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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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81.  バトル・ロワイアル 特別編
「特別編」と「特別でない編」とを厳密に比較したわけじゃないけど、シーンの追加で、なんだかちょっとポエムな作品になりましたねえ。 でも、実はもともと、こういう作品なのかもしれんなあ、と。そりゃまあ、テーマとしては、殺し合いが最初から最後まで行われる殺伐とした作品、ということになるのですが、実際はその殺し合いの多くは主人公のあずかり知らぬところで発生している、という点では妙なオハナシ。殺し合い以外にも、自殺しちゃうヤツもいて、実際、殺し合いには違いないものの、どこか、クラス全員が集団自殺に追い込まれていく姿、のようにも見えてきて。 という、いささか求心力には乏しい一種の群像劇、緊密さばかりでなく、こういう、少し弛緩したようなポエムな空気もあってもまたよいのでは、という気もいたします。 それにしても、当時、政治家も問題視したこの『バトル・ロワイアル』、まさかこの出演者の中から、後に政治家が出てくるとは、思わなんだ。勿論、キタノ先生のTV番組(元気が出るテレビ)にメロリンQで出てた頃は、さらに思わなかったけど。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-12-19 13:58:46)
82.  薔薇の名前 《ネタバレ》 
サスペンス映画の作り手としてのジャン=ジャック・アノー監督って、どうなんですかね。ここぞという場面で画面をゴチャゴチャさせるだけであまり緊迫感を感じないのですが。 しかしこの作品の魅力は何といっても、この雰囲気、中世の独特の雰囲気、宗教に縛られた閉塞感がもたらすアヤシげな雰囲気。ですね。 オカルトじゃないんだけど、どこかオドロオドロしくて、何が起きるか分からない。そして発生する連続殺人事件、その謎解きに挑戦するのが、ショーン・コネリー。このヒトが演じるとどんな役でもチョビっとだけ頼りなく見えてしまうのは、何故なんでしょうね。 火炙りの刑が進められるその向こうで発生する大火災、というクライマックスも見応えがあって、この時代背景、この舞台背景があってこその盛り上がりを見せてくれます。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-10-17 14:06:31)
83.  バラキ 《ネタバレ》 
『ゴッドファーザー』と『仁義なき戦い』を足して2で割っても、こうはならないとは思うけれど、でもそんな感じがする作品です。 製作の時期もちょうど両者に挟まれる形になってますね。 映画としては『ゴッドファーザー』からは何らかの影響を受けざるを得ないのかも知れないけれど、原作本が出版されたのはこちらの方が先(しかも実話)、ということなので、全体としては互いに影響し合っているのでしょう、きっと。 とは言ってみたところで、確かにマフィアの知られざる実態を描いている点からの興味には共通のものがあれど、何と言ってもコチラは主演がブロンソン。アチラのような華美な(それ故、いささか表面的な)世界ではなく、だいぶ男臭いです。ワイルドです。役どころもそれほどの大物ではなく、あくまで運転手。 冒頭、ブロンソンが刑務所で暴れて、刃物を人質に突きつけ、脱獄でもするのかと思いきや、要求は「独房に移せ」。意表をつくオープニングでツカミはOK、刑務所内ですら彼にとって安全ではなく、シャバなどもってのほか。独房にしか安全がない、という彼の状況が示されると同時に、彼のタフさも感じ取ることができますが、まあもともとブロンソンですから、タフなんでしょう。 で、そこから彼の過去が語られる、という構成。だから多少、物語性には乏しいですが、そういう彼が見てきた、経験してきた一種不可思議な世界が、特に暴力性を示しつつ(指詰めならぬマラ詰め)、淡々と語られていきます。 そしてラスト。結局、組織の中に深く入り込みそこから抜け出せなくなった男は、そこから抜け出すために真相を暴露しようとするけれど、その結果、この社会全体という、さらに巨大でさらに容赦のない組織の奥深くに閉じ込められてしまうのであった。ってなところでしょうか。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2021-09-19 13:43:07)
84.  ハイランダー2/甦る戦士
