21. ビルマの竪琴(1956)
《ネタバレ》 戦争がいかに虚しいものであるかが、美しい竪琴の音色や歌声と共に伝わってくるような映画でした。 ビルマの風景がとても印象的でした。ただ、白黒なんですよね・・・・。「ビルマの赤い土をどうしてもカラースクリーンに描きたかった」と30年近く後にリメイク作品を撮った市川監督の気持ちが良くわかります。 北林谷栄が、この切ない物語の中で一服の清涼剤の役割を果たしています。 [映画館(邦画)] 7点(2008-02-24 22:25:20) |
22. 陽はまた昇る(2002)
《ネタバレ》 サラリーマン必見の作品ですね。これを観たら絶対に「よし頑張ろう!」と思う筈です。いろいろな教訓を含んでいる良作です。 ただ、ちょっとVHS側に立ちすぎていて、まるでベータが悪で、VHSが導入されて良かったみたいな風にもとれる感じがするのが、元ベータユーザーで、ベータが無残に駆逐される様を身を持って体験した私にとってはちょっと面白くありませんでしたけど。(レンタルビデオ屋に行っても、VHSばかりでベータなんて殆ど置いてませんでしたからね・・・) [地上波(邦画)] 8点(2007-11-01 18:48:23) |
23. ピアニスト
《ネタバレ》 なんというか、ある程度の年齢に達した人間の心の傷や闇を暴き立て、そこに塩をすりこむような嫌らしい作品ですね・・・・。しかし、イザベル・ユペールの迫真の演技などもあって、心をつかんで離さない不思議な魅力を持つ映画です。後味は悪いですけど・・・・・。 まあ、あんまり自分を抑えこんでしまわず、ほどほどに生きていった方が良いということなんでしょうね。 [DVD(吹替)] 7点(2007-10-06 21:33:49) |
24. ひみつの花園
《ネタバレ》 絶妙な「ヘタウマさ」を感じさせる映画ですね。何というか、精緻に計算された脱力感が非常に心地よかったです。西田尚美の突き抜けた感じの演技も良かったですね。 まあ、ラストがちょっとイマイチな感じがしましたけど、不思議な爽快感が後に残るコメディでした。 [DVD(邦画)] 7点(2007-09-16 21:44:30) |
25. 悲情城市
《ネタバレ》 台湾の戦後について殆ど知識が無かったので、非常に興味深く見ることができました(上映時間も長く、緩やかで淡々と物語が進んでいくのでちょっと眠気が襲ってきましたが、何とか撃退しましたw)。 日本人や日本語のセリフも登場しますし、登場人物の名前もどことなく日本風なものもあり、台湾と日本の関係の深さを感じました。 しかし、非常に哀しいドラマでありながら、どことなく悠然とした雰囲気であるのはやはり民族性の違いなんですかね? [映画館(字幕)] 7点(2007-09-03 19:37:04) |
26. 百年恋歌
《ネタバレ》 1966年(恋の夢)、1911年(自由の夢)、2005年(青春の夢)と3つの時代の物語のオムニバスですが、内容の評価としては1966年>1911年>>>2005年という感じでしたね。「煙が目にしみる」等の懐かしいオールディーズナンバー、雰囲気のあるビリヤード場と60年代の雰囲気がとても心地良かった1966年、サイレント映画の技法を用い、音楽と映像(建物の中に差し込む光がまるで閉鎖的な世界から垣間見える自由の象徴のような感じで印象に残りました)の美しさで戦前のせつない物語を描き出した1911年に比べて、2005年になるといきなり俗っぽくなってちょっと醒めてしまいました。 まあ、1911年や1966年に比べ豊かになった分失ったものもあって、決して2005年の若者達も満たされているわけではないということなんでしょうけど、ちょっとイマイチで残念でした。 [映画館(字幕)] 6点(2007-09-03 18:46:32) |
27. ピエロの赤い鼻
《ネタバレ》 非常に軽妙なタッチで描かれているんですが、内容は非常に重いですね・・・・。 何というか、人生はリセットできないし、愚かな失敗をしてしまったらそれを一生背負っていかなければならないわけで、その哀しい事実がなんともいえず切ないですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-05-30 21:01:21) |
28. ひまわり(2000)
《ネタバレ》 記憶の底に眠っている過去の思い出を呼び起こしてくれた作品でしたね。この作品を鑑賞しているときも、ずっと自分の小学生時代を思い浮かべてちょっとノスタルジーに浸ってしまいました。 全体的に舞台劇を映画化したような印象の作品なんですが、麻生久美子の幸薄い感じの演技が妙にリアルで絶品です。 [DVD(邦画)] 8点(2007-04-30 20:57:51) |
29. ひまわり(1970)
《ネタバレ》 もう、オープニングの美しくせつないテーマ曲とひまわりの映像が非常に素晴らしいです。しかし、力強く咲き誇るひまわりの下には哀しい事実が・・・・・・。ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニの哀しいラブ・ストーリーも素晴らしかったですが、この映画は戦争により尊い命を落とした人たちへのレクイエムなんじゃないでしょうか。そしてその人達の象徴があの一面に広がるひまわり畑なんでしょう。 本当に名作と呼ぶにふさわしい作品でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-04-08 20:20:43) |
