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 > かたゆき さんの口コミ一覧。3ページ目
かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1882
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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41.  ハウス・オブ・グッチ 《ネタバレ》 
世界的な高級ブランド、「GUCCI(グッチ)」。その創業者であるグッチ一族の内紛とその過程の中で起きた3代目社長マウリツィオ暗殺事件を赤裸々に描いたサスペンス・ドラマ。主役であるマウリツィオを演じたのは若手実力派俳優アダム・ドライバー、彼の妻役には最近俳優業にも進出し始めた世界的アーティスト、レディー・ガガ。他にもアル・パチーノやジェレミー・アイアンズ、ジャレット・レトといった超豪華な面々が脇を固めております。監督は名匠の名をほしいままにする、リドリー・スコット。長いキャリアに裏打ちされたであろう、この監督のもはや匠の技と言ってもいい演出の冴えはやはり抜群の安定感。ただ事実を時系列順に追っただけなのに、最後まで淡々と見せ切ったところは称賛に値すると思います。登場人物も多岐にわたり、分かりにくい株取引の世界もちゃんと素人にも理解できるように整理して描いているところも好感持てます。何より、アル・パチーノをはじめとする役者陣の華のある演技合戦!新旧実力派が織り成す、まるでシェイクスピアの舞台劇を観ているかのような重厚なやり取りは見応え充分でした。ただ、内容の方は……、いたって普通。リドリー・スコットって良くも悪くも職人気質なのよね。どの作品もある一定のクオリティは保証されてるんだけど、どれも魂を震わせるような深いものはありません。「グッチという世界的ブランドにこんなことがあったんだ、凄いなぁ」とは思うものの、もう一度観たい、映画として手元に残しておきたいと思うほどの名作ではない。それが自分の正直な感想です。
[DVD(字幕)] 6点(2023-03-22 08:53:54)
42.  ハリガン氏の電話 《ネタバレ》 
アメリカ、メイン州のとある寂れた地方都市。母を失くし、父親と慎ましく暮らす少年クレイグはある日、近所の豪邸で独りで暮らす今は引退した大富豪ジョン・ハリガン氏からあるアルバイトを持ちかけられる。それは週3日、彼の豪邸で目が悪い氏に代わって本を読み聞かせること。少しでも生活の足しにしようと、クレイグはすぐにその提案を受け入れるのだった。『チャタレイ夫人の恋人』『闇の奥』『罪と罰』。世界の様々な名作を読み聞かせる時給5ドルのバイトはそれから何年も続き、これまで休んだのはたった1回だけ。クレイグは、偏屈で傲慢、現役時代は商売敵や部下を徹底的にやり込んだというハリガン氏のことを嫌いではなく、本を読むことも楽しみの一つとなっていた。そして高校生となった彼は、これまでの恩を返そうと一台のアイフォンを買い、彼にプレゼントする。情報は新聞で充分と言い張っていたハリガン氏に、クレイグは丁寧に使い方を教えてあげるのだった。だが、それからすぐハリガン氏は急な病でこの世を去ってしまう――。突然のことに、哀しみに打ちひしがれるクレイグ。最後のお別れの日、クレイグは彼にプレゼントしたアイフォンを密かに棺桶へとしのばせるのだった。そのまま埋葬されるハリガン氏。ところが数日後、彼の携帯に有り得ないメッセージが表示される。なんとハリガン氏からメールが届けられたというのだ。いったいこれはどういうことなのか?不審に思いながらも、クレイグは彼とのメールのやり取りを重ね……。スティーブン・キングの短編小説を元にしたという本作、監督がヒューマン・ドラマの佳品を多く手掛けてきたジョン・リー・ハンコックということで今回鑑賞してみました。冒頭から丁寧に描かれる、この孤独な老人と素直で純朴な少年とのドラマにすぐ惹き込まれました。冷酷に厳しく当たるのでもなく、過度に干渉するでもない、この2人の友情がなんとも心地良いですね。朗読に選ばれる本のチョイスもいいセンスしてるし、前半は一人の少年の成長物語として非常に良く出来ている。ただ、問題は後半部分。