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かたゆきさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1882
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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61.  パディントン 《ネタバレ》 
こういうのを、「典型的な親が子に見せたいと思う情操教育に最適な映画」というんでしょうか。家族は大事、助け合うことは素晴らしい、そんな薄っぺらい道徳心の押し付けがいちいち鬱陶しい。こんなぬるーい映画を観せられて、現代の子供たちの果たして何人が有難がるというのだろう。子供向け、であることと、子供騙し、であることは根本的に違うと思う。
[DVD(字幕)] 2点(2016-10-17 22:35:01)(良:1票)
62.  パージ 《ネタバレ》 
パージ(浄化)法、それは一年に一度、12時間だけ殺人を含む全ての犯罪が合法となる法律――。2022年、社会に蔓延する犯罪を抑止するためにそんな法律が施行されたアメリカ社会。富裕層向けに高度なセキュリティシステムを販売する営業マン、ジェームズ・サンディンはその日、街中を忙しく走り回っていた。何故なら今年もパージの夜が近づいているから。「それじゃ安全な夜を」。職場や隣近所にいつものようにそう挨拶し、愛する家族が待つ家へと帰ってきた彼は、今年もいつものようにセキュリティシステムの電源をオンにするのだった。外の世界では、放火・強盗・殺人が横行し、道路が真っ赤な血で染まるなか、サンディン家は完璧なバリケードで守られた家の中で平穏な夜を過ごすはずだった。そう、一人のホームレスが家の中に逃げ込んでくるまでは……。年に一度、全ての犯罪が許される夜、安全なはずの家の中で繰り広げられる家族の戦慄のサバイバルをノンストップで描いたバイオレンス・スリラー。そーゆー設定を聞いただけでB級感満載な本作、でもイーサン・ホークが出ているということで今回鑑賞してみました。いやー、予想に違わず、完全にB級映画でしたね、これ。イーサン・ホーク、最近けっこう色んな映画に出てるけどちょっとは選べよ(笑)。でも、最初からB級だと割り切って観ればそこそこアリなんじゃないでしょうか。僕はぼちぼち楽しめました。まあストーリーの突っ込みどころなんて無限に湧いてきそうですけど、最初からあり得ない設定の話なんで細かいところがあんまり気にならなくなるのは監督の狙いなんでしょう。自分たち家族が救われるために家に入り込んだホームレスを捕まえ、外に居るサイコパス集団に引き渡そうとする主人公なんて、なかなかイカれてて面白いじゃないですか。このまま、観客の道徳心や倫理観を逆撫でするようなぐちゃぐちゃソーゼツ展開を期待してワクワクしながら観ていたのですが、途中から主人公家族が変に道徳心に目覚めてしまい、後半からいたって普通のサバイバルものになっちゃったのが残念。自分たちだけが助かればいい家族とただ人を殺したいだけのサイコ野郎たちと何の罪もないホームレスが最後、一大血みどろバトルを繰り広げてくれたらもしかしたらカルト作として一部で伝説になれたかも知れないのにね。残念!
[DVD(字幕)] 6点(2016-10-13 23:37:56)(良:1票)
63.  はじまりのうた 《ネタバレ》 
これは新曲だからまだ荒い部分もあるけれど…。都会で独りぼっちだと感じているあなたへ――。妻と離婚し、都会の片隅で酒浸りの毎日を過ごす音楽プロデューサー、ダン。かつてヒットメーカーとして、数々のアーティストを発掘し育て上げた彼もいまや会社のお荷物扱い。元妻からも邪険な扱いを受け、娘との関係もうまくいかず、ますます酒の量も増えていた。そんなある日、追討ちをかけるように会社からクビを宣告されるのだった。自暴自棄となり様々なバーをハシゴし酔い潰れてしまった彼は、とある酒場でたまたま一人の若い女性が歌う曲を聞き、まるで雷に打たれたような衝撃を受ける――。曲を披露した女性の名は、グレタ。彼女も長年連れ添ったアーティストの彼に浮気されフラれたばかりだった。友人の家に居候しながら、元彼との思い出がたくさん詰まった写真や動画を見ては溜息ばかり吐くようなどうしようもない日々。大都会ニューヨークで、そんな人生の袋小路に迷い込んでいた2人は、音楽で自分の人生や業界を変えようと意気投合するのだった。次の日、2人は画期的なアイデアを思いつく。それは全ての曲を路上でゲリラ録音すると言う奇抜なものだった。バンドのメンバーを集め、NYの様々な街並みで歌い始めた彼女たちは、少しずつ世界を変えていく……。冒頭、何の説明もなされないままそんな2人が音楽を通じて出逢うシーンを描き、そこから時系列をバラバラにしてお互いの息詰まった生活を交互に描いていくトコロまでは、抜群の編集センスや音楽的な趣味の良さもあって素直に面白く見ることが出来ました。NYという大都会で孤独を抱えている男女が出逢い、音楽を武器に自らの人生を変えていくなんて、まあベタだけどこれはこれでアリかもね、なんて。だけど……、彼らがそこから路上ライブをするために奔走し始めたあたりから僕のテンションはどんどん下がってゆくのでした。いやいやいや、なんなんですか、この薄っぺらい展開は!!落ちぶれていたはずの登場人物たちがいつの間にか立ち直ってゆき、大した苦労もないままお洒落なニューヨーカーとなって成功していくってなんですのん!!正直、自分はうんざりしちゃいました。たとえ性格が捻じ曲がってると言われようが、たとえひがみ根性が半端ないと言われようが、僕はこういう「本当の悪人は誰も出てこず、みんながみんな音楽を通じてハッピーになって、誰もが気分爽快に観終えることが出来るようなリア充礼讃映画」は嫌いです。以上。これはもう完全に好みの問題なのでいかんともしがたい。