30. ビハインド・ザ・サン
《ネタバレ》 映像の美しさとストーリーの残酷さが妙にマッチしていて、非常に不快でした。生きていくために滅亡の方向へ進んでいかなければならない理不尽さがとてもやるせなかったです・・・・・。 [DVD(吹替)] 6点(2007-03-12 18:38:08) |
31. ひかりのまち
華やかな都会の光の映像と、登場人物それぞれの孤独感が非常にマッチしていてセンスの良さを感じました。音楽も素晴らしかったです。 何というか、非常に日常的な世界を描いているのでとても身近に感じられるストーリーでしたね。結構、生々しいんですけど、爽やかな後味が残る作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-03-09 18:18:55) |
32. 光の雨
《ネタバレ》 劇中劇という手法が非常に効いていますね。連合赤軍事件という、ニュース映像と文字でしか見たことが無い出来事を演じている役者達と共に考えながら見ることが出来て非常に面白かったです。 やはり、思想というのは人それぞれ違うものだから、どんなに同じ理想を求める集団であっても、思想の統一というのは難しいんだと思います。そうなると結局力のあるものの思想が基準となってしまい、そこから離れている者を排除していくようなことになっていくんですよね・・・・・。(実際、理想を求める社会主義国家には独裁政権が生まれやすい。) しかしまあ、裕木奈江の演技が凄みがありましたね。本当に恐ろしささえ感じました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-02-28 18:51:07) |
33. ピストルオペラ
アバンギャルドですね・・・・。しかし、根底にあるストーリーがわかり易かったので流れもつかめましたし、鮮やかな色彩やセットの芸術性など見どころが一杯あるので、「次は何がでてくるんだろう」とワクワクしながら見てました。鈴木清順監督の作品は初めてみたのですが、他の作品を見てみたいですね。発想力の凄さに感服いたしました。 [DVD(邦画)] 7点(2006-09-14 12:33:59) |
34. 悲愁(1979)
《ネタバレ》 華やかな映画界の裏側を描いた作品です。スターがスターであり続けることの大変さがよくわかりますね。(整形手術の話とか結構あるんですかね・・・・・・)自分の娘を犠牲にし、なおかつスターであることを選んだフェドラの生き方には恐ろしさすら感じました。 しかし、フェドラはグレタ・ガルボをモデルにしているみたいなんですが、ガルボの引退後もこんな感じだったのかな?と思いながら見ていると結構引き込まれました。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-07-09 00:08:52) |
35. 桃色(ピンク)の店
《ネタバレ》 非常に楽しい作品でした。ルビッチ監督の作品を見るのは3作目ですが、どの作品もテンポが良くてストーリーやセリフも良く練られていて「素晴らしい!」の一言ですね。 この作品も、心地よいセリフのやりとり、ストーリー展開の巧みさ、小物(オルゴール付シガレットケース等)の効果的な使用等々見どころが多いです。ラストも見事なまでのハッピーエンドで、見終わった後とても幸福な気分になれる作品でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-29 15:47:44) |
36. ピンポン
《ネタバレ》 松本大洋の原作の世界をそのまま映画に持ってきた感じでよかったです。しかし、中村獅童の存在感・インパクトは凄いですね。ストーリーは単純ですが、登場人物のキャラがいい味出しているのでとても楽しめました。 [ビデオ(邦画)] 8点(2006-04-21 22:28:10) |
37. ビューティフル・ピープル
《ネタバレ》 見た後、非常に爽快な気分になりました。ただ、移民の問題、戦争という極限状態がいかに人に傷跡を残すものであるのかを考えさせる作品でもありました。 ストーリーは、ロンドンのボスニア移民の5つの物語が交錯するように展開していきます。どのストーリーもシリアスな問題を取り扱っているのですが、ユーモアを交えて描かれているため、重くなりすぎてないので非常に入り込みやすい作品です。基本的には、日常の様子を描いているため、あまり見る機会のないイギリス人の日常が垣間見ることができ、非常に面白かったです(まあ誇張している部分はあるのでしょうが)。 「ほんのちょっと運が味方すれば、人生は美しくなる」というセリフが物語っている通り、全ての物語が良い感じで終わっているので、とても見ていて楽しかったです [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 22:39:09) |
38. ビフォア・ザ・レイン
《ネタバレ》 非常に美しい作品です。そして、民族対立の恐ろしさを静かに淡々と伝えてくれます。マケドニアにおけるマケドニア人とアルバニア人の対立は、マケドニア人が「500年の恨みを晴らす」というセリフがあるように非常に根深いものを感じました。 3つの物語が、とても上手くつながっていて非常に良く出来た作品だと思います。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-04-16 22:23:14) |