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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  花とアリス殺人事件 《ネタバレ》 
 アリスと花がそこにいる、そこに生きてます。  走って、笑って、踊って、泣いて。   彼女達の時間は無駄だらけ。目的はあっても遠回り、脇道に逸れて、後戻りして、結局は自分達の力でなんとかなった訳でもなくて。それでも、大切でかけがえのないその時間。  その「無駄」を拾ってゆくのがロトスコープによるアニメーション。仕草、動作に生まれる「無駄な動き」は記号化、様式化を拒絶してキャラクターに命を与えます。  もちろん、蒼井優、鈴木杏の「声の存在感」も重要で。これもまたアニメ的記号化、様式化された声優的表現とは全く別の在り方。   アニメーションになる事で『花とアリス』のガチャガチャした印象に比べるとかなりすっきり純化されています。大勢のカメオ出演によってお祭り映画と化していた前作の賑やかさは消え、花とアリスの物語としての純度がぐっと向上して。そして岩井俊二的味わいも幾分スポイルされている気もしますが、私としてはそれは肯定的に捉えてます。  一方で人や場所、エピソードなど『花とアリス』と繋がっている部分はちゃんと存在していて楽しめます。ちょっとアリスも花もキャラが違う感じもしますけど。   真っ白な無から全ての世界を創造してゆくアニメーションは本来、自由なものです。こういう自由なアニメ映画がもっともっと作られていいと思うんです。そして海外の色々なアニメ作品ももっともっと公開されていいと。今の日本のアニメ事情はどうも狭苦しく息苦しくて。
[映画館(邦画)] 10点(2015-03-15 23:39:25)
2.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
 紛うことなきポン・ジュノ監督作品で、そのあまりのポン・ジュノっぷりに嬉しくなっちゃったりもしたのだけど、さて、アタシは果たしてこれまでポン・ジュノ作品をちゃんとブレずにレビューしてきてたのかいな?って過去作のレビューをチェックしたら、『パラサイト』についてはそのまま過去作品のレビュー読んでもらえばOK、くらいには一貫してたのでひと安心。  とは言え、それだけじゃ不親切なのでちょこちょこっと。   底辺の人々のお話という点で貫かれたポン・ジュノ作品、今回もまたその通りで、上流階級の人々との対比という点では『スノーピアサー』くらいに判りやすい構図を作っているわ。ごちゃごちゃと物で溢れて情報量が多くて、歪み、汚れ、やかましい下の人々の生活と、情報量の少ない、直線と水平で形作られた上の人々の生活。上で情緒を持って降る雨は下に暴力となって流れ込んでゆく。その底辺のやるせなさを、だけどポン・ジュノ監督はいつもの通り、決して美化することなく、コミカルに、そして醜く無様な存在として描くのね。  権力に支配されたシステムの内側での決して勝利のない闘争の滑稽な虚しさ、半地下から地下へと堕ちる父親の到達点、叶うことのない希望。シニカルに描かれた現代社会の縮図。毎回、韓国の今を皮肉るポン・ジュノ監督だけど、日本にも(あの避難所の風景は昨年も何度も見ることになった日本のそれとそっくり)世界にも通じるものなのね。   『グエムル 漢江の怪物』のような家族の姿、『母なる証明』と通じる流れ落ちる水、『殺人の追憶』と共通するラストカット、あちこちにポン・ジュノ印が刻まれている中で、今回は「匂い」がキーになっていて、「匂い」がまるで体内を流れる血を示すようで、その扱い方が上手いと思ったわ。   ちなみに、でもアタシは一家には同情とかしなくて、いちばんキモチを寄せていたのはお金持ちの奥さんね。彼女に訪れた悲劇はあの一家がもたらしたものだけれど、それも結局はシステムの内側に存在していたがゆえ、彼女の魅力的な無邪気さがそれを招いた原因のひとつだとしたら、それは哀しいお話だわ。
[映画館(字幕)] 9点(2020-01-23 20:01:56)(良:3票)
3.  ハドソン川の奇跡 《ネタバレ》 