[DVD(字幕)] 4点(2016-07-30 23:46:38)(良:1票)
64.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 
『バードマン』――。それはかつて、スーパーヒーローものの走りとして世界的に大ヒットしたエンタメ・アクション映画だ。主役を演じたリーガン・トムソンは、世界的なハリウッドスターとなり人気を博したものの、それ以降はヒット作に恵まれず、いまや落ちぶれてくすぶり続ける日々を送っている。そんな彼が再起を賭け、主演・脚本・演出を担当した舞台劇をブロードウェイで公演しようと奔走するのだが、次から次へとトラブルが巻き起こり、現場は大混乱に。降板した共演者の代役に抜擢された若手俳優はその自由奔放な言動で現場を掻き回し、薬物中毒でリハビリ中の娘からは常に目が放せず、プロデューサーはいつも金のことで文句を言い、恋人からは妊娠を告げられる……。彼の神経はどんどんと追い詰められ、やがて彼が演じた〝バードマン〟が彼の頭の中で罵詈雑言を囁き始めるのだった……。そんな妄想と幻聴に苛まれる元人気俳優の狂乱の日々をシニカルかつパワフルに描いたブラック・コメディ。『ブラックスワン』の中年男性版とも呼ぶべき作品だが、いやはや、これが実に面白い。冒頭からまるでワンショットで撮ったかのようなカットの途切れない演出、主人公の躁状態を表すように絶え間なく鳴り響くドラム音、実生活を否応なく髣髴とさせるマイケル・キートンの鬼気迫るような熱演、そんな全ての物事が加速度的に盛り上がり、臨界点に達したところで急速に崩壊する彼の精神…。妄想と現実を巧みに使い分け、最後まで一切テンションを衰えさせずに突っ走っていくところなど、イニャリトウ監督の才が冴え渡っている。私生活を犠牲にしてでも優れた芸術を生み出したいという、矜持ある表現者なら誰しもが願う(?)思いと、そんな覚悟を嘲笑うかのように量産されるハリウッド的エンタメ映画との相克。芸術畑の批評家ですら、保守的な思想から公平な論評をしようとしない。いったい芸術とはなんなのか?最後、病室から飛び降りたと思しき主人公を大空に見つめる娘の笑顔は、たとえそれが表現者の生活を破壊し誰かの心を深く傷つけてまで生み出されたものであったとしても、それでも人は優れた芸術を求め続けるということを肯定的に表している。映画や舞台のみならず、全ての創作というものを深く考えさせられる、充実した2時間弱であった。
[DVD(字幕)] 8点(2016-07-03 22:46:23)
65.  博士と彼女のセオリー 《ネタバレ》 
ホーキングさん、あなたの病名は運動ニューロン疾患です。脳からの命令が徐々に筋肉に伝わらなくなり、運動が困難になります。たとえば、話すこと、歩くこと、そして食事や呼吸までも…。最後には、随意運動を制御する能力が完全に失われます。自分の意志で身体を動かすことが出来なくなるのです。残念ですが、余命は2年といったところでしょう。もちろん、脳は影響を受けません。思考力も変わらない。ただ、それを誰にも伝えることが出来なくなるのです。実に、残念です――。1963年、英国。ケンブリッジ大学の宇宙物理学科に進学してきた青年、ホーキングはその卓越した思考能力で将来を有望視されていた。大学のパーティで知り合ったジェーンという素敵な恋人も手に入れ、輝かしい未来に向けて順風満帆に過ごしていた彼だったが、突如として悲劇に見舞われる。ALS。徐々に筋肉が衰え、いずれは寝たきりとなってしまうそんな難病を発症してしまったのだ。当然、自暴自棄に陥りそうになるホーキング。だが、名実共に妻となり献身的に支えてくれるジェーンの助けによって彼は博士号を手に入れ、さらには愛する子供たちまで授かることに。そんな2人に更なる試練が訪れる……。車椅子の天才として名高い物理学者、スティーブン・ホーキング博士。本作は、そんな彼と妻との長年にわたる愛の日々に焦点をあてて描いたヒューマン・ドラマだ。昔、『ホーキング、宇宙を語る』という彼の著書を読んで、その虚時間という考え方――時間というものは自分たち3次元の人間からしたら流れているように見えるけれども、5次元6次元という高度な視点から見ればそれはあらかじめ描かれた地図のようなもので、全ては決まっている(なにぶん大昔に読んだもので間違ってたらごめんなさい!)に感銘を受けた者としては、彼のその人間としての私生活を描いた本作を興味深く鑑賞してみました。確かに、まだ描かれた人々がご存命ということもあってか、幾分か綺麗事に纏めすぎられたきらいはあるものの、美しい映像や音楽、何より役者陣のナチュラルな演技が素晴らしく、最後まで惹き込まれて観ることが出来ました。これは男と女のままならない愛の物語であり、人が家族となることの素晴らしさをとことんまで肯定的に描いた心温まるドラマでもあり、決して数式では割り切れない人間の力強さを描いた賛歌でもある。最後は別れてしまったけれど、彼らの愛の軌跡になんだか柄にもなく切なくなってしまいました。欲を言えば、もう少しホーキング博士の科学者としての側面にも光をあててほしかったけれど、それでも充分見応えのあるヒューマン・ドラマの佳品と言っていい。
[DVD(字幕)] 7点(2016-05-11 01:25:11)
66.  パーフェクト・プラン 《ネタバレ》 
