41. プルーフ・オブ・ライフ
やはり、ラッセル・クロウは主演男優賞を獲得するだけの事はある、今まさに“旬の役者”だということ再認識させられた思いだ。とくに静と動の緩急自在の演技は彼の独壇場であり、最大の武器ともいえる。もう一人の売れっ子、D・モースは一見損な役回りのようだが、それなりに見せ場があるむしろ儲け役であり、今後の活躍が一層期待される。さて肝心のM・ライアンだが・・・。持ち前の脳天気さは彼女のキャラだとしても、窮地に追い込まれたひとりの人間としての悲壮感がまったく感じられないし、二人の男の間では、なにやら浮いた存在でしかない。興行的には絶妙のカップリングなんだろうけど、どう考えてもミス・キャストと言わざるを得ない。ラスト、彼女たちを乗せた車を見送るクロウの虚しい表情は、孤高の男を表現しえて絶品だ! 7点(2001-04-15 18:41:37) |
42. フューリー(1978)
ブライアン・デ・パルマが描くサイキック・ホラーの世界。エイミー・アービングが美しくそして怖い超能力者を好演。ラストは「キャリー」を彷彿とさせる展開だが、その衝撃は凄まじい! 7点(2001-03-11 23:49:38) |
43. BROTHER
いかに映画と言えども、男を貫くためには命をもいとわない“兄弟”たちの捨て身の行為の描写には、やはりこの世界に対する理解を超えた 相容れないものをどうしても感じてしまう。北野作品はアメリカを舞台にしてもあくまでもマイペースで、独自のカラーはますます磨きがかかり、さらに過激だ。主人公の山本は日本での抗争の果て、ほとんど死に体でL.A.へ自らの死に場所を求めに来たような男で、勢力拡大をはかる事にもさほど熱意といったものもなく、まるでゲームでも楽しんでいるかのようだ。結局この作品はラスト・シークエンスを撮りたいが為の、実に長いイントロを見せつけているような感じさえする。 それにしても評論家や映画ファンには高い評価を得ている北野作品だが、ごく一般の観客はどのように感じているのだろうか・・・。 7点(2001-03-04 00:05:58) |
44. ブルースチール(1990)
銃を執拗にこのうえもなく美しく描いたサスペンス・アクション。映画はタイトルバックのマグナムのどアップから始まり、まるで愛撫するかのように無機質な音を響かせて銃弾が装填されていく。スーパーマーケットでの強盗の手から放物線を描いて落ちるショット。ラストでの犯人を射止めたあと、車のシートの上でスローモーションで何度もバウンドするシーン。肝心のストーリー以上に銃の描写が実に丹念で印象的。 7点(2000-12-17 18:58:29) |
45. ブレーキ・ダウン
スピルバーグの名作「激突!」を連想するシーンもあって、実によく出来たサスペンス・アクションで仕上がりは上々。ただ前半のミステリアスな展開と緊迫感に比べて、徐々に犯人像が明確になってくる後半になってくると、安手の活劇映画っぽくなったのが惜しい。 7点(2000-11-26 23:37:14)(良:1票) |
46. ファーゴ
登場人物がみんなどこか変だけど愛すべき人たちばかり。そんな彼らのドラマゆえ、ストーリー展開も予想がつかない。かなりエグいシーンもあるんだけど、むしろユーモラスにさえ感じるから不思議だ。 7点(2000-10-15 15:58:38) |
47. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
キューバ音楽のバイタリティーとそのセクシーさ、そして彼らの音楽を愛してやまないヴィム・ヴェンダースとライ・クーダーの熱い眼差しを感じざるを得ません。 7点(2000-08-27 17:54:35) |
48. 風雲 ストームライダーズ
RPGの実写版で、お好きな人にはたまらない魅力をもっている作品です。見所はワイヤーワークとCGという新旧のSFXの見事な合体にあります。要はファンタジーの世界の話なんで“なんでもあり”なんです。不満を言えば、やたら唐突に出現する登場人物の多さと、貫禄十分の千葉真一の違和感のある声の吹き替え! 7点(2000-06-11 15:38:50)(良:1票) |
49. プロフェシー
「隣人は静かに笑う」のM・ペリントン監督作品。まったく油断のできない人らしく、今回もラストにあっと言わせる仕掛け(それもかなりの大スペクタクル)が用意されている。しかし、それまでのミステリアスでしかもかなり地味な物語の展開と、あまりにもトーンが違いすぎて、予想外というよりもまったく違う映画を見せられているようだ。それは、ほとんど意味があるような無いような、取ってつけたような伏線の張り方が機能していない為で、まさに演出プランに計算違いが生じた為でもある。 6点(2003-03-14 15:47:24) |
50. ファイナル・デスティネーション
