181. マイ・フェア・レディ
可愛い!衣装や演出を観るだけでもかなり楽しい。華やかでありながら可憐。まさにオードリー的。視覚も聴覚も満たされる、贅沢な贅沢な映画。結構長尺だけど飽きさせない作り。ただちょっと残念なのは、オードリーの歌声は本職の歌手による吹き替えだということ。私は観るまで知らなかったんですよ。オードリーは歌が苦手で、この作品にはかなりの覚悟で臨んで頑張って歌ったということなので、非常に残念で失望しただろうと思う。 8点(2004-01-15 15:02:10) |
182. ハンニバル(2001)
《ネタバレ》 真夜中に友人と映画館を出た後しばらく、「やべえ、レクター最高!」とぎゃーぎゃー騒いだ記憶がある。酷評されているのは後で知ったけれど、私にとっては期待には一応答えてくれる出来でした。とにかくまたレクター博士に会えて良かった。うを!アンソニー・ホプキンスってこんなに色っぽい雰囲気が出せるの!?とその色気にゾクゾクしてしまったり。そしてレイ・リオッタのあの姿は生き恥。怖いとかエグいとか以前に、恥ずかしいって。他人に内臓とか脳みそとかを引き摺り出されて晒すのって想像しただけで恥ずかしいですよ。検査で大腸1,5m奥までずずずいっとカメラ入れて医者に診てもらった女が言える話ではないですが。何にせよ、レクター博士は相変わらず気品が漂っていて素敵だった。 8点(2004-01-13 15:33:32) |
183. 人狼 JIN-ROH
気持ちの悪いアニメが蔓延している中で、こういうアニメを観ると安心する。世界観の構築も人物描写も秀逸。ポテンシャルの高さを感じる作品。やっぱり凄いですよ。女の声が不評だけれど、あんなしゃべり方する女はいる。精神状態がちょっとアレな感じにずれている人に多い。だから逆にリアル。 8点(2004-01-09 19:37:06) |
184. アダムス・ファミリー(1991)
ああ、素敵だ、何て隙のない家族なんだ。大好きだ。どこかにひっそりながらも堂々と棲息していそうな極濃ゴス家族。ゴスっぷり大全開。自分を堂々と貫ける人たちは大好き。自分は自分、他人は他人。私たち、おかしいことは何一つしてないわ、と毅然と振舞うその姿。「みんなやってるからぁ」的に回りに倣う人が多く、そこから外れる者を排斥したがる、非個性大国日本。もううんざりです。だから私は、その対極にいるこの家族が大好き。 8点(2004-01-09 15:13:04) |
185. 愛のコリーダ
衝撃。ここまで性愛を突き詰めた映画は、今の時点では他には知らない。実際に行為をしていることや派手な性描写を売り物にする作品は数多いけれど、この作品ほど本質的にグロいものはそうそうない。あの濃密な空間。吐き気がするほどの情愛がいっぱいに満ちた、爛れた愛の臭いのする部屋。美術セットの美しさも視覚に焼き付く。阿部定は、1997年位まで生きたらしい。90歳を超えるまで。愛欲や情念に生きる女はなぜか長生きするもの。恋愛に長けた女は生き賢い。やっぱり性と生は密接に結び付いているものなのだろうか…などとぼんやり考えてしまった。私が観たのは「愛のコリーダ2000」の方でしたが、ここに書かせて頂きます。 8点(2004-01-08 20:05:36) |
186. ジュラシック・パーク
公開当時、映画館に家族で足を運んだ。スクリーンに恐竜が現れた時のあの、衝撃。第1次CG革命というか、CG映画の黎明期の作品だけれど、今観ても古くない。充分通用する。今後映画におけるCG依存がこれ以上増加することが良いことなのかどうかは分からないけれど、とにかくこの作品により、映画が新しい世代に足を踏み入れたのは確か。新世代の映画でありエポック・メイキングな作品。その点には敬意を表したい。 8点(2004-01-07 23:26:21) |
187. ロッタちゃん はじめてのおつかい