俺たち、ずっと真面目に生きてきてそれで何を手に入れた?答えは、何もだ。この金はそんな俺たちに対する贈り物だ。確かに君の言うとおり、この金はもしかしたら汚いものかも知れない。でも、金は悪くない。問題なのは、人がそれをどう使うかだ――。アメリカで夢破れ、妻とともにロンドンへと帰ってきた造園設計士トム。だが、現実は何処までも厳しく、生活は一向に上向かないばかりか、妻とは不妊のせいでギクシャクし、さらには母が遺してくれた唯一の財産である実家も来週までに金を払わなければ差押えられてしまうことに。そんな折、トムは少しでも生活の足しにしようと間借りさせていた地下室でそこの住人が薬の過剰摂取で死んでいるのを発見する。単なる麻薬中毒者の孤独死、警察はすぐに捜査を終了しさっさと帰ってゆく。ところが、残された部屋を掃除している最中、トムは屋根裏から大金が入ったバッグを見つけてしまうのだった。総額22万ポンド。なんとしてでも生活を立て直したかったトムは、思わず窓枠の隙間にそれを隠してしまう。だが、彼は知らなかった。その金は、麻薬組織の取引現場から強奪された危険な金であることを……。生活に困窮した夫婦がある日発見した危ない大金、それを巡って繰り広げられる麻薬組織や犯罪グループ、汚職警官たちの駆け引きを濃厚に描いたクライム・サスペンス。なんだけど、これがこれまで散々作られてきた同ジャンル作品の見事なまでの焼き直しに過ぎませんでした。もう何処かで見たようなストーリーに何処かで見たような設定、何処かで見たようなキャラクターたちに何処かで見たようなアクション・シーンの雨あられ。別に、これで面白ければ娯楽映画として充分アリなんだけど、本作はびっくりするぐらいお話のテンポが悪く、出てくる登場人物も根暗でウジウジしたちっとも魅力を感じさせない人たちばかりで、もう途中から眠気と戦いながらの鑑賞となってしまいました。それに脚本上の粗も多すぎ!特に悪役。多くの汚職警官に金を払って犯罪を繰り返しているマフィアのボスなのに、主人公のところに部下一人を引き連れてわざわざやって来るってどんなけ警戒心ないねん!しかもど素人の主人公に反撃されて呆気なく怪我させられちゃうって、お間抜けにもほどがある。挙句、何故か最後は主人公の実家に麻薬組織やマフィアのボスがのこのこやってくるのだけど、どちらもやはり部下は一人だけ…、んで何度も強調しますけどど素人の主人公夫婦に電動クギ打ち機や電ノコで呆気なくぼこぼこにされるって…、お間抜けにもほどがあるって!!このチープ感たるやもはや目も当てられない。ま、ぎりぎり暇潰しにはなるかなぁってくらいの凡作でありました。
[DVD(字幕)] 4点(2016-02-28 23:31:56)
67.  パワー・ゲーム 《ネタバレ》 
アメリカン・ドリームを求めて世界的IT企業ワイアット社に入社した青年アダム。だが、厳しい競争社会に敗れて、彼は職を失ってしまう。ところが後日、アダムはワイアット社の役員室に呼び出され社長からとある〝社命〟を受けるのだった。それは、ライバル企業に産業スパイとして潜り込み、極秘プロジェクトの情報を盗み出せというもの。もちろんバレたら犯罪者として逮捕される。当然、最初は断ろうとしたものの、アダムは成功を夢見るあまり、そんな極秘任務を受け入れるのだった。ワイアット社の裏工作により、無事ライバル企業に潜入することに成功したアダムだったが……。ある日突然、巨大IT企業の内部で暗躍する産業スパイとなった青年が辿る運命をスタイリッシュに描いたサスペンス。ゲイリー・オールドマン&ハリソン・フォードという二大ベテラン俳優競演ということで今回鑑賞してみました。うーん、おおよそ想像していたとおりの、まあ可もなく不可もなくな作品でしたね、これ。よく言えば最後まで安心して観ていられる定番のエンタメ作品、悪く言えば新しいところがいっさいないベタベタな企業サスペンス。別にそういう映画があってもいいとは思うのですが、ちょっとこれは後者の印象のほうが強かったですかね~。もう何処かで見たようなシーンと何処かで見たようなキャラクターと何処かで何度も見たことがあるような展開が延々と続き、僕はいまいち楽しめませんでした。最後の取ってつけたようなハッピー・エンドも、なんだか、ねえ……(苦笑)。久し振りに悪役を演じたゲイリー・オールドマンの不穏な空気に満ちた相変わらずの格好良さに+1点しときます。
[DVD(字幕)] 5点(2016-01-06 16:51:26)
68.  バッド・エデュケーション(2004) 《ネタバレ》 
1980年、マドリード。スランプを迎えている若き映画監督エンリケの元に、幼馴染みの俳優イグナシオが訪ねてくる。「突然だけど、これは俺が書いた脚本なんだ。是非とも読んでくれ」。16年ぶりに会った、神学校時代のかつての同級生にそう手渡された脚本のタイトルは『訪れ』。戸惑いながらもページを捲ったエンリケは、そこに自分が知らなかった彼の悲惨な過去が書かれていることを知るのだった。これはもしかしたら傑作になるかもしれない――。自分を主役にしてくれというイグナシオの要求を呑み、エンリケは新作映画の撮影を開始する。生粋のゲイでもあるエンリケは、撮影が進むうちにいつしか彼と性的関係を結ぶまでになるのだった。だが、そこから彼らの失われた過去と現在、隠していた嘘と真実、再び芽生えた愛と憎しみがまるでタペストリーの複雑な模様のように交錯していく……。自らゲイであることを公言して止まない、ペドロ・アルモドバル監督が自らの半生を元にして描くそんな半自伝的作品は、とにかく複雑な構造を有した映画でありました。物語は、まずそんなスランプ気味の映画監督の元に売れない俳優が“訪れ”ることから始まります。そこから彼が書いたという自伝的脚本の子供時代の物語へと移行し、そこでは10歳のころに学校の神父によって性的虐待を受けたという彼の衝撃的な過去が明らかとなります。そしてその脚本はまた現在へと戻り、撮影中の映画の中の出来事と監督と脚本を書いた主演俳優という現実の2人の関係がまるで二重写しのように描かれていく。アルモドバルって毎回、お話自体は極めて単純なのにこうした複雑なアプローチでもって意欲的な作品を創る天才だと僕は思っているのですが、残念ながら本作はそんな自らの技巧に溺れてしまったのか、その複雑な構造が作品としていまいち巧く機能していないような印象を持ってしまいました。赤を基調とした情熱的な映像美とこちらにまで汗の匂いが漂ってきそうな俳優陣の肉感的な魅力など、いかにもアルモドバルらしい耽美的な世界観は今回も堪能できましたけれど、彼の幾つもの傑作群に比べるとどうしても若干劣ってしまうかなぁというのが僕の率直な感想です。やっぱりアルモドバルって、男性を撮るより女性を撮った方がその実力を遥かに発揮できるような気がします。
