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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2395
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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41.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 
恐るべきパラレル・ワールド、ニッポン!ここでは超豪華シンカンセン・ゆかりが東海道をリニア新幹線の様にぶとっばしている!でも東京駅を夜に出発して京都駅に着くころには夜が明けているけどね(笑)。ここは海外のサブカルマニアが妄想しているニッポンそのものって感じです。主演が日本カルチャー大好きなブラピを起用しているのは、さすが製作者たちは判ってらっしゃる、なんせ『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』のことをインタビューで熱く語る人ですからねえ(笑)。 伊坂幸太郎の小説が原作らしいけど、私は未読。でもこの列車に乗り込んでくる魑魅魍魎たちの関係が恐ろしいまでにややこしい。とくにホワイト・デス(マイケル・シャノン)長老(真田広之)殺し屋ウルフの三人もがかつて妻が殺されて復讐を企んでいてその回想シーンが挿入されてくるので、余計にストーリーを把握するのに苦労させられました。まあこの映画全編が伏線だらけみたいなものですから、最後に(けっこう強引だけど)綺麗に回収してくれたのは快感でしたけどね。京都についてからのブラピたちとホワイト・デス一味の対決が始まるともうほんとに何でもあり状態、新幹線同士がなぜか正面衝突までするという滅多に見れない光景まで拝めるんですからね。そんなカオスの中でも、狭い車内で見せる真田広之の刀裁きはさすがに見事でした。ラストでチラッと登場するサンドラ・ブロック、『ザ・ロストシティ』に続いてのブラピとの共演、でも『ザ・ロストシティ』とは逆で彼女の方がカメオ出演みたいな感じだったのが面白い。そしてなぜかノン・クレジット出演のチャニング・テイタム、あれはもう彼のパブリック・イメージを逆手にとったセルフ・パロディって感じですかね、そういやこの人も『ザ・ロストシティ』に出演していたなあ… 余談ですが、Bulletをブレットと表記するのはいかがなもんですかね、発音はどう聞いてもバレットなんですけど。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2023-05-13 23:44:35)
42.  フォックスキャッチャー 《ネタバレ》 
ジョン・E・デュポンは明らかに母親には疎まれていたし、マーク・シュルツは兄に育てられた不幸だった家庭環境のせいで、自分を導いてくれる人間を常に求めている男。兄弟ともにとはいえオリンピック・レスリングの金メダルを獲得したスーパー・アスリートなのに、どこか自信なさげな表情が離れない男でもある。そんなマークとデュポンの出会いは、カルト教祖と信者のような関係の始まりだったと言えるでしょう。自家用ジェット機内でデュポンにコカインを勧められて戸惑いながらも手を出してしまったり、どんどんデュポンの領域にはまり込んでしまう。そんな二人の関係に結婚して穏やかな家庭を持つ兄デイヴが入り込んでくる。ある意味、これがマークを正気に戻してデュポン教から脱会することに繋がるけど、彼の身代わりになるかの様にデイヴがデュポンの沼に落ちてしまい悲劇的な結末を迎えることになる。 とまるで男同士の三角関係のような展開でもあるのですが、男同士が絡み合うレスリングがプロットなだけにホモセクシュアル的な雰囲気を感じる人もいたでしょう。また無音で暗転するシーンが多いのとロングで撮った引きの撮影が多いところもこの作品独特のリズムを形成しています。ベネット・ミラーはよく似たテイストの『カポーティ』を撮った人でもあり、暗い雰囲気の実話犯罪をモチーフにした映画は十八番なのかもしれません。スティーヴ・カレルとチャニング・テイタムの、全編を通してまったく笑顔を見せない演技も強烈な印象を与えてくれます。カレルに至ってはもう怪演と言える領域ですね。デュポンもそうですが、カーネギーやロックフェラーといったアメリカの古い財閥一族には、ジョン・E・デュポンの様な人間が存在する素地があるような気もします。 良く出来てると思うけど、観ていてほんと疲れたし万人にお奨めできる映画ではないかと思います。 観て気分が上がる要素は皆無でが、それでも俳優たちの濃い演技を堪能する愉しみはあったかと思います。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2022-10-22 22:20:10)