先日はハイランダー2を見てるつもりで実はハイランダー3を見ていたことに、見終わるまで気付かなかった、という大失態を犯してしまったので、気を取り直して、今日は「これはハイランダー3なのだ」と思いながらハイランダー2を見ることにします(?)。 と思って見ると、ああ、3本目に至って、第一作から本当に遠い世界に来ちゃったなあ、と。いや実際はまだ第2作なんですが。 冒頭こそ「神々の黄昏」が鳴り響いて、いかにもソレっぽい雰囲気だけど、何程もしないうちに、スネークことカート・ラッセルがここにいないことが不思議なくらいの三流感が溢れてきて。 その割には、列車を用いたなかなか派手なアクションをやってみせたりして、手が込んでます。 ショーン・コネリーも、こんなところで一体、何やってるんでしょうね。ボンド役さえオサラバしたらもう、何でもアリ、自由を謳歌しているようです。 という訳で、滅茶苦茶で意味不明なんですが、妙に手が込んでる。カルト作になる条件は、一応、備えているかな、と。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-07-02 23:01:01)
85.  バニラ・スカイ 《ネタバレ》 
正直、『オープン・ユア・アイズ』を見てりゃ、こちらは見ないでもいいや、くらいにしか思ってなかったんですけど。どうせトム・クルーズのこと、日本でパチンコが気に入って「コレを自宅にも置いてくれ!」とか言ったみたいに、「ペネロペと共演させてくれ!」とか言い出して作られた映画なんじゃないかと。 仮にそうだとしても、結構、楽しめちゃったりする作品、だったりします。 冒頭から、トム・クルーズ、猛然と走る姿を披露してみせ、こういったところはアクションスターとしての矜持でしょうか。 途中からの特殊メイク顔は、きっと、「さあ、メイクさんよ、このボクの美しい顔をとびきり醜い顔に変えてくれたまえ」とか言ってそうな気がする。ホントに言ってたかどうかは知らんけど、割とトム顔の原形を留めていて、この辺りはやや迫力不足の気味がありますけれども。 オチを隠すでもなく、むしろ途中は再三、オチを匂わすようなところがあって、現実と非現実との境界が曖昧になっていく(もともと境界なんて無きに等しいけど)。 なんだかだんだん、真景累ヶ淵みたいな状態になってきて。 まあ、リメイクする意義なんて大して感じられない作品のようにも思えるけど、そうは言いつつもコレはコレで悪くなく、スター映画である分、オリジナル作よりも後々まで残る作品、ってことになるのかも。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-30 23:06:57)
86.  運び屋 《ネタバレ》 
「園芸家」というのと、「好き勝手やってきたもんで家族に愛想を尽かされてる」というのとが、イマイチ繋がりにくいのですが、いや、そんな園芸家さんだって、そりゃいるでしょうよ。 で、かつては自らの園芸の腕一本でブイブイ言わせてたけど、デジタル化の波には勝てず商売上がったりでついに家を差し押さえられるハメに。と言う訳で、ギャングどもの麻薬運びを引き受けちゃったジイサンの話。 ヨボヨボのジイサンを取り囲む俳優陣は、その殆どが、若々しく、逞しく、ガラも悪かったりして。その中に澄ましたジイサンが、ひとり。もしかして撮影現場もこんな感じでイーストウッドだけが浮きまくっているのではないか、と思えてきます。 一応、悪いことをしているという認識を、知識としては持ってるらしいジイサン、しかし自覚がまるでない、というか、ヘンに世知に長けていて機転が効いちゃったりする分、たちが悪い。 という主人公を自分で演じていて、自分を主人公に重ねている部分もあるのですが、それにしては描き方が妙に客観的。ジイサンから周りがどう見えるか、よりも、周りからジイサンがどう見えるか、の方が中心的に描かれているように感じられます。これがちょっと不思議なところでもあったりして。主人公が追い詰められていくクライマックスなど、見ている我々は、主人公と一緒に追い詰められる、というよりも、あくまでそれを外部から見る立場であって、何だかジイサンがどんどん小さくなってしまう。 でも最後は一点、頑固なところを貫いて見せて。でも、ホントに反省しているのやら・・・という、微苦笑を誘うラスト。 ところでこの映画、同時録りの際の都合か何か?なのか、セリフの音声に一部、違和感があるんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-05-09 12:56:08)
87.  バタリアン2
どこやらの小さな町で、化学物質によって死人が蘇り、解体されようがどうされようが、意にも介さず脳ミソ求めて大暴れ。 という基本は前作そのまんまで、ゾンビキャラクターのユニークさ、という点ではやや見劣りするようにも思われますが、それでも、首だけゾンビのすました表情など、気味悪くも愛嬌があって、この続編の方もなかなか魅力的。 前作の演出があまりにテキトーで素人じみていたに対し、こちらは、だいぶサマになってます。 前作を踏襲はしてるけど、少年を主人公にしたことで、ちょっと冒険譚みたいな要素が加わり、前作にはなかったテイストも感じさせますが、それより何より、あのポンコツ医師の、なんと良い味出してること。アメリカ映画の中でドクターと呼ばれるヒトにはだいたいこうイメージがあるのだけど、アメリカではコレが普通なのか???