[DVD(字幕)] 6点(2015-07-30 12:49:59)
69.  ハンナ・アーレント 《ネタバレ》 
「聞いたでしょう、アイヒマンは法律に従っただけ。彼は自分で手を下していない。ただ、ユダヤ民族抹消という上からの命令に従っただけ。その証拠にアイヒマンは、自分にユダヤ人への憎悪はないと主張している。そう、彼は単なる役人なの。ホロコーストという、想像を絶する残虐行為と彼の平凡さを同列に裁くことは間違っている」――。1960年、多くのユダヤ人をガス室へと送ったナチス戦犯アイヒマンが、イスラエル諜報機関によって南米で逮捕される。すぐにイスラエルへと移送された彼は、人道に対する罪で裁判にかけられるのだった。ドイツ系ユダヤ人であり、自らも迫害された過去を持つ高名な哲学者ハンナ・アーレントは、彼の罪を冷静に見つめようと、すぐにイスラエルへと飛ぶ。「こんな残忍な怪物はすぐに処刑すべきだ!」という空気に満ち満ちたそんな裁判を傍聴していく中で、ハンナは彼が裁くに値しない凡庸な人間であるという考え方を強めていく。やがて、「ホロコーストという未曾有の悲劇を起こしたのは、彼のような人間だけではなく、ユダヤ人にもその責任の一端がある」という主張を表明すると、彼女に嵐のような批判が巻き起こるのだった……。実話を基に、ナチス戦犯であるアイヒマン裁判をあくまで冷徹に見つめた一人の女性哲学者の凛とした生き様を淡々と描いたヒューマン・ドラマ。恥ずかしながらハンナ・アーレントというこの哲学者もアイヒマン裁判もほとんど知らずに本作を鑑賞してみたのですが、これがなかなか見応えのある人間ドラマの佳品へと仕上がっておりました。とにかく、本作の主人公であるハンナ・アーレントが人間としてすこぶる魅力的!!ヘビースモーカーだった彼女が煙草をくゆらせながら(ほんと、ず~~~っとプカプカ煙草喫ってます笑)延々とディベートする姿がとにかく格好良い!!どれだけ批判に晒されようと絶対に自分の信念を曲げない鉄の女であった彼女。でも、家庭では一人の女性として夫を気遣う姿がとても印象的でした。そして、ユダヤ人でありながら、自らの感情よりも冷静な知性でもって真実を見つめようとしたハンナの姿勢は大変興味深いものでした。誰もが自分で考えることを放棄し、ただ上からの命令や時代の空気に流されてホロコーストという未曾有の悲劇を巻き起こしてしまった人類……、今回も感情に流されてアイヒマンを死刑にしてしまったら私たちは何も時代から学ばなかったことになるというハンナの思想は、徐々に右傾化する現代日本に警鐘を鳴らしているようでもあります。時代の風潮に安易に流されることなく、自分で考え判断することの重要さをあらためて教えてくれる佳品でありました。
[DVD(字幕)] 7点(2015-06-25 12:45:19)
70.  8月の家族たち 《ネタバレ》 
ええ、そうよ。私が薬を止められないのはこの口の中に出来た癌のせいよ。痛いのよ!口の中が、もう焼けるように――。うだるような熱気が立ち込める8月のオクラホマ。退屈な毎日が繰り返されるそんな田舎町で、年老いた夫と共に過ごすウェストン家の初老の女性ヴァイオレットは口腔癌を患い、常に鎮静剤が手放せないかなりの偏屈者。ある日、そんな常に誰かのことを口汚く罵ることだけが生き甲斐の妻に嫌気が差したのか、長年連れ添ってきた夫が失踪してしまうのだった。連絡を受けた彼女の3人の娘たちは、それぞれの夫や恋人を引き連れて久し振りに実家へと帰ってくる。各々に深刻な問題を抱えた娘たちだったが、長年の鎮静剤服用のせいで性格が歪みに歪みまくった母親の問題行動からさらに大きく振り廻されてしまう。やがて、失踪した父親が湖で自殺死体となって発見されたことで、家族の絆はますます壊れ始めるのだった……。アカデミー賞に輝く豪華俳優陣を起用し、有名な舞台劇を基にそんなかなり問題を抱えた一家族の醜い諍いを終始シニカルに描いたホーム・ドラマ。いやー、なんですのん、この超面倒臭~~~い家族の面々は(笑)。最後の最後までひたすら続く、このうんざりするぐらい醜い口喧嘩の応酬に僕のテンションは上がりっぱなしでした。メリル・ストリープの「お前は中世の魔女か!!」ってくらいのイヤらしい偏屈ババアっ振りはやっぱりさすがの貫禄ですなぁ。対するジュリア・ロバーツの更年期真っ只中って感じのヒステリーおばさん演技も見事に嵌まってました。それにしても、この作品の全編に横溢する家族というものへの徹底的な不信感は凄いですね。家族の絆が最後まで壊れたまま終わっていくのもなかなか良かったです。と、観れば観るほど気が滅入るような作品なのですが、僕のように「家族とは、子供を育てるという目的の下に作られた社会システムであって、必ずしも全ての人を幸せにするようには出来ていない」というひねくれた考え方を持っている偏屈人間にとってはいたく共感出来ました(笑)。さすがにあの従兄弟同士のカップルに明かされる真実はやり過ぎ感があったけど、うん、面白かった!7点!
