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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1.  LOGAN ローガン 《ネタバレ》 
スリラーなら「アイデンティティー」、アクションなら「ナイト&デイ」「3時10分、決断の時」と面白い映画を撮って来たジェームズ・マンゴールドだが、本作もその凄まじい戦い振りにまいっちまった。  なんせ目覚めたらいきなり車泥棒に遭うわ、ショットガンぶっ放されるわ、過剰防衛でトンズラしなきゃならんわ、ボケボケのジイさんから眼を離したらみんな死にかけるわ、刃物みたい(物理)な幼女の人生がハードモードすぎてローガンおじさんの体はボロボロ。 あの咆哮が悲鳴のようにさえ聞こえてくらあ。見てて何度「助けてスタン・リー(「X-MEN」原作者)!!!!!」と叫びそうになったことか。  強制的に出来た“繋がり”が引き起こす出会いと悲劇、託された「メッセージ」が揺り動かす戦士の魂、帰る家を奪われ「流れ者」になってしまった者たちの旅路。  マンゴールドが幼少より親しんだというジョージ・スティーヴンス「シェーン」、そして最も参考にしたと語っていたクリント・イーストウッドの傑作「許されざる者」から受け継ぐ系譜。  この映画における現実は「シェーン」のように甘ったるくなかった。かつてウィリアム・S・ハートの流れ者が殺し合いから逃げられなかったように、イースットウッドの西部劇が凄惨な殺し合いを避けられなかったように。 “普通”とは異なる者との溝・恐怖・すれ違い・修復しようのない負の連鎖。道から外れた者同士の死闘死闘死闘。  それでも少女はアメコミや映画の中の“楽園”にすがるしかなかった。殺し合いのない、自分を愛してくれる、凶器ではなく優しい言葉で語り掛けてくれる人に出会いたかったのだろう。 見たかよあのシェーンを見つめる眼差しを。恐怖を乗り越えられるかもしれないヒーローの存在。 あのオジさんもまた、少女と同じような平穏が欲しかったのかも知れない。船を買い自由を得るためだけの仕事じゃなかったはずだ。運転席から見続けた“普通”の人々の日常。誰にも命を狙われることのない、分かり合う事ができるかも知れない世界。  だが「ペイルライダー」よろしく怒涛の勢いで敵は襲い続けてくる。無敵のヒーローなんて助けに来ちゃあくれねえ。自分の力で斬り開くしかない。 怪しいオジさんには取り合えず投擲、食事の邪魔をするならブッた斬れ!ブッ刺せ!列車が来たら線路の向こうまで、とにかく全力で走り続けろ!!  ローガン「漫画は現実じゃないんだっ!!」 日本でトンデモないことやってたのは何処の誰でしたかね...(詳しくは「ウルヴァリン: SAMURAI」を御覧下さい)」)。  ハイウェイに飛び込んで来た「選択肢」、言葉が分からなくても通じた想い、欲しかった団欒、油断、すべてを奪い去る凶刃、動かないはずの肉体を突き動かした“怒り”、告白、目覚めた先で待っていた思わぬ出会い。 口元に優しく伸びる小さな“刃”、不気味に旋回し迫る黒い影、残され再び与えられる「選択肢」。 男は、再び立ち上がり、走ることを、戦うことを選んだ。人生を終わらせるか運命を切り開くか。それを左右する必殺の“一撃”。  「流れ者」になってしまった人々に終わりは何時来るのだろう。いくら叫んでも、先に行ってしまった者は戻って来ない。十字架を「X(エックス)」として手向けることしか出来ないのだから。
[映画館(字幕)] 9点(2017-06-06 04:24:57)(良:2票)
2.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 