43.  ブリキの太鼓 《ネタバレ》 
この映画は、ダンツィヒ(現在はポーランド領グダニスク)という都市と20世紀初頭からのドイツとポーランドの関係について多少なりとも知識がないと見通すのが大変かもしれません。そしてブリキの太鼓・スカートの中・オスカルの超能力・小さい人々、など様々な何かを暗喩しているアイテムが散りばめられており、予備知識があればそれらの意味を推測する手がかりとなるのかもしれません。 思うにオスカルの母親アグネスこそが、ドイツ人のアルフレート、ポーランド人のヤン、ユダヤ人のマルクスに愛され、彼女こそがダンツィヒという都市を体現しているんじゃないかと思います。そのアグネスが産んだオスカルが実はヤンの子だということは、ドイツとポーランドの間で帰属が揺れ動いたダンツィヒの歴史の擬人化なんだと思います。今の眼で見ればさほど刺激は感じませんけど、なんか癖の強いエロティシズムが当時は衝撃的だったのは理解できます。オスカル役のダーヴィッド・ベネントがまた映画史に残る怪演子役で、とくにアンナとの絡みは北米で児童ポルノ認定されたってのも判らなくもないです。オスカルがサーカス団に加わって戦場慰問でフランスへ行くシークエンスには独特の味があり、そこで出会う団長べブラが私にとってはこの映画でもっとも印象深いキャラでした。彼こそが肉体的成長を止めたオスカルの完成形なのかもしれません。 二時間四十分のDC版での鑑賞でしたが、観終わってみて私の大好きなエミール・クストリッツァの『アンダーグラウンド』に似ている感じがしてなりませんでした。ユーゴスラヴィアという国家とダンツィヒという都市の違いはもちろんですけど、一つの共同体の崩壊というのは共通のテーマです。でもこの映画には『アンダーグラウンド』でクストリッツァが訴えた哀愁とノスタルジーは微塵もなく、時代に流されて消えてゆく人間像が前面に出ていたように感じます。これは監督シュレンドルフというか原作者ギュンター・グラスの個性なんでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-11-22 23:07:12)
44.  ブラック・クランズマン 《ネタバレ》 
黒人刑事が主人公という共通点から『インサイド・マン』の様なポップでコメディ的な要素がある物語だろうと思って観始めたら、冒頭の活動家がアジ演説するシーンの撮り方や、終盤でハリー・べラフォンテの昔語りトークをKKK首領の演説とカットバックさせて見せるなど、これはちょっと自分が期待していたストーリーテリングじゃないなと嫌でも気づかされました。合衆国の人種対立を扇動的とすら捉え兼ねない作風で撮っていた昔のスパイク・リーに戻った感すらあります。それだけトランプ大統領という存在に怒りと危機感を持っていたってことでしょう。小中学生でもなければ大抵の人はKKK首領のデュークがトランプのカリカチュアの役目を果たしていることは理解できるでしょうが、ラストの実写フィルムでトランプ本人を出しちゃったらあまりにイデオロギー色が強くなりすぎて逆効果だった気がします。 潜入刑事ものとしては、お約束のドキドキ・サスペンスは効果的に織り込まれています。でも、アダム・ドライヴァーがポリグラフにかけられそうになるところやKKKの構成員が黒人刑事の自宅を訪ねてくるところなんかは、あれで切り抜けちゃうなんてちょっと雑な脚本構成だと思わざるを得ません。また、白人は概していわゆるホワイト・トラッシュの低レベルなキャラで、対する黒人登場人物たちは大学生などのインテリや善良なキャラばかりというのも、ちょっと型にはまり過ぎている感があります。人種差別問題を“ブラック・パワーvsホワイト・パワー”という視点に持ってゆきたいという意図も感じましたが、なんか単純すぎるように感じました。 ラストはハッピーエンドとはほど遠いカタルシスのない幕の閉じ方でしたが、これはスパイク・リー映画の持ち味でもあるので我慢しましょう。最後の実写フィルムを見せられると、50年以上経っているのにアメリカ社会は全然進歩していないことに愕然とさせられます。先般の大統領選挙の結果を見ますと、トランプは敗れたといえ国民の半数近くが隠れKKKメンバーになってしまったような感じがします。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-04-18 23:47:36)