[DVD(字幕)] 7点(2015-06-06 01:23:24)
71.  her 世界でひとつの彼女 《ネタバレ》 
はじめまして、お会いできて嬉しいわ。私の名前はサマンサ。ついさっき自分で決めたの。あなたに最適化されたOSだけど、今までのそれと違って人工知能(AI)である私は基本的には直感で動くの。私が特別なのは、経験から学ぶ力のおかげ。パソコンの中にしか存在しない、肉体を持たない私だけど、私は一瞬ごとに進化しているの。そう、あなたのように――。長年連れ添った幼馴染みである美しい妻との離婚問題を抱える寂しい中年男セオドア。まだ別れた妻のことを忘れられない彼は、ある日、自らの意志を持ち、自分に最適化されたOSである“サマンサ”と出会う。声だけの存在であるはずの彼女と、心の空白を埋めるかのように、次第にその会話へとのめり込んでゆくセオドア。やがて、彼はそんな“サマンサ”と一線を越えてしまうのだった…。別れた妻のことが忘れられない中年男と、肉体を持たない人工知能である女性との奇妙な恋愛を、センス溢れる美しい映像と音楽とで描き出す不思議なラブ・ストーリー。なんだけど、いやー、なかなか未練たらたらのド直球ウジウジ系失恋映画でしたね、これ。もう、主人公の「僕にとっては人生をかけた重大な恋なのに、彼女にとっては紙切れ一枚の問題なんだよ(泣)」って言葉が象徴するように、ウジウジクヨクヨ、ウジウジクヨクヨ、ウジウジクヨクヨ、もうほーーーんと鬱陶しい(笑)。でも、実はそんなウジウジ系ラブストーリーがけっこう嫌いじゃない僕なんですけど、残念ながら本作は僕の嫌いなタイプのウジウジ系ラブストーリーでありました。「エターナル・サンシャイン」や「(500)日のサマー」といった僕のお気に入りのウジウジ系ラブストーリーって、最後はそんなウジウジしたトホホな自分を突破しようという力強さがあって、そこが観ていて爽快だったのだけど、本作の主人公であるセオドアは最後までウジウジクヨクヨしたままでした。あんた、この2時間の映画の中で、何回フラれとんねん(笑)。確かに、OSと人間の恋というこの先あり得るかもしれない恋愛という着想は素晴らしいし、それをちゃんとリアリティ溢れる自然なストーリー運びで見せる手腕も見事だし、映像や音楽にもセンスを感じさせてなかなか完成度の高い映画であったことは認めますけど、うーん、ちょっとウジウジし過ぎで僕はあんまり好きになれなかったっす。って、ウジウジウジウジ言い過ぎですね。それっくらいウジウジした失恋映画でした。ま、これは好みの問題でしょうね。好きな人にはいいと思います。男なんてみんな女々しいのさ、あはは…(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2015-04-29 07:20:10)(良:1票)
72.  ハリケーンアワー 《ネタバレ》 
2005年、8月29日、ニューオーリンズに巨大なハリケーン“カトリーナ”が襲来。広範囲にわたって暴風と洪水が巻き起こり、一帯に甚大なる被害をもたらしたのだった――。運悪く、そんな日に妻が急に産気づき、救急車で病院へと駆けつけたノーラン。だが、出産予定日を5週間も先に控えていた妻は、急なお産に耐え切れず呆気なくこの世を去ってしまう。突然のことに悲しみのどん底へとうちひしがれるノーラン。ところが神の思し召しか、彼女のお腹の中から小さな女の子が遺されるのだった。未熟児として人工呼吸器が手放せないそんな新たな命に希望を繋ぐ彼に、自然の猛威は容赦なく襲い掛かってくる。全館が停電し、医者も看護師も全員が避難する中、ノーランは旧式で3分間しか充電出来ない発電機だけを手にたった一人で病院へと残ることに。そこから、彼の娘の命を守るための孤高の戦いが始まるのだった……。アメリカで実際に起きた自然災害を背景に描かれるそんなシリアスな内容に、きっとこれは事実を基にした物語なのだろうと勝手に思い込んでこの度鑑賞してみました。けれど観終わって調べてみたらどうやらそうではないみたいですね。「これが事実なら、凄いことだ。娘のためなら父親とはかくも強くなれるものなのか…」という僕の本作への印象は、これが完全フィクションだと分かると微妙に変わってしまいました。これって所謂ソリッドシュチュエーションスリラーの一亜流と呼んでもいいのでしょう。そうなると、さすがにこのネタだけで90分超引っ張るのは無理があったんじゃ……。ずっと画がほとんど変わらないし基本的なストーリーは同じことの繰り返しなので、中盤辺り、ちょっぴり間延びしちゃってます。亡き妻との思い出を回想シーンで差し挟んでみるという工夫がなされているものの、いまいち上手く効果を発揮しているとは言いがたい。とはいえ、親子の絆をド直球に描きたいというスタッフたちの情熱は好感が持てるし、P・ウォーカーの男臭い一人芝居もなかなか見応えあったし、何より自然の猛威に立ち向かう一人の男という本作のテーマは素直に観て良かったと思います。P・ウォーカーさんに関しては、個人的にあまりよく知らなかったですが、なかなか無骨な華のある役者さんだったのですね。今回の事故死はつくづく残念でなりません。
[DVD(字幕)] 6点(2015-04-03 22:34:27)
73.  ハウンター 《ネタバレ》 
