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コメント数 885
性別 女性

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1.  バック・トゥ・ザ・フューチャー
BTTFは1作目がいい、いや続編、3本で一つの作品といろいろ意見があるけれど、1作目のミラクルな完成度は別格。 製作・脚本のボブ・ゲイルが実家の地下室で父親の高校卒業アルバムを見つけ、「若い頃の両親に会うってのはどうだろう」とユニークな「近過去」タイムスリップ・ムービーのアイデアが生まれたのも運命的。 ねりにねった脚本とさまざまなジャンルの無理のないブレンドが傑作を生み、あちこちに仕掛けられたタイム・ボムがあとから次々と炸裂するような面白さで、観客に笑いとスリル、そしてハッピーな気分を提供してきた映画。 最初のマーティ役エリック・ストルツが途中で降ろされたのは気の毒とはいえ、小柄なマイケル・J・フォックスにかわって正解、表情豊かでオーバーアクションなドク(クリストファー・ロイド)との絶妙なコンビが見られるから。 彼らが表の主役ならジョージは裏のそれ、ハイライトの一つも彼がない勇気をふりしぼるシーンで、ポジティヴなイジメ映画の要素も。(息子にお膳立てされながら、自分の力でロレインの心を射止めるのもいい) アラン・シルベストリの時間の壁を突き抜けるような爽快感のある音楽は、ジョン・ウィリアムズでも書けないような名スコアかもしれず、「パワー・オブ・ラブ」「ジョニー・B・グッド」も流れる映画は盛りあげる音楽の力も大きい。 最初にこの映画を見たのは、物語が始まる1985年10月25日とタイムリーでもあったアドベンチャーは、それから現在に至るまで、最高に楽しい映画として誰の心の中でも光っているのだと思う。
[試写会(字幕)] 10点(2012-08-10 07:00:02)
2.  パピヨン(1973) 《ネタバレ》 
独房のシーンのコントラストのきいた映像は、絵画的な芸術性でもってパピヨン(スティーブ・マックィーン)の生への執念を見せ、ドガ(ダスティン・ホフマン)との長きにわたる友情もよい。 パピヨンが金庫破りではあっても、殺人犯は冤罪であるという複雑な立場も一筋縄ではいかない人間味。 が、一番心に残るのはハンセン病の首領との関わり。 最初は彼の姿をはっきりとは見せず、徐々に観客に慣らしていく。 慣れてしまえばどうということはない。 自分が病から逃れられないのを知っていて、カンパの缶をパピヨンに渡す彼には「せめてお前だけでも自由に」との思いがあったろう。 その気持ちを缶と一緒に受けとったパピヨンは彼の腕をしっかりと握り締める。 首領は他人が感染しないのはわかっていても、積極的には自分に触れたがらないのを知っているだろうから驚いたはず。 そしてパピヨンの体温とともに、久々に病をわすれて人間らしい気分を味わえたはず。 彼がパピヨンに思いやりを示したからこそ得られた、この触れあいの瞬間はとても尊いと思う。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-03-10 07:00:09)(良:3票)
3.  ハムレット(1948) 《ネタバレ》 
ケネス・ブラナーやメル・ギブソンのもそれぞれに良いのだけれど、今のところ「ハムレット」というと自分にはローレンス・オリヴィエ監督・主演のこの作品。 恐ろしくも哀しい復讐劇にモノクロが効いて氷のような冷たさ。 冒頭のエルシノア城、先王の亡霊が現れる間際は断続的にアウト・フォーカスになるのも不安がいやます演出。 膨らんだ袖の衣装が典雅に悲劇のデンマーク王子ハムレットを形作り、そこから放たれるセリフも生きたものとなる。 対してオフィーリア(ジーン・シモンズ)は、やや物足りなく。 狂った彼女が川に落ち歌いながら流される壮絶なシーンはミレーのような画にはなっているけれども、初登場シーンで既に自分のイメージとは違うのを感じてしまい、(ケイト・ウィンスレットやヘレナ・ボナム=カーターより、ソ連時代のロシア版がそれらしい)それでも彼女の三つ編みが、「ゴンザゴ殺し」の劇で王妃を演じる女形の少年に戯れに被せたカツラに似て、ハムレットがそこに彼女の面影を見出す脚色は秀逸と思うのだ。 泣き崩れるオフィーリアに気づかれぬよう、後ろ髪にそっと口づけるハムレットもまた然り。(戯曲では彼らの蜜月はすでに過ぎ去った過去のものとなっているから、オリヴィエは甘美な余韻を付け加えている) ハムレットの登場人物はみな興味深い。 謀殺者クローディアスすら懺悔し、彼に組する大臣ポローニアスとて悪人ともいえず、息子レアティーズに与える忠言を耳で聞くのも興あり、母ガートルードは事実を告げられた後はひたすらハムレット命と偏愛す。(このガートルードは、明らかに毒杯と見抜いて息子の身代わりにそれをあおる) 運命が連鎖的に命を消していき、ただ一人心友ホレイショのみが残される最後は静か、ただ静か。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-02-10 07:00:02)