45.  フォードvsフェラーリ 《ネタバレ》 
確かにこの映画は『フォードvsフェラーリ』というタイトルにしてはフェラーリ側からの視点は無いに等しい、しいて言えば『フォードvsシェルビー&マイルズ』とするのが正しいんじゃないでしょうか。アメリカ人ならともかく、普通はカネは唸るほどある大資本フォードじゃなく、職人気質に徹して高級車一本路線のフェラーリの方を応援するでしょう。それではストーリーの前提からして成り立たないので、やはり職人とレース馬鹿のシェルビーとマイルズとフォードのエスタブリッシュメントとの対立という構図の脚本というありふれたストーリーラインになってしまったのはやむを得なかったかもしれません。この映画での66年のル・マンは主題ではなくいわば舞台装置なので、ル・マンの持つ独特の雰囲気を味わいたいのなら、やはりマックイーンの『栄光のル・マン』がお奨めです。 それにしてもクリスチャン・ベイルの役作りと演技は相変わらず凄いですね。『バイス』のチェイニー副大統領と同一人物とはとても信じられません。ケン・マイルズに成りきるためにまたまたデ・ニーロ・アプローチでなんと30キロ減量したそうです。あんたねえ、『バイス』できつい思いして「肉体改造はもうやめると」言ってたのに、こんなこと続けたら寿命がすり減りますよ…
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-12-09 22:15:02)
46.  ブラニガン 《ネタバレ》 
『マックQ』の続編かと思いきや、主演が刑事でジョン・ウェインということ以外は共通点はなく、役名もジェームズ・ブラニガン(あとアイルランド系であるという設定はお約束です)。勤務地もシアトルからシカゴになっていますけど、二作とも当時の刑事もの映画で定番だったNYを舞台にしていないのは、ジョン・ウェインのNY嫌いが反映しているのかな? 『マックQ』の翌年の製作なのに、ジョン・ウェインはやけに老けて衰えた感じは濃厚でした。この映画は『ブラック・レイン』や『レッド・ブル』などの刑事バディ+異文化衝突パターンの元祖みたいなものです。ロンドンでブラニガンとはからずもコンビみたいな関係になるのがリチャード・アッテンボローで、チビの世襲貴族の警視と大男のシカゴ刑事の凸凹コンビはいい味出していました。軽いコメディタッチのストーリー・テリングも軽快で、ジョン・ウェインも刑事役二作目で肩の力が抜けてきた印象です。監督はというと、英国ノワールの快作『電撃脱獄・地獄のターゲット』のダグラス・ヒコックスじゃないですか、どおりでブラニガンを狙う殺し屋がモーゼル・ミリタリーを使ってたわけです、この監督はほんとモーゼル・マニアですね。刑事ものは悪役に魅力があるかが評価のポイントの一つだと思いますが、悪徳弁護士を演じたメル・ファーラーが実にいい味を出していました、さすが名優です。 ジョン・ウェインの人生はこの後5年足らずで、ほとんど遺作に近い本作で刑事役は終わりました。もし彼の刑事役挑戦が10年いや5年でも早かったら面白い刑事ドラマの連作が残せたかもしれません。この映画の様に一作ごとに勤務地や役名を変え、ジョン・ウェインのキャラがアイルランド系大男の刑事という設定にしていたら面白かったでしょうね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-11-29 23:22:09)
47.  ファイト・クラブ 《ネタバレ》 
俗っぽいヤッピー風ライフスタイルの男が、実は新興宗教っぽい物質文明を憎悪する思想のカリスマだった、そのギャップがストレートに面白い。そこにブラピとエドワード・ノートンを持ってきたのはまさにキャスティングの妙だといえます。ブラピのチンピラ風よりも、自分にはノートンのノンポリ社畜の方が絶妙すぎるぐらいぴったんこです。二人に絡むゴスロリ女のボナム=カーターも、20年前はこの役は彼女しか考えられない、というよりも彼女はこういうキャラしか演じられないというのが正解だったかも、現在の彼女を見るとこの間にずいぶん芸域を広げたものだと感心します。この人はもともと曽祖父が大英帝国首相アスキス伯爵という上流階級のお嬢様ですからね。 でもタイラー=ブラピが説く思想はもっともらしいけど中身がない中二病みたいな感じで、これでは彼がやろうとしていることはオウムやISと大差がないとしか言いようがありません。なので自分にはタイラーの組織がどうしてもオウムと重なってしまい、日本人としては中二病と笑ってしまうことはできなくなってしまいます。 ラストに至る展開は確かに駆け足過ぎて粗が見えてくるのも確かですが、ここは夢想社会と現実の境目をあえて曖昧にしたストーリーテリングとして愉しむべきでしょう。個人的には本部というかブラピとノートンが住む屋敷の汚らしさが生理的に我慢できる限界ギリギリでした。『セブン』もですが、デヴィッド・フィンチャーは汚く汚れた室内を撮らせたらピカイチです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-09-04 23:18:55)