ハリガン氏が亡くなってから、急にミステリー的な要素が増え、さらには死者からのメッセージというホラー要素まで加わります。この唐突な急展開はかなり問題で、明らかに物語のバランスが崩れてしまってます。挙句、ここまで引っ張っておきながら、最後のオチがかなり投げっぱなしのまま終わるのはいかがなものか。てっきり僕は、主人公が最後に棺桶に入れた携帯をあの怪しい庭師が盗っていて、メールのやり取りも殺人もきっとあいつが陰でやっていたんだと踏んでました。でもそれだと遺言書の文言や墓の中から聞こえてきた着信音だとかの説明がつかないから、きっとラストで驚きの種明かしが待ってるんだろうなと思っていたのに、これではとんだ肩透かし。前半はすこぶる良かっただけに、なんとも勿体ない作品でありました。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-12-27 05:55:56)
43.  パワー・オブ・ザ・ドッグ 《ネタバレ》 
1920年代のアメリカ南部を舞台に、牧場主の兄弟とこの家に嫁ぐことになったとある未亡人、そして彼女の息子のそれぞれ複雑に絡み合う思惑を濃密に描いた心理サスペンス。主演を務めるのは、人気俳優ベネディクト・カンバーバッチとベテラン女優キルスティン・ダンスト。監督は、カンヌでパルムドールを受賞した名匠ジェーン・カンピオン。というわけで、観ながら思い出されるのはやはり同監督の名作『ピアノ・レッスン』でしょう。許されぬ愛に身を焦がす男女をこってり濃厚に演じたホリー・ハンター&ハーベイ・カイテルに負けず劣らずの熱演を見せてくれます。特に、ほとんど風呂にも入らず悪臭を放つ荒くれ者でありながら実は繊細な心の持ち主である牧場主を演じたB・ガンバ―バッチは見事でした。愛のない結婚生活から次第に酒に溺れてゆくK・ダンストの切なげな表情もなかなか良かったです。そして、最初は頼りない若者に過ぎなかった彼女の息子が次第に何考えているのか分からない得体のしれない存在へと変貌してゆくのも不気味でいい。ただ、『ピアノ・レッスン』と比べるとどうしても地味な印象を持ってしまったのも事実。何が足りないのかと考えてみると、それはやはり音楽なんじゃないでしょうか。あちらでは世界的なピアノ奏者マイケル・ナイマンの繊細で美しい旋律を持ったピアノ曲が全編に流れていて、非常に気品溢れる芸術作品へと昇華されておりました。対して本作、最後までほとんど音楽が使われず、終盤まで何とも地味な展開で気持ちが離れてしまうこともしばしば。最後に各々の思惑が明らかにされ、人間の底知れぬ怖さが浮き彫りになるというのは良かったのですが、いかんせんそこまでが長すぎます。いろいろと興味深い部分も多かったのですが、それと同じくらい欠点も目につく作品でありました。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-12-14 02:42:12)
44.  ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey 《ネタバレ》 
映画としてはポンコツだったものの、サブキャラとして登場したハーレイ・クインというビッチな女の子があまりにもキャラ立ちしていて強烈な印象を残してくれた『スーサイド・スクワッド』。そんなクソビッチな彼女をがっつり主人公にして制作された本作。今回も主演を務めるのは、当然と言えば当然のまさに嵌まり役というしかないマーゴット・ロビーということで、そこそこ期待して鑑賞してみました。率直な感想を述べさせてもらうと、ま、こんなもんじゃろって感じの出来でしたね、これ。期待を大きく上回ることもなければ、こちらのハードルを著しく下回ることもないという、まさに模範的なスピンオフ映画。脚本がかなり大雑把なとこも、これまた想定内。とは言え肝心のアクション・シーンはけっこう力が入っていて、ポップでキレもそれなりに良かったしで、最後までそこそこ楽しんで観ることが出来ました。最後、追い詰められたビッチな女たちが一致団結して、けつあご男どもをばったばったと薙ぎ倒してゆくとこはなかなか爽快感抜群でしたね。あと、個人的に残念だったのは、ハーレイ・クインのハミけつが今回ほとんど見られなかったこと。ここ、自分にとってはかなり重要ポイントなんですけどー!
