41. フリー・ゾーン 明日が見える場所
《ネタバレ》 中近東の現実の一部を見ることができ非常に興味深かったです。戦争というのはあくまで国家間のものであり個人間のものではないことが描かれています。あまり見る機会の無いイスラエルやヨルダンの風景も新鮮でした。 しかし、イスラエル人とパレスチナ人の口喧嘩から逃げるように走り去るナタリー・ポートマンの姿は、パレスチナ問題に対して成すすべを失ってしまった欧米各国の姿を象徴しているようでしたね。 [DVD(字幕)] 6点(2008-07-14 13:08:24)(良:1票) |
42. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 「なりたい自分」と「実際の自分」との葛藤、仕事や物欲等々様々なしがらみに支配されながらも中々断ち切れないもどかしさ、あらゆるものから解放されたいという衝動・・・・。現代人なら恐らく誰もが多かれ少なかれ心の中に抱えている問題を鮮やかに描き出していますね。 また、現代の物欲にまみれた資本主義、消費社会を批判するとともに、その行く末がどうなっていくのかをもやや戯画的に描いていて興味深かったです。 ラストは、何というか破滅的な美しさとピクシーズの曲が見事にハマっていて素晴らしいですね。 [DVD(吹替)] 7点(2008-06-17 11:35:59) |
43. FUCK ファック(2005)
《ネタバレ》 いわゆる「4letter words」について、かなり真面目に議論しているんですがこれがかなり面白いんですよね・・・・・。やはり、「言ってはいけない」と言われると無性に言いたくなってしまうのが人間ですから。 まあ、逆に言うと人間の欲望に大いに訴える魅惑(?)の言葉だからこそ、抑圧されているとも言えますね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-11 19:44:37) |
44. プーサン
《ネタバレ》 文章ではなかなか把握することができない、戦後まもない昭和20年代後半の世相が描かれていて非常に面白かったです。(朝鮮特需、女性の地位向上、血のメーデー、自衛隊の前身組織等々) なんというか、日本が戦前・戦中の姿から徐々に変わっていきつつあるところが見えて興味深かったですね。 悲哀に満ちていながらどことなくユーモラスな伊藤雄之助の演技が非常に印象的でした。 [映画館(邦画)] 8点(2008-02-24 22:50:21) |
45. 普通の人々
《ネタバレ》 「普通の人々」というタイトル通り、まさに誰もが向かい合っているであろう「家族関係」について描いているので非常に見入ってしまいました。また、カウンセリングのシーンも結構心に響くものがありましたね(ずっと後の作品ではありますが、「グッド・ウィル・ハンティング」を思い出してしまいました。)。やはり家族といえども他人な訳ですから、(いろいろな面での)限界を受け入れながらやっていかなければならないんだなと感じましたね。 [地上波(吹替)] 8点(2008-01-29 12:41:24) |
46. プラハ!
《ネタバレ》 前半部分の青春ドラマが明るく華やかであるだけに、最後の「プラハの春」の終焉が非常に重く感じられます。画面の色彩も最初は原色が多く使われていたのが、最後は灰色にくすんだ感じになってましたからね・・・。音楽のセレクトも非常に素晴らしかったですね、特にラストシーンの「Where have All The Flowers Gone?」が印象的でした(「Downtown」のチェコ語バージョンや「San Francisco」も良かったです。)。サントラ欲しいですね。 しかし、プラハの話では無いのに何で「プラハ!」なんだと思ったのですが、担当者のインタビューを読むと何とか日本で上映するためにやむを得ず付けたようですね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-26 19:55:18) |
47. ブリッジ
《ネタバレ》 「自殺」という、誰もが目をそむけてしまいがちな、しかしながら切実で重要なテーマを取り上げているだけでも非常に意義のある作品だと思います。文章では数多く語られているテーマを、映像として記録していることは評価したいですね(賛否両論はあるでしょうが)。このテーマについて我々観客に考えさせる上で、想像力を喚起させるのではなく、冷徹なまでにありのままの状況を見せる手法は非常に効果的だと思いました。 ゴールデンゲート・ブリッジの壮大で美しい姿が非常に印象的でした。 [DVD(字幕)] 7点(2007-12-26 18:13:45) |
48. ブラックボード 背負う人
教師達がまるで行商人のように黒板を背負いながら教える生徒を探す姿は、中々インパクトがありました。また、国を持たず迫害されたクルド人たちの姿を、ドキュメンタリータッチで描いていて非常に興味深かったです。日本ではあまり馴染みのないテーマを取り扱っているので、ある程度の予備知識を持った上で見た方が良いかと思います。 [ビデオ(字幕)] 6点(2007-12-12 12:40:34) |
49. ファニーゲーム
《ネタバレ》 多分、この作品を見た殆どの人と同じように不快感を感じ、理不尽な暴力に対し怒りを覚えました。そして、この映画の世界が決して虚構ではないことに恐ろしさを感じました。 昨今、ニュース等で話題になっている「いじめ」の問題なんかはまさにこの「ファニーゲーム」そのものなんですよね(程度の差はありますが)。 しかしまあ、衝撃的な作品ではあったんですが、ちょっと途中の展開がタルかったですね(まあ、まだ劇場用映画には時間が足りないって言ってましたけどw)。それに、ストーリーをリモコンで巻き戻すシーンにはちょっと醒めてしまいました。 [DVD(字幕)] 2点(2007-09-29 23:17:42)(良:1票) |
50. プリティ・リーグ