 2回の墜落イメージは貿易センタービルにぶつかった2機を表しているのでしょう。9.11を背負った映画である事に間違いはありません。ニューヨークの深い傷。これは新たな傷をつけないように努力した人々の物語。   余計なアクセントを差し込まない、事故のリアルで生々しい描写は、その結末が判っていても恐ろしい臨場感を持って迫ってきます。その短い間の、震え上がるような恐怖と、そこに居合わせた人々の生。それぞれがそれぞれの役割を果たす事で成し遂げられた奇跡。  クライマックスのシミュレーターこそは逆にその奇跡の後押しをする事になる、コンピューターには人的要因は理解できない、のだけれどコンピューターが人の価値を立証してみせた訳です。さんざん最新のVFXによる墜落映像を見せておきながら、肝心のクライマックスではシミュレーターのショボいCG画面が主役になるという構図が面白く。イーストウッド主演の『人生の特等席』では前時代的なコンピューターVS人間の図式を単細胞的に描いていてゲンナリしたものですが、イーストウッド本人は必ずしもソレを頭ごなしに否定せず面白く使いこなしている感じがします。   トム・ハンクスが良いです。昔からのオーバーアクト(いまだに『ビッグ』での少年が大人になってしまったパニック演技がチラついてしまうっていう)が抑えられる事で、プロとして事に冷静に対処する強さと、9.11を自らが再現してしまいかねなかった恐怖に苛まされる弱さと、英雄として持て囃される事に対する戸惑いとを1つのモノにしていて。機内に残された乗客がいない事を確認する姿は、決して英雄的ではなく、必要な仕事をこなしてゆく男の姿でした。   余分な贅肉のない、簡潔にして濃密な96分、齢86にしてイーストウッドはなお軽妙洒脱に映画を駆けてます。
[映画館(字幕)] 9点(2016-09-26 22:20:44)(良:1票)
4.  パシフィック・リム 《ネタバレ》 
 初日に字幕版、二度目でIMAX吹替版も見て、私がさっさとレビューしなくてどうする?って感じの映画ですが、完全に機会を逃した感が。言いたい事は既に皆様が存分に・・・   怪獣に昭和・平成ガメラの影響が見られます。銀色で尖っていて、というのは大映怪獣の特徴で形状はギロンやジグラを思わせますし、水色の発光部はレギオンやイリスのよう。  映像も嵐の中の怪獣をアオる画や、滑走から停止して見得を切ったり、怪獣が雲を抜け月夜に舞う姿など『ガメラ3』に通じるショット沢山。  もちろんそれだけではなく新旧様々な国産ロボットアニメ・特撮映画からの影響が見受けられて、それらにどっぷり浸かってきた私に、昔のワクワクが甦る夢のようなひととき。   でも、それだけではただの模倣・パロディ・懐古やオマージュに終わってしまいます。重要なのはその先、作品独自の個性。   この作品が拘っているのは鋼鉄の質感。その重々しさ、冷たさ、あるいは熱さ。  そびえたつ金属の塊、それが動く、走る、戦う、殴る。怪獣めがけて振り下ろされる鉄の拳の重量感、硬さ。  そして、その金属の塊から滴り落ちる火花と水。金属にウェットな質感を加え光を当てて輝かせる事でぐんと増すフェティズム。  雨に濡れた機体が夜の街明かりを受けて輝く様など、艶めかしいとすら感じるじゃありませんか。  それはまるでオイルを塗りたくったボディビルダーや、濡れたTシャツを着たブロンド美女の如き世界、ロボ濡らして「ステキや~ん」なんて、つくづく変態ですね(もちろん褒め言葉)って。   その拘りの映像を可能にしているのが現在の技術。それは特撮や手描きアニメでは出せない、今の時代の画。主人公が語った「過去にばかり囚われず、未来を向こう」というメッセージは、映画の在り様をも示しているようで、時が止まったままになっていた怪獣映画の未来を指し示したようにも感じられ監督の姿勢に心から感動しました。   本当は「怪獣映画の国」こそが作るべきなのでしょうが、最先端の筈な人々から懐古やオマージュに囚われたモノが生まれているような状態である以上、よその国に頼るのも仕方のない事かもしれません。  いや、元々趣味に国境なんてない!と監督自身がこうして具体的な形にしている訳ですから、民族や国が生む独自性に囚われるのも今や無意味なのかもしれません。
[映画館(字幕)] 9点(2013-08-20 21:54:40)(良:5票)
5.  ハラがコレなんで 《ネタバレ》 
光子が粋なのかどうかを客観的に判断しようとすれば、そりゃとてもじゃないけれど粋とは言い難い訳ですよ。単に無理してるばかりで。どちらかと言えばみっともない。アメリカから逃げ帰ったような状態で、だけど両親にはまだアメリカに居るように思わせてたり、臨月になっても何らかのヴィジョンがある訳でもなく貧乏長屋に逃げる事になったり、自分の生活もロクに確立できてない状態で何が粋か、っていう。んでも、それでいいんじゃない?って思うんですよね。ボロボロになって明日をも知れない状態になっても光子なりの粋を通そうとする姿勢、自分の事はさて置いてでも、他人の事を気遣ってみせようとする姿勢、そういう光子をただのウザいキャラで片付けてしまうようであるならば、それはそれでなんか悲しいじゃん。光子自身はちっとも粋でなくたって、光子が示し続けるベクトルってのは粋なんですよ。ただでさえ人と人との隔たりが大きくなって、だけど助け合いが必要になっているような世の中で、物事を傍観して批判したり冷笑したりしてるよりは、多少無理だったり、おせっかいだったりしても人と関わってた方がよっぽどマシなんじゃないかっていう。仲里依紗が色気を無視した演技で突っ走る光子のその揺るぎのない真っ直ぐっぷりは、いっそ清々しさすら感じるのでした。