[インターネット(字幕)] 6点(2020-12-18 21:24:44)(良:1票)
45.  バスターのバラード 《ネタバレ》 
もはや誰がいつの時代に書いたのかも分からない一冊の短編集『バスターのバラード』。西部開拓時代を舞台にしたその古ぼけた本には、人生の深い哀感に満ちた六つの物語が収められている。それぞれのお話の冒頭には魅惑的な挿絵も施され、読む者の人生に一時の潤いを与えてくれることだろう。第一話『バスターのバラード』。お尋ね者のガンマンで陽気な歌い人でもあるバスター。ある日、彼がとある街の酒場でポーカーに参加したところ、ならず者に難癖をつけられる。だが、持ち前の減らず口と類稀なる銃の腕で難なく危機を乗り越えた彼だったが…。馬鹿々々しくも陽気なこのバスターの軽佻浮薄なキャラが楽しかった。最後、天に召されるまでその軽口を止めなかった彼に終始癒される。だが、ちょっとオチが弱いのが難点か。第二話『アルゴドネス付近』。いかにも襲ってくれと言わんばかりの郊外の銀行へと押し入ったならず者。簡単に大金が手に入ると思いきや、行員の老人に思いがけない反撃を喰らう。用心棒に引き渡され首吊りの刑にされようとした瞬間、今度はインディアンの襲撃に遭い…。何度も命の危機にさらされながら、その度に運よく生き延びる彼の悪運の強さには思わず笑ってしまった。ただ、強運も尽き果てたというオチは、本作でも弱い。第三話『食事券』。両手両足を失い介助なしでは生活できない青年が、生きるためにしていること。それは興行主である男の馬車で各地を旅し、その街々で魅力的な物語を語り聞かせることだった。各地で人気を得た彼の講演だったが、それも時代の波に流され、最後は暗算できるインチキ鶏にさえ負けてしまう…。人生の哀しみという点ではこの作品が一番優れている。彼を単なる食事券としか捉えていない男との関係性など、描かれない世界に思いを馳せるのもまた一興。だが、あまりにも淡々としているため物語としての面白みには乏しかった。第四話『金の谷』。ただひたすら金脈を求めて川を下る一人の老人。地道で苦難に満ちた作業の末、ようやくそのありかを発見するのだが、その背後には彼の手柄を横取りしようと付け狙う男が…。とにかく豊かな大自然の描写が素晴らしい。見ているだけで心が癒されるその風景の中で展開される、二人の男のひりひりとするやり取りは見応え充分。ただ、こちらも単純なお話のためいまいち印象に残りにくいのが難点。第五話『早とちりの娘』。幌馬車隊に乗せられ、兄とともに新天地に向けて旅していた世間知らずの娘。だが、途中で兄が病に倒れ亡くなってしまう。窮地に陥った彼女だったが、隊長の男に見染められ、何かと助けてくれることに。やがて彼と結婚することまで決意した彼女を悲劇が襲う…。個人的にはこれが一番面白かった。総じてオチが弱い本作品群の中では、一番しっかりとラストが決まっている。ただ、後味が悪すぎるのが残念。もう少し救いがあれば良かったのだが。第六話『遺骸』。乗合馬車に乗り合わせた五人の乗客たちの会話劇。最後を飾るにしてはいまいちパンチに欠ける印象。いかにもコーエン兄弟らしいペーソスとシニカルな笑いに満ちた、そんな六篇のオムニバス。どれも楽しく観ることが出来たが、そこまで心に刺さるものがなかったのが残念。総評としては、6点と言ったところか。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-06-01 13:30:17)
46.  バード・ボックス 《ネタバレ》 
それは本当に世界の終末なのか――。突如として全世界に拡がった謎の伝染病。その病気に感染した人々は急に狂いだし、自ら死を選ぶ衝動に駆られるようになるのだった。運転していた車のアクセルを限界まで踏み込み、手にしたハサミを自分の首元へと突き立て、自ら火の中へと飛び込む感染者たち。さらに恐るべきことには、その疾病は発病者の姿を〝見る〟ことによって感染するのだ。瞬く間に増殖する感染者によって、社会は暴力と死に支配された絶望的な世界へと変貌を遂げる。そんな破滅の淵に瀕する世界を生き延びるため、現在妊娠中のマロリーはある一軒の豪邸へと逃げ込むのだった。強固なセキュリティに守られたその家の中には、同じく逃げ延びた何人かの人々がすでに籠城していた。外には多くの感染者が徘徊し、しかも食料は残り僅か。マロリーとお腹の中の赤ちゃんは無事に生き延びることは出来るのか?恐ろしいディストピアと化した世界で、なんとしても生き延びようともがくそんな母子の姿を描いたサバイバル・スリラー。冒頭からいきなり始まるパンデミックの絶望的な描写に摑みはばっちり。死への衝動に駆られた感染者たちが、次々と自ら死を選ぶさまはかなり怖いです。