48.  ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期 《ネタバレ》 
12年ぶりに続編が製作されるとは、『T2 トレインスポッティング』ほどの驚きはないけど、なんでこんなに間が空いたのかというのは素朴な疑問。前半の展開はまるで『ブリジット・ジョーンズのセックス・アンド・ザ・シティ』といった感じで、悪友のシャザーやジュードがすっかり貫禄あるママになっている中でブリジットだけが凄く浮いている感じ。のっけからヒュー・グラントのお葬式と来るからなんか嫌な感じがしましたが、ラスト・カットを観て「あぁ、やっぱりそうか」と予感的中、こりゃ次回作もあると確信しましたがなんでグラントが本作では抜けたのかはまた疑問のタネとなりました。これは『キングスマン』のコリン・ファースのキャラのパロディなのかとも思いましたが、単にスケジュールかギャラの揉め事なのかもしれません。本来はコリン・ファースとブリジットの子供の腹ませ役を争うのはグラントのはずで、ここにパトリック・デンプシーを持ってこざるを得なかったところが、本作の最大の欠点でしょう。そりゃあヒュー・グラントとじゃ格というか存在感が段違いですからねえ。 予定調和な脚本ですが、監督が第一作目のシャロン・マグワイアに戻っていますので、原点回帰といった雰囲気だと感じます。皆さんご指摘の通り、レネー・ゼルウイガーとコリン・ファースのふけ具合は隠しようがないですが、両者ともアンチエイジングというか自分の年齢にあったメイクで役に臨んでいるので好感が持てます。レネーは最近ネットで観るすさまじい画像(失礼)から見ると、これでもかなり盛っていると考えた方が良いですけど。こういう大人向けハリー・ポッターみたいなお話しにケチをつけてもシャレになんないのは判ってますが、さすがにブリジットが出産するまで父親がどちらかを知ろうとしないのは、ちょっと浮世離れしてますね。まあこれを言っちゃったら野暮というものかもしれませんが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-07-23 23:50:21)
49.  ファンシイダンス 《ネタバレ》 
先日、親の法要で故郷の菩提寺へ行きました。そのお寺は我が家には不釣り合いな開山1000年を超える古刹で、住職はローカルTVニュースには良く登場する名士。長男次男ともその寺で僧職を務めていますが、その日は次男さんとお話ししました。その明るいイケメン坊主は、なんと地元では有名なミッション系の中・高・大で学生生活を過ごしたとのこと、思わず心の中で「ファンシィダンス!」と叫んでしまいました。 その5年前にピンク映画を一本監督した経験しかなかった周防正行の実質的な商業映画監督デビュー作、初期の周防映画のパターンがこの一本で固まったと言えるでしょう。私は本作に続いた『シコふんじゃった。』『Shall we ダンス?』を初期周防三部作と捉えていますが、もっとも肩の力を抜いたような撮り方の本作が実は一番の好みです。これが映画初主演である本木雅弘の棒読み調のセリフ回しはもちろん演出のうちですが、やはり棒読みの鈴木保奈美(こっちは天然の大根演技)とシンクロして独特のオフビート感が出ています。竹中直人も後年のウザい演技じゃなく、ほんとこれぐらいテンションで見せる演技は彼が芸達者であることを再認識させてくれます。そして驚くのは同僚雲水の彦摩呂、こんなイイ男が30年も経たずして巨漢の食レポ・タレントに変貌してしまうとは、誰が想像できたでしょうか… ともかくとして、本作は周防正行映画のエッセンスが詰まった秀作だと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-02-15 23:29:32)
50.  ブラックブック 《ネタバレ》 