[インターネット(字幕)] 7点(2021-04-08 07:22:35)
88.  パルプ・フィクション 《ネタバレ》 
コレ、元々初めて見たのが、トゥルーロマンスよりもレザボアドッグスよりも前だったもんで、ラストにはエラく肩透かしをくらった印象があったのですが、後にこれら2作を見て、パルプフィクションの最終エピソードは一種のセルフパロディ、あるいはセルフアンチテーゼとでも言うようなものだったのかな、と。 ともかく、確かにこの作品でも暴力は描かれているけれど、それはごく部分的なもので、主体は会話、それも飛び切り無意味な会話。サッと受け流せばいいものを、相手もいちいち突っかかったり反論したりするもんで、ムダな会話が何処までも続き、次のムダなセリフを無限に再生産していく。 登場人物はしばしば歩き回ってカメラがそれを追いかけ、場面が変わったかと思うと、エピソードのつなぎ目では時間軸が変わり、主役と脇役が入れ替わって視点も大きく変えられてしまう。 という、遊び心に溢れた作品になってはいるのですが、それでもあと少し、刺激があればなあ、とも。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-03-28 22:03:52)
89.  80日間世界一周
正直、カンティンフラスの顔が原作のパスパルトゥのイメージとかけ離れているという、ただその一点で昔は少々ニガテな映画だったんですが、最近、ようやく見慣れてきたかな、と。ちなみにカンティンフラスっていうヒト、地元では大変有名な方、なんですよね?? 私は本作以外では『ペペ』(という3時間超えの映画をテレ東がCM込み1時間半枠にズタズタに切り裂いたヤツ)しか知らないんですけれども。 ヴェルヌの原作通りに進むのかと思いきや、世界一周の旅に出発したフォッグ氏、いきなり気球に乗って迷走を始めてしまう(なぜかスペインに行ってしまい、パスパルトゥが闘牛をやる羽目に)。しかしこの気球が、ヨーロッパのあちこちの空に登場する、というシュールでもあり豪快でもあるシーンに、まず、度胆を抜かれます。とんでもない映画が始まったぞ、という雰囲気がプンプンと。 その後はまあ、意外に原作通り、といった感もあるのですが、それでも、列車通過後に橋が倒壊するシーンとか、外輪船が分解されていく場面とか、実際にこれらを映像で見せられるとなかなか強烈なインパクト。読むのと見るのとは、やっぱり違いますわな。 「間違ったニッポン」の光景も、いやはや、なかなか・・・。 アウダ姫の存在感が無いとか、肝心のフィックス刑事の存在感がさらに乏しいとか、少々物足りない面もあるのですが(原作との違いをあげつらっても仕方がないんですけどね)、でも、こうやって映画の中で世界を旅して、次から次に世界各地の光景が現れて(もちろん富士山や鎌倉の大仏も)、いざその旅が終わってロンドンに帰ってくると、ああ、映画の中でいろんな光景を見たな、いろんな体験をしたな、と、何だかしみじみしてしまう。 ヘンな充実感を感じてしまうのでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-14 22:07:12)(良:1票)
90.  ハード・コア(2018) 《ネタバレ》 
こういうの見てるとつくづく、時間の流れってのはこの世の中、一定でも何でもなくって、人によって明らかに「違う時間」を生きてるなあ、と。そういう時間の淀みみたいなものが、よく出ています。 青臭く、そして懐かしくもある、自意識の泥沼。奥手だから生真面目で、生真面目だから奥手で、正義感だか言い訳だかわからないものに縛られてて、でもしっかり性欲にも縛られてて。そこには「解は無い」んですけどね。 で、こんなヒトたちだから、たとえ生活の中に超高性能スーパーロボットが現れたところで、もうどうしようもない訳で。ロボットは結局は何もしてくれないし、何も変わらない。せいぜい、できるのは「退場すること」。ロボットができるのは、その手助けだけ。 やけに、タバコが、印象的でした。