いつもなら延々とあらすじを流す(ジョージ・ルーカスが好きな「フラッシュ・ゴードン」の連続活劇よろしく)「スター・ウォーズ」シリーズだが、本作は一気に本編へ雪崩れ込む。  「帝国の逆襲」を思わせる撮影・圧倒的劣勢の中で抵抗を続ける人々、そして「新たなる希望」のデス・スターによって“星屑(スターダスト)”になってしまった名も無き人々の戦い。 彼等は何を成し、何を残したのか。そこには深遠で無数に輝く星々の如く物語が存在するのだろう。  空から降りて来るもの、その下に拡がる大地を懸命に走り続ける少女の表情が物語る恐怖。 両親から託される意志、草むらから見てしまったもの、走り続けた先で遭遇する“扉”。  この映画はひたすら「扉」といった障害物に遭遇する。時にこじ開け、守るために閉ざし、吹き飛ばし、身を挺して「何か」を託して託して託し続ける。  「何か」を心の支えにし、繰り返し唱え、眼に見えない反旗を掲げ続け、己や仲間を鼓舞して何十年と戦ってきた。それがフォースであれ何であれ。 盲目のはずの男は音と気配・経験で敵の位置を知り、棍棒でブチのめしまくり戦闘機を撃墜までしてしまうのだ(つうかドニー・イェン強すぎ)。敵のドロイドでさえプログラムを変えれば心強い味方になってくれる。  出だしの単調さを吹き飛ばすドニー・イェン&チアン・ウェンの愛すべきおっさんコンビの無双振りよ!それが…ああ無情。   その「何か」は同じ叛乱を志す者たちに亀裂も生じさせる。 ある者は命の恩人をシャベルで殴りつけてしまうほど疑い深くなり、或る者は住民ごと爆弾で吹き飛ばすくらい苛烈に憎悪を燃やし、いがみ合い、疑心にかられ、何も信じられなくなり、すれ違い、味方にすら銃口を向け、「再会」を敵の基地ごと吹き飛ばしてしまう複雑な思い。  「何か」を失い続ける連戦、キリのない戦いと逃走の繰り返し、追い詰められていく戦況。  それでも、わずかでも希望があるなら、戦士たちは鹵獲した船に乗り込み敵の懐へと飛び込んでいくのだ! 何も言わずに武装し乗り込んで行く漢たち女たち義勇軍の雄姿。出会ったばかりで名前もよく知らない、知る間もなく別れることになろうとも。 突入間近で「何も成せなかったらどうする」と後悔するような、死の恐怖を示す表情。 それを勇気づけ突き動かす「何か」。自分たちがやらなきゃ他に誰がやる?どうせ敵のど真ん中、逃げ場はない、進むしかないなら死んでも未来に繋げてやらあっ!  すれ違いが引き起こす混乱・混沌、猛烈な爆炎、銃撃、戦闘機が飛び交い戦艦が激突・爆散し兵士たちの屍と瓦礫で埋まり真っ黒に染まる戦場!兵士は消耗品だと言わんばかりに次から次に死んでいく。  その死闘を嘲笑うように、地平線から姿を現すデス・スターの圧倒的絶望感。暗闇から鉛色のシルエットが浮かび上がる瞬間といい、こんなにもデス・スターを恐ろしいと思ったことはない。普段はあんなザル警備なのに…  ギャレス・エドワーズの照射とメッセージを交互に映す演出はじれったすぎて「またあの「GODZILLA ゴジラ」のクソ演出を繰り返すつもりか」とうんざりしていたが、トニー・ギルロイはそれをあえて繰り返すことでクライマックスの虚しさを引き立ててくれる。 一撃が炸裂する刹那、もうどうしようもない、成す術もなく、抱きしめ合い身を任すことしか出来ない姿の…。  それに追い打ちをかけるように、未来へ飛ぼうとする人々を粉々に打ち砕くダース・ベイダーの来襲!白い光が黒いシルエットを際立たせ、扉をこじ開け、真っ赤な閃光を奔らせ薙ぎ払い迫り来る恐怖の権化。この容赦の無さこそベイダーよ!  そんな状況でも扉の向こうへ託そうと抗い続ける散り様、それを受け継いだ者たちが次の「スター・ウォーズ」を語り続ける。名も無きものたちの闘いを忘れない、無駄にしないために。
[映画館(字幕)] 9点(2017-02-02 04:37:54)(良:1票)
3.  ロイドの化物屋敷 《ネタバレ》 
