181. 電人ザボーガー
《ネタバレ》 井口昇の才能と70年代特撮が、ここまで相性が良いとは思わなかった。 特に、足りないスキルを根性でカバーしたCG効果が素晴らしく、バカバカしかった。最近スカしたCGで悦に入っている曽利文彦あたりには、見習ってほしい。 [DVD(邦画)] 8点(2012-08-02 00:18:21) |
182. ドラゴン・タトゥーの女
上質で渋いミステリを、いかにもフィンチャーといった演出で楽しませてもらいました。舞台や小道具、人物描写などの切れ味が、流石です。 リスベット役のルーニー・マーラも、佇まいやら立ち振る舞いやらが異様にカッコイイ。パッツンとした前髪とか、白い背中にある数個のホクロとか、パンキッシュなファッションなど、好みすぎて悶絶。あれに眉があれば、間違いなく求婚…否、満点でした。 [DVD(字幕)] 8点(2012-07-27 06:04:43) |
183. 赤毛のアン/アンの青春 完全版〈TVM〉
緩やかに流れる日常の素晴らしさを、アンと一緒に感受することのできる作品。ちと長いが、名作だった。 [DVD(字幕)] 8点(2012-06-06 00:05:34) |
184. ハウエルズ家のちょっとおかしなお葬式
《ネタバレ》 破綻しそうで、ギリギリセーフという、稀代のバランス感覚を持った良質コメディでした。とりあえず…あの精神安定剤は、素晴らしい助演。しかも脱衣率100%という優れもの。あの薬学部のカレ、天才なのかも。 [DVD(字幕)] 8点(2012-06-05 23:58:43)(良:1票) |
185. 華氏451
《ネタバレ》 「他人の自我にたえず耳を貸さねばならぬこと―それこそまさに読書ということなのだ」 【ニーチェ】 本妻の言い分に耳を貸さずアッサリ捨てて、「読書」に熱中してしまった主人公。ニーチェもさぞ「そりゃねーべよ」とお思いだろう。 そしてラストの【本の人の集落】は、興味深いですね。私もいっちょ暗誦できるくらいに一作品を読んで「彼はマスジ・イブセの【山椒魚】だ」とか紹介されてみたいもんだ。 とりあえず、最近アホウな条例を打ち出したどっかのアホウな都知事に、この作品を是非観てほしいですね。 [DVD(字幕)] 8点(2012-05-10 01:05:39) |
186. イリュージョニスト(2010)
徹底的な引き算でシンプルにまとめられた切ない脚本と演出、一切の手抜きを感じさせない繊細な美術と動画の絶妙さ、2Dと3Dの完璧に融合した手法などに、ただただ驚愕。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-13 05:01:40) |
187. 赤毛のアン/完全版〈TVM〉
《ネタバレ》 白い喜びの小道(でしたっけ)の「道じゃなくて、土手じゃね?」感や、マシューのラストの唐突さなど、ツッコミ所が無かった訳ではない。 ですが、三時間強の作品を観て「もう終わりなの?」と名残惜しさを感じたのは、この作品くらいです。 マリラの「誰もあの娘を愛さずにはいられない」という台詞で、迂闊にも泣けてしまいました。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-10 00:20:25) |
188. ミッション:8ミニッツ
《ネタバレ》 何度も訪れるバッドエンドを掻い潜り、真のハッピーエンドを追い求める、という凡百なゲームみたいな脚本と言ってしまえばそれまでだが、ラストの「8分間の世界」が途切れる瞬間に、皆が笑顔になって静止するシーンはとても気持ちがいい。 しかしその後、再び動き出した世界。これはちょっと野暮で、観様によっては幼稚なエンディングなのではないか?と、思った。 だが、この「8分経ってしまった後の世界」は、末期を迎える刹那にみた走馬灯、もしくは主人公が切り開いて得た新たな「平行世界」なのかも…と、私は考える。国のために二度も死ぬ運命を背負った男に舞い降りた、奇跡みたいなギフトなのだと。 そう考えると、このボーナストラックみたいな二度目の人生を送る彼に、ささやかなエールを送りたくなる。 観た後に、そういう様々な想像をかきたてさせてくれる佳作だったと、しみじみ思う。 [DVD(字幕)] 8点(2012-04-02 02:43:37)(良:1票) |
189. ファール・プレイ
《ネタバレ》 「タクシー客」や、オペラの「ミカド」などよりも、逮捕劇にドン退きしているオペラの観衆が、すっ呆けた法王の拍手に釣られて拍手するラストシーン。ここが何とも日本人的笑いで面白かった。 [DVD(字幕)] 8点(2012-02-04 00:25:18) |
190. ベスト・キッド(2010)
《ネタバレ》 ジェイデン・クリストファー“サイヤ〟スミスの魅力とは、なにか。 本人の努力も勿論あるのだろうが、ウィル・スミスとサイヤ人のいい所を両方キッチリ受け継いだトコロだとおもう。 最後の逆サマーソルトキックはホントに格好良く、超驚いた。 [DVD(吹替)] 8点(2012-01-10 00:35:13) |
191. マッハ!!!!!!!!