4.  橋の上の娘
パトリス・ルコントの軽快かつセンシュアルな曲芸ファンタジー。 ショートカットで宇宙人的なヴァネ・パラのアデルとほどよく熟成したオートゥイユのガボールが、SM的ではあれど「この人じゃないとダメ」な愛というより絆を端的に見せて、離れた時の空間をこえた会話はテレパスのようでもあり。 浮世に生きにくい2人だけれど、それぞれ片方ずつの翼をあわせれば、どこへでも飛んでいける。 モノクロと時折のカスリ傷が効果的な、ラ・フィーユ・(エ・ロム)・スー・ル・ポン。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-06-20 00:00:02)
5.  8 1/2 《ネタバレ》 
クリエイターの男性は激しく共感しそうな映画監督グイド。 なので影響下にある作品が多く、ボブ・フォッシーの「オール・ザット・ジャズ」(舞台監督ギデオンの自らの死の演出)やトリュフォーの「アメリカの夜」(ジャン=ピエール・レオがドワネル的俳優の撮影現場)の方を先に見てしまったけれど、イタリア的というよりヌーヴェル・ヴァーグのフィルターを通しつつ、根底にイタリアの熱い血も流れているような混沌としたイマージュの連続。 モノクロも女性たちも美しく、その中で自身を持てあますグイド。 フェリーニの傑作として「道」と双璧なのだろうけど、情緒的な「道」の方が一般向きであっても、同じく手前勝手な男性の話でも非常にクールな「8 1/2」の方が興味深くまた見やすくもある。 後続の人たちは共感というより励まされたのかもしれず、「フェリーニでさえあんなに悩んでる」と。 現在・過去・空想のラビリンスをくぐり、生きる活力を取り戻したグイドの「人生は祭りだ、共に生きよう」。 作られて50年たった今でも、この映画はそう語りかける。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-10 07:00:21)
6.  ハリーとトント 《ネタバレ》 
長年住んでいたニューヨークのアパートが取り壊され、ひきとられた長男の家には居ずらく旅に出る老いたハリーのロードムービー。 経済的に困窮していないのは安心感と物足りなさ半々だけれど、ニューシネマのようにただ自滅に向かうのではないのはいいと思う。 ハリーの子どものうち後からでてくる2人は有名な俳優さん(バースティン、ハグマン)、最初に同居していた親思いの長男は父親と妻の間に立たされてかわいそうだった。 キッツイ奥さんも旅の途中の電話に出た時に泣きだしたことになっていて、自分が追い出したようで良心がとがめてたんだろうな、と和む。 行く先々の様々な出会いが心をあたため、相棒の食いしんぼう猫トントもかわいくて、だからあの姿は胸にしみた。 昔語りをした友の死もハリーに寂しさと共に自分に残された時間がそう永くないのを感じさせてた。 トントに似た猫もいるあの場所で、ハリーは残された人生を心安らかに過ごしたんだね、きっと。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-03 00:25:40)
7.  8人の女たち
アガサ・クリスティの映画はそれほど得意じゃない、人間の汚い部分ばかり見せられるようでね。 似たタイプのミステリーだけれど、それはあくまで形式でフランス女優の華やかな競演をのせる舞台装置にも思え、正直ストーリーは二の次。 フランス映画にしてはカラフルな画面も「つくりもの」であることを強調、主演級の女優さんが8人も並ぶと圧巻、大御所・中堅のみならず若手も「コゼット」「ティンク」。 ファニー・アルダンの横にエマニュエル・ベアールがならぶと顔の大きさが全然違ったり、ドヌーブとアルダンの「百合」に驚愕したりとやや邪道な愉しみ方でも、こんな機会はめったにないものね。 皆さん歌やダンスは本職ではないと思うので、「他の人たちに見劣りしたくない」と秘かに一生懸命練習したんじゃないかと思わせるミュージカル・パートがいじらしくも見えてきたり。 一番凝っていた役は髪も染めたイザベル・ユペール、元々美人なので終盤では華麗に変身。 こんなに楽しいなら結末を変えてでもハッピーなFINにしてほしかった、「女はみんなしたたかなワル」な印象で終わってしまうから。 ともあれフレンチ・シネマ好きにはご馳走!