「ロイドの化物屋敷(化物退治)」。 ハロルド・ロイド主演の愉快な短編。屋敷、ホール、使用人、鳥や子豚といった動物と戯れる少女、ところ変わってテニス場、イスに座っていた女性が立つとそこにロイドが登場www唖然とするロイド。その面をしたいのは俺らだw 男とロイドによる女性の奪い合い、足をつまづかせたり髪を引っ張ったりひっぱたいたり、それを宥める女性。 分かれ道で再びめぐり合い、競争、一声であふれ出てくる使用人たち、あっという間に担ぎ上げて部屋から流されていく、机や人を飛び越えるアクロバティックさ!  意地でも自殺したいロイドの思惑は相次ぐ奇跡によって阻止される。 剣を持った男がいるわ、拳銃が落ちているわ、こめかみに銃を撃とうとするわ、迫る路面電車の前に立ち「僕は死にまシェーン」状態だわ、電車の神回避、水中自殺もできない浅さ、飛び込もうとする男を止める煙草の火を要求したり時間を聞いたりする男たち、落ちた先に船が通りかかる、車の神停車。  急に走り出して人を轢きそうになる車、本当に危ねえなーこの映画(褒め言葉)。鶏につつかれるので餌をやって自分も食べる、今度はアヒルがつついてくるので荷物でガード。いいから前見て走れ!鳥も神回避。  16分を過ぎてやっと「HAUNTED SPOOKS」らしい雰囲気に。ドタバタが楽しい。 屋敷を覆う暗闇、雷鳴、使用人たちも何か楽しそう、ガクブルの脚、脚、脚、階段を上る白い何か!震えすぎて踊っているようにしか見えない。 布をかぶった何かが一人でに動く、子供が可愛い、猫に驚かされて子供が粉入れに突っ込んでしまって真っ白に、みんな狂ったように驚いて隠れる。 点滅する電気、ちょくちょく現れる白い何か、影のシルエットが悪魔のよう、似たものどうしが驚きあう、剣を抜いて痛みでぎゃー、ロイドまでド髪天!
[DVD(字幕)] 9点(2015-07-14 13:39:49)
4.  ロッキー・ザ・ファイナル 《ネタバレ》 
ロッキーは常に戦い続けた。 アメリカン・ニューシネマの暗い影を殴り飛ばし、どんな強敵とも殴り合った。 だがそんなロッキーの闘志は消えようとしていた。 亡き妻、息子との距離、年齢・・・だが肉体は悲鳴と同時にボクシングを求める。 肉体に鞭打ち己を奮い立たせるロッキー・バルボア。 復活か敗北、生か死か。 相手は今盛りを迎えているルーキー。 ロッキーがチャンピオンに挑んだ時とダブるような存在だが、違うのはロッキーはどん底から成り上がったといい事だ。 挫折の連続、地獄からの脱出・・・歳は取っても初心は忘れない・・・それがロッキーの強さだ。 ガチで殴り合う凄まじい試合の場面。 肉体的に限界のロッキー、何度もダウンする。 が、何度でも立ち上がる。 ボロボロになる体、研ぎ澄まされる闘志。 相手の大型ルーキーも顔つきが変わってくる。 壮烈な試合、大いなるラスト・・・ロッキーは生き返った。 少なくとも、彼の心に悲しみはもう無い。 ロッキーは今日も戦い続ける・・・ありがとうスタローン。
[DVD(字幕)] 9点(2014-12-18 19:08:46)
5.  ロッキー 《ネタバレ》 
うだつの上がらない三流ボクサーであるロッキー・バルボアが真の一流ボクサーへと成長していくヒューマン・ボクシングドラマ。 「ミリオンダラー・ベイビー」のように尊厳を貫いたり、「鉄腕ジム」みたいなアクション重視のボクシングも最高だが、やはり「ロッキー」も最高のボクシング映画だ。 何せ「スターウォーズ」と共にアメリカン・ニューシネマの暗い空気を殴り飛ばしてくれたんだから。  シリーズを通して見えてくるアメリカンドリームの光と影。  時には本気で殴り合うある迫力あるボクシングシーンも凄いが、それを盛り上げるのはやはり人間ドラマ。  愛情、友情、努力、勝利への執念。  シリーズを経る事にロッキーの戦い方や考え方は徐々に変化していく。  実際のボクサーがそうであるように、戦えば戦うほど様々な苦悩や経験を背負い込んで。  強敵よりも厄介なのが「自分自身に勝つ」という事だ。  ロッキーは持ち前のハングリーハートをバネに力強く戦っていくが、同時に複雑な環境がロッキーをとことん追い込む。  それに打ち勝てるからこそ、ロッキーはどんな強敵とも戦い抜けた。  そんなロッキーの魂の震える姿に、ベトナム戦争や不安定な社会情勢に打ちのめされてきた人々が勇気をもらう。  このロッキーが1~5そしてファイナルまで成長したのは、そんなアメリカ市民の心の支えがあったからこそだと思う。  どんな人間もそれぞれの夢を掴める。  辛い現状とどう戦い、どう打ち勝つか。  それをこの映画は教えてくれるんだ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-08-18 07:46:36)(良:2票)