[映画館(邦画)] 9点(2011-12-04 19:18:35)
6.  ハルチカ 《ネタバレ》 
 原作はミステリーなようですが、映画にはミステリー要素はほぼ無く「廃部寸前の吹奏楽部をメンバー集めて立て直し、コンクール出場を目指す物語」って事で、まーよくあるタイプのモノになってます。吹奏楽を題材にした邦画だけでも『スウィングガールズ』『ブラブラバンバン』『青空エール』『響け!ユーフォニアム』とある訳ですしねぇ(オーケストラまで幅を広げると更にいっぱい)。   でも、そんなよくある物語も面白い演出で楽しめるものになっています。「期日までに部員9人集めないと廃部」という時間制限モノな前半、人数のカウントを字幕で示して、9人目の達成と共にそのカウントの意外な展開で盛り上げたり、静寂を語るシーンでは実際に無音にして観客にも静寂を求めたり(渋谷のシネコンは客席の半分ほどの入りで、ほぼ若いお嬢様で占められていましたが、場内に響くのは空調の音だけで)。  後半のヒロインが抜けてから19人で演じられる長回しのヒリヒリした感じも、ラストのファンタジーも見応えがあって。  群像劇になると共に、ヒロインの苦悩がよくあり過ぎる以上にヒロインの生気をも奪ってしまうのが残念でしたが。引きの画が多くなって情感に訴えかけますよ、って状態になるのですが、いや、もっとヒロインの顔を見せてよ、っていう。   でもまあ、何より橋本環奈なんですよね。橋本環奈って個性?逸材?を採用した時点で約束された世界があったような、この映画の世界は彼女という唯一の真理によって成立しているようなモンで。いや、他の生徒達も良かったんですけどさ、なんていうか、一人だけ違うステージに存在していて。素早い鉄拳とキックを繰り出す(本来はそういう映画じゃないのですが)彼女の姿に、何かが降臨した瞬間を見たのでした。
[映画館(邦画)] 8点(2017-03-08 20:57:36)
7.  バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) 《ネタバレ》 
 入院して顔の包帯がマスク状態になったリーガンはまるでバードマンのようであり、また、隣りの劇場で上演していた『オペラ座の怪人』のようでもあり。   非常に演劇的な流れを非常に映画的なテクニックで描いた快作。シームレスでどんどんと展開してゆく、まるでナマを捉えたような世界は演劇のようですが、一方でそれを描くのはカメラが自在に被写体を捉えてゆく映画ならではの世界。  つまり、ここに登場する人々はことごとく舞台と映画とで線引きをしたがっているのですが、実際には舞台も映画もそんなに差のあるものではなく、一つのフィールド上に置く事だってできるのですよ、と。そう、この映画そのものがそれを立証するかのように。  そして、現実すらもまた、舞台や映画とどこがどれだけ違うのか?と。  演じる事、生きる事、生なのか、加工されたものなのか、それに優劣を付けようとする、価値の差を見出そうとする、それがそんなに大事か?って。   なので私にはこれが「バードマンで何故悪い?」という話に映ったので、大変に気持ちの良い映画でした。商業主義に対して批判的なように見えつつ、むしろ逆にアメコミ万歳!みたいに感じられて。  飛び出す数々のネタや笑いも含めて、難しい事を考えるよりも単純に楽しんでこそ吉な映画だと思いました。   それにしても相変わらずエマ・ストーン、キレイ。
[映画館(字幕)] 8点(2015-04-14 23:58:15)(良:2票)
8.  バトルシップ(2012) 《ネタバレ》 
ちっとも期待していなかった映画がメチャクチャ面白いって本当に得した気分になりますね。予告編を見た限りではジミなエイリアンVS軍隊な映画だと思ってたのですが(まーた最近よくあるあのパターン?)、実際は『ID4』以来のイケイケ(死語)エイリアン退治映画。開始早々ヘンリー・マンシーニの有名な曲(ドリフでも有名)が流れる時点で高らかにバカ映画である事が宣言され、更にナガタ艦長の作戦によってハタ!と気付く「これって、つまり戦艦ゲームの映画化って事かあ!」。ゲームって言ったってテレビゲームじゃなく、チラシの裏にマス目書くだけでもできちゃうよーな、『永遠の僕たち』でも主人公が加瀬亮と遊んでた(日本人、戦艦ゲーム強いか)アレ。戦艦ゲームをいかに燃えるシチュエーションで映像化するか、っていうところがポイントな映画なワケで、ゲームの映画化としては他に類を見ないクオリティの高さ(笑)。