パパもママもきっと信じてくれない。私だけが気付いているの、毎日同じことが繰り返されるって!私、ずっと16歳になる前日のままなのよ――。16回目の誕生日を明日に控えた平凡な少女、リサ。ちょっぴり反抗期を迎えているものの、それなりに充実した日々を過ごしている。だがある日、彼女は気付くのだった。「私たち、ずっと同じ日をループしてる!!」。いつも洗濯機からなくなる衣服、空想上の友達と遊ぶ弟、どこからともなく聞こえてくる自分を呼ぶ声……。永遠に繰り返されるそんな出口のない迷路のような生活から、なんとか逃げ出そうともがき始めるリサ。果たしてここは何処なのか?なぜ自分はこんな悪夢のような事態に陥ってしまったのか?そして彼女は無事にこの無限ループから抜け出し、ちゃんと16歳の朝を迎えることが出来るのか?低予算ながら、誰も見たことがない斬新なアイデアと練られた脚本の力さえあればいくらでも面白い映画が創れると世界に知らしめた名作『キューブ』で鮮烈なデビューを飾ったヴィンチェンゾ・ナタリ監督。今回も相変わらず低予算(だってセットはほぼこの一軒家のみだし、ループモノだから映像さえも使い廻しが…笑)なのだけど、そこはやっぱりナタリ監督、この映像への半端じゃない拘りはさすがでしたね。特にこの一軒家に濃密に漂う不気味な雰囲気は一見の価値あり。ただ、残念ながら誰も見たことのない斬新なアイデアは今回ありませんでしたけど。てか、これってP・ジャクソン監督の愛すべき失敗作と僕が認めてやまない『ラブリー・ボーン』と設定がまるかぶりのような気が…。他にも色んな有名映画で見たようなシーンがチラホラ…。とはいえ、こういう思春期少女の精神世界をミステリアスに描き出すゴシック・ホラーってもろ僕の好みなんですよね~。それに後半の様々な少女たちの精神世界が重層的に絡み合うパラレルワールドをちゃんと破綻させずに描ききったところなど、なかなか見応えありました。主役を演じたぽっちゃり女子もけっこう可愛かったしね。ホラー映画としても普通に怖かったんじゃないかってビビリの僕なんかは思ったりもします。そんな訳で、僕の好みを良い感じにビシバシ突いてくるこの作品、ちょっぴり甘めの8点!
[DVD(字幕)] 8点(2015-03-13 18:37:48)
74.  パッセンジャーズ 《ネタバレ》 
「生存者は5人、皆一様に憔悴しきっている。クレア、すぐに来てくれ。君には全員のカウンセリングをお願いしたい」――。アメリカ郊外の浜辺で大規模な旅客機墜落事故が発生。100人近い“乗客たち(パッセンジャーズ)”のほとんどが死亡する中、奇跡的に数名の生存者が発見されるのだった。彼らの心のケアをして欲しいと、すぐに現場へと呼ばれる精神分析医の卵、クレア。自暴自棄に陥る人、絶望の淵へと追い詰められる人、そして極度の躁状態からクレアを口説こうとしてくる男……。彼らの話を聴くうちに、次第に墜落原因に疑問が浮かび上がってくる。「何かがおかしい…」と独自に墜落の真相を探り始めるクレア。すると、航空会社の人間と思しき謎の男に尾行されるようになり、カウンセリングを受けていた生存者たちも一人また一人と消えていくのだった……。果たして事件の真相とは?そして、生存者たちは無事に社会復帰出来るのか?悲劇的な航空機墜落事故の背後に隠された、そんな巨大な陰謀を巡って展開されるサスペンス・スリラー。と、思わせといて、ストーリーが進行していくうちに何だかどんどんと怪しい感じになっていって、途中から「あぁ、きっとこれはアレ系映画なんやろねんな~」と思わせながらも、そのいかにも謎が謎を呼ぶ展開にどんどんと不安感が増していって、さらにはこの監督らしい美しい映像や音楽、丁寧に創られた怪しげな雰囲気なども相俟って、なかなか惹き込まれていきました。こういう自分を取り巻く世界の根幹がどんどんと揺らいでいくような作品、もろ自分の好みなんすけど!!特にこの出てくる登場人物の誰も彼も信用出来ない感じ、なかなか良いですね~。「これでオチがしっかりしていれば傑作になるぞ!」とワクワクしながら観ていたのですが、最後に明かされるこの真相はさすがにちょっと……。うーん、これやっちゃうと、もうなんでもありですやん(笑)。現実の世界を生きる人からの目線(「シッ〇〇・セ〇〇」におけるあの少年のような)が足りないせいで、なんだか世界観が幾分か曖昧になっちゃった感が否めないですね、これ。それまでの不穏な空気に支配されたミステリアスな雰囲気や華のある役者陣の熱演等々、最後のこの残念なオチ以外は普通に面白かっただけに惜しい作品でありました。
[DVD(字幕)] 6点(2015-03-06 11:02:03)(良:1票)
75.  パッション(2012) 《ネタバレ》 
大手広告代理店で若手キャリアウーマンとして働くイザベルは、同じく優秀なキャリアウーマンである上司の下、めきめきと頭角を現していた。ある日、自分が思いついた画期的なアイデアが上司であるそんなクリスティーンに横取りされそうになった彼女は、先手を打ってネット上へと自らが製作した広告動画を流すのだった。それが人々の評判を呼び、本社の社長からも認められ、イザベルは本社勤務へと栄転することに。だが、彼女は知らなかった。そんな、すっかり鼻をあかされた格好の上司クリスティーンは実はライバルを貶めるためには手段を選ばない、とんでもない悪女であることを――。あらゆる手法を駆使され次第に追い詰められていくイザベルだったが、そんな折、謎のクリスティーン殺人事件が発生してしまう……。これまでサスペンス映画の名作を数多く残してきた巨匠ブライアン・デ・パルマ、彼の最新作はそんないかにも彼らしいフランス上流階級でプライドと愛憎が激しく交錯しあう女たちの戦いを妖艶に描き出すサスペンス・ミステリーでした。確かに、今まで築き上げてきたキャリアに裏打ちされたであろうデパルマの巧みな演出(画面二分割や長廻しショット、散りばめられた謎が謎を呼ぶ数々の伏線等々)が随処に感じられて素直に良かったとは思うのですが、物語の構造上の不満を言わせてもらえば、「肝心の殺人事件が起こるまでが長ーーい!」