最初は《ああ…クソガキだ…》と思って観ていても、最後には、《何て可愛らしい…》と思えて来てしまう。ロッタちゃんマ~ジ~ック!いい感じに期待を裏切って驚かせてくれます。4歳位の頃何となく母親を驚かせてやろうと雲印ネオソフト(仮名)を半分食べて3日下痢をした私(文字通りクソガキだね!)とは大違いですね。身のある行動とサプライズを見せてくれるロッタちゃんは偉いですよ。 8点(2004-01-06 17:02:21)(笑:1票) |
188. 風が吹くとき
世界中の人が、きちんと観なければいけない類の映画。そして、作品自体の時間の何万倍もかけて、その意味するものを考えなければならない映画。 8点(2004-01-05 20:42:16) |
189. PiCNiC(1994)
《ネタバレ》 岩井俊二のイメージが私の中で固まった一作。よく、彼は雰囲気だけの監督だと揶揄されるし、私もそれを否定する気も正直ないのだけれど、雰囲気を出すこと、それも1つの才能だと思う。彼ほど独特の浮遊感と絶望感、寂寥感のある空気を作り出せる日本人監督はいない。とにかく世界観に浸りたい映画。錯覚だとしても、世界の終わりがそこにはある。たった1時間弱のフィルムの中に集約されて。自己が終わったときに、世界はある意味終わる。世界の終わりの疑似体験。ちなみに途中で1人死ぬのは、撮影途中にラブラブになったCHARAと浅野忠信を2人きりにする為に、監督が途中で脚本変更したから。 8点(2004-01-04 21:11:41)(良:1票) |
190. ミクロキッズ
わくわくする。冒頭のお洒落くさいアニメーションからして掴みがある。子供向けの作品だけれど、大人が観ても童心に戻れて充分楽しめる。大長編ドラえもんシリーズなんかを夢中になって観た世代は楽しめるんじゃないかな。自分の中の童心に語りかけてくれます。ディズニーはこういう映画だけ作っていて欲しいところ。リック・モラニスは、「ゴーストバスターズ」といいこの作品といい、お間抜けだけど憎めない、というような役がとてもよくハマる。 8点(2004-01-03 17:38:01) |
191. マトリックス
私は、プチパラノイアな人間なので、今でもたまにこういうことは考える。昔から、風呂に入る前に脱衣所で服を脱いでいる時などに、《今、私は風呂に入る気満々で思いっきりまっぱでいるけれど、それは私だけが勝手に作り出した現実で、実はここは学校の教室で、しかも授業中で、みんなはいきなり脱ぎだした私を唖然として見ているのかも…》とか。あは…はは…はは…。まあ、色んなバージョンがあります。それが中学校の時、某ギャグ漫画で似たようなことが描かれていて、そのコミックが友人間で流行った時、「ああ…あたしも思ったことある…」と静かにつぶやく友人が続出し、「なんだ…私だけじゃなかったんだ…」と密かに安心した。この映画はそういう妄想を、莫大な制作費を費やして、思いっきり実も蓋もなく堂々と提起した、サイコ映画な訳です。それを、先端的な技術やアクションを馬鹿みたいに惜しみなくぶち込むことにより、オブラートに包んで、大衆性を持たせた。ウォシャウスキー兄弟が、自身の引き出しの中に持っていたあらゆるオタク要素を詰め込み、作り上げたバーチャル・リアリティ。究極の夢オチ映画。根本を見ると、もともと人間がどこかで考えていたことを素直に表現しただけのごくごく素直な映画。ただ、今までそれを表現する手腕を持つ人が現れなかった。ウォシャウスキー兄弟は、凄い。オタクの力は、怖い。 8点(2004-01-03 16:34:31)(良:2票) |
192. タンク・ガール
ストーリー云々はどうでもいい。ほんとにどうでもいい。有って無いようなものだから。これは「女の子映画」。パンクでキッチュなタンク・ガールのクールでキュートな魅力を堪能する映画。彼女のファッション、最高!公開当時この映画は、10代の女の子向け某ファッション誌に特集を組まれていた。それを見た10代の私は、「イイ!」と思いましたよ。それにしても今考えると、当時のロリー・ペティーもナオミ・ワッツも、結構大人だったのですね。勝手に20歳前後位かと思ってましたよ。タンク・ガール、三十路だった。DVDが出ないので残念だけれど、こないだレンタル落ちでビデオを100円で入手しました。得しました。 8点(2004-01-03 00:43:02) |