第二次世界大戦でドイツに占領された国々にはいわゆる“レジスタンス神話”大なり小なり存在しますが、さすがヴァーホーヴェンらしく「神話なんてなかったんだよ!」とオランダ・レジスタンスの内情を赤裸々にさらしてくれます。彼のかつて撮った『女王陛下の戦士』もレジスタンスものでしたが、これも単純な戦争アクションではなくレジスタンスに対するシニカルな視線が印象に残る映画でした。 サスペンスドラマとしてはよく出来ています。観終わって気が付くのは序盤にちりばめられた伏線の多さで、必ずしもストーリー展開に関わった伏線ばかりではなかったけど、実に凝った脚本です。そしてヴァーホーヴェン風味のシモネタ・お下劣ネタは健在で、オランダ時代の盟友脚本家のジェラルド・ソエトマンとのタッグはやはり強烈です。なんせ『ルトガー・ハウアー/危険な愛』を生み出したコンビですからねえ。レジスタンス側もナチ側も出てくるキャラはもうゲスばっかり、ヒロインのラヘルにしたって匿ってくれていた農家に爆弾が命中しても一家の安否は眼中になく、次の隠れ家をどうしようかと悩むだけなので、「おい、おい…」と引いてしまいます。ヒーローもヒロインも癖が強いのがヴァーホーヴェンの映画の特徴なので、まあ理解してあげてください。さんざんナチとやりまくったくせにすぐにカナダ兵とくっついちゃうロニーや、降伏後も連合軍に協力すると称して態度がでかいカウトナー将軍など、すっきりした勧善懲悪とは程遠い結末はいい味出してます。 砲声が近づいてくるラスト・カットでしたが、1956年ということでこれはスエズ動乱の始まりを示唆しているんでしょうね。ラヘルはなんかまだまだ苦労しそうですが、続編を制作してみても面白いかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-07-04 21:55:16)
51.  ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 《ネタバレ》 
この映画を観て、銀座に出来たマクドナルド日本第一号店でマックシェイクを食したときのことを思い出しました。「世の中にこんなに美味しい食べ物があったんだ、アメリカすげー!」これがたぶん人生初のカルチャーショックだったと思います。恥ずかしながら、今でもマックシェイクは私には特別な存在です。そのマックシェイクが、粉末を溶かして作っていた時期があったなんて、ちょっとショックです。 マクドナルドの創業経緯やレイ・クロックについては、ほとんど予備知識なしで観始めました。最初は素朴なアメリカン・ドリームの物語と思いきや、予想通りいわゆる“カネモメ”の泥仕合の展開になります。だって、レイ・クロックのことを知らない私でも、演じているのがマイケル・キートンですから絶対に綺麗ごとでは済まないと序盤から期待(?) してしまいます。まあそれだけキートンの演技が素晴らしかったということです。日本で起業のサクセスストーリーとなると、ノンフィクションでは本田宗一郎の人生やフィクションでは『下町ロケット』などが出てきますが、このアメリカとの違いは何なんでしょうね。もうどんな手段を使っても勝つことがすべて、だいたいからしてこのクロックという人はマクドナルドを乗っ取った人としか言いようがなく、原題でもある “The Founder” 創業者という肩書はクロックに対する強烈な皮肉にもなっています。マクドナルド兄弟の遺族はこの映画を公認、マクドナルド本社は非公認ということらしいですが、これには至極納得です。 一癖も二癖もありいろいろ考えさせられましたが、けっきょくクロックが成功したのはマクドナルドを不動産業みたいにして運営したからだということは伝わります。恐ろしいのは、このレイ・クロックとよく似たことをしてきた人が、現在合衆国の大統領の座に座っていることでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-06-22 00:05:56)(笑:1票)
52.  フレンジー 《ネタバレ》 
70年代になって本作でヒッチコックは復活したと評されていますが、「ヒッチコックは本作でついに本性を現した」と言った方が正しいんじゃないでしょうか。お話しは濡れ衣を着せられた主人公が刑務所から犯人のもとへ乗り込むという閉め方なんかからして『ダイヤルMを廻せ!』のサイコ・キラー版だとも言えます。主人公のろくでなしのバーテンダーは元空軍少佐という設定、そういや『ダイヤルMを廻せ!』の暗殺者チャールズ・スワンも空軍の退役将校だったですね。本作ではジョン・フィンチが演じる主人公が最後までだらしない男のままで終わってしまうのが作品のイメージを悪くしがちですけど、これはヒッチコックの計算通りなんです。彼が見せたかったのは生々しい殺人シーン(もっともまともに見せたのは一人だけでしたが)で、べろーんと舌を出した絞殺死体は今の眼でも衝撃で、私は古今東西の映画の殺人シーンで三本の指に入ると思っています。