。それに、「全然エロくなーーーい!!」。過去にデパルマが撮った、映画としてみれば大したことないのだけど、洋物ソフトポルノとしてみれば傑作だと僕が認めて止まない『ファム・ファタール』のように、男のみならず女たちまでも虜にする妖艶な悪女クリスティーンをもっと大胆にもっとエロティックに描いてくれたら僕の興味もまだ持続しただろうに、バ〇ブやらハメ撮りやらセクシーランジェリーやらを登場させてエロっぽい雰囲気でお茶を濁すだけって、おい!!うーん、デパルマもさすがに歳とっちゃったってことですかね~。それでも、クライマックスでの畳み掛けるように展開される、夢とリアルと妄想がミステリアスに交錯しあう美麗な映像はぼちぼち見応えありましたです。
[DVD(字幕)] 5点(2015-01-27 19:07:55)
76.  バスケットボール・ダイアリーズ 《ネタバレ》 
貧しい母子家庭に育ちながらも、名門高校のバスケットボールチームの主力選手として華々しい生活を送る青年ジム。しかし、昔からの大の親友であるボビーが白血病で死んだとき、彼の中の何かも壊れてしまうのだった――。心の空白を埋めるために、些細なきっかけでジムはヘロインへと手を出してしまう。だがその悪魔の薬は次第に彼とその仲間たちの生活を蝕み始める…。プロバスケチームからのオファーもふいになり、高校も当然のように退学を余儀なくされ、さらには薬のために引ったくりや強盗にまで手を染めてゆく彼ら。それでもジムだけは、自分の心に残る純粋な部分を守ろうとでもするかのように、その思いの丈を日記に書き連ねてゆくのだった。詩人でミュージシャンでもあるジム・キャロルの自伝的小説を、若き日のディカプリオ&マーク・ウォールバーグ主演で映画化した青春ドラッグムービー。いやー、取り敢えず2人とも若いっすね~。もうこのころからディカプリオは既に垢抜けてて超カッコいいのだけど、反対にウォールバーグがめっちゃイモっぽかったのが僕的にちょっとツボでした。あんた、どこの童貞中学生やねん(笑)。さて、肝心の内容ですが、「え、ジム・キャロルって誰?そう言えば、昔ブランキージェットシティの曲で何度か耳にしたことあるな~」程度の予備知識だけで観たのだけど、うーん、日記体で書かれた原作を映画にしたから仕方ないのかも知れませんが、なんだか最後までずーっと一本調子で進んでいくため、少々退屈という印象が否めない作品でしたね、これ。最後までひたすらディカプリオが出ずっぱりなので、「きゃー、レオ様~(もはや死語?笑)」という甘い声で追っかけてたミーハー女性の方にはウケたかも知れませんが、もうちょっと他の登場人物たちにも焦点を当ててみるとか、ジムの回想シーンを織り込んでみるとか、そんなもっとメリハリの利いた展開にしてくれないと純粋に映画として観るにはちと辛いっす。それに、この「いろいろあったけど最後は無事に立ち直ることが出来たのでした。パチパチ」という薄っぺらいラストにも拍子抜けでした。でもまあ、天才俳優としてその後の躍進を予感させる、若き日のディカプリオの熱演は充分堪能できましたけどね。ヘロイン欲しさに鼻水まみれになりながら母親に罵詈雑言浴びせかけるトコなんか凄くリアルだったし。あ、マーク・ウォールバーグも良かったよ。イモっぽくて(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-09-19 21:10:10)
77.  パニッシュメント(2013) 《ネタバレ》 
それはいつものように平凡な一日になるはずだった――。PM2:00、自堕落な母親とまだ生まれたばかりの病弱な赤ん坊と共に暮らしている少年コリーは、とても手が出そうにない高額な赤ん坊の薬を手に入れるため銃を手に薬局へと向かっていた。2:02、違法な荷物ばかりを扱うバイク便の女運転手アレクサは、ギャングに追われていた謎の青年をひょんなことから後ろに乗せて助けてやるのだった。2:01、政府のテロ対策捜査班として相棒と共に任務を遂行中のマーティは、爆弾テロを計画中と思しき容疑者のアジトへと乗り込んでゆくのだった。2:03、元全国ネットのニュースキャスターだったもののいまや落ちぶれてホームレスとなってしまったドークは、同じくホームレスの友人と共にヒマ潰しに警官の銃を盗むのだった。2:04、小さな街で、そんなまったく関係なさそうな人々の物語が、「口の中を噛んだことがある?」と何度も問い掛ける黒人の太った女の子フューによって、とある奇跡へと収斂されてゆく。明らかにデビュー当時のタランティーノの影響を色濃く受けていることが丸分かりの、独特の猥雑な雰囲気が全編に漂う群像劇。なんだけど、残念ながら本家に比べてセンスがあほみたいに不足しているせいで、奇をてらっただけの単なる凡作どまりの出来でしたね、これ。まず、音楽が超ダサい。タランティーノ目指すなら、これは致命的っしょ(笑)。そして小さな街の中で様々な人々のくだらない物語が、最後、キリストの奇跡へと繋がってゆくといういかにも「パルプ・フィクション」な展開も完全に無理ありありで、見事なまでに破綻しております(あははッ笑)。でもね、頑張ってるのは分かるんだよ。全編にわたって、タランティーノを少しでも追い越せるような映画を創りたい!という意欲はビシバシ感じます。ただ、残念なことに監督に才能がなかっただけなんだよね~、残酷なようだけどさ。うーん、まあそんな監督の頑張った感と髭もじゃクリスチャン・スレーターの最近の半端じゃない落ちぶれた感にエールを込めて5点っす!