物語はその後、一軒の豪邸内に籠城する彼女たちと、五年後、大きくなった二人の子供たちとともに河を下って脱出しようとする彼女の姿を交互に描いてゆきます。まあこういう不条理系パニック・スリラーの名作『ミスト』の一亜流と言ってしまえばそれまでですけど、この閉じ込められた人々の極限の心理劇はなかなか良く出来ている。感染者の姿を見てはいけないという設定も荒唐無稽ながらけっこう効いています。一時期大流行りした〇〇してはいけない系のはしりみたいな感じですね。目隠ししたまま幼い子供たちと貧弱なボートで激しい川を下ってゆくシーンは緊迫感もあって大変グッド。ただ、脚本に突っ込みどころ満載なのが本作の惜しいところ。感染者たちが全員すぐに死を選ぶのかと言ったらそんなこともなく、何故か非感染者を襲う者も居るというのはおかしい。また姿を見ても感染しない人もいて、その人たちは心に闇を抱えているからという謎の説明だけで済ませちゃってるのも納得いきません。目指していた安全地帯が実は盲学校だったという最後のオチもいまいち腑に落ちない。目が見えない人たちはそもそも見ることが出来ないから感染しないというのであれば、全員そうじゃないとおかしいのですが、ちゃんと目が見える人もそこに混ざってますし。主人公親子も最後、生き延びるために自ら盲目になるくらいのオチがないと説得力がありませんって。前半はパニック・スリラーとしてはなかなか頑張っていただけに、ここら辺の詰めの甘さがなんとも残念。
[インターネット(字幕)] 6点(2020-04-29 00:36:10)
47.  バグダッド・スキャンダル 《ネタバレ》 
『石油・食糧交換プログラム』――。それはイラク戦争開戦前夜、欧米の経済制裁によって苦しむイラク国民を救うために国連主導で行われた人道援助だ。当時まだ独裁者として同国に君臨していたサダム・フセインによる大量破壊兵器開発を防ぐため、国連が窓口となって豊富な石油資源を市場価格で売却し食料や医薬品と交換してイラクへと還元させる。多くの人命を救うための人道的プログラムのはずだった。だが実際は、フセイン政権による横領や横流しが相次ぎ、さらには先進国の大手企業がその利権を巡って多くの不正行為に手を染めていた。驚くべきことに、監視者であった国連職員にまで汚職が蔓延していたのだ。若き職員マイケル・サリバンはその事実に気付き、すぐさま上司に報告するも実態は公にされることなく握りつぶされてしまう。だが、様々な国の思惑が複雑に交錯する国際情勢の中、やがてそれは国連を大きく揺るがす一大スキャンダルへと繋がっていくのだった……。本作は、200億円にも及ぶ大金が闇に消えたという実話を基にして描かれた硬派なポリティカル・サスペンスだ。主演を務めるのは若手俳優テオ・ジェームズ、他に制作も務めたというベテラン、ベン・キングズレーが名を連ねている。確かな取材や時代考証に基づいたであろう骨太な物語はなかなか見応えがあった。ニューヨークの国連本部から当時混乱を極めたイラクの首都バグダッドにまで拡がるそのスケールの大きさにも圧倒されるものがある。何より、この弱者を救うためのプログラムを利用し甘い蜜を吸い続けた、欧米各国の行き過ぎた資本の論理には戦慄させられる。人間とは、かくも欲深き生き物なのか――。「民主主義に汚職はつきものだ」と言うベン・キングズレーの言葉が重い。そんな醜い国際情勢によって翻弄される、主人公の国連職員とクルド人女性通訳との儚い恋物語は強く印象に残った。丁寧な手腕が光る政治サスペンスの逸品と言っていいだろう。ただ、こういう作品なので仕方ないのだろうが、お話として地味すぎるのが自分には少々退屈に感じてしまった。もう少しドラマティックに脚色しても良かったのではないか。世界の実態を知るという点では充分観る価値はあったが、人間ドラマとしては幾分か物足りなさの残る作品であった。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-17 23:10:59)
48.  バーバラと心の巨人 《ネタバレ》 