[DVD(邦画)] 7点(2020-04-15 20:54:22)
91.  ハクソー・リッジ
子どもの頃に兄弟ゲンカで危うく人を殺めそうになった、とか、動脈と静脈の区別すらつかないけれどたまたま止血がうまくいって人を救った、とか、そういうエピソードが後の展開への下地を作ってたりして、数々のエピソードが網の目のように伏線になってます。父親の存在なんかも、そうですね。 で、そういう伏線が織り込まれてはいるのですが・・・にもかかわらず、主人公の主張がいささか極端に過ぎるせいか、正直、これらのせっかくのエピソード群が、彼の言動にあまりうまく繋がっていないような気がします。この主人公像を描くには、もっと強い印象を残すエピソードが必要なのでは? とか思うのも途中まで。後半、これでもかと続く戦闘シーンと、負傷兵の救出を続ける彼の姿には圧倒されます。戦闘の描写にちゃんとストーリー性を持たせた丁寧な描写も、その強い印象に大きく貢献しています。もっとも、テンポが良すぎる部分もあって、やや要領が良すぎるのでは、と思えたりもするのですが、そこはそれ、あくまでヒーロー映画ということで。 彼はついに銃を手にするのか、それとも最後まで銃を拒否し突けるのか、というサスペンス。 それにしても日本兵のガタイが少々良すぎるのは、これは最後まで違和感を感じてしまったのですが・・・一種のサバイバル映画ですから、「敵は強そうでないといけない」ってことなんですかねえ。しょうがないんですかねえ。
[DVD(字幕)] 7点(2019-10-07 21:16:51)(良:1票)
92.  ハンターキラー 潜航せよ
ロシア領海内で、ロシア潜水艦と米潜水艦が沈没。何が起きたのか、あるいは今、何が進行しているのかを探るため、4人の特殊部隊と原子力潜水艦アーカンソーが現地に派遣される。という訳で、陸上部隊の活躍と原潜内が並行して描かれて次々に事件が発生し、とにかく飽きさせません。片や海中での魚雷戦があり、片やパラシュート降下や陸上での銃撃戦があり、盛り沢山のエンターテインメントになってます。 潜水艦が潜航する際に艦内が傾く描写なども楽しいし、スクリューの重たい機械音、不安を誘うソナー音が続く一方で、艦内で息をひそめる定番の静寂シーンもあって、音の演出も効果的。だけど。 スピード感があって、サラサラと楽しめる分、もうひとつ心にひっかからない、ってのはありますね。 海中で魚雷が走り回る不気味さ、ってのは大いに結構ですが、図体のデカい潜水艦までこうも自由に動き回ると、何だかテレビゲーム的になっちゃう。水の重さ、水中での動きの不自由さ、みたいなものがもう少しあってもよかったかと。 チビ潜航艇が母艦とドッキングする場面なんかも、いとも簡単に繋がっちゃうんですけど、たぶん本当は結構、手数がかかるんじゃないんですかね。作業が手間取る一方でせまってくるミサイル、みたいなシーンを、例えばスピルバーグみたいなイジワルな人なら、「これはもう絶対間に合わない」というショットでもって演出するところだと思うんですが。本作はスピード重視なんでしょうか、何だかアッサリしてて。ハラハラさせるシーンは確かにあるんですけどね、でももっとハラハラさせてくれたらいいのに。 本作は、ロシア艦長役のミカエル・ニクヴィストの死後に公開、つまり彼の遺作にあたり、実際、彼の思い出に捧げるとのクレジットが出るのですが、それにしちゃあ(って、遺作のつもりで作った訳でもないでしょうが)、彼とジェラルド・バトラー艦長との関係も描き方が物足りない。ジェラルド・バトラーの『300』を彷彿とさせるコワイ顔ばかりが印象に残って。ふたりの関係をどう描くか、物語の上でも重要な部分のハズなんですけれども。それに比べると特殊部隊のトビー・スティーブンスの方が、ナンボかいい味出してます。 うーむ。何だかこれじゃ、不満タラタラみたいですね。そんなことないですよ、面白いですよ!(何じゃそりゃ)
[映画館(字幕)] 7点(2019-04-21 09:44:44)