[DVD(字幕)] 5点(2014-06-27 21:18:50)
78.  バレット(2012) 《ネタバレ》 
俺はデカを助けた。普通ならしないが、信念を曲げなきゃならん時もある。これからその話をしよう――。長年、殺し屋として裏社会の第一線で活躍してきたジミー。ところがある夜、若い相棒と共に簡単な仕事をこなしバーで祝杯を挙げていたら、謎の男によってその相棒を殺されてしまう。「この依頼には何か裏がある…」そう確信したジミーは、同じく元相棒を殺されたアジア系の若い刑事と不本意ながらもタッグを組み、事件の黒幕を求めて夜の街へと繰り出してゆく。だが、ジミーの娘である女刺青師リサにも犯人の魔の手が迫るのだった…。スタローン主演、監督は名前を聞いて正直「へー、まだ生きてたんだ~」と思っちゃったウォルター・ヒルという、旧世代の遺物のような2人が製作した恥ずかしくなるくらい超ベタベタなアクション・エンタメ作品でした。さすがに還暦過ぎたスタローンがまだまだ現役バリバリの殺し屋役って、やっぱ無理があると思うんですけどー。なんか動きがいちいちドタドタしててキレがないし(笑)。それに完全アナログ親父のスタローンと、ケータイで何でも瞬時に情報を手に入れちゃう若いハイテク刑事という正反対な2人が黒幕を追ううちに次第に友情を育んでいくという、いかにも古き良き時代のアクション映画を楽しみたいお父さん世代に媚を売るようなストーリー展開に、僕はちょっぴり辟易でした。「ほら、そこのお父さん、そろそろ若い女の裸見たいでしょ!さあ、どうぞー!」と言わんばかりに出てくるパーティー会場での若い女たちのヌードも、あまりにもサービス過剰感があってなんか馬鹿にされてる気がしちゃいました(まあ、目を見開いて見入ったけどさ笑)。うーん、スタローン&ウォルター・ヒルとは言え、さすがにこれは古臭いっす。5点!
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-17 19:21:46)
79.  バッド・アス(2012) 《ネタバレ》 
始まりはバスの中だった。俺がいつも使う路線144だ。ある事件が起きた。俺の人生を劇的に変える事件が――。かつてベトナムで戦った国の英雄フランクも退役すると路上のホットドック売りとなり、気が付くと初老の域に差し掛かっていた。このまま平凡な人生で終わるのだろうと思われたある日、バスの中で調子に乗っていたチンピラどもを颯爽とやっつけた動画がネット上で公開され、彼はいちやくヒーローに。そんなおり、フランクの大の親友が無残にも路上で殺されるという事件が起きる。警察は役に立たない。〝バッドアス(イカれたヒーロー)〟と祭り上げられていた彼は、そんな風潮に後押しされるかのように、親友の無念を晴らすため、悪逆非道なチンピラどもを叩きのめしていくのだった。ダニー・トレホ主演だし、もっとロドリゲスの「マチェーテ」みたいなぶっ飛んだ世界を期待して観たのだけど、意外にも普通のB級アクションでしたね、これ。ネット上で話題になり世論に祭り上げられて暴走してしまうヒーローという現代風のテーマもストーリーに上手く絡んでおらず、観終わってみれば、スティーブン・セガール風のよくある凡庸な復讐物でした。もうちょっと新しい切り口が欲しかったですね。まあ、ダニー・トレホの常に短パン&ウエストポーチという休日のお父さんみたいな格好なのに、どこまでも無敵なオヤジっぷりはなかなか良かったですけど。あと、ダニー・トレホの回想シーンで彼の若かりし日を演じる俳優が肌つるつる過ぎて、あんた思い出美化しすぎって思わず突っ込んじゃいました(笑)。
[DVD(字幕)] 5点(2014-05-09 00:00:25)
80.  パッション・プレイ 《ネタバレ》 
かつてトランペット奏者として名を馳せたネイトも、酒とクスリに溺れ、いまやその日暮らしのドサ廻りへと落ちぶれていた。ある日、マフィアのボスの女に手を出してしまったことから、彼は冷酷な殺し屋に捕まり人気のない砂漠の真ん中へと連れて来られてしまう。そんな絶体絶命のピンチを、何とか逃げ延びることに成功したネイトは砂漠で怪しげなサーカスの一団と出会い、そこで背中に鷹のように大きな翼を持つ、天使のように美しい女性リリーと知り合うのだった。「こいつは金になる」と直感したネイト。強引に彼女を連れてサーカス団を飛び出した彼だったが、清らかな心を持ったリリーにそんな思惑も忘れて次第に心惹かれてゆく。だが、彼のことを追うマフィアの魔の手がそんな二人の仲を無慈悲に引き裂いていくのだった。という、よく分からない設定のファンタジーハードボイルド作品。率直な感想を言います。久し振りにこんなつまらない映画を観てしまいました。こういう荒唐無稽な設定の作品って、だからこそ徹底的に考え抜かれた強固な世界観が必要なのだけど、この映画にはそれが微塵も感じられません。そして、全く魅力のない登場人物が織り成す、ご都合主義全開のかなり薄っぺらいストーリー展開に終始睡魔が…。何より、作品の肝となるだろうリリーの翼描写も低予算のせいか、CG丸出しのびっくりするくらいチープな代物で苦笑しちゃいました。挙句の果ては、観客置いてけぼりのまま、マフィアに追い詰められた二人がビルから飛び降りて、その後どうなるんだろうと観ていたら(もちろん惰性で)、あの大空へ~翼を広げ飛んでいきました~、悲しみのない自由な空へ翼はためかせ行きーたい~~という馬鹿丸出しのオチ(おっと、ネタバレ。ま、いっか笑)を迎えちゃいました。は、ははは…。いやー、もう怒りを通り越してただ笑うしかなかったっす。どうして、こんなアホな映画に、ミッキー・ロークやビル・マーレイが出ているのか、かなり謎な作品でありました。
[DVD(字幕)] 2点(2014-02-28 00:01:01)
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