ヒッチコックは『サイコ』の有名なシャワー・シーンもこういう生々しい撮り方をほんとはしたかったけど、さすがにそれは無理だったということでしょう。あれだけ大量の殺人ミステリーを撮った巨匠ですが、ほんとに撮りたかったのは殺人シーンだったんじゃないでしょうか。あとヒッチコック映画でついに女性の裸体が映しだされたというのも、画期的ですがこれは時代の流れだったとしか言いようがないですね。でもカット割りから見てバーバラ・リー=ハントとアンナ・マッセイに関しては、ボディ・ダブルだと思って間違いないでしょう。面白いのは犠牲者がテムズ川に浮かんだ娼婦を含めてみんな金髪だったことで、ここにもヒッチコックの金髪コンプレックスがうかがえます。 不味いフランス料理ばかり作る警部の奥さん(でも実は名探偵)や死体の拳からタイピンを回収しようとする犯人の悪戦苦闘など、ヒッチコックお得意のユーモアは確かにあるんですけどかなりブラック風味が強くて、この作品の不思議な味付けになっています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-05 22:57:50)
53.  復讐するは我にあり 《ネタバレ》 
緒形拳が演じた榎津巌は、まさに日本映画史に残る魅力的というかふてぶてしい殺人犯。はっきり言ってなんでこの男が人殺しをするのかは観客にはさっぱり理解できませんが、緒形の演技があまりにも堂に入っているのでそんなことはすっかり忘れてしまいます。後半にある緒形と清川虹子の息詰まるようなやり取りはただ息を呑むばかりでした。そして倍賞美津子や野川由美子との絡みがまたドロッドロッとしていて今村昌平らしくて良かったです。 原作は佐木隆三の直木賞を受賞したベストセラーですけど、これは事実をもとにしたフィクションという形式で、時代設定は昭和38年ということになっています。そしてロケが多いので街並みが当然映されるわけですが、走っている車は普通に昭和50年代の風景です。まあこれは予算に限りがある中で映画を完成させるためにロケ映像をそのまま使っているだけで、今村昌平という人はあまり細部にこだわらないタイプの映画監督だったのかもしれません。ところが劇中で緒形と倍賞が映画館にいるシーンでは、ニュース映画ではケネディ暗殺を伝えているのは良いとしても次に上映されるのが昭和46年製作の『ヨーロッパの解放』なんです。これはひどいミスなのかとも思いましたが、あれだけ堂々とオープニング題字を見せられるとなんか変な感じがします。これも今村昌平の演出意図なんでしょうか、そうだとしても自分には全く理解不能ですけど…
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-08-02 22:59:06)
54.  不思議惑星キン・ザ・ザ 《ネタバレ》 
これが噂の“ク~”ですか、まさにカルト、脱力系SF映画の金字塔ですな。もう設定といい展開と言い“ゆる~い”の一言、でも行きあたりばったりと見せかけて、けっこう緻密な監督の演出意図が隠されているみたいです(いや、やっぱり気のせいかな)。 ロケ地の砂漠風景はまさに『マッドマックス』の世界そのものと言った感じで、冒頭から出ずっぱりの宇宙人(いちおう)二人組の薄汚さも『マッドマックス』です。このキン・ザ・ザ星雲人たち、劇中ずっと“ク~”で押し通すのかと思ったらすぐにロシア語を喋りだすし、まあ監督もあまり細かいことには拘らない人みたいです。この映画は社会主義体制への批判的な風刺なんだそうですけど、正直あまりピンとこなかったですね。唯一それらしかったところは、地下の都市(?)で群衆が監視されながら労働らしきことをさせられているシーンぐらいです。まあこんだけ緩くて脱力感に溢れていたら、ソ連の検閲官も映画の裏読みをする気力も失せてしまったんじゃないでしょうか。これがスターリン時代なら風刺云々よりも「社会主義リアリズムに反した頽廃映画」という罪状で監督はシベリア送りでしょう、崩壊間近のこの頃のソ連ではすっかりタガが緩んでたのが窺えます。 こんなグダグダを二時間以上見せられたらふつう頭にきますけど、不思議と許せちゃう麻薬性のある一篇です。
[DVD(字幕)] 7点(2016-06-18 01:07:37)
55.  プラーグの大学生(1913) 《ネタバレ》 