信じられる?奴らは太陽も逃げ出すような恐ろしい存在よ――。彼女の名は、バーバラ。海沿いの寂れた田舎町で、まだ若い姉や兄とともに貧しい生活を送る彼女にはとある秘密があった。そう、この世の諸悪の根源である邪悪な〝巨人〟が森の奥深くに潜み、何も知らない人間どもを虎視眈々と狙っているということに、彼女だけが気付いてしまったのだ。いつも身に着けているポーチへと秘密の武器「雷神トールのハンマー」を潜ませ、巨人の大好物である甘い蜜や手作りの罠を森のあちこちに仕込み、いつでも巨人の動向を監視しているバーバラ。だが、巧妙な巨人たちは一向にその尻尾を彼女に摑ませることなく森の闇の中に蠢き続けるのだった――。でも、彼女の家族や学校の先生、そしてバーバラの同級生たちはその事実に全く気付くことなく、いつものような普通の日常生活を送っている。そんなことなど気にする様子もなく巨人の物語へとのめり込むバーバラ。周囲の人間との軋轢はどんどんと増すばかりで、彼女は次第に孤立を深めてゆくのだった。そんな彼女のことを心配する転校生のソフィアや学校のカウンセラーが、何とか彼女の孤独な心を開かせようとするのだったが……。妄想とも現実ともつかぬ世界へと迷い込んでしまった少女の孤独な闘いを幻想的に描いたダーク・ファンタジー。アメリカのグラフィック・ノベルを原作にしたという本作、なかなか面白そうだったので今回鑑賞してみました。観終わってまず真っ先に思い浮かぶのは、J・A・バヨナが監督しリーアム・ニーソンが怪物の声をアフレコした某作品と設定やビジュアル・センスが丸かぶりしているところでしょう。巨人の脅威をフォークロアのように描いた幻想的なシーンなんて全くそのまんまなんですけど、これって大丈夫なんですかね?ただ、あちらの如何にもきかん坊な少年主人公に全く共感できなかった自分としては、こちらのメンヘラ女子の方にはまだ好感持てました。バーバラもその友達となる同級生もけっこう可愛かったってのもあるかもですけどね(笑)。とはいえ、だからと言って本作に嵌まったかと言えばそこまででもなく、終始辛気臭い展開に終盤はぐったりしてしまいました。もう少しファンタジー色強めでも良かったような気もしますし。ま、ぼちぼちってとこでした。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-04 23:31:13)
49.  パシフィック・リム:アップライジング 《ネタバレ》 
アホほど金を掛けて、怪獣VSロボットの人類の存亡を掛けた闘いを大真面目に作ったエンタメ・アクション第二弾。まぁぼちぼちってとこですかね。監督が交代したってことで、お話の内容もアクションも全体的に3割減って印象でしたわ。ヒマつぶしに観る分にはそこそこ楽しめます。ロボットも怪獣も日本の文化なのに、マーケティングのせいなのか全面的に中国フューチャーなとこは違和感ありますけど。
[DVD(字幕)] 6点(2019-07-24 23:50:10)
50.  ハッピーエンド(2017) 《ネタバレ》 
フランス北部の街カレーで大豪邸に住むとある裕福な家族。会社を経営する長女を中心に三世代が同居する、この一見幸せそうな家族の生活にある日、長年離れて暮らしていた長男の前妻の子供が引き取られることに。エヴというもうすぐ13歳になるその少女の母親が自殺未遂を起こし、しばらく入院することになったのだ。数年ぶりに出会った父親との同居に初めは戸惑いつつもエヴは、少しずつ新たな生活に馴染んでゆく。すると、一見幸せそうに見える家族の隠された本当の姿が炙りだされていくのだった――。認知症を患う祖父は死への誘惑を抱え、エヴの父親である長男は浮気相手とチャットでエロトークをし、会社を経営する長女は社内での訴訟問題に頭を悩ませ、彼女の息子である孫は連日のように深酒をして問題を引き起こし、そしてエヴ自身もまた心に暗い闇を抱えていたのだった。そんなもはや崩壊寸前の家族が最後に辿り着く〝ハッピーエンド〟とは?社会の不条理や人生の生きづらさを透徹した目で描き続けてきた鬼才ミヒャエル・ハネケ監督の最新作は、SNS時代における家族のありようを皮肉たっぷりに描いたヒューマン・ドラマでした。あのハネケがハッピーエンドなんて撮るはずがないと分かっていましたが、いやー、これがまた相変わらずのハネケ節(笑)。すっかり冷め切ってバラバラになってしまった家族の醜悪なドラマが、ただ淡々と、それでも知的で気品に満ちた映像でもって描かれておりました。無駄を削ぎ落したシンプルなストーリーの中にたくさんのヒントを散りばめ、現代社会が抱える様々な問題を観客自らに考えさせるというその手法は並みの才能では出来るものではありません。そして迎える皮肉なハッピーエンド。長い人生を生きてきた老人とこれからも生きていかなければならない若い少女がともに達したこの結論に、果たして人生に生きる価値などあるのかと鋭いナイフで自分の倫理観をえぐられるような思いをさせられてしまいました。ミヒャエル・ハネケ、70歳を過ぎてもいまだ衰えぬその負のパワーは凄いです。正直、僕は嫌いですけど(笑)。あと、関係ないけどエヴ役をやった女の子の存在感は凄いですね!むちゃくちゃ可愛くてキュートで、久々に僕のロリコンレーダーにびしばしくる逸材を見つけてしまいました。ファンティーヌ・アルデュアン、これから要注目!!