強いとは言っても現代兵器で壊せる程度の敵と仕切られたリングの中でひたすらどつき合う映画ですから単純に燃えますな。後半のいちいち「ここでキタ!」を繰り返す盛り上がりっぷりなんざ『SPACE BATTLESHIP ヤマト』のコスモゼロ自由落下からのヤマト突撃シーンに燃えた人ならば間違いなく楽しめます(異様に対象が狭いって?)。ちっとも作品を選ばないリーアム兄さんの肩の力抜けまくり演技も微笑ましく、他のちっとも魅力的に映らない役者の方々も与えられたシチュエーションに助けられて魅力的な見せ場を彩ってみせます。考えてみればあのオモチャのイケイケバカ映画化『G.I.ジョー』のハズブロ作品、男の子の燃えポイントを判っているよーで(まあ余計な枝葉ばっかりゴテゴテ映画の『トランスフォーマー』のハズブロでもある訳ですが)。こういうツッコミ入れながら(心でね)も燃えるシチュエーションにきっちりワクワクさせて貰えるオモチャみたいな映画ってのもまた贅沢なご馳走ですね。
[映画館(字幕)] 8点(2012-04-15 15:05:11)(良:2票)
9.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 《ネタバレ》 
原作は日本語訳が待ちきれなくて『炎のゴブレット』以降は米語版で読んで、映画は『賢者の石』のカウントダウン上映から始まって全て初日に見て、舞台挨拶も3回行った状態な私が、冷静にこれだけを一本の映画として語る、ってのは無理っす。『ハリー・ポッター』の映画が完結するまでは死ねないね、って思ってましたが、遂に完結しちゃいました。10年、早いものです。さて、今回の映画は死人が沢山出る事もあって、シリーズ最暗。前編と違ってそんなにあちこち移動せず舞台はホグワーツに集約してゆき、全編の7割がクライマックス、みたいな状態ですが、まとまりには欠けている気がしました。何がどうしてそうなるのか、っていう流れがちゃんとできていなくて、とにかく原作の要素を繋ぎ合わせてみました、っていう。原作があまり上手でない構成なのを、映画も倣っちゃったみたい。シリーズ最短な上映時間、情感とか関係なしに、とにかくエピソードを描けるだけ描いておこうという感じで、これまでのシリーズで愛着の湧いていたキャラの最期をサラリと流し過ぎ!みたいな状態が頻発。ヴォルデモートとの最終対決に至るまでも、対決自体も、ヤケにアッサリとしたものに感じられ、最後の最後で随分と淡白な印象を受けてしまいました。それでも、よくぞ最後まで完走してくれました、と。ほぼ同一のキャストによって10年かけて7作の原作を8本の大作として完結させる、それは映画史に残る偉業とすら言えます。映画を見ている間、ずっと1作目からリンクする様々なエピソードやアイテムに、感慨深くシリーズを思い返しておりました。ラストシーンは映像と音楽が1作目にリンクしていて、大きな物語の幕を見事に下ろして。ここまで漕ぎつけてみせたのもまた、映画の持つチカラとして評価していいんじゃないかと。10年間の夢に感謝。
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-15 21:43:33)(良:3票)
10.  バーバラと心の巨人 《ネタバレ》 
 見ていて色々な映画を連想して。  『怪物はささやく』みたいな映画?  『ウエルカム・ドールハウス』とか?  『乙女の祈り』だったり?  『スウィート17モンスター』とか?  『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』的な?  って。どれがどうでした、なんて言わないけど。   バーバラはかなりおかしなことになっちゃってて(見たカンジほとんど統合失調症ね)、周りの人達もバーバラに振り回されて、困ってしまっていて。  そんなバーバラの世界は、舞台になる海辺の街の、美しくも寒々しい風景に彩られて、彼女の心を表してゆくの。  なぜバーバラの世界はそんななの? 理由が明らかになると、その切なさに胸が痛くなるわ。  そこをハッキリさせ過ぎ、説明し過ぎなカンジはあるの。もっと曖昧な方がバーバラという少女の奥行きを感じさせたんじゃないかな、って思うわ。でも、自分にもあった体験だけに、そんなバーバラの心象風景がよくわかって。   バーバラ個人の心だけでなくて、バーバラの家族それぞれの心もそこに反映されていて、それはとてもつらいのだけれども、そこにある優しさを信じられる、信じたいって思ったわ。   バーバラとソフィアのコンビが本当に可愛らしくて、いい感じだったので、そこはもう少し見ていたかったな。   それにしても邦題を付けた人は何考えてるのかしらねぇ? バカなの? 映画はそこをずーっとぼやかして描いてるでしょ? なんでタイトルで断定しちゃってるの?