本作は、世界初のドッペルゲンガー映画ということになるのでしょうか。金貨10万枚で自分の分身を悪魔に売り渡してしまった貧乏大学生の悲劇です。100年以上前のサイレント映画だと侮ってはいけません、技術的に暗いシーンが撮れなかった頃ですけど、ドイツ映画のお家芸になる表現主義の萌芽は確実に見て取れます。同じ俳優が同映像にふたりともきちんと撮られているのは今では誰も感心する様な事ではないですけど、当時の人はさぞや驚かされたことでしょうね。分身が勝手に行動し始めて主人公を苦しめるわけなんですが、悪魔や分身の目的がなんだか判らないと言うのもなんか不条理で気味が悪いです。難点と言うことになると、主人公のパウル・ヴェゲナーがあまりにごつくていかついところと、伯爵令嬢の容姿があまりに…なことでしょうね。セリフが無いサイレント時代ですから、見た目は大事ですよね(笑)。 このお話しは1930年代までほぼ10年ごとに三回も映像化されたそうで、その頃のドイツ人はドッペルゲンガーが大好きだったみたいです。逆に第二次大戦後はまったくリメイクされなくなったのはどうしてなんでしょうか。ワイマール共和国時代の不安定だったドイツ人の精神状態が反映されていたのかもしれません。
[ビデオ(字幕)] 7点(2016-06-08 22:37:21)
56.  フライト 《ネタバレ》 
航空パニックものと思ったらなんとアル中克服ものストーリーでした。主演がデンゼル・ワシントンだからそりゃ納得できる依存症演技です。そして“アル中演技はアカデミー賞ノミネートへの最短コース”というジンクスは今回も通用しました。たぶん実際にその気があるニコラス・ケイジがアル中演じるのはあまり演技っぽくない自然さがありますが、品行方正なイメージが強いデンゼルにここまでグダグダな中毒者を演じさせたことに意義があったということです。名優だけあって、彼も役選びの眼力も優れているのではないでしょうか。「依存症になることは、ウソにまみれた人生を送ることだ」と言う様なセリフがあったと思いますが、これは至言です。 実はわたくしCSで放送している『メーデー・航空機事故の真実と真相』のファンで良く観るのですが、そこから得た知識から考えてもこの脚本には事故の設定やその後の展開に関して首を傾げたくなるところが多々あります。まず、いくらアメリカ深部のローカル航空とは言っても、旅客便の機長が酒のい匂いをプンプンさせて操縦するなんてことはさすがにあり得ないでしょう。また愛人のCAも、デンゼルが登場前に酔っぱらってコカイン吸っても平然としているんですから、いくら乗客を救うために死んでしまってもなんか同情出来ません、これは飲酒運転の共犯みたいなもんです。見せ場の背面飛行についても、なぜこの体勢が急降下からの回復につながるのか理解できません。そして唖然とさせられたのはあのいろんな酒がぎっしり詰まった冷蔵庫で、あまりのご都合主義にシュールさすら感じてしまいました。この悪魔の様な冷蔵庫は、“神が与えた試練”ということなんでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 7点(2016-04-26 22:19:10)
57.  不意打ち 《ネタバレ》 
善人がひとりも出てこない映画というのは、観ていてほんとに疲れるもんです。明らかな犯罪者もいれば他人に無関心な通行人、そして閉じ込められたオリヴィア・デ・ハヴィランド自身でさえラストでは「えー、こんな人間だったんだ」と幻滅させてくれます。強いて言えば「自殺します」と置手紙を残した息子は違うのかなと思うけど、彼については映画はほとんど語っていないので判断のしようがありません。 途中で止まってしまったエレベーターと言っても健常者なら多少怖いかもしれないが飛び降りれる高さだし、構造自体も密室性は皆無です。でもそこから逃れることが出来ないというシチュエーションは良く練られた脚本だと思います。日常の風景を見せながら不穏な雰囲気をかき立てるオープニングや時折挿入されるラジオの無意味なアナウンス、これらも逃げ出すことのできない不穏な社会情勢を暗喩している様な気がします。スーパーナチュラルな要素がいっさいなくてもホラー映画は撮れるという良い見本なのかもしれません。 余談ですが、オリヴィア・デ・ハヴィランドってまだ存命なんです、1916年生まれなので現在99歳!もちろんとっくに引退してますけど、『風と共に去りぬ』に出演した成人俳優でまだ生きている人がいたとはサプライズでした。
[DVD(字幕)] 7点(2015-09-14 17:48:26)
58.  プロメテウス 《ネタバレ》 