93.  ハングリー・ラビット
前半は、「世にも奇妙な物語」でドラマ化されてた「復讐クラブ」みたいな、復讐代行のオハナシですが、巻き込まれ型サスペンスの体裁をとっており、謎が提示される前半に対して、後半は謎解きとアクションへとなだれ込み、ああやっぱりニコラスケイジ映画にハズレなし。などと、有りもしない法則性にいつまでもすがっていたってしょうがないんですけれども。 冒頭の、自動車転落事故に見せかけた殺人の場面など、一瞬でケリをつけるのではなく、むしろ手間取りモタつくようなその経緯を何カットも使って描いていて、これは「プロの仕業ではない」というこの作品の物語の根幹に繋がる部分でもあるのでしょうが、それを抜きにしても、細かい描写の面白さというものがあります。主人公が自販機でチョコを買うシーンにおけるシツコさなんかもそうですね、わざわざ「2個買え」と指示されるもんだから、時間がかかる、モタつく、何かヤな感じ。 不良生徒とのやり取りなんかも、主人公が停職になるというストーリー上の必然性もあるのでしょうが、それ以外に主人公の内面の変化もそこに投影されていて、印象に残ります。 で、提示される数々の謎(板書された電話番号とか、「choose」のメッセージとか、何で主人公の電話番号が知られているのか、とか)は、理屈をこねれば納得できなくはないけれど、正直よくワカランというか、謎はナゾめいているから面白いんだよね、ツジツマなんて合っても合わなくてもいいよね、というノリで突っ走ってるところがあって、そういう割り切りが作品の魅力になってます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-23 10:09:37)(良:1票)
94.  張り込み(1987)
コレも結構、好きなんですよね~。ジョン・バダムだから面白いのか、面白いからジョン・バダムなのか。 本当の張り込みというものがどのくらい大変なのかはわかりませんが、こういうの観てるとちょっと憧れちゃう。何かイイじゃないですか、この、グダグダな環境の中で、ムダにダラダラと時間を過ごす感じ。これでも仕事だってんだから、ちょっと羨ましい。 というワケで、物語の方もそれなりにまったりとした部分もあるのですが、リチャード・ドレイファスが何かにつけ、要らんコトをするもんだから、ハラハラさせられ、目が離せなくなります。 そして、冒頭の魚加工と対応するように、クライマックスには、製材所を舞台にしたアクションを持ってきて、こういうのが実に楽しいサービス精神。全編通じて、軽いノリが楽しい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-03-09 00:38:34)
95.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
主人公の勇気と決断力を浮きだたせるために、いったん主人公を厳しい立場においやって、クライマックスの公聴会でもう一度それをなぞって見せる、という構成。試験結果を待つような気分でハラハラさせてくれます。 90分少々の作品で、30分が事故後の主人公と世間の模様、30分が事故と救出、30分が顛末、という、えらく律儀な構成になってます。もう少し変化をつけてもよかったのかも。大事故の幻想シーンが挿入されて観る者をハッとさせるのは、一応はそういう変化の一種なのかも知れないけれど、もう一つこの物語にマッチしていない印象があります。主人公は自分の決断に自信があったのか、迷いがあるのか? この悪夢から立ち直れたのかどうなのか? 事故当時の音声を聞いた後、休憩を要請して廊下に出た主人公、あの幻想シーンもあったことだし、やはりトラウマになってるのだろう、廊下でぶっ倒れてるんじゃないか、と思って観てたら、副操縦士とエラく前向きな会話してるし。 というワケで、どうもこの主人公像がもひとつピンと来ない部分は、あるんですね。それに映画の中では、主人公に接する人物はみな彼を気軽に称賛して、それが主人公の孤独感をかえって強めたりもするんですが、正直、この映画自体が主人公を「そういう風に」持ち上げているような面があって。実際の機長本人がこの映画で孤独になってなければいいけど。 もっともこの作品、主人公だけが英雄なんじゃなくって、みんながヒーローなんだ、という立場に立ってて、そういや、後に救出に加わるフェリーが、この後何が起こるかを知らないままに出航する場面、妙に印象的だったなあ、と。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-14 13:07:39)