[映画館(字幕)] 7点(2018-10-22 19:24:23)
11.  ハクソー・リッジ 《ネタバレ》 
 今年2本目の「敬虔なキリスト教徒のアンドリュー・ガーフィールドが日本で過酷なメに遭って信仰心を試される映画」。   前半は奇を衒うような事もなく、端正な正攻法で描かれてゆきます。オーソドックスなドラマを見ている風情。そしてそれが血と肉に塗れた後半の苛烈な戦闘シーンを際立たせる効果を生んでいます。  彼の行動はキリスト教徒としての信仰心に基づいているようにも思えますが、あの状況下では、もはやそれ以前の、人として生まれた者の心からダイレクトに発せられるもののようで。信念あるいはプライド、あるいは意地やこだわり。前半で彼の宗教観そのものはわりと客観的である事が示されていますしね。その行動の熱さが力強くスクリーンからこちらに向かって叩きつけられてくる感じです。   ただ、沖縄が単なるバトルフィールドで、軍と軍のぶつかりあいの地としてしか描かれていないのは、やはり日本人としてどうしても不満です。あの地では非戦闘員、民間人の死者を多く出したという現実がここでは一切無視されていて、でもそこを排除して果たして宗教を語っていいのだろうか?という疑問は残ります。ゾンビの如くわらわらと湧いてくる日本兵を火炎放射器で焼き払うハリウッド産戦争娯楽映画として割り切って見るべきなのでしょうか?
[映画館(字幕)] 7点(2017-06-27 21:08:39)
12.  ハル(2013) 《ネタバレ》 
 キレイキレイな絵のアニメって地雷だったりする場合が多いので、これもちょっと怪しい感じがしたのですが、ワリとハマった感じで。   同じ年に公開された某邦画と物語の構造がモロにカブってたりしますが、その構造はこちらの方が内容を深いものにするために有用な効果を持っているように思います。   物語に隠された秘密が明らかになる事で、遺された者を見つめる視点が逆に見つめられる視点へと転じ、遡って逝った者の心に触れ、その関係性を多面的に見つめる事ができる、そんな風に思えます。   この奇妙な雰囲気の映画を象徴するかのような疑問点もキレイな世界の中のシミのように散りばめてあって(料理や片付けがやたらに下手なヘルパーロボットだったり、どう見ても空港で旅立つように思えるのはヒロイン側だったり)、切なく哀しい物語を織り成す要素になっています。   ロボットだと思い込むとはいえ、自分の中に生じているであろう数々の生理的反応を頭の中でどう理解、処理していたのだろう?という大きな疑問点はあるものの、近未来という設定でありつつ趣きのある和の雰囲気をそのまま残している京都を舞台に、美しくしっとりと描かれたアニメを堪能しました。
[映画館(邦画)] 7点(2014-02-27 22:19:59)
13.  はじまりのみち 《ネタバレ》 
 雨が降ってリアカーの上の母の顔に泥がはねるのですが、あれがいつの間にか綺麗になっちゃってたりしたら嫌だなぁ、と思っていたら、そここそが重要なポイントで。木下恵介の、母に向けた愛がそのまま映画に向ける愛へと繋がる、とても大切なシーンとなって。病に伏し、泥で汚れた母の姿を丁寧に整え、母はそれに応えるように凛とした表情をする。それは映画監督としての姿にも繋がって。あのエピソードにはとても感心しました。   映画は奇を衒う事なく、真面目に映像を重ねています。それゆえ、もう少し冒険をしてもいいのでは?と思ったりもするのですが(わりと判りやすく単調な切り返しが頻出します)、客層や木下恵介生誕100年を記念しての松竹作品という事を考えればそれでいいのかもしれません。   ただ、問題は木下恵介作品の映像をあまりに多く、長く引用し過ぎている点。  たとえば便利屋が『陸軍』を見て感動した事を説明するシーン。せっかくその前に濱田岳がカレーライスやシラスのかきあげとビールであれだけの名演を見せているのですから、『陸軍』の感動も彼にきっちりと語らせるべきだったのではないでしょうか。  映像を切り替えて『陸軍』のラストシーンを延々と最後まで流して説明するという状態は、肝心なところで木下恵介の力を借り、この映画独自の力を放棄してしまっているようなもので。自分の演出力も役者の力も信じてないの?と。  濱田岳に語らせておいて、実際の映像はエンディングに流した方がよほど効果的だったんじゃないでしょうか。   最後の部分での木下作品の引用も長過ぎです。あれでは本編の空気を薄めるばかり。あそこまで長々と本編から離れてしまうと、その後、最後の最後が取って付けたようになってしまって。そこで『クレヨンしんちゃん アッパレ!戦国大合戦』での有名なセリフを言って欲しいの?くらいに浮いている感じがして。  厳選した数カットでバシッ!とキメるくらいにした方が良かったんじゃないかなぁ。   映画は原恵一監督の真面目さが出て魅せる作品だったのですが、木下恵介作品に対する深すぎる思い入れ、愛情が逆に映画そのものの味を損ねさせてしまった感があって、もう少し監督が前に出た方が良かったんじゃないかな、と思いました。