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-28 00:00:03)
8.  パリ空港の人々 《ネタバレ》 
「髪結いの亭主」のジャン・ロシュフォールがやむをえずド・ゴール空港内に足止めされる学者に。 狭いトランジット・ルームに宿を求めるアルチュロと故郷のない住人たち。 ふってわいた災難に戸惑いながらも彼は目新しい生活に何となく楽しげだ。 今までの仕事も肩書きもここでは意味をなさず、ただの初老の男にすぎないのが別に不服そうでもない。 うるさがたの妻はすぐ近くにいても一緒にはなれないかわり、若いアンジェラがいて若やいだ気分にもなる。 どんな環境でも必要に迫られれば慣れてしまうものなのだろう、人間は。 怪しげな身の上を語るセルジュ(オルガドは「髪結い」でも共演)の話にも耳を傾ける。 大晦日の夜セーヌ河に停泊する遊覧船からの眺めは彼らだけのパリ。 確かな身元があり自由な人々にはけっして味わうことのできない喜びもある。 新年あけて解放される彼を一人無言で見送るナックの表情が「行ってしまうのか」と語り、言葉は通じなくても仲間と認めていたのだろう。 黒人少年ゾラを突き放せず供い、荷物を盗まれていなければ知ることのなかった場所を胸にしまい歩みだす彼のこの先の人生はどんなものかと思わせる。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-10 00:00:09)
9.  バリー・リンドン 《ネタバレ》 
レドモンド・バリーの流転の人生。「虚栄の市」のサッカレーの上流階級を冷笑する筆致とキューブリックの人間性を排したような作風が噛み合い不可思議な世界を形作る。理想や模範からは遠いところにいるバリーの見えぬ心に添うこともならず、石の如く転がってゆく人生を眺むるのみだが、それに飽くこともない。ライアン・オニールも演技よりも貌(かお)が求められているのだろう。叔父の家に身を寄せる身分であったバリーが決闘により世に出で、決闘によりそこから退場するまでの年月を立身出世と呼ぶにはあまりに卑俗であり、一粒種に先立たれても天誅としか感じないが、最後の決闘場で僅かに人間らしさを覗かせることで若干の憐憫の情が湧く。もう一つの選択をすれば先は違ったろうが、そうしなかったのは既に自分のまやかしの人生に倦み未練なしとも受け取れるのである。しばしば使用された機材が引き合いに出されるほど美しく撮られた壮麗にして絵画的な画面に陶然となるが、観賞は一度で十分と思えるのはその虚しきライズ・アンド・フォールを今一度とは心が向かぬからか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-02-10 07:13:34)
10.  パリ、テキサス 《ネタバレ》 
トラヴィスの行動が正しかったどうかは観客に委ねられている。粋な計らいか身勝手な自己満足か重い贖罪かは判らない。が、2人の人間を失意に陥れた彼が別の2人の人間をひとときでも幸福にしたのは確かだ。過去を遡る彼の旅を、抜ける青い空とスライドギター、ジェーンの赤いセーターが染め上げる。いまだ答えは出ない。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-23 03:34:51)
11.  ハムレット(1996)