6.  ロビンフッドの冒険 《ネタバレ》 
「カサブランカ」は余り好きじゃないが、「ミルドレッド・ピアース」や「汚れた顔の天使」と本作は別格。 数あるロビン・フッドものの中でも突出した作品の一つ。 他の冒険活劇映画と比較しても、キング・ヴィダーの「Badelys the Magnificent」やアラン・ドワンの「三銃士」「鉄仮面」に引けを取らない作品だと俺は思う。   エロール・フリンにとっても、この作品はラオール・ウォルシュの「鉄腕ジム」や「壮烈第七騎兵隊」と供にフリン最高傑作の一つ。   カーティスとコンビを組んだウィリアム・キーリーにとっても、彼の生涯に残る仕事の一つとなった。   フリンをはじめキャストも豪華だ。  エロール・フリンのアクションは元より、スピーディーな展開でグイグイ見る事が出来る カラーの美しさもたまらない。カーティス侮りがたし。  石の壁に映る影で、二人の男の激しい戦いを物語る演出も良い。 山田宏一さんが言うところの、正に血沸き肉踊る傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-21 17:49:04)
7.  ロード・オブ・ザ・リング 《ネタバレ》 
長年映画化不可能とされていたトールキンの「指輪物語」。  小説の壮大な世界観を、実感のある実写と質感のあるCG(一部不満有り)で堪能できるだけでも凄い。 それを3本も楽しめんだぜ?  70年代にディズニーでアニメ映画化されてはいるが、騎馬軍団の壮絶な突撃が好きな俺はコチラを推したい。  ロード・オブ・ザ・リングの「ロード」には、フロドたちが乗り越えた険しい道も含まれているのかもしれない。  「旅の仲間」では、破滅を呼び込む「指輪」を巡って、人間、賢者、エルフ、ドワーフ、ホビットの選ばれた面々が指輪を破壊するための旅に出る。  敵の大将の領土内の溶岩の熱でしか破壊できないとんでもない指輪だ。 ドワーフの鉄の胃袋でも溶かせないんじゃしょうがない。  仲間たちの交流、葛藤、そして別れ。 それでも旅は続いて行く。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 13:13:14)
8.  ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔 《ネタバレ》 
指輪物語第2作。  別れた事によるストーリーの厚み、 それぞれの戦いを丁寧に描いていく。  アラゴルンに力を貸したエルフたちの希望と絶望、 アラゴルンが待ち望んだ絶望を打ち払う光、 サルマンに森を焼かれた失望と怒り、 文字通り「炎のランナー」と化したオークたちの歓喜と絶望。  この物語を司る対照的な二つの巨塔同様、光と闇、生と死のせめぎ合いが印象深い。  DVDは戸田奈津子のサルマンのゲロにも劣る字幕が修正されていて感動。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 13:11:29)
9.  ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 《ネタバレ》 
アラゴルンたちの死闘、 フロドたちの苦難の旅の終わりを描く第3作。  敵味方が次々と押し寄せる攻城戦、 己の弱さを強さに変えていく欲望に打ち勝つ戦い、 波乱に満ちた指輪破壊の旅、 そして訪れる穏やかな締めくくり・・・。アラゴルンたちが“援軍”を引き連れてくる場面は何度見ても鳥肌が立ってしまう。  王道の中の王道ファンタジー、堂々完結。