[映画館(邦画)] 7点(2013-06-12 15:38:42)
14.  パーマネント野ばら 《ネタバレ》 
おもろうてやがて悲しき映画なのですが、原作を読んで結末を知っているがゆえ、最初から切なく悲しいわぁ、と。ところが、実はシャマラン監督的な「ラストに秘密があります」って物語、原作は最後の最後にサラリとそれを描くがゆえに、なんとも言えない余韻を残すのですが、映画はその秘密について説明をしてしまい過ぎで、こちらが期待して待っていた切なさ、悲しさには到達せず。判りやすさというのを第一にしたのかもしれませんけれど、あそこまで理由を付けて説明してしまうと逆に底が浅い感じがしてしまいます。彼女がそこに至った理由を語らず、色々と考えさせる余地があるからこそ、とても悲しく切なく感じるのだと思うのですけれどもねぇ。さて、それでもサイバラものとしては最もマシな映像化をされたように思えるこの映画、やっとこさこれまでのビンボはつらく悲しい、ってところから脱却。悲惨さをも笑ってみせるサイバラらしさに溢れております。点描されるパーマ屋を中心とした人々の悲劇は傍から見れば滑稽で可笑しく、だからこそここに描かれた人々を愛おしく感じるワケで。中でもそう長く登場する訳でもない小池栄子の存在感は主役を食ってしまっております。この人、『模倣犯』『恋愛寫眞』『20世紀少年2、3』『わたし出すわ』とロクでもない映画(失礼)にばかり出ているがゆえに、これまでまるでいい印象がありませんでしたが、ここでは最近のクリスティーナ・リッチみたいな、一見お人形さん系なクセにちゃんと表情で見せる女優って感じで。病院のシーンでの翳り~大爆発へと変化してゆく表情なんか、今までの彼女のイメージではなくて、もっと存在感があって、なんかいいなぁ、って。一方、主役である菅野美穂は、本来、その設定ゆえに逆に病的なカンジを見せてはいけない役だと思うので、ちょっと演技の方向が違う気がしました。もっと大らかで明るい方が、ラストに効いてくるんじゃないかなぁ。彼女だといかにも過ぎてしまって、ラストで納得しちゃう。あと、サイバラ作品のキーとなる高知の、人の暮らしと自然とが共存している風景は深い味わいがあって沁みてきます。最近の邦画は今の日本のいい景色が捉えられているものがいっぱいあって、これもそんな中の一編。何はともあれ、サイバラの映画化作品で初めて途中でダレない映画でした。
[映画館(邦画)] 7点(2010-06-04 21:28:14)(良:1票)
15.  パレード 《ネタバレ》 
「誰が犯人か」みたいなのは、ワリと最初の方で判り易い伏線が出てくるので、謎解きが重要ではなくて、だけど、実はそんな事はみんな気付いてる、ってところがポイントで。この映画で描かれる1つのコミュニティは、各々が「自分にとって都合のいい存在」である事が大前提で結びついています。相手の見えない部分、闇の部分は、だけど自分に対して害を成さない限りは無関係、どうでもいいと。共生関係にある様に見えながら、絶望的な断絶状態にある、個人主義が行き着いた先は、閉ざされた個と、形はどうであれ「繋がっている」実感から生まれる安心感。その繋がりが、たとえ脆弱なものであっても、偽りや打算が編み出したものであっても、それを「絆」と信じて生きるしかない、そしてそこに自覚がありながら決して変化を望まないところに、この映画の深い深い闇があります。一人一人をケーキのように切り分ける構成には疑問が残りましたが(登場人物が相互作用でラストに向かってドラマの流れを作り出さず、映画すらもあくまでバラバラと切れている状態)、現代に生きる人の心の闇を上手く滲み出させた映画でした。
[映画館(邦画)] 7点(2010-03-09 16:55:50)(良:1票)
16.  バレンタインデー(2010) 《ネタバレ》 
