21. ラスト サムライ
《ネタバレ》 過去にインディアンに対する虐殺を行いトラウマとして抱え込んでしまった大尉が、異国の地で別種のインディアン(サムライ)に触発され同化し、ついに自分のトラウマから解放されるまでを語った物語。 この手の戦争トラウマものは、すでに、ベトナム戦争帰還兵物や、よく例に出される「ダンスウィズウルブス」など(見方を変えればレオンなどもそうだ。)で既に手垢のついた設定だけに、今回は目先を変えてサムライで映画化してみました、とそんな映画。 さて、異文化というものは、異なるものであるからこそ、時に奇異で受け入れ難いものにも見えるし、また時には圧倒的に美しく魅力的なものにも見えるもの。 トラウマ大尉はここでは後者のスタンス。 「なぜそんなに自国民を嫌うのかね?」と昔の上官に問われてしまう程に自国に対する「裏切られ感」たっぷりで、自分の居場所or死場所を求めていた彼が、遠い異国にて全く異質の「武士道」(微妙にインディアンとの共通点あり)に惹かれたのはまさに必然。 そんな彼の視点で描かれているこの映画の「武士道」は当然ながら美化されすぎており、それはもう薄ら寒くなるほどで、そういう視点で撮られた映画である故、素直に感情移入ができない。 日本人として突っ込み所満載なのは、皆様ご指摘の通り。 この映画は「ロードオブザリング」のようなファンタジー世界だと思わないと日本人としてはちょっとキツイ。 この時代にこんな侍はそもそもいないだろう、というような歴史的事実もさることながら...画面の植生がなぁ、どこの国だよ、と。 日本じゃないのがまるわかりだからなぁ。それから忍者!漫画かよ!と。 それに「吉野の国」と字幕出てたけど..それは劇中の移動を考えるとやっぱ無理だし。 とか....気にならなければ気にならないんだろうけど..やっぱり気になっちゃうのは、それこそ「アイアムジャパニーズ」なのでしょうがないのです。 7点(2004-09-28 11:25:47) |
22. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
《ネタバレ》 これって、要するに人生で先のなくなった2人の心中物語なんですよね。 どうせ先がないなら何か自分達の主義主張のために役に立てる事はないのかと企てた計画がこれ。まさに心中&殉教。 映画の内容には全くノレないので評価はどうしても低くなります。 さて結局のところ、彼らに体よく利用された形のヒロインですが、劇中、ヒロインが自分で袋をかぶって事件再現をやってみて「彼女は自分でやったんだわ!」と断定するシーン、なぜ再現してみただけでそれがわかったんだかが僕には理解できてません。自分でもできるって事がわかっただけじゃん。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2004-07-06 11:38:47)(笑:1票) |
23. ラン・ローラ・ラン
「人の些細な行動毎に未来は分岐して行き、少しづつ違う平行世界が無限に生まれていく」というこの世界の成り立ち、それは一部の方には常識的なお話なわけですが、通常、その無限に存在する平行世界は決して交わることはなく、そもそもその存在自体を普通の人が意識することもない。(あくまで理論上の存在にすぎない) だがしかし、その平行世界を根性で渡り歩く女がここに出現、それがローラ!自分の気にいる並行世界にたどり着くまで何度でも人生をやりなおすという科学への挑戦を意思と根性で可能にするすごい奴。 その髪の赤さは通常の3倍の速度で動けることの証明。..あぁ、だから3回人生をやりなおせるのか。納得だ。 6点(2004-02-14 17:20:22) |
24. ラブ・アクチュアリー
《ネタバレ》 「全編が愛に満ちた最高にキュートな映画」というキャッチコピーがもしこの映画についていても、 間違ってもJAROに訴えられることはないだろう、ということは自信をもって断言できる映画。 多人数の恋愛模様をオムニバスに描いていく映画なんで、映画を見る前には、個々のエピソードが 最後には一本の大きな流れに集約して感動的エンディングを迎えるんだろうなぁ、と思っていたんだけど、 そういうことは全然なく、それぞれの物語の糸はときどき微妙に交錯しつつも基本的には相互に 影響を及ぼさない個別の恋愛模様のまま描かれている。 そのバラバラの物語を散漫にならずしかも多数の登場人物を明確に描きわけている点が この映画のすごいところ。 実は、当初点数は8点だと思っていたのだけど「一年で一番の映画」が9点の基準だとすると9点だよなぁと思い直しました。 2時間超の映画で、上映中に時計を一度も見なかった映画は実にひさしぶりだから。 ... やっぱり愛だよね。..ってそうそう問題点を一つ。これクリスマス映画じゃん!公開時期びみょーじゃん! [試写会(字幕)] 8点(2004-01-29 10:46:30)(良:3票) |
25. ランボー
実にひさしぶりにこの映画を観た。 そういえばこの映画のレビューをここに書いてたのかな?と思って自分の書いたものを見てみると 「当時、ランボーマーボー天気予報、というネタを口にしなかった人がどれだけいただろう..」 という書き出し。 「おま!いや、俺だけど!」と思ってしまったわけだけど、確かにこの映画公開当時、そんなネタを口走ってたよな、と懐かしく思い出したのです。 さて映画の内容ですけど、多分この映画ほど未見の人に誤解されている映画も少ないのではなかろうか?と思われる映画です。 映画未見の人が描くランボーのイメージは、上半身裸でバンダナを巻いた、そう映画グレムリン2でモグアイが「mm--ランボー!」と真似してたランボーの姿であり、映画の内容としては「コマンドー」的なものだとイメージしてるはず。 (まぁランボーを観てない人はコマンドーも観てないだろうけど、それはさておき) 日本語で乱暴に通じるランボーというタイトルがさらにそのイメージを後押ししている面もあって、2作目以降はまぁそれでもいいんだけど、実はこの1作目はまるで別物。 70年代から増えた(実際アメリカで社会問題になっていた)ベトナム帰還兵ものというテーマを根底においた、わりとシリアスなアクションもので、そういう意味では未見の人にこそみてほしい映画だとも言えます。 [地上波(吹替)] 6点(2004-01-22 13:12:34)(良:1票) |