[DVD(字幕)] 9点(2014-04-05 13:09:30)
10.  ロシュフォールの恋人たち
鮮やかなカラーリングを身に纏った女性が二人、カトリーヌ・ドヌーヴとフランソワーズ・ドルレアック。 ともにフランス映画を代表する魅力的な女性たちだ。  可愛らしげなドヌーヴに対し、ドルレアックは普通の顔立ちだが彼女の魅力は仕草や台詞回しといった色気。  そんな魅力的な女性二人が広場で踊ったりデュエットをしたり、とても心地良い2時間だった。  ダンスにはジーン・ケリーのようなキレはあまり無いが、その分独特な色彩とお洒落な感覚で我々の目を愉しませてくれる。  ありふれた日常をまるで“御伽噺”のように映画の中に閉じ込めた映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-21 14:21:03)
11.  浪人街(1957) 《ネタバレ》 
久々に再見。初代「浪人街 美しき獲物」をベースにした作品。 監督は同じマキノだが、流石にサイレント版と比べると本作は見劣りするかも知れない。人々の仕草のインパクトやクライマックスのキチガイどもが猛烈なスピードで斬り合う迫力は初代が圧倒的。  1957版は藤田進、近衛十四郎、河津清三郎…いずれも中年のどっしりとした感じ。それに振り回される女性陣も何処か熟した様子。緊張の漲りや勢いもかなり欠ける。 だが、河津は初代「浪人街」で凄まじい死闘を演じた一人。彼の若き日と成熟した演技を見比べるだけでも見る価値はあるし、何より本当に火花を散らすような大喧嘩の楽しさといったらないぜ。  冒頭、人々が行き交う街中を上空から捉え、横たわる面、「強い奴 弱い奴…」うんぬんの字幕は初代からあったそうな(冒頭部分は未だ発見されず)、浪人の歌に人々が集まるシーンからすべてが始まる。  撮影はなんたって初代「浪人街」からマキノ、溝口健二の傑作群で実力を振るった三木滋人(三木稔)。この人にかかれば、旗本がいらぬ情けで投げつけた金に抜刀で“返事”をする場面も最高にカッコイイ。 旗本連中だろうが何だろうが喧嘩腰、そんな喧嘩馬鹿がひしめき合う浪人街。  情け駄賃はいらんかと思えば仲裁料は貰って一儲け、酒代を賭けて表で喧嘩、役人も酔いを醒ます勢いで表に飛び出てヘタレを晒す、口喧嘩から刃を交え火花を散らしまくる様子は後の「スターウォーズ」のライトセーバーである(違います)。 こんな馬鹿らしい(褒め言葉)タコ踊りでもやるような殺陣を撮ってしまうのもマキノの遊び心。本気の殺し合いならこんなことはやらない、なんたって彼等の喧嘩は親しい友人になる前の挨拶みたいなもんなのだ。なんせ愛しき喧嘩相手を見つけてくるっと再会するシーンの微笑ましさはどうよ。 藤田進と河津清三郎は黒澤明の「用心棒」でもユニークな存在だった。 何故か太鼓打ち、ダイナミック飲み逃げで「スマン」、役人仕事しろ、ドイツもコイツも酔いどれのろくでなしばかり。 女は畳に拡がる水を拭い、手を震わせ火を消し泣きつく。鞘で膝をグリグリされたってどうしようもなく好きだから、障子は誰かに見せつけるかのように開け放たれている。 娘をナンパする旗本どもをビビらせる高峰秀子の貫禄(1957版オリジナルの登場人物)、隣の部屋に男がいることを承知で着物の帯をとく仕草が色っポイ。 狭い一軒家の影の蠢き、薄暗さが兄妹の悲惨さを際立たせる。  投げ出された刀、部屋から出て行った後の「げんなーい!」の一喝、依頼を受ける代わりにふっかけまくるやり取りにまたもにんまり、“短刀”の行方、「あの娘欲しいから工面して」なんてそりゃぶっ叩かれるww  しかし旗本どもも巻き込む喧嘩売りから事態は徐々に変わっていく。 酒で和平と思わぬ決別、人質と死闘の予感・尚も振り回される女たち、突き飛ばし→突き飛ばしへの繋がり。 女たちは鞭を打たれたり、必死に脱走したりしているというのに馬鹿どもは叱られたり酔っぱらって柱に抱き着いたり。  そんな奴らが他人のためにたった一人で殴り込み、罠と解り「俺はいかねえぜ」と言ってたのに駆けつけたり、馬に乗って突撃したり、全軍引き受けて槍をブン奪ってまで戦い抜いたりするんだぜ?この映画の浪人どもは、そういう馬鹿野郎ばっかりなんだ。  燭台は鈍器に、木の陰の葛藤、“表返り”、御用提灯の光が夜道を駆け抜ける酒場、豪快に酒をブチまけ、押し寄せる人々の中に消えていく…。
