿りついたはいいもののドアを開けてもらえない宙ぶらりんな状況に置かれている人々のドラマがユーモラスにそしてハートフルに描かれています。夜のパリの華麗な美しさも印象的でした。 しかし、空港内の「ファーストクラスホテル」には一度泊まってみたいですね。どこがファーストクラスなんだw [DVD(字幕)] 7点(2009-10-13 18:46:10) |
45. 裸足の1500マイル
《ネタバレ》 人間が自分たちと異なる文化を持つ人間を動物扱いしている。そして、それがさも当然であるとその人間たちは疑いを持つことなく考えている・・・・・。あまりに愚かな政策で唖然としてしまいました。いろいろ考えさせられました。 [地上波(吹替)] 7点(2009-10-11 10:36:05) |
46. 破戒(1962)
《ネタバレ》 差別というものが社会制度として存在することの恐ろしさを痛感させられますね(この当時は形式的には無くなってはいましたが)。非常に考えさせられる作品でした。 [ビデオ(邦画)] 7点(2009-09-13 00:23:05) |
47. バーダー・マインホフ 理想の果てに
《ネタバレ》 60年代から70年代にかけてのドイツ赤軍の動向がドキュメンタリータッチで淡々と描かれていて非常に興味深く観ることができました。正直、現在の感覚で観ると、疑問や嫌悪を感じる部分も多かったです(ただこの「現在の感覚」というのはこういった事実を消化した上に成り立っているのですが・・・・・)。 序盤のテロ活動のシーンなんかは妙に格好よくて、こういった集団に憧れる若者が出てくるのも無理はないなと思いましたね。それ故に、その理念よりも「格好よさ」に惹かれた第2・第3世代が暴走していくのが本当に良く理解できましたし、必要以上に神格化された第1世代の戸惑いや脆さが上手く映し出されていたと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2009-08-24 18:47:32) |
48. ハッシュ!
徹底的に緻密に作られた設定・ストーリー・台詞・キャスティング等々本当に「お見事!」というしかありませんが、どうしても「それでいいのか?」という疑問が残ってしまいます。もう少し若い頃(10代、20代)に見ていれば「これでいいのだ」と受け入れることができたとは思いますが・・・・・。なので、この点数となりました(傑作であることは間違いありません。 片岡礼子の演技は本当に素晴らしく満点です。) [DVD(邦画)] 6点(2009-07-27 10:52:18) |
49. 花よりもなほ
《ネタバレ》 義を重んじ、義に殉じることは武士として当然であるという「建前」と、目の前の幸せの中に安住していたいという「本音」の間でジレンマに悩む武士の姿を、「建前」を通した赤穂浪士たちの「本音」を絡めながら描いていていろいろと考えさせられる作品でした。長屋のセットも非常にリアルな感じで作られていて、興味深かったです。まあ、賛否両論あると思いますけどね。私自身も納得できる部分とそうでない部分はありますので。 残念なのは、ストーリーがやや粗く散漫で、着眼点や発想は非常に素晴らしいと思うのですが消化しきれていないんですよね・・・。ちょっとカッコつけてしまっているなという印象もあります。 [地上波(邦画)] 7点(2009-07-02 18:54:35) |
50. 初恋のきた道
《ネタバレ》 素朴で派手さはない作品ですが、ストーリーが進むにつれてじんわりと感動の波が押し寄せてきましたね。チャン・ツィイーの神がかり的な可憐さも本当に素晴らしかったです。 何というか、「人を想う心」の強さを感じさせてくれる作品でした。 [地上波(字幕)] 9点(2009-02-07 23:18:19) |
51. パパは、出張中!