19世紀に居を遷したHAMLET。 監督・主演ケネス・ブラナーの魂の入ったハムレットは、気合が入りすぎている感はなくもないが存在感あり、長ゼリフをしゃべり倒す気迫には圧倒される。 くるくると渦を巻く金髪を肩に垂らしたケイト・ウィンスレットの演技もオフィーリアに値するが、ミレーの絵のように儚げというわけではない。(この映画のように、秘かにハムレットと契っている彼女を主人公とした「オフィーリア」(01)のような小説もあり、その中ではガートルードも早くからクローディアスと通じている) デレク・ジャコビ(15才のブラナーが初めて目にしたハムレット)のクローディアスは、歌うかのごとき流麗な台詞まわしが悪役には惜しいほど、心弱き王妃ガートルードはジュリー・クリスティ。 エルシノア城の外観は壮麗なブレアム宮殿(最近ではジャック・ブラックの「ガリバー旅行記」の舞台)が使われるが、個性として印象づけられるのは内観の白黒の床、その上に集う華やかな宮廷人たち、その面前を歩む新王と王妃、彼らに降りかかる紙吹雪、そしてそれらを冷ややかに眺める喪服の王子の後姿であろうか。 物語の全貌を描くため、剣術試合の背後でノルウェー軍のデンマークへの侵攻も行われ、それを率いるフォーティンブラスは若きルーファス・シーウェル。 命を落さずともハムレットの道は閉ざされていたかのような重層の悲劇性が浮かびあがる。 綺羅星のごとくのゲスト・スターたち(米英仏問わず)がこぞって小さな役で出演しているのも、原典の大きさを感じさせる4時間。
[映画館(字幕)] 8点(2009-05-21 03:52:38)
12.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
2作目の予告編のせいで目新しさが半減したようですが、1作目の100年前の1885年が舞台の3作目。 前作までの近い時代への移動が生む面白さとは違っても、西部開拓時代はアメリカならではの原風景。 時代を大きく変えたことで、2作目に色濃いハインラインの「夏への扉」との明確な違いを出すことにも。 ドクの恋人として新たに「タイム・アフター・タイム」のメアリー・スティーンバージェンが登場するのは粋なキャスティング、ドクとクララの恋がステキ♪(彼女の衣装がパープル系なのは、ドクにふさわしい特別な女性であることをアピール?) ともに科学やジュール・ヴェルヌが好きという共通点があるのもよいし、今までコミカルなマッド・サイエンティストのイメージだったドクにも、運命の恋に悩む人間的な魅力が加わりました。(ドクが普通の人になっちゃった感はあるけど、こういう風にまとまるのはしょーがないかと) 彼のメッセージは若い人が聞いたら希望に胸ふくらむようなもので、ビッグになったシリーズの最後を飾り、マーティも挑発にのりやすい性格を克服し、成長ぶりを見せます。 デロリアンが壊されるのは残念だけれど、ファンの心の中では走り続けるはず。 これからも時間をこえて愛されるであろうシリーズ。
[映画館(字幕)] 8点(2005-12-04 11:23:13)
13.  ハムレット(1990)
ゼフィレッリの「ハムレット」。 68年版の「ロミ&ジュリ」を撮った監督には「ハムレット」も、との思いがあったのかもしれません。 長いセリフをこなすメル・ギブソンのハムレットは「憂鬱な王子」そのもの、かなり陰気ではあり見ていると気が滅入ってきそう。 質素な衣装のオフィーリア、ヘレナ・ボナム=カーターはもともと病んでるような感がなくもない目つきなので、狂気に陥った時とのギャップが少なく感じます。 髪に花をさし野の花を配るかわりに、藁束を手に配って歩くのが女占い師のよう。 俳優で一番魅力的なのは王妃ガートルードのグレン・クローズ。 「危険な関係」のメルトゥイユのような悪女が本領かと思いますが、この不貞の王妃もはまっていて、後半の「私のハムレット、私にはもうお前だけ」な溺愛ぶりはいじらしいまでに母の愛情を見せます。 大臣ポローニアスのイアン・ホルムは息子レアティーズへの教訓も駆け足で。 舞台となる蒼ざめたエルシノア城は有機的な曲線を持つ城内が素晴らしく、北欧デンマークの冷たい空気をも伝えてきます。
[DVD(字幕)] 7点(2013-03-06 07:00:03)
14.  鳩の翼