《ネタバレ》 公開当時話題になっていたので存在は知っていたんですが、何となくキワモノっぽいイメージがあって観ていなかったんですよね・・・。こんなに素晴らしい野球映画だったなんて・・・・この邦題付けた奴出て来い!って感じですね。 ストーリー的には、戦争という背景はあるもののスポーツ映画の王道的なものなんですが、とにかく音楽とテンポの良さがスポーツの持つ高揚感を上手く引き出しているのが良かったです。本当に、野球(ベースボールと言うべきか?)というスポーツの素晴らしさを味わえました。 しかしまあ、第二次世界大戦という背景を考えると、ちょっと複雑な気持ちはありますけどね。 [ビデオ(吹替)] 8点(2007-09-28 12:57:00)(良:1票) |
51. ブラックブック
《ネタバレ》 第二次世界大戦終盤のオランダの状況を知ることができ、なおかつ娯楽作品としても良く出来ている作品です(お色気やグロテスクなシーンも多いので、決して家族向けではないですが・・・)。 2時間半近い作品ですが、話が面白くテンポが良いのであっという間に終わってしまいました。 しかし、終戦後のナチス協力者への仕打ちなんかは凄まじいものがありましたね・・・・。 [映画館(字幕)] 8点(2007-09-09 00:52:31) |
52. 武器なき斗い
《ネタバレ》 周囲が権力の前に悉く屈していく中で、一人生命の危険も省みず己の信念を貫こうとした主人公の姿には非常に感銘を受けました。下元勉の飄々としながらも芯の通った感じの演技も良かったです。 ストーリーも良くできていて2時間を超す作品ですが、まったく長さを感じることがありませんでした。ただ、ちょっと左翼的すぎるかな・・・・・・・。 [DVD(邦画)] 8点(2007-08-26 22:55:41) |
53. フライド・グリーン・トマト
《ネタバレ》 どちらかと言えば地味な作品ではありますが、観ていてとても心地の良い気分にさせてくれる映画でした。保守的でいろいろな縛りのある南部の町で力強く生きてきた女性の物語を、現在と過去を上手くいったりきたりさせながらユーモアを交えつつ描いています(まあBBQのエピソードはちょっとブラックな感じですが・・・・)。 何というか、観終わった後じんわりと感動が心に沁みこんできましたね。 [DVD(吹替)] 8点(2007-08-24 18:18:48) |
54. 復讐するは我にあり
《ネタバレ》 非常に暗くて湿っぽい印象の作品ですね・・・・。昭和の日本の暗い一面をリアルに描きだしています。日本映画が苦手な人が挙げる要因が濃厚に詰まっている感じです。 しかし、公開から30年近く経つ間に榎津巌が人間的に見えてしまう程の非人間的な殺人者達を見てしまっているからか、犯行当時に社会が受けていたであろう衝撃を観ていても感じることが出来なくなってしまっていたのが非常に恐ろしく感じました・・・・。 [ビデオ(邦画)] 6点(2007-08-06 20:02:57) |
55. ブラス!
《ネタバレ》 非常にほろ苦い味わいの作品でしたね。 合理化を机上で決めることはとても簡単なんですッどね・・・・・。実際は、いきなり生活の糧を奪ってしまうわけですし、炭鉱の仕事しかしていない人間に、すぐ他の仕事を見つけろというのも酷な話です。(まあ、退職金は支払ってはいますけど。) まあ、財政的な問題や時代の流れもあったりするので、経営側が一方的に悪いとは思いませんが・・・・。 [DVD(吹替)] 7点(2007-06-06 18:35:22) |
56. ブレイブハート
英国の歴史についてほとんど知らなくても、十分に楽しめる作品です(まあ、多少でも知っているとさらに楽しめますが・・・・。イングランド、スコットランド、アイルランドの歴史をwikiか何かで予習しておくといいかもしれません)。 登場人物たちの駆け引きや心の動き等々、戦国時代ものが好きな方なら絶対に惹きこまれるであろう面白さです。 [地上波(吹替)] 8点(2007-06-03 19:15:13) |
57. フルメタル・ジャケット
《ネタバレ》 今まで見た戦争映画の中でも1、2を争う凄い作品でした。戦争というものが、如何に人間の存在を否定するような地獄であるかを、ちょっと突き放した感じで描いています。 そして、この作品の凄いところは、重いテーマを扱っていながら、まったく無駄の無いシーンの展開、効果的な音楽の使用等で考えさせるだけでなく、娯楽としても成立させてしまうところですね。特に、ラストのローリング・ストーンズの「黒くぬれ!」が流れるエンドロールは、本当に鳥肌がたつ位格好良いです(これも今まで見た中で1、2を争いますね)。 大スクリーンで見たい作品ですね。 [DVD(字幕)] 10点(2007-05-06 16:48:06) |
58. blue
かなりドロドロとした感情を、非常に静かな透明感のある映像にしているなという印象でした。市川実日子の存在感のある演技が光ってましたね。 [DVD(邦画)] 7点(2007-05-05 16:35:34) |
59. ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男
《ネタバレ》 ストーンズ好きなので、観るのを楽しみにしていたんですが、ちょっと期待外れでした・・・・。何というか、ブライアン・ジョーンズの死の真相と思われる状況はわかったんですが、もう少し60年代のストーンズの歴史みたいなものを描いて欲しかったですね。何か享楽的なシーンが延々と流されていて、少々退屈でした。 [DVD(字幕)] 5点(2007-03-01 18:58:15) |
60. プルートで朝食を
《ネタバレ》 まさに、華やかでちょっとグロテスクな妖艶さを醸し出すグラムロックのような世界ですね(T.REXの曲も使われてますし)。映像や音楽の使い方もとても素晴らしくて、北アイルランド紛争という非常に重く暗い世相が背景にあるにも関わらず、とてもポップな仕上がりになっています。 ストーリーはちょっと変わった御伽噺といった感じです。見終わった後、じんわりと心地よい余韻が残る素敵な映画でした。 [DVD(字幕)] 8点(2007-02-11 12:39:40) |