96.  爆走トラック’76
邦題を見て、これは実に安そうな映画だなあ、なんて思いつつ冒頭のクレジットを見ていると、何と監督はジョナサン・カプラン。って、誰だっけ。そう、『告発の行方』ですね。だから(というワケではもちろん無いけれど)本作、なかなか社会派です。プロレタリアート映画です。 エアーウルフでお馴染みジャン=マイケル・ヴィンセント演じる桃次郎(じゃないけど)が、退役後、トラックの運ちゃんとして一旗揚げてやろうと思ってるのですが、違法行為を断ったが故に、さまざまな妨害を受けることに。 彼のやんちゃそうな顔立ちと、一本気な主人公のキャラが、よくマッチしてます。金はかかってなさそうだけど、体を張った小気味よいアクションも見どころ。 そんでもって、妨害行為はだんだんエスカレートしていき、ついに彼の怒りが爆発。で、どうなる訳でもなく怒りが爆発したところで終わり、っちゃあ終わりなんですけどね、そこがまた社会派っぽかったりして。これが終わりじゃない、ここからが本当の始まりだ、と。 安そうな映画ではありますが、もしかしてペキンパーの『コンボイ』にも影響を与えたりしてるんじゃなかろうか(それも無さそうな話ではあるけれど)、なんて思わせる瞬間もあったり。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-10-14 14:20:54)
97.  パシフィック・ウォー
ジョーズ87でお馴染みのマリオ・ヴァン・ピーブルズが撮ったサメ映画、ということで期待したんですが、あ~いくら何でも、もうちょっとマシなCG使わせてあげたかったなあ、と。私ごときが使わせてあげるだのあげないだの言う立場でもありませんが。 それはともかく、人種間の断絶と和解が織り込まれている、というのがやはり、この監督らしさ、でしょうか。 後半の漂流シーンはやや単調で残念。海の神秘性みたいなものまで表現できたら、人間の無力さ、小ささというものも、もっと際立ったかも?? それにしても、この人間にとっての地獄のような場所が、サメにとってみれば日常の生活の場であって、ただ闖入者どもを喰ってるにすぎない、というのが、なんと恐ろしいことか。 映画は後日談にまで続き、ちょっと蛇足気味かと思いきや、意外な感動をもたらします。
[DVD(字幕)] 7点(2018-08-08 20:29:19)
98.  パージ
『わらの犬』は夫婦ふたりだったけど、これを親子4人家族にしたら、どうなるか。 しかも息子がかなりヘンなヤツで、オマエはトイ・ストーリーに出てた隣のガキか、と言いたくなるのですが、ちゃんとストーリー進行上の「火種」になってくれます。これだったら、この息子絡みであといくつかギミックを仕込めたんじゃないか、という気もしてしまうのですが、なにせ85分とコンパクトにまとめた映画。そこまでの寄り道はしません。 むしろ、4人家族の気持ちがバラバラになってくると、行動もバラバラになって、4者4様の行動が物語をかき回す、といったあたりが見どころ。襲ってくる敵にどう立ち向かうか、という点では、妙にオヤジが強すぎて、え、こんなキャラだったのか、という違和感もあるのですが(この辺り、もう少し丁寧な描写があれば、とも思うけど何せ85分。スピード感が命です)、そういう中途半端さが、イーサン・ホークらしさ、という気もします。 マスクを被った不気味さと、それを超える、マスクを被らない不気味さ。あるいは、その一見平凡な生身の顔こそが内面のドロドロを隠したマスクなのである、といったところでしょうか。 ストレートな題材ではありますが、何が起こるかわからないサスペンスと、85分という短尺で違和感が深まる前に突っ走ってしまう手際の良さが、光っています。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-06-23 13:03:08)(良:2票)