この映画を観ていて、例えば地震や火災で災難に遭うという事は、それらの現象そのものよりも、その影響で生じる建物の倒壊や密閉状態で脱出不能といった、いわゆる物理的な作用によるものだと言うことを改めて感じた次第で、そういう意味で本作は、まるで科学の実験を見ているかのような(一見、理に適ったように)、見えざる力により物理的・偶発的に殺されていく過程がなんとも丁寧に描かれていて、その部分がこの作品の唯一興味深くて面白い点だろう。 6点(2002-06-07 23:40:19) |
51. ブラックホーク・ダウン
“戦場映画”という触れ込みだけあって、それはそれは視覚的に良く出来ている作品で、その臨場感たるや、我々観客ともども戦地に放り込まれたような感覚に陥るほど。しかし要はそれだけのこと。ブラック・ホークが撃墜されたあと市民が次々と襲いかかるシーンなどは、「アラモの砦」でのインディアンのそれと酷似していて、アメリカ映画お得意の伝統ともとれるが、それら全編に渡る戦闘シーンは、凄まじさを通り越して滑稽ですらあるのは、そもそもわざわざ敵陣にやってきて絶望的な戦いを強いられる破目になったのも、相手を見くびった事に拠る米軍の傲慢さに他ならないからだ。「俺が死んだら妻や子に、勇敢に戦ったということを伝えてくれ・・・」「自分で言えばいいだろぅ」という戦争映画お定まりのセリフを用意するあたり、本作を見る限り被害者意識だけは十分だが、作戦の失敗の本質がなんら見えてこない。 6点(2002-05-19 16:30:15)(良:1票) |
52. フロム・ヘル
猟奇的で謎めいた未解決の事件だけに、創作は自由奔放にいくらでも可能だ。それほど“切り裂きジャック”のお話は有名ということか。しかし今回の場合、設定が強引すぎてどこかに無理があるし、だいたい話そのものがつまらない。時代背景のダークな雰囲気は十分だが、オドロオドロした恐怖感は案外乏しいし、又、J・デップの妖しい美しさは際立っているものの、肝心の予知能力がほとんど生かされていないのも不満が残るところ。ラスト、彼女を守るため自らの命を絶つ(?)という、結果的に究極の愛を貫いたという事なんだろうけど、彼女の事を本当にそこまで思っていたのかは大いに疑問だ。 6点(2002-02-07 00:44:41) |
53. ファイナルファンタジー
大方の感想に違わず、映像的にはまず申し分なし!CGでの再現によるそのリアル感には驚嘆するばかりで、とりわけシド博士の造型は見事と言うしかない。ただ案の定、ストーリーが伴なっていないと言うか、彼らはいったい今、何をやっているのかという、このテの作品にありがちなシチュエーションの希薄さで、作品の印象が曖昧なものになってしまったのが残念だ。 6点(2001-09-29 23:35:07) |
54. ブルース・ブラザース
迫力満点のカーチェイスを中心とした、徹底的な破壊のエネルギーの凄まじさと爽快感!ドタバタのギャクの連発!ブルースやソウルなどとダンスの乱舞するミユージカルとしての楽しさ!ザッツ・エンターティンメント!ただ国民性の違いもあるんだろうけど余りにもアホらしい。いかに無邪気になれるかなれないかで、評価が違ってくるように思う。 6点(2000-11-11 17:45:35) |
55. フィールド・オブ・ドリームス
“だからなんなの?”“それがどうしたの?”って思わずツッコミたくなるような話の強引さに、拒絶反応をおこしてしまいました。いい映画なんだろうけど、最後までノレませんでした。 6点(2000-10-15 16:06:15) |
56. フロム・ダスク・ティル・ドーン
前半はタランティーノ風フルムノワール、後半はゾンビ風バンパイア物で、一粒で二度美味しい珍品。J・クルーニーとJ・ルイスが今日の活躍を予感させて実にしたたかである。 6点(2000-09-14 23:28:19) |
57. 梟の城
日本映画界を背負ってきた一人・篠田正浩監督の輝かしい名作群にひとつの汚点を残してしまったような、それほど見るべきものがまったく無い不出来な作品だが、彼にはまだまだこれからも映画を撮り続けて欲しいし、又、そう願いたい。老け込むにはまだ早い。更なる奮起を! 4点(2001-03-29 14:47:22) |
58. PLANET OF THE APES/猿の惑星
「猿の惑星」(第一作目)のリメイクと言うよりも、「最後の猿の惑星」の姉妹篇のような作品となっている。“猿のメイクに数段の進歩が・・”とか“猿の跳躍力が云々・・・”と言うように、いかにも興行サイドが“売り”に苦慮しているのも頷けると言うものだ。いったいそれが何だと言うのか!と言いたくなるほど見所のない作品で、パロディともギャグともつかない中途半端な仕上がりとなっている。ラストなどは昔のTV秀作SFシリーズ「アウター・リミッツ」のパクリそのもの。オリジナルを知らない世代や、あまり物事に拘らない人にはそれなりにウケるかも知れないが、これではあまりにもオリジナルに対して失礼というものだ。興行側は「猿の惑星」ではなく「おサルの惑星」とするべきではなかったか。 2点(2001-08-18 14:59:24)(笑:2票) |