登場人物が多過ぎで、シーンが変わるたびに「この人は誰と繋がってて、どういうドラマを抱えてたっけ?」って頭の中で整理しながら見る感じ。この手の多重エピソードが同時進行してゆく映画としては構成力にやや難アリな感じがしました。それに大スターがいっぱい出ておりますが、多くは顔見せ程度の出番、出演者目当てで見に行くと物足りなさが残ると思います。でも、バレンタインデー1日を通して、小学生から高校生、若いカップル、老夫婦、そして・・・まで、様々な愛のカタチを盛り込み、ほかほかとしたキモチにさせてくれる点で、やっぱり安心ハリウッド定番ラブストーリーの世界はいいなぁ、って感じで。1日の時間の進行が判りづらかったり、1日の間でその気持ちの変化はどうなのよ?ってツッコミを入れたくなるエピソードがあったり、そういうところは確かに難アリなものの、頬が緩む微笑ましさも、爆笑もいっぱいあって、そしてもちろん甘いラブストーリーも沢山で楽しい映画に仕上がっておりました。「そう来たか!」ってオチの数々もまた楽しく。でも、アメリカって日本以上にバレンタインデーって大騒ぎなんですねぇ。そして、そんな状況に批判的な人もいっぱい、っていうのも日本と同じなんだなぁ、と。
[映画館(字幕)] 7点(2010-02-26 15:55:18)
17.  バースデー・ワンダーランド 《ネタバレ》 
 原恵一監督作品ということで期待しちゃったけれど、フツーのよくあるファンタジーね。『ホッタラケの島~遥と魔法の鏡~』や『ポッピンQ』『ひるね姫~知らないワタシの物語~』なんかと明らかに違った突き抜けた個性みたいなのは無かったかな、って。   こんな世界なんですよ、ってばーって見せるような圧倒感とか高揚感とかって無くて、たとえばハエになっちゃったヒポクラテスが城に向かうシーンなんかはCGで1カットで飛び回って世界を見せてくれたりするといいんだけどって思ったけど、数カットの背景のみ、ってジミさ加減で。でもあくまでCG使わない、ってワケでもないしねぇ。美術設定はちゃんとしてても、それをこれ見よがしに披露する気はないみたい。でも、ファンタジーってそこで魅せてこそ、って気もするのだけどねぇ。   あと、ベテランで実写映画までこなしている原監督なワリにカットの繋がりがおかしかったりぎこちなかったりする箇所があったりして。崖の道で石が落ちてくるカット、クルマはそのカットでは停止する表現がないけれど、次のカットでは既に停止してるわよね? アタシの見間違え?   それでもキャラは魅力的だったわ。主人公のアカネが小学生には見えなくて、冒頭すぐのランドセル背負ってるシーンはかなり前の回想?とか思っちゃったけど、でも、全く性格の異なる叔母のチィとのコンビ、そのかけあいが楽しくて(既に声優として数こなしてきてる安定の松岡茉優と、チィの雑な性格に合ってる杏と)、そこだけで最後まで見られるモノになってたカンジ。逆に言うとソコがダメだとシンドくて仕方なかったでしょうね、って状態ではあるのだけど。   世界の危機と言いながら、実は極端にスケールが小さいというか、ごくごくパーソナルな理由で危機が起きてる、悪の組織かなんかが存在してるのかと思ったら、それだけかい、っていうのは肩透かし感ハンパないのだけど、コレって『不思議な国のアリス』から綿々と継がれた系譜、少女の通過儀礼なオハナシ、アカネの辿る成長の道はあったか~く見ていられたわ。ちょっと能動的に動き出すのが遅すぎな気はしたけど。城に着くまではチィの方が主役っぽかったものねぇ。   色々と惜しいカンジの映画、ラストなんかも読めまくっちゃうのだけど、でも、そこをクドクドと説明しない、コッテリと押しつけない美徳、それが原恵一監督なのかもしれないわねぇ。
[映画館(邦画)] 6点(2019-04-28 20:21:03)
18.  パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊 《ネタバレ》 
 毎度毎度、主役のクネクネした酔っ払いのオッサンがどうにも好きになれないので、これもまた傑作!ってワケにはいきません。どうしたらアレを魅力的に感じられるようになるのでしょう? 少しでもヤツがマトモである瞬間があればいいのですが、延々クネクネしてるだけですからねぇ。   さて、でも今回はクネ男も物語に引っ張られ続けてる状態。キャラが物語の中に埋没しちゃった!って感じですが、私にとっちゃそっちの方が好都合。  今回は『インディ・ジョーンズ』的で、『ワイルドスピード』的で、数々のディズニー作品のオマージュに溢れていて(だけど『モアナと伝説の海』とはオマージュと言うよりは大々的なネタカブリって感じですかねぇ)、そういう意味ではオリジナリティ欠如しまくりですが、お陰で退屈はしない、って感じで。