193. E.T.
子供は、変な思想とか大志なんか持たなくていい。半径数メートルの近しい者を、理屈なんてなく、ただただ守りたい。それで世界が完結していていい。勝手だけど、とても大事な気持ちです。いやらしい理屈なんか抜き。そう考えたらいい映画です。 8点(2003-12-31 20:29:33) |
194. ルナ・パパ
一概にファンタジーとは言い切れない、とてもノンジャンルな何とも言えない雰囲気の映画なのだけれど、その微妙な感じが決して不愉快ではなく、むしろ楽しい。ヨーロッパなのかアジアなのか中東なのか、一体この世のどこにある場所なのか、いつの時代の話なのか、それすらも分からない。本当に不思議な不思議な世界観。不思議で柔らかい雰囲気に翻弄されることに浸る映画。でもね、ストーリーは物凄く悲惨なんですよ(笑)。そこがまた、不思議なところで。主役のチュルバンがまた、とても可愛らしいんですよ。 8点(2003-12-30 19:45:17) |
195. 昼下りの情事
《ネタバレ》 何ていじらしい。いいラストシーンだなあ。それにしても、彼はすごいプレイボーイのくせに、あの娘が男慣れしてないことくらい本当に見抜けないものなの?と思ったり。まあ、男性は意外とそういうことに鈍感だったりするし。あと私はあの後オードリーが幸せになったかどうかは考えないようにしている(笑)。この映画はあのラストシーンで完結しているのです。ええ、完結しているのです。 8点(2003-12-30 19:16:53) |
196. 仕立て屋の恋
この監督は何か…女に対して何か歪曲した妄執があるのか?と毎回思う。この監督にとってはいつも女性は聖女なのだ。偏執狂的で一途で純粋で不毛な、中年男の恋を描かせたらこの監督は一流。この人の右に出る者はいない。彼の作品は結構どれも尺が短いけれど、その短い時間でコレだけの情念を表現するというのは凄い。毎回思う。究極の恋って何?と聞かれたら、やっぱりこういうものを言うのだと思う。自意識だけで完結している、ある意味完成された恋。切ないです。 8点(2003-12-30 17:09:02)(良:1票) |
197. モモ
哲学チックで教訓的で、とてもドイツ的な物語。でも難解ではなく、易しい。子供向けの映画ではあるけれど、そのテーマ性には身につまされるものがある方も多いのではないかと思う。セットなどがしょぼいのはご愛嬌。素敵な映画ですよ。日々時間に追われる方、そんな自分を考えてしまう方、ぜひぜひ可愛いモモに出会ってみて下さいな。 8点(2003-12-30 16:36:12) |
198. 屋根の上のバイオリン弾き
《ネタバレ》 衛星放送でやっていて、こんな長い映画どうせ全部観れやしないだろう、と思って観始めたのに、とうとう終わりまで目が離せず、食い入るように観入ってしまった。自分の庇護下もしくは試練の下から出て行く家族の後ろを、バイオリン弾きはそれでもどこまでも付いて行く。きっと死ぬまで。あのバイオリン弾きが何の隠喩なのかを考えるとやり切れなくなる。人生の皮肉なりペーソスなりが凝縮されていて、とても見応えがあり重く響く作品。とにかく音楽は文句なしに素晴らしい。 8点(2003-12-30 16:13:15) |
199. 日の名残り
《ネタバレ》 原作の小説も読んだ。作者は日系人。それに関係あるのかないのか、この作品で描かれるイギリスの執事は日本の侍とどこか似ている。自分の属するものに対する忠誠心と禁欲的なまでの自縛精神。ともすれば時代錯誤になりそうな物語だが、魅せる。人生においてたった1度の恋、そしてその決着。自らの美学で自身を縛しそれを貫くその様、そのストイックな人生哲学はただひたすらに見事。 8点(2003-12-26 21:21:45)(良:2票) |
200. プロヴァンス物語/マルセルの夏
こんなに何も起こらないのに、充分に人を惹き付け満足させることも出来る。10代の頃の私の目から大きなうろこを落とさせてくれた作品。ああ、いいなあ。のんびり、ほわほわ。牧歌的で、ゆったり。心のささくれ立った方にぜひぜひお勧めしたい。 8点(2003-12-26 16:57:12) |