ヘレナ・ボナム=カーターが再びイタリアへ。 アイヴォリーの「金色の嘘」とよく似ていると思ったら、原作がおなじヘンリー・ジェイムズ。 美しいタイトルとは裏腹のドロドロとした財産絡みの奸計や、アメリカ人の娘といった要素が似ています。 こちらの方がロンドンとともにイタリア・ヴェネチアを舞台としている詩的な世界ではあるので印象はよく、ゴンドラで寄り添う3人も絵画的な美しさ、カーニヴァル(仮面舞踏会)も生かされて、水の都ヴェニスはロマンティックな情緒をたたえ、愛と死の舞台として映画で使われることも多い場所。 ライナス・ローチは優しげで少し優柔不断でもあるマートンにあっていそうですが、ミリー(アリソン・エリオット)は儚げな天使というより彼女の方が小悪魔的なルックスにみえ、ヘレナの暗い眼差しは叔母(シャーロット・ランプリング)から自由を得るため悪女に転じるケイトにあっていても、異国で他の女性と行動を共にするマートンの心身をつなぎとめる女には、彼女の小さな体は少しマイナスのような気がしました。 でも彼女にとってきっと私の代表作と思っているだいじな作品だと思います。 ミリーの「ハメをはずしたいの」の意味を感じとりつつ応じなかったマートンには、悔いもあるのでしょうか。 「鳩の翼があったなら 飛び立っていただろう 永遠の安らぎへ」
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-02 06:59:55)
15.  バレエ・カンパニー
「エトワール」(00)のようなバレエ・ドキュメンタリーというより、映画仕立てのバレエ。 クラシックではなくモダンバレエだけれど、女性はトゥシューズをはきレッスン風景はあまり変わらない。本式にバレエをたしなんだ経験があるネーヴ・キャンベルは踊りも遜色なく、共同脚本も手がけた彼女が美人すぎないことでリアリティもあり。 彼女とまだ若いジェームズ・フランコ、芸術監督のマルコム・マクドウェル(貫禄がついてカッコイイ)以外は「ジョフリー・バレエ・オブ・シカゴ」の団員らしく、ふんだんに盛り込まれるステージに見応えがあり、特に嵐の中での野外の舞台はクラシックには見られぬもの。 スケッチ風に描かれるカンパニーの中で、イエローを差し色としダンサーやスタッフに喝を入れるミスターAはいいアクセント、若いコックのジョシュは自分よりバレエを優先しがちなライにストレスを抱えながらも恋人を支える。 おきまりの主役交代劇さえ劇的な演出はされず、当たり前のように見ていられるのは驚き。 ロバート・アルトマンの「ゴスフォード・パーク」を見る人は多くても、こうした作品は「映画としては」とスルーされがちで、同じ系統の「ザ・プレイヤー」「プレタポルテ」ほど知られてもいないけれど、魅力ある作品。
[DVD(字幕)] 7点(2012-06-06 07:00:03)
16.  ハイ・フィデリティ
タイトルはハイファイということですね。 ジャック・ブラックを最初に見た映画で、「この小柄で太ったネコ顔のオタク店員は誰?」 原作ホーンビィ、監督フリアーズの英国コンビ、舞台はロンドンからシカゴに。 中古レコード店主のジョン・キューザックの失恋遍歴カメラ目線トーク(コレばっかりだとキツイけど、お店とサンドになってるから見られる)もアメリカ人だったら「ウディ・アレンっぽくなる」のを危惧して避けたかもしれない。 元カノたちもゼタ=ジョーンズ、リリ・テイラーと色とりまぜ、姉ジョーン・キューザックも顔を出す。(「スクール・オブ・ロック」のニセ教師と校長がすでに顔合わせ!) オタク談義が楽しくヴェルヴェッツの2枚目を賛美するあたりマニアックだけど、知識のない人を見下すマニアの体質にツッコむフェアな精神も忘れず。 ブルース・スプリングスティーン特出にオドロき、ティム・ロビンスはジャックと一緒の時はヘンな役。 最後はジャック・ブラックの歌できれいにシメて。 サントラも「エンパイア・レコード」より上。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-05-04 16:59:58)
17.  パリ20区、僕たちのクラス
