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1.  レオン/完全版
二人の間で交わされる「愛」は複雑だ。マチルダの思慕の念は恋に近い。彼女にとっても、生まれて初めての「守ってくれる大人の男性」だった。夢中になるのは自然なことだろう。ナタリー自身は、マチルダのことを、「体は子供でも心は大人」と意識して演じていたようだが、やはり、いくら背伸びをしても届かない哀しさと健気さがマチルダの魅力に思える。レオンの揺れ動く感情はかなり微妙である。一番最初に助けを求めるシーン(このときのナタリーの演技はすごい)で、何故、彼はドアを開けたのだろう。あの瞬間から、レオンに「情」が蘇ったのだ。殺し以外の理屈にはヨワいレオンが、少女に理責めで説得されてしまうあたり、この作品の魅力。守ってあげたい、という言葉は恐らく不適切で、今までの人生と命をひきかえにしても、守らねばならない存在になっていく、その心の動きがドラマなのだ。同情で人生は賭けられない。人間らしい喜怒哀楽を取り戻したレオンにとって、マチルダを見捨てることは、再び人間性を棄てることと同じなのだ。「愛してる」この痛みすら感じるレオンのセリフ。単純な恋愛のLOVEではない、すべてが昇華した「純愛」がそこにある。だが、凶暴な純愛は、暴力によって育まれ、暴力によって消え去る・・・。ラストの哀しくも安らかなシーン。涙が止まらなかった。欲をいえば、ラスト、校長室から先は、セリフは邪魔だったように思う。ところで、完全版で追加されているのは、以下のシーン。☆レオンが殺し屋になったいきさつ ☆2人で殺しのトレーニングをするシーンを大幅にUP☆マチルダの愛の告白に心が揺れるレオンの描写子供に銃を持たせるシーンには、いろいろ批評もあったようだが、この作品では、欠かすことができないシーンだ。なぜって、レオンは銃の扱いを教えることでしか、マチルダの「心」を救えないと知っていたからだ。19歳だった頃の自分と同じに・・・・・・・。破壊的で哀しいだけではないラストにベッソン監督のセンスが光る。根を張るのはレオンの魂。陽の光を浴びて伸びゆくであろう枝葉は少女の未来の象徴なのだ。
9点(2002-11-23 09:25:57)(良:4票)
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