《ネタバレ》 「三丁目の夕日」のようなユーモラスで懐古的な雰囲気の中に社会主義政権下の密告社会の実情がさりげなく混ざっていて、ちょっと恐ろしさを感じましたね。 裏切りの赦しを乞うものに対するセリフが「忘れよう、でも赦すのは神だ」とあり、「アンダーグラウンド」での「赦そう、でも忘れない」と対照的だったのが印象的でしたね・・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-19 18:35:24) |
52. パラダイスの逃亡者
《ネタバレ》 寒い夜に心が暖まる作品でした。 パラダイスの町の人たちが皆良い人達ばかりで心が和みました。それも、甘いとか人がいいということではなく、何というかいろいろなものを受け入れてくれる度量の大きさを感じましたね。 [地上波(吹替)] 7点(2008-12-04 14:59:11) |
53. バンガー・シスターズ
《ネタバレ》 ロックも半世紀近い歴史を重ねてきていることを思い知らされる作品でしたね。ゴールディ・ホーンの若々しさには驚かされました。 [DVD(吹替)] 7点(2008-11-16 23:48:59) |
54. 拍手する時に去れ
《ネタバレ》 とにかく、いろんな仕掛けがあったり、ユーモラスさとシリアスさを上手い具合に混在させたりとその観客を飽きさせない旺盛なサービス精神に拍手を送りたいです。 何というか、ストーリー(「ああそうなんだ」というのが正直な感想でした)を楽しむというよりは監督の技を楽しませていただいたという感じですね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-14 15:26:16) |
55. バトル・ロワイアル
《ネタバレ》 とにかく「あるクラスが一人になるまで殺しあう」という設定が非常に興味深かったです。また教師キタノの不気味さこそが、国家権力というものの真の姿を象徴しているように思えましたね。 [映画館(邦画)] 7点(2008-11-11 19:06:37) |
56. バス174
《ネタバレ》 どんな理由があったとしても、関係の無い人々を巻き添えにしたバスジャック(しかも犠牲者を出している)は許されるものではないし、犯人に同情などすべきでは無いと思います。ただ、この事件を起こした犯人は決して「サンドロ」だけでは無いということを、このドキュメンタリーは教えてくれました。 人間は誰しも、プライドを持ちより良く生きたいという欲求とそれをかなえるための知能を持っている・・・こんな当たり前のことを忘れてしまっているもしくは知らない人間が多いような気がします。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-16 17:52:18) |
57. 博士の愛した数式
《ネタバレ》 数学の哲学的、文学的な奥深さについての講義を受けているような感覚で鑑賞しました。文系人間でもその魅力は十分感じ取ることができました(吉岡秀隆の講義部分が非常にわかりやすくて良かったです)。 出演者たちの自然な演技や美しい風景も素晴らしく、心が癒される作品でした。 [地上波(邦画)] 8点(2008-08-05 18:15:01) |
58. 灰の記憶
《ネタバレ》 究極的に言えば、人間は自分やその家族の生命を守るためには何でもしてしまう生物であり、それはナチスドイツの兵士達や「ゾンダーコマンド」は勿論のことホロコーストの犠牲者達でさえも変わりはないということなんでしょうね・・・・。この作品を観てそんなことを考えてしまいました。 この作品に描かれている世界は非常に醜悪で目を背けたくなるようなものですが、これもまた人間という生物の所業であることを肝に銘じておくべきなのでしょう。そして、今後人間の持つ哀しい生存本能を利用する権力が世界を席巻するようなことが無いことを祈りたいですね・・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2008-07-10 17:40:48) |
59. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 ファンタジックだけれども暗く、グロテスクなのは、不安や恐怖が入り混じっているからなんでしょうね・・・・・。非常に哀しい「大人のための童話」という印象を受けました。 第二次世界大戦の真っ只中で、内戦は終結したものの政情不安定であった当時のスペインの雰囲気が上手くこのダークファンタジーとマッチしていて非常に印象深い映画でした。 ラストについては、個人的には決してバッドエンドでは無いと思います。オフェリアは自ら選択し試練を乗り越え、その結果王国に戻れたことを確認できたわけですから・・・・。 [DVD(吹替)] 8点(2008-05-21 18:59:13) |
60. 橋のない川 第二部
《ネタバレ》 米騒動までの展開は面白かったんですが、その後から水平社設立のラストまでが急にとってつけたような雑な感じになってしまい、全体としては残念ながら出来が良いとは言えない作品となってしまっています。 ただ、前作に引続きどのような差別があったのかということと、教科書の数行の説明程度の理解しかなかった「米騒動」がどのようなものであったのかを知ることができ、非常に勉強にはなりました。 しかしまあ、北林谷栄と伊藤雄之助の圧倒的な存在感は本当に凄いとしか言いようがありませんね・・・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2008-02-29 18:17:40) |