「今日から始まる」(99)よりさらにドキュメンタリー・タッチ、その計算が見えず自然。 元教師の原作者が教師役も兼ね、多民族国家フランス・パリ多民族地区20区の中学の先生。 フランソワ先生がかっこよく見えるのは、熱血からは遠いほどほどな熱意にウソがない気がするせいか。 人種もバラバラな生徒たちの自己主張のストレートさにも驚き、本音のキャッチボール。 まるで一クラスに押しこめた世界の民族の縮図で、バトルまがいの授業に現場にいるようなリアリティに巻き込まれる。 丁々発止に渡り合う先生もついダブルミーニングな言葉「ぺタス」を使ってしまい、広がる波紋が一言の持つ重みを示し、先生が言葉を大事にするフランス語教師なのも皮肉がきいてる。 職員室は戦士たちの休息所。 服装もカラフルな生徒たちに対して先生は質素とバランスがとれ、よけいな音楽もなし。 贅肉のない骨っぽさが魅力だけど、クッションなしの映画のエネルギー消費量は少なくない。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-09-28 06:59:59)
18.  巴里のアメリカ人
ヴィンセント・ミネリの「巴里のアメリカ人」は芸術性豊か、ガーシュウィンとフレンチアートがふんだんに。 レスリー・キャロンは「あしながおじさん」よりこちらが好き。 端正なアステアより豪快なケリーと相性がよいのか。 美人というよりキュートなバレエダンサー、ちょっとカイリーに似てるかな。 賛否両論終盤20分は肯定派、他じゃこんなの見れないモン。 骨太ジーン・ケリーはロートレックなら骨なしヴァランタンよりショコラ!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-07-09 07:00:03)
19.  バグダッド・カフェ
ヨーロッパの人はアメリカのだだっ広く乾いた大地に憧れがあるのかもしれない。 でもってそこに自分の国の女性を「幸せをはこぶ人」として置いてみた映画。 ジャスミンの鷹揚で控えめポジティブ、来るものは拒まずなキャラが要なのは確かでも、役者としてよかったのはブレンダ役のパウンダー(この人好き! 「ER」や「ロボコップ3」にもでてたな)とルーディ役のパランス(06年没)のアメリカ勢。 イエローやレッドのフィルターで作りだした色合いの中で、しょぼくれた人間たちが元気をとりもどしていく。 完全版・DC版とある人気作ですが、タイトルと"Calling You"でヒットした感もなきにしもあらず。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-01-23 00:45:17)
20.  バティニョールおじさん
占領下のパリで、進駐ドイツに日和見的な肉屋のムッシュ・バティニョールがひょんなことからユダヤ人少年を保護することに。 最初から最後までスリリングで飽きさせず、「重い題材でもできるだけ軽く描きたかった」のは結構なんだけど、「しょせん人間なんざそうキレイなモンじゃない」といった主演・監督・脚本のジュニョさんの開き直り・強引さはちょっと気になったかな。(人間を動物として描くリアリズムって当り前すぎて高級と思わないので) 俳優が本業のためか一本調子なのが印象を浅くし、子供向きでもないしウサギ好きな人にも向かないか。 けど必ずしも好人物でないオジサンが、知らず知らずのうちに子供たちに肩入れしていくのがこそばゆくも嬉しき奮戦ぶりで、「がんばれ!」と応援したくなる。 怪我をしたナチス将校をヘタレに、フランス警察をワルに描いたり、聡明さと子供らしさが共存するシモンは結構したたかと変則的な描写もおもしろい。 スイス国境でのおじさんの翻意も胸が熱くなった。 農場の少年マルタンは「ピエロの赤い鼻」の男の子。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-03 00:00:01)(良:1票)
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