海賊モノらしい海戦シーンもしっかりありますし。スケールの大きな画を大画面で見る快感に溢れているのは良いです。幽霊のビジュアルが徹底していて、人間だけでなく、鳥も鮫も船までもしっかり幽霊でござい、って体をなしているのが不気味で面白く。   物語を引っ張ってゆく若い二人の存在が目立つ分だけ、従来キャラは霞みがちではありますが(オーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイは霞むとかいうレベルじゃなくて、単なるゲスト出演みたいなレベルですが)、世代交代の物語となっていてシリーズとしての進歩が見られます。   でもディズニー作品で生首ってのはどうなんでしょうねぇ。
[映画館(字幕)] 6点(2017-07-04 22:47:37)
19.  パトリオット・デイ 《ネタバレ》 
 ラストに当事者本人が登場して長々と心情を語る、のであるならば、本編そんなにドラマを描く必要ないんじゃない?   姉妹作みたいな『バーニング・オーシャン』と同一言語で作られている映画、その欠点も一緒って感じ。八方美人的で描くべき事の取捨選択に疑問あり、と。  実話の映像化ですから、必ずしもエピソードに流れがある訳ではない、その流れの無い部分に思わせぶりなドラマを抱えた登場人物をいっぱい持ち込むために様々なエピソードの不発弾を抱えまくった映画といった印象でした。それぞれの行動、努力がちゃんとした結果として現れる訳ではなくて、全然別のところから解決がもたらされるような状態なので、宙ぶらりんな感情が行き場を失ってウロウロ、みたいな。  ただ事実、状況、現象を点描してゆく事に努めてゆけば、事件の姿と、そこに生まれたドラマはちゃんと浮かび上がってくるのではないのかなぁ、と思うのですが。少なくとも、その状況をリアルに生々しく描くテクニックはあるのですから。   自国内の企業の問題だけに微妙に内省的な面を持っていた『バーニング・オーシャン』と違うのは、テロに屈しないアメリカ凄い!って賛美に溢れているって点ですか。結局は個人からの通報がきっかけ、っていうその解決への道筋はともかくとして、ね。
[映画館(字幕)] 6点(2017-06-27 19:27:35)
20.  ハードコア(2015) 《ネタバレ》 
 見ている間はとても楽しめたのですが、終わると何も残らないというか、映画の印象まで薄ぼやけてしまって、それはそれで問題だなぁ、と。   映像的には『COD:MW』シリーズやら『HALO』シリーズやら、つまりFPSゲームでお馴染みの世界ですから何か斬新な事をしているという訳ではなく、でもそれが映画というカタチになったらそれはそれで面白いという感じ。ヘンに映像を連続させ過ぎずに適当に刈り込んでいますから、テンポ良くダレ場もありません。  でも、一人称映像であるというのは結局そこに自己を投影できてナンボという事になる訳で、自分でプレイして進行させるゲームとは違い、そこには印象的な画というのが必要になってくると思うのです。でもせっかく美しいヒロインが存在していても、それがさっさと流れていっちゃう、ちゃんと印象付けるところまで行かないのが残念。ラストにああいうカタチになるとはいえ、でもあくまで最後までヒロインを輝かせておく必要とかあったんじゃないかなぁ。あんな風に絶ち切っちゃったら、なんつーかマンガっぽい。ありがち過ぎな物語ですし。   それは手を変え品を変えのアクションシークエンスにしても同様。あくまでゲーム的なそれら(前に挙げたFPSタイトルはただ銃を撃つだけの単純な絵作りから脱却してます)の映像は見ている時は楽しいけれど、でもその時だけの画でしかなくて、革新的な、脳に強烈なイメージを残してくれるようなものではなくて。   主人公の像が(ほぼ)存在しないというのはつまり主人公はカメラマンの役割であって、そのカメラに映る世界の描写こそがキモになってゆくのは当然、そこが弱い映画だったなぁ、と。終わってみればシャールト・コプリーのコスプレばっかり記憶に残る映画っていう。   ちなみにHMDで3D対応のFPSをプレイしたら一発で酔いましたが、この映画は視界いっぱいに見てナンボと最前列で見たものの、別に酔いませんでした。
[映画館(字幕)] 6点(2017-04-12 23:14:36)
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