[DVD(邦画)] 9点(2014-03-18 18:22:08)(良:1票)
12.  ロンゲスト・ヤード(1974)
アルドリッチ魂爆爆発。最高に漢臭い映画である。。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-14 16:41:07)
13.  ロング・グッドバイ 《ネタバレ》 
よくアルトマンの最高傑作は「ナッシュビル」だと聞くが、個人的には「ナッシュビル」も「M★A★S★H」も大ハズレ。 「ウェディング」以外肌の合わない男だったが、この「ロング・グッドバイ」はアルトマンへの認識を改めた作品の一つだ。  物語は銃撃が一切なく、主人公がひたすら事件の真相を追って車、歩きと調査とドラマの連続だ。  退屈な日々を何気なく過ごす私立探偵フィリップ・マーロウ。御近所は99%ストリッパーに近い美女軍団だ(レズなのか?) 猫の行方が何時の間にか友人の不可解な失踪を調べる事に。 調査先での出会いには幾つもの“謎”が付きまとう。 友人は何故消えたのか、あの女は何か隠しているのか、つうかオマエの猫は何処行った。  ラストの衝撃的なクライマックスも何処かサッパリ、不思議な映画だった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-03-12 00:52:26)(良:1票)
14.  ローマの休日 《ネタバレ》 
フランク・キャプラの「或る夜の出来事」を思わせるラブ・ロマンス。 キャプラ自身も監督する予定だったが断念・その無念をウィリアム・ワイラーとダルトン・トランボが果たしてくれたと思うだけでも胸圧。 ワイラー初期の作品に比べると密度はそれほど無いが、それでも最後まで飽きさせてくれない。 ローマ市内の名所を映していくオープニング、ニュース映像の中・パーティー会場の凛々しい“王女”、本当は遊びたい年頃のお転婆な“アン”。スカートの中は退屈そうに脚がウズウズ。窮屈な靴を早く脱ぎたくてしょうがない、街の音楽を聞きに今すぐにでも走りだしたい。 爺さんのナイスエスコート、脱走するための仮病・・・いや病というなら恋の病にかかるというべきか。 服を着替えて脱走経路の確認、階段を一気に走り去り、車の荷台に飛び込む。手袋をまだはめているのが王女らしくて可愛い。そのアンに子供を寝かすように対応するペックが面白い。 博打に負けた帰りにとっておきの“特ダネ”との出会い。夢の中でも王女の仕事。起こすためにデカい音を立てても、枕や布団を引き抜いても起きない。  事情を知って野望に燃えるペックとアーヴィング。そんな二人が彼女と過ごす内に心境に変化が生じていく面白さ。 やっぱペックはちょっと悪党を気取っているというか、何だかんだ言って本当は優しい人間て感じのキャラが好きだ。  ローマ市内の観光。髪を切ったり、アイスを食べたり、煙草を吸ってみたり、ベスパで二人乗りしたりと今まで出来なかった事を存分に満喫する。ローマ市民に迷惑をかけながら。 王女を連れ戻すべくやってきた黒服の男たちも、まるでカラスの行列のように散々な目に遭う(演出のせいで暗黒街出身の殺し屋にしか見えません。本当にありがとうございます)。  身分という壁の大きさ、やがて訪れる別れ・・・。 記者会見、視線で交える挨拶、観光記念に素敵な贈物、別れの笑み。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-04 22:13:33)(良:1票)