アクション映画界で、ここまで美しいヒジ打ちとヒザ蹴りを撮った映画は、ないとおもう。 [DVD(字幕)] 8点(2012-01-03 00:21:31) |
192. チップス先生さようなら(1939)
《ネタバレ》 私も「ドナウの水面は青く美しい」と言えるような生き方が、したい。今の私が見ても、たぶん茶色く見えるんだろうなぁ。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-04 06:43:55) |
193. 青春の殺人者
《ネタバレ》 母親や恋人が、主人公の贖罪の機会をどんどん奪っていく展開に、異様な空恐ろしさを感じる。 主人公の葛藤や苦悶、母親役の市原悦子の演技や恋人役の原田美枝子の演技よりも、主人公の事態・事情・生い立ち・人間関係などの泥沼を払拭しきれない「どうしようもない四面楚歌」が、私には恐ろしかった。 こういうギラギラした邦画、もう出てこないんですかねぇ。長谷川和彦の監督復帰を、心から願うばかりですわ。竹書房の某麻雀大会とかで、余計な活躍とかしている場合じゃないですよ。 [DVD(邦画)] 8点(2011-09-12 08:33:29)(良:1票) |
194. 機動警察パトレイバー
この頃の押井作品には、いかにもアニメ然としたコミカルさとケレン味があって、面白い。 最近の押井監督は、そのコミカルさとシリアスさを分断して作品を作っているように見受けますが、こういう清濁併せ持った演出のエンタテイメント・アニメ作品を、また観てみたいもんです。 [DVD(邦画)] 8点(2011-09-06 01:25:41) |
195. コクリコ坂から
港のシーンや、台所のシーンなど、飛び降り後の「ずぶ濡れボーイ・ミーツ・ガール」なシーンも含め、全編なんしか、瑞々しい。 特に「肉屋まで乗せてってやるよ」とチャリンコ二人乗りで坂道を下るシーン、そしてその肉屋でコロッケをシェアするシーンなんて、瑞々し過ぎて卒倒しそうになりました。 その「瑞々しさ」だけでなく、若さゆえの葛藤や切なさ、勢い、などの心情描写も、非常に旨い。 1960年代の横浜や、コクリコ荘、特にカルチェラタンなどの舞台設定も、実に旨く機能していて、面白かった。 蛇足ですが、左官屋の娘が哲学部のムサイ男の前で漆喰を器用に滑らせるシーンと、ちょっとズレた美大生っぽいメガネ女子・ハルに、宮崎吾郎の「萌えどころ」を垣間見たような気がするのは…気のせいだろうか。(超個人的な萌え所を、ひとのせいにするな!) [映画館(邦画)] 8点(2011-08-20 06:06:27) |
196. 狼の死刑宣告
切なくもあり、痛快。「人呪わば穴二つ」という言葉がホントにシックリくる映画。 パリッとした服装から、徐々に薄汚れてゆき、最終的には怪物化していった父親の様相が、実に象徴的でした。ケビン・ベーコンの怪演技ならでは、と言った感じ。 [DVD(字幕)] 8点(2011-08-03 02:07:23)(良:1票) |
197. ゴールデンスランバー(2009)
国家権力という巨大な怪物に、平凡な男の特別でない能力と、その彼と人との縁が勝ってしまう。 それを愚にもつかないファンタジーだと、感じるかどうかは人それぞれだと思うが、私は痛快だった。ちょっとしたご都合主義も、ご愛嬌。 [DVD(邦画)] 8点(2011-08-01 03:12:00)(良:1票) |
198. 刑事コロンボ/逆転の構図<TVM>
《ネタバレ》 コロンボの反則スレスレな解決や、車のポンコツっぷり、コートのヨレヨレっぷりなど、これぞ「コロンボシリーズの代表作」といってイイ風格。 今作は、シリーズでたびたび観かける「入念に練られた計画的配偶者殺人」ですが、いやぁ、実にヤな奥さんでしたねぇ。と、独身の私は感慨深く鑑賞させていただきました。 [DVD(邦画)] 8点(2011-07-19 00:29:25) |
199. 刑事コロンボ/白鳥の歌<TVM>
《ネタバレ》 「パイルD」と同じオチかよ!と思っていたら、半歩先に用意されていたトリックが憎たらしい。 個人的には退屈でベタベタしたカントリーミュージックが大嫌いな私ですが、今作の犯人には同情しちゃいますね。悪妻と若い娘さん。二人も無慈悲に殺されていますが、命懸けの犯行という事と、反省の色も濃いということで。情状酌量の余地アリ? とりあえず、ラストの行は素晴らしかった。 [DVD(吹替)] 8点(2011-07-04 01:46:25) |
200. 借りぐらしのアリエッティ
《ネタバレ》 絶滅危惧種(未確認)の少女と、心臓に疾患を持つ少年とのくすぐったくなる様なボーイ・ミーツ・ガール・ストーリー。メインである小人目線で切り開かれる世界観に、ひたすらワクワクさせられた。 難点は音楽の演出と、ちょっと消化不良なハルさんの小狡い人物描写、後は「アリエッティ…いい名だね」という手垢つきまくりな翔の台詞でしょうか。 で、アリエッティに対して翔が言った「君たちは滅び行く運命にあるんだね」という台詞ですが、あれは病気で世界に倦んでしまった少年の在りがちな稚気だと思えば、微笑ましいんじゃないですかね。 …蛇足ですが、借りぐらし達の飲んでいた「ぽってり感」のあるお茶ですが、あれはあの(虫)サイズの「水」が持つ、表面張力ですね。我々がもし「小人化」した際には、気を付けなければいけません。表面張力を持った「ぽってり感」のある水を飲もうとすると、うっかり窒息死しちゃいますので、ご注意。(参考・柳田理科雄…って、うっかり小人化とか、ねぇよ!) [DVD(邦画)] 8点(2011-07-01 02:59:13) |