自らの手を離れた『エイリアン』シリーズが行き着くところまで行ってしまったので、原点と言うかマイナス点にまで戻って『エイリアン』を再構築したいわけですね、リドリー・スコットは。過去の『エイリアン』は暗い宇宙空間が主な舞台だったので、今度は地球型の惑星での探検物語にして荒々しい風景をリドリー・スコットの持ち味である映像美で見せてくれたところは良かったと思いますよ。ほんと冒頭の大滝のシーンといい、どこでロケしてきたんだろうと感嘆してしまいました。もっともいきなり宇宙人が出てくるこのシーンはけっこう謎なんですけど、この場所は宇宙人たちの母星なんじゃないでしょうか。ラストを観ればよく判りますが、スコットは続編を撮る気満々みたいですよね。とくにデヴィッドの謎めいた行動に次作への伏線を散りばめられているみたいです。リプリーに代わってノオミ・ラパスのエリザベス・ショウが強力なヒロインとなるんでしょうね。 一応あのクロワッサン型宇宙船の墜落で『エイリアン』第一作への橋渡しをしたつもりみたいですが、考えれば辻褄が合わないところも有ります。あの宇宙人ですが確かに大男と言ってよいガタイですけど、一作目で発見される死骸はどう見ても体長5メートルはあり比べるとだいぶ小さいと思うんです。そして彼は操縦席に座った姿で死んだはずなのに、プロメテウス号になぜか現れてエイリアンの餌食になるのはおかしいと思うんですがね。 本作で銀河一のブラック企業ウェイランド社の社長がついに登場しますが、彼の言動が思いのほか小物なので笑ってしまいました。はるか彼方の惑星まで出張って来たのは「不死になりたい」からだったとは、お前は始皇帝かよ!それにあんなミイラみたいに醜く老化してるのに永遠に生きたいなんて図々しいにもほどがあります(笑)。
[DVD(字幕)] 7点(2014-12-18 21:59:15)
59.  ブラックホーク・ダウン 《ネタバレ》 
「あーる・ぴぃー・じぃー!!」、もう映画の中盤以降は米兵のこの叫び声が続いていた印象しか残りません。このRPGはナチス・ドイツが第二次大戦末期に開発した使い捨て対戦車兵器が発達した代物ですけど、ソ連のAK47(これもドイツの突撃銃が原型)と並んで20世紀後半の局地戦争の様相を一変させた驚異の発明品ですね、恐るべしナチ・ドイツ。もっともソマリアで使われたRPGは大部分は中国が売りつけたものらしいですけど。 リドリー・スコットに戦争映画を撮らせたらとんでもない映画になったという感じですかね。市街戦が始まってからはスコットらしい映像美は皆無で、ひたすら歩兵目線の地べたを這いまわるアングルで大銃撃戦が延々と描かれます。みんな血みどろの煤だらけで誰が誰だかもう判別不能、敵と味方の区別もつかなくなる市街戦の恐ろしさが伝わってきます。それでもジェリー・ブラッカイマーらしい臭みが随所に感じられてます。たとえばラストのレンジャーたちが駆け足でスタジアムに逃げ込む“モガディシオ・マイル”で、沿道に現地民たちが集まっているシーンがあります。私はてっきり彼らの身ぶり手ぶりからアメリカに対する抗議の声をあげているのかと思ってましたら、製作者の意図は逆で声援を送っている姿を見せているつもりだったみたいですね。 米兵の戦死者が19名、負傷者も合わせると100名近い損害と言うのも、多めに見ても作戦参加者は300人はいないと思われる感じなので凄い損害ですよ。民兵側にその10倍近い死者を強いたとは言っても、これはクリントン大統領にとっては痛かったでしょうね。観終わっての感想は「人の命は鴻毛のごとく軽い」の一語に尽きますね。今のシリアやイラクの戦争の状態をみても判りますが、人命を弾代わりに消耗出来る非対称戦争は仕掛ける側が無敵なのかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-12-03 21:41:10)
60.  フロム・ヘル
皆さんの評判は芳しくないけど、えーっそうですかね、自分はそんなに悪くないと思いますし、けっこう好きかも。時代ものでジョニー・デップが刑事で難事件に挑むってのは『スリーピー・ホロウ』と被りますが、この映画の監督というか脚本にティム・バートンみたいな才気と黒いユーモア感覚がないところが不評の元なんだろうなと思います。でも“エレファントマン”ジョン・メリックまで登場する造りこまれた19世紀末ロンドンの雰囲気とは好きですし、脇を固める味のある助演陣もいい仕事してると思います。原作があのアラン・ムーアですから、ウィリアム・ガル卿の卒中で不自由な肢体とかジャックが出した手紙の件とか、けっこう辻褄の合わないことも目立ちますけどね。 まあこの映画の一番の難点は、ファンには怒られるかもしれませんが、デップが19世紀の英国人にとても見えないところでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-21 22:07:22)
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