15.  ロイドの要心無用 《ネタバレ》 
キートンがアクション、チャップリンがストーリーならハロルド・ロイドは勇気です。 普通の人間が「やったらやれるんだ」と勇気を振り絞って奇跡を起こす・・・そんな様子に私は惹かれます。 終盤のあの有名なシーン。 実際にビルを自力で登ってしまうんですもの。分かっていてもハラハラします。 だって登った時計台から3回も落ちたジャッキー・チェンとかいう人がいましたからねー。「プロジェクトA」で人間卒業しちゃった。 ロイドもいつ落ちてしまうのかとドキドキでした。 ロイドの勇気に拍手です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 14:41:17)
16.  ロベール=ウーダン劇場における婦人の雲隠れ 《ネタバレ》 
メリエスのトリック撮影。 マジシャン、現れた女性に縞模様の布をかぶせて消し去り、ガイコツになったり元に戻したりする。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-22 20:54:28)
17.  ロボコップ(1987) 《ネタバレ》 
全身機械のサイボーグ「ロボコップ」が凶悪犯を相手に叩き続けるSFロボットアクション。  男は死んだ、だが魂は今も生き続ける・・・!  一見冷徹なロボ、だが人と触れ合う事でかすかな「温もり」を取り戻そうとする・・・。  妻のため、市民のため、同僚のため、そして自分のために今日もロボコップは戦い続ける。  結論:バーホーベンの悪趣味さえ無ければもっと評価されていた筈。
[DVD(字幕)] 8点(2014-12-06 15:20:50)
18.  ロゴラマ 《ネタバレ》 
ドナルド「興奮するとつい殺っちゃうんだ」 2010年の米国アカデミー賞短編アニメーション賞を受賞した作品。これほど全方面喧嘩上等・あらゆるオマージュやパスティーシュ、やりたい放題でカオスな作品はないだろうねえ。 ま、ゴジラだって国会議事堂ブッ壊してたし問題ないだろう(多分)。 マクドナルドからTAMIYAまで世界中のあらゆるロゴが出て出て出まくる凄い作品です。 ドナルドがジョン・ウェイン・ゲイシー並みのアルカイック・スマイルで銃持って暴れ・・・いや、その前にミシュランの警官が銃で人質撃ったりとかしちゃうんですがね。 MGMのライオンが寝ているのには笑った。 ドナルドのテロリズムが何時の間にか地盤沈下やノアの洪水で大惨事、ありとあらゆるロゴが“消滅”していく。 星の如く存在する企業、企業、企業のロゴマーク。 ロゴマークの大パノラマ。 ロゴとそれに絡む事件もイチイチ意味がありそうで面白い。 これだけの情報量をあんな短時間にぶっこんでしまうのだ。 これは監督を務めたルドヴィク・ウープランやフランソワ・アロー、エルヴェ・ドゥ・クレシーだけでなく、キャストとしてクレジットされているデヴィッド・フィンチャーもその職人的手腕を振るったのではないかと思ってしまうほどだ。 
[DVD(字幕)] 8点(2014-11-01 02:11:35)
19.  ロミオとジュリエット(1968)
「タイタニック」とか、「ロミオとジュリエット」なんて超が付くほど典型的なアホロマンスなんだが、俺はそういうのがスゲー嫌い。 ただ、完成度って意味じゃ大いに評価するぜ。 フランコ・ゼフィレッリは見事な「ロミジュリ」を撮った。 中世ヨーロッパの美術はキレイだし、後半の決闘場面は中々迫力があったし、ハッセーのお●ぱいを見るだけでも大いに見る価値がある(何じゃそりゃ)。 いやさ、他の「ロミジュリ」映画が本当ロクでも無いというか。ディカプリオのなんてひでえもんだよ(絶句)
[DVD(字幕)] 8点(2014-03-12 01:04:37)
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