99.  白鯨との闘い 《ネタバレ》 
この映画でもっとも衝撃的だったのは・・・ え、あの野菜の「オクラ」って、英語だったのか!! ・・・それはともかく。 嵐の描写、捕鯨の描写、そして「白鯨」との死闘まで、まさに畳みかけるような映画前半。映画に盛り込まれた細かい描写が、作品の迫真性を強めています。その反面、CGの多用には複雑な気持ちにもなり、もはやあの『ジョーズ』で味わったような生々しさには我々は出会えないんだろうか、とも思えてきたり。70年代に『ジョーズ』を作ってもらえたのは、一種の幸運だったんでしょう(1956年の『白鯨』、あれは早すぎだったのかもね)。とは言え、実写部との融合がうまく、違和感は最小限にとどめられていると言っていいでしょう。 で、映画後半は漂流物語となって、ここからが真の地獄。ですが、この地獄を事細かに描写できないのが、作品の限界というか、あるいは節度というか。もう一押し、苦しみを表現する描写があってもいいか、とも(例えば吉村昭の『漂流』などでは、克明な描写を読むにつれ、登場人物たちの苦しみ、切なさが、否応なく感じられてきます)。 一方、この後半では、「融和」が描かれます。主人公は「白鯨」と対峙するも闘いは回避され、事あるごとに衝突していた船長とも心を通じ合わせ、物語の語り手と聞き手もまた、気持ちを通い合わせる。 映画の途中で何度か、物語を語る「現在」のシーンが挿入されますが、このシーンはカメラを手持ちではなく固定した方がよかったのでは? 揺れる船上シーンとのメリハリが無く(映画の流れを損なわないためかも知れないけれど)、印象が弱まっているように思えました。
[DVD(字幕)] 7点(2018-05-02 14:30:53)
100.  遥かなる山の呼び声
嵐の夜、母子二人で暮らす倍賞千恵子と満男(じゃないけど)の元に、ずぶ濡れの健さんが現れ、一晩泊めて欲しいという。いかにもアヤシゲな男なもんで、母は承諾しつつも警戒感全開。というのは至極もっともなんですけれど、しかし満男に(じゃないけど)「包丁隠しとけ」みたいなこと言ったりするのが何だか妙な気がして。自分達に危機が訪れているかもしれない、と思うならむしろ、息子にはそれを気取られぬよう、心配させないよう、あえて平気な態度をとって見せ、その気丈さがかえって本人の不安感を高める・・・っていう場面なんじゃないのかなあ、ここは。 この場面における「未知の男」に対する不安感ってのが、妙に機械的なんです。 しかしまあ、機械的というよりは「素朴」というべきか、こういう素朴さが、よいのかも知れませぬ。 素朴で、肝っ玉の強いところも見せ、一方では初恋の少女みたいにキャピキャピしたりもするオバチャン、こんな厚かましいにも程がある役を、厚かましさを感じさせることなく演じられるのが、倍賞千恵子というヒトのスゴさ、魅力ですね。 作品における酪農業の仕事の丹念な描写も、彼女の魅力を、そしてもちろん健さんの魅力を、際立たせています。 ただ、そりゃ健さんみたいな人がいたら、皆、好感持たざるを得ないだろ、母もホレりゃ息子もなつくだろ、というあまりにも当然すぎる展開、これでいいんだろうか。ま、観てて安心感はありますけどね。満男には(じゃないけど)物語を通じてもう少し成長してほしかった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-04-14 09:25:10)
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