[DVD(字幕)] 6点(2019-06-14 23:37:40)
51.  バリー・シール/アメリカをはめた男 《ネタバレ》 
80年代のアメリカを舞台に、CIAの工作員として活動しながらも同時に麻薬カルテルの運び屋をもしていたという破天荒な男の人生を実話を基にして描いたピカレスク・ロマン。なかなか興味深いお話で、かなりの悪党でありながら何故か人を惹き付ける魅力を兼ね備えたバリー・シール役をトム・クルーズが好演しており、最後まで飽きずに観ることが出来ました。反面、事実にとらわれ過ぎたのか物語の起伏に乏しく、こちらの期待を超えるほどの面白さは見出すことは出来ず。なんだか全体に惜しい映画という印象でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2019-01-11 00:52:54)
52.  パトリオット・デイ 《ネタバレ》 
ピーター・バーグ監督&マーク・ウォールバーグ主演コンビがおくる毎度おなじみ実話を基にしたアクション作品。今回の題材は、記憶に新しいボストン・マラソンを狙ったテロ事件です。いやー、相変わらずの底の浅ーいアメリカ万歳映画でしたね、これ。最後の方で、「テロに打ち勝つのは僕たちの愛だ」みたいな臭い台詞が飛び出した日にゃ苦笑するしかなかったです。まあ事実の重みと手堅く撮られたアクション・シーンの迫力に6点で。
[DVD(字幕)] 6点(2018-09-02 02:00:52)
53.  パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 《ネタバレ》 
カリブの海賊シリーズ第五弾。前作よりもマシとはいえ、観終わった感想はまあボチボチってところですかね。安定感は抜群だけど、一週間もすれば内容をきれいに忘れてしまいそうな感じです。ジャックのギロチンぐるんぐるんのシーンはけっこう面白かったけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2018-08-05 09:05:09)
54.  バーニング・オーシャン 《ネタバレ》 
実際に起こった海底石油採掘施設での爆発事故を基に、そこにいた様々な人々のドラマを迫力のアクションシーン満載で送るエンタメ作品。存分にお金をかけたであろう爆発シーンは抜群の安定感で、それだけでそこそこ観ていられる作品に仕上がっていたと思います。特に主人公が火の海と化した石油施設内をただ出口を求めて彷徨うシーンなんて、見ているだけで汗が滲んできそう。実話という重みが充分に効いています。ただ、反対に肝心のドラマ部分がいただけない。なんかエンタメ映画としてのツボをことごとく外しちゃっているから最後までいまいち盛り上がりに欠けるんですよね、これ。実話を基にしていても見せ方次第でいくらでも面白くなるはずなのに、惜しい。全体的にこの監督らしい力技な印象。でもまあ、この監督お得意の見ていて鼻につくアメリカ礼賛描写はけっこう控え目だったんで、ちょっぴりおまけの6点で。
[DVD(字幕)] 6点(2018-02-25 22:57:34)
55.  パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》 
コールドスリープされた乗員乗客5000人以上を乗せて、宇宙の彼方にある目的の星を目指して遊泳中の宇宙船アヴァロン。片道120年という長旅の最中、何の間違いかまだ30年しか経っていないのに、乗客の一人が目覚めてしまう。さまざまな方法で再び眠りに就こうとする彼だったが、どんな方法をもってしても再び冬眠状態になることは不可能だった。この先、90年もの長い旅路をたった独りで過ごさなければならない――。孤独感から精神的に追い詰められていく彼は、迷いに迷った末、禁断の手法を使ってしまうのだった…。という僕好みのSF作品だったので期待して今回鑑賞してみました。うーん、率直な感想を言うと何というか正直微妙な出来。存分にお金かけただろう映像もきれいで、大宇宙で独りぼっち(途中から二人ぼっちになるけど)という設定も充分魅力的なのに、なんだか演出が全体的に雑過ぎていまいちのめり込めませんでした。まあ最後までストレスなく観られるのと映像はすこぶる迫力があったので、観て損はなかったですけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2018-01-31 22:16:40)(良:1票)
56.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
実際に起きた航空機事故を背景に、ハドソン川の英雄と称されたものの後に責任問題を問われることになった機長の苦悩を描いたヒューマン・ドラマ。イーストウッドらしく手堅く纏められてはいるものの、何処か物足りない印象。もう少しパンチの効いた演出が欲しかったところ。
[DVD(字幕)] 6点(2017-10-11 17:17:42)
57.  PAN/ネバーランド、夢のはじまり 《ネタバレ》 
名作童話『ピーターパン』のその知られざる誕生秘話を最新のCG技術を駆使して描いたファンタジー大作。まあまあこんなもんじゃなかろうか、といった感じの作品でした。可もなく不可もなく、そこそこ楽しめる万人向けのエンタメ映画としては充分合格点。こんなごりごりのファンタジー作品で、まさかニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」を聴けるとは夢にも思いませんでした。あのシーンは何回も観たいくらい好き。
[DVD(字幕)] 6点(2016-11-13 00:59:07)
58.  白鯨との闘い 《ネタバレ》 
昔の船乗りは世界の淵から落ちるのを恐れていた。だが、俺たちはあのとき正気の淵にいたのだ――。19世紀、アメリカ。閉店間際の場末の宿屋に、とある男が亭主に会うために訪ねてくる。男の名はハーマン・メルビル、後に『白鯨』という米文学史上に残る屈指の名作を書くことになる新進気鋭の作家だ。目的はその酒浸りの亭主が遥か昔まだ青年だったころに経験した、ある航海についての話を聴くこと。最初は頑なに拒んでいた亭主だったが、メルビルの情熱にほだされ、今まで誰にも話したことのないその苦難に満ちた航海の記憶を呼び覚ましてゆく。ウイスキーをくゆらせながら彼はその重い口を開き、静かに語り始めるのだった。船長ポラードと一等航海士チェイスの元で、何人もの男たちとともに何百日にもわたって経験した想像を絶する日々を。それは、白い肌に覆われた巨体を大海原にうねらせ、ちっぽけな人間など一瞬にして海の藻屑に変えてしまう恐ろしい白鯨との生死を懸けた闘いの物語だった……。名作『白鯨』誕生の裏に隠された真実の物語を、エンタメ映画の名手ロン・ハワードが真に迫った映像でもって描き出す一大海洋スペクタクル。いかにもロン・ハワードらしい、この抜群の安定感はもはや匠の域に達してますね。分かりやすいストーリー展開、個性豊かな登場人物たち、迫力満点のCG映像…。画面の中の男たちとは裏腹に、観客である僕はまるで豪華客船で心地よい船旅へと繰り出すかの如くこの安定のエンタメ・ワールドに身を任せておりました。昔は鯨をこうして狩っていたのかとか、鯨油はこんな方法で取り出していたのか(鯨の頭の中に入るシーンの生々しいことといったら!)などなど。最初は対立していた正反対の2人の男が極限状況に追い込まれたとき…なんて、思いっきり前作の『ラッシュ』とかぶってるベタベタな設定だけど、やぱアツいっすね。中盤における肝心の白鯨とのバトルシーンなんて、さすがの大迫力でハラハラドキドキ。だったんですが……、そんな僕のハイテンションもその白鯨との一大バトルまで。原作がそうなので仕方ないかも知れませんが、後半からは画的にもかなり地味な普通の海洋漂流ものになってしまい、幾分か水準が下がってしまったのが残念でした。食料も水も底を突き、極限状況に追い込まれた男たちが取ったある行動など、さすがに既視感が否めません。白鯨との手に汗握る闘いを、僕はもっともっと見たかった。6点。
[DVD(字幕)] 6点(2016-10-23 22:33:06)
59.  パージ 《ネタバレ》 
パージ(浄化)法、それは一年に一度、12時間だけ殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律――。2022年、社会に蔓延する犯罪を抑止するためにそんな法律が施行されたアメリカ社会。富裕層向けに高度なセキュリティシステムを販売する営業マン、ジェームズ・サンディンはその日、街中を忙しく走り回っていた。何故なら今年もパージの夜が近づいているから。「それじゃ安全な夜を」。職場や隣近所にいつものようにそう挨拶し、愛する家族が待つ家へと帰ってきた彼は、今年もいつものようにセキュリティシステムの電源をオンにするのだった。外の世界では、放火・強盗・殺人が横行し、道路が真っ赤な血で染まるなか、サンディン家は完璧なバリケードで守られた家の中で平穏な夜を過ごすはずだった。そう、一人のホームレスが家の中に逃げ込んでくるまでは……。年に一度、全ての犯罪が許される夜、安全なはずの家の中で繰り広げられる家族の戦慄のサバイバルをノンストップで描いたバイオレンス・スリラー。そーゆー設定を聞いただけでB級感満載な本作、でもイーサン・ホークが出ているということで今回鑑賞してみました。いやー、予想に違わず、完全にB級映画でしたね、これ。イーサン・ホーク、最近けっこう色んな映画に出てるけどちょっとは選べよ(笑)。でも、最初からB級だと割り切って観ればそこそこアリなんじゃないでしょうか。僕はぼちぼち楽しめました。まあストーリーの突っ込みどころなんて無限に湧いてきそうですけど、最初からあり得ない設定の話なんで細かいところがあんまり気にならなくなるのは監督の狙いなんでしょう。自分たち家族が救われるために家に入り込んだホームレスを捕まえ、外に居るサイコパス集団に引き渡そうとする主人公なんて、なかなかイカれてて面白いじゃないですか。このまま、観客の道徳心や倫理観を逆撫でするようなぐちゃぐちゃソーゼツ展開を期待してワクワクしながら観ていたのですが、途中から主人公家族が変に道徳心に目覚めてしまい、後半からいたって普通のサバイバルものになっちゃったのが残念。自分たちだけが助かればいい家族とただ人を殺したいだけのサイコ野郎たちと何の罪もないホームレスが最後、一大血みどろバトルを繰り広げてくれたらもしかしたらカルト作として一部で伝説になれたかも知れないのにね。残念!
[DVD(字幕)] 6点(2016-10-13 23:37:56)(良:1票)
60.  バッド・エデュケーション(2004) 《ネタバレ》 
1980年、マドリード。スランプを迎えている若き映画監督エンリケの元に、幼馴染みの俳優イグナシオが訪ねてくる。「突然だけど、これは俺が書いた脚本なんだ。是非とも読んでくれ」。16年ぶりに会った、神学校時代のかつての同級生にそう手渡された脚本のタイトルは『訪れ』。戸惑いながらもページを捲ったエンリケは、そこに自分が知らなかった彼の悲惨な過去が書かれていることを知るのだった。これはもしかしたら傑作になるかもしれない――。自分を主役にしてくれというイグナシオの要求を呑み、エンリケは新作映画の撮影を開始する。生粋のゲイでもあるエンリケは、撮影が進むうちにいつしか彼と性的関係を結ぶまでになるのだった。だが、そこから彼らの失われた過去と現在、隠していた嘘と真実、再び芽生えた愛と憎しみがまるでタペストリーの複雑な模様のように交錯していく……。自らゲイであることを公言して止まない、ペドロ・アルモドバル監督が自らの半生を元にして描くそんな半自伝的作品は、とにかく複雑な構造を有した映画でありました。物語は、まずそんなスランプ気味の映画監督の元に売れない俳優が“訪れ”ることから始まります。そこから彼が書いたという自伝的脚本の子供時代の物語へと移行し、そこでは10歳のころに学校の神父によって性的虐待を受けたという彼の衝撃的な過去が明らかとなります。そしてその脚本はまた現在へと戻り、撮影中の映画の中の出来事と監督と脚本を書いた主演俳優という現実の2人の関係がまるで二重写しのように描かれていく。アルモドバルって毎回、お話自体は極めて単純なのにこうした複雑なアプローチでもって意欲的な作品を創る天才だと僕は思っているのですが、残念ながら本作はそんな自らの技巧に溺れてしまったのか、その複雑な構造が作品としていまいち巧く機能していないような印象を持ってしまいました。赤を基調とした情熱的な映像美とこちらにまで汗の匂いが漂ってきそうな俳優陣の肉感的な魅力など、いかにもアルモドバルらしい耽美的な世界観は今回も堪能できましたけれど、彼の幾つもの傑作群に比べるとどうしても若干劣ってしまうかなぁというのが僕の率直な感想です。やっぱりアルモドバルって、男性を撮るより女性を撮った方がその実力を遥かに発揮できるような気がします。
[DVD(字幕)] 